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信用毀損罪をわかりやすく解説|事例(判例)と対処法をチェック
誹謗中傷 2019.7.29 弁護士監修記事

信用毀損罪をわかりやすく解説|事例(判例)と対処法をチェック

弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤康二 弁護士
監修記事
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信用毀損罪(しんようきそんざい)とは、故意に嘘の噂を流したり人を騙したりして、他者の信用を傷つける犯罪のことです。

ネット上の誹謗中傷が当該犯罪に該当するようなケースもあります。

この記事では、インターネット上の投稿について、信用毀損罪が成立するケースについて簡潔にご紹介します。

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信用毀損罪とはどのような犯罪か

信用毀損罪は刑法では、以下のように定められています。

(信用毀損及び業務妨害)
第二百三十三条 虚偽の風説を流布し、又は偽計を用いて、人の信用を毀損し…た者は、三年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。

【引用】刑法233

上記の法律文を簡単に説明すると、信用毀損罪は嘘の情報を伝えることで他人の信用を傷つけることで成立する犯罪といえます。

信用毀損は通常は企業に対する犯罪行為である場合が多いですが、刑法上は客体を法人に限定していませんので、個人が被害者となる場合もあり得ます。

『信用』が意味するもの

信用毀損罪における『信用』とは、基本的には、経済的な信用(例えば、個人の支払能力や会社の資産など)を意味しますが、それに限定されず、商品やサービスの品質に対する信用も含まれると