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令和4年において、インターネット違法・有害情報相談センターに寄せられた相談件数(※)は5,745件となり、令和3年にピークとなった6,329件と比較して減少はしているものの、依然として高止まりを続けています。
また、相談の内訳では47.0%にあたる2,702件が「名誉毀損・信用毀損」でした。
令和6年の通常国会では、プロバイダ責任制限法を情報流通プラットフォーム対処法へと改正する法案が可決・公布されるなど、法整備が進みつつあるものの、現実的にインターネット上での誹謗中傷やトラブルを根絶することは難しいといえます。
多くの人がスマートフォンを持ちSNSを日常的に利用する現代では、実態としてどの程度の人がSNS上での誹謗中傷を経験しているのでしょうか。
「ベンナビIT」が主体となり、15歳から59歳の男女3,000人を対象として、アンケートを実施しました。
※ 令和4年度インターネット上の違法・有害情報対応相談業務等請負業務報告書(概要版)|総務省
1.当調査のデータを引用・転載する場合には、「出典:ベンナビIT(株式会社アシロ)」の表記をお願いいたします。
2.出典元として本ページへのリンクをお願いいたします。
調査対象: 15歳~59歳の男女3,000人
性別割合: 10代(600人) 20代・30代(各年代800人) 40代・50代(各年代400人)
調査方法: Freeasyを用いたインターネットリサーチ
調査日 : 2024年6月4日(火)~ 2024年6月5日(水)
以下同じ)が「普段からSNSを利用(閲覧)している」と回答
15歳から59歳の男女3,000人を対象として、「普段どのSNSを利用(閲覧)していますか?」と質問したところ、最多は2,019人の「YouTube」となりました。
その後に1,778人が回答した「LINE」が続き、4番目となる1,414人の「Instagram」まで1,000人を超える方の回答が続きます。
他方で15.6%にあたる469人が「SNSは利用(閲覧)しない」と回答していることから、84.4%の方が普段からSNSを利用していることがわかりました。
続いて、上記質問でSNSを利用すると回答した2,531人に対して「SNSに書き込み(投稿・コメント・リプライ等を含む)をしたことはありますか?」と質問したところ、53.1%が「ある」と回答。
普段からSNSを利用する方のうち、半数以上は閲覧だけではなく、発信にも利用していることがわかりました。
SNSを利用すると回答した2,531人に対して「SNSを利用する目的はなんですか?」と質問したところ、1,797人が「情報収集のため」と回答し最多となりました。
一方で704人が「家族・友人同士の近況報告のため」と回答するだけではなく、434人が「自分の行動の記録のため」と回答しており、閲覧だけではなく、情報の発信や記録のためにもSNSが利用されているようです。
また、SNSに書き込みをしたことがあると回答した1,343人に対して「SNSで書き込み(投稿・コメント・リプライ等を含む)をする際、誹謗中傷にならないよう気をつけていますか?」と質問したところ、54.7%が「とても気をつけている」と回答。
「まったく気をつけていない」と回答した方は3.6%に留まり、実に96.4%は、自分の書き込みが誹謗中傷にならないように配慮していることがわかります。
続いて、15歳から59歳の男女3,000人を対象として「SNSでの誹謗中傷にあたる書き込みが「名誉毀損罪」や「侮辱罪」等になる可能性があるのを知っていますか?」と質問したところ、69.2%の方が「知っている」と回答。
昨今はSNSでの誹謗中傷に関する事件やニュースを耳にすることが多く、半数以上の方が認知していることがわかりました。
一方で、同じ方を対象に「SNSで誹謗中傷をされたら、どこへ相談すべきか、どう対処するのが適切なのかを知っていますか?」と質問したところ、「知っている」と回答した方は25.0%に留まり、多くの方がSNSでの誹謗中傷の対処方法を認知していないことがわかりました。
