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誹謗中傷で請求できる慰謝料の相場と弁護士費用の相場
誹謗中傷 2018.11.19 弁護士監修記事

誹謗中傷で請求できる慰謝料の相場と弁護士費用の相場

U&T vessel法律事務所
田中圭祐 弁護士
監修記事
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日常的に第三者から誹謗中傷を受けることはありますが、誹謗中傷をした相手に慰謝料を請求することができるのかは気になるところです。実際のところ、慰謝料を請求するためには、誹謗中傷を受けたことにより法的に権利を侵害されたことを主張しなければなりません。

今回の記事では、誹謗中傷により慰謝料が請求できるための要件、請求した際の慰謝料の相場、実際に慰謝料を請求する方法についてまとめました。

誹謗中傷により法的に権利侵害が行われた場合に慰謝料を請求できる

冒頭でお伝えした通り、慰謝料の請求は、誹謗中傷によって権利が侵害された場合に行うことができますが、誹謗中傷による権利侵害には、「名誉毀損」、「侮辱(名誉感情侵害)」、「プライバシーの侵害」などがあげられます。
 

名誉毀損

名誉毀損とは、公の場で、他人の社会的評価(評判)を落とすような事実を適示する行為を言います。

名誉毀損に該当するケース

例えばですが、ネット上に、「〇〇は〇〇と不倫をしていた」と書き込んだ場合や、「〇〇は〇〇罪で警察に逮捕されたことがある」と職場で言いふらした場合は、名誉毀損に該当します。公の場で他人の評判を落とすような事実を適示すれば名誉毀損となりますので、適示した事実が真実であるかどうかは問われません。

つまりは、実際に不倫をしていたかどうか、または逮捕歴があるかどうかは問われないということです。

名誉毀損に該当しないケース

しかし、誹謗中傷の内容によっては名誉毀損が成立しない場合があります。発言や投稿が、一般社会の利害に関する事項で(公共性)、もっぱら社会の利益を図る目的をもってなされたものであり(公益性)、かつ、その内容が真実(真実性)の場合です。 

例えばですが、政治家のスキャンダルを週刊誌が掲載する場合や、報道機関が重大な犯罪を報道する場合などがあげられます。
 

侮辱

侮辱とは、第三者の名誉感情を侵害する行為を言います。名誉毀損と異なり、事実の適示は不要なので、悪口や、攻撃的な発言が典型的な侮辱となります。

侮辱に該当するケース

例えば、職場内で「〇〇はブスでデブだ」と言い放つ行為や、「〇〇は気持ち悪いから死んだ方がよい」などとネット上に公開することは侮辱に該当します。

侮辱に該当しないケース

侮辱行為として権利侵害が認められるためには、「侮辱行為の違法性が強度で、社会通念上許容される限度を超えた場合」とするのが、判例です。

そのため、「あいつは気に入らない」とか、「あいつの書いた本は面白くない」といった、個人の否定的な評価が記載されているだけでは、権利侵害とはなりません。
 

プライバシーの侵害

プライバシーの侵害とは、本人が公開を望まないにも関わらず、個人情報や私生活上のこと公表することです。

プライバシーの侵害に該当するケース

例えばですが、職場内で「〇〇さんの年収は〇〇円だって」と言いふらす行為や、「〇〇の家は〇〇駅のセブンイレブンの近くにある」とネット上で氏名や住所を公開することはプライバシーの侵害に該当します。

プライバシーの侵害に該当しないケース

プライバシーの侵害は、真実である、または真実らしく受け取れることが求められるため、全くのでたらめを言いふらした場合は、プライバシーの侵害に該当しません。また、友達同士の内輪で、言いふらした程度ではプライバシーの侵害があったとするのは難しいでしょう。
 

誹謗中傷により請求できる慰謝料の相場

では、誹謗中傷を受けた方が、請求することができる慰謝料の相場について説明していきます。
 

名誉毀損による慰謝料の相場

名誉毀損によって損害賠償請求した場合の慰謝料の相場は、一般人の場合で10~50万円です。それに対して事業主が名誉毀損を受けた場合、売上に影響がでるため、慰謝料の額は50~100万円になります。また、名誉毀損は誹謗中傷の内容の真実性は問われませんが、誹謗中傷の内容が虚偽の場合、慰謝料の額が高くなる傾向にあります。
 

侮辱による慰謝料の相場

誹謗中傷の内容が、侮辱に該当する場合の慰謝料の相場は、10~50万円を目安に考えてください。
 

プライバシー侵害による慰謝料の相場

プライバシーの侵害の場合も同様に、慰謝料の相場は10~50万円を目安に考えてください。

ヌード写真の場合はより高額になる

ヌード写真の公開もプライバシーの侵害に該当します。プライバシー権侵害の慰謝料は、どれだけ人に知られたくない事項かということが重要となるので、ヌード写真を公開されたような場合、100万円以上の慰謝料が認められる場合があります。また、案件によっては数百万円の慰謝料を請求できる場合もあると言われております。
 