続いて、普段からSNSを利用すると回答した2,531人に対して「SNSで自分が傷つくような書き込み(投稿・コメント・リプライ等を含む)をされたことがありますか?」と質問したところ、13.0%が「ある」と回答。
多くの方は誹謗中傷を受けたことがないと回答しているものの、10人に1人以上が、SNSでの誹謗中傷被害に遭っていることがわかりました。
また、SNSでの誹謗中傷を受けたことがある方の中から、無作為に選定した150人に対して「受けた誹謗中傷の内容はどんなものでしたか?」と質問したところ、94人が「人格を否定するような悪口(頭が悪い、育ちが悪い、ブサイクなど)」と回答。
誹謗中傷を受けた方のうち、3人に2人は人格を否定されている事実が明らかになりました。
続いて「誹謗中傷をされた際、どのように対処をしましたか?」と質問したところ、67人が「ブロックやミュートなどで誹謗中傷の書き込みを見えなくした」と回答し最多となりました。
次点で57人が「SNSの通報・報告機能を使って通報した」と回答していることから、まずはSNSやアプリ上の機能を活用して対応していることがわかります。
何かしらの対処をした方の合計は84.7%となりましたが、他方で15.3%の方は「何もせず対処しなかった」と回答しました。
さらに、上記の質問で「SNSの通報・報告機能を使って通報した」、「誹謗中傷に対して反撃する投稿をした」、「誹謗中傷してきた人に書き込みを削除するよう伝えた」、「SNS運営者に削除依頼をした」、「弁護士に依頼して法的な削除・開示請求の手続きをした」、「警察に相談した」、「公的な窓口に相談した」を回答し、書き込みをした相手に働きかける対処をした方に対して「対処して誹謗中傷はどうなりましたか?」と質問したところ、42.9%が「書き込みは削除された」と回答し最多となりました。
16.5%の方は「書き込みが削除され、投稿者に何かしらの制裁もできた」と回答しており、59.3%の方は対処した成果が出たといえます。
一方で、27.5%は「書き込みは削除されなかった」、9.9%は「書き込みは削除されず、誹謗中傷が増えるなど状況が悪化した」と回答していることから、誹謗中傷への対応は必ずしも成果が出るものとはいえないことがわかります。
また、「書き込みが削除され、投稿者に何かしらの制裁もできた」と回答した方に対して具体的な制裁内容を質問したところ、100万円〜200万円の範囲内で慰謝料請求をしたケースがあるようです。
続いて、「誹謗中傷をされた際、どのように対処をしましたか?」という質問に対して「何もせず対処しなかった」と回答した23人に対して、「対処しなかったのはなぜですか?」と質問したところ、半数以上にあたる12人が「対処しても無駄だと思ったから」と回答。
また、4人が「どう対処すればよいかわからなかったから」、3人が「どこに相談すればよいかわからなかったから」と回答しており、SNSでの誹謗中傷を受けた際の対処方法に関する認知拡大に課題があることが判明しました。
本調査では多くの方が日常的にSNSを利用しており、また半数以上は書き込みや投稿も行っていることがわかりました。
また、SNSを利用している方のうち、10人に1人はSNS上で誹謗中傷を受けたことがあると回答していることから、誰しもがこうしたトラブルの当事者になり得てしまうようです。
また、SNSでの誹謗中傷が「名誉毀損罪」や「侮辱罪」になり得る事実の認知度は高いものの、実際にその被害を受けた際の対処法に関する認知度は低く、法整備と共にこれらの認知拡大が急務といえます。
誰かの人格を否定するような書き込みや、権利を侵害するような書き込みは決して許されるものではありませんが、現実としてそうした書き込みを根絶することは不可能です。
しかし、一人ひとりが適切な対処方法や相談先を知ることで、こうしたトラブルから身を守ることができます。
15歳〜59歳の男女3,000人を対象として、SNSでの誹謗中傷に関する調査を実施いたしました。
高校生以下の子どもを持つ親4,259人を対象として、子どものスマートフォンに関するトラブルの実態について調査を実施しました。
高校生以下の子どもを持つ親4,259人を対象として、子どものスマートフォンに関するトラブルの実態について調査を実施しました。
15歳〜59歳の男女3,000人を対象として、SNSでの誹謗中傷に関する調査を実施いたしました。