慰謝料が高額になる場合とは

また、テレビや雑誌などのメディアが権利侵害を行った場合、慰謝料は高額になると言われております。さらに有名人・芸能人が誹謗中傷の対象になった場合も慰謝料は高額になります。ただし、有名人や芸能人の誹謗中傷に関しては、公益性が認められる場合があるので、注意が必要です。
 

慰謝料請求にかかる費用

では慰謝料請求するにあたりどれくらいの費用がかかるのでしょうか。一般的に慰謝料請求するための、損害賠償請求の弁護士費用は、

<裁判外>

  • 着手金:10~20万円程度
  • 報酬金:慰謝料の16%程度

<裁判>

  • 着手金:20~30万円程度
  • 報酬金:慰謝料の16%程度
  • 裁判費用の実費:3万円程度

上記の通りになります。また、ネット上で誹謗中傷された場合、書き込みを行った人を特定しなければなりません。書き込みを行った人を特定するためには、別途で弁護士費用が発生しますが、費用の相場は下記の通りになります。

<裁判外>

  • 着手金:10~20万円程度
  • 報酬金:10~20万円程度

事務所によっては、着手金のみで、報酬金を取らないケースもありますので、大体総額で20~30万円程度が相場になります。

<裁判>

  • 着手金:20~30万円程度
  • 報酬金:15~20万円程度
  • 裁判費用の実費:6万円程度

裁判の場合は、まず、掲示板に対して発信者情報(IPアドレス等)の開示請求を行い、その後で、通信事業会社に発信者情報(投稿者の氏名や住所など)の開示請求を行う必要があります。

書き込みの件数や裁判を起こす件数によって、費用が変わってきます。また、掲示板の運営者が海外の会社である場合などには、通常よりも高額な費用がかかります。そのため、総額で50~100万円程度がかかることが多いようです。

ただし、誰が書いたかを特定する手続きにかかった費用は、書込みを行った者に請求できため、回収できるケースが多いようです。

損害賠償請求の金額は、慰謝料+上記の裁判費用ということになります。
 

誹謗中傷により慰謝料を請求する方法と手順

では、最後に誹謗中傷を受けた方が、慰謝料を請求するまでの手順を説明していきます。
 

証拠を保存する

誹謗中傷に関する情報は全て保存してください。ネット上で誹謗中傷された方は、書き込みされた日付と共に、スクリーンショット機能を用いて保存するといいでしょう。会社や学校などで誹謗中傷を受けた方は、レコーダーに誹謗中傷の内容を保存する、その場にいた人に証人になってもらうといいでしょう。
 

サイトの管理会社へIPアドレスを請求する

ネット上で誹謗中傷を受けた方は、書き込みを行った人の身元を特定しなければなりません。特定するために、まずは書き込みが行われたサイトの管理会社へ投稿者のIPアドレスを請求してください。もし請求に応じない場合は、裁判所で発信者情報開示請求の仮処分の申立を行います。
 

プロバイダの特定

請求によって入手したIPアドレスから、プロバイダ会社を特定しますが、「IP SEACH」にIPアドレスを入力することでプロバイダ会社を特定することが可能です。
 

プロバイダに対する保存請求

プロバイダが保有している情報は3か月程度で消えてしまうため、プロバイダを特定したら、プロバイダへアクセスログ等の保存請求をする必要があります。
 

プロバイダに対し発信者情報開示請求

無事保存が完了した旨通知があった後で、プロバイダ会社へ発信者情報開示請求訴訟を提起し、この請求により投稿者の氏名・住所が特定されます。
 

投稿者へ慰謝料を請求する

今度は、投稿者へ損害賠償請求を行いますが、直接、投稿者へ慰謝料の交渉を行います。交渉は弁護士に依頼することが一般的であり、まずは書面でのやりとりから交渉を始めます。書面に弁護士の名前が記載されていることで、慰謝料の請求に応じやすくなるでしょう。もし、慰謝料の話合いがまとまらない場合は、損害賠償請求訴訟を提起することになります。
 

まとめ

誹謗中傷を受けた方は、どれくらいの慰謝料が請求できるのか、またそれに対して弁護士費用がどれくらいかかるのか気になるところです。しかし、慰謝料は案件によって異なる上、弁護士費用も弁護士事務所によって違います。そのため、誹謗中傷によって慰謝料を請求したい方は、まずは弁護士事務所に相談して見積もりをだしてもらうと良いでしょう。

参考:誹謗中傷の被害を相談できる窓口4つ

この記事の監修者
U&T vessel法律事務所
田中圭祐 弁護士 (東京弁護士会)
掲示板やSNSなど、ネット上の誹謗中傷問題に注力。書き込み削除から情報開示請求、犯人の特定まで対応する。書き込まれた側だけでなく、書き込んだ側からの相談にも応じ、依頼者の状況に合わせたサービスを提供。

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相護士ナビ編集部

本記事はIT弁護士ナビを運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※IT弁護士ナビに掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。
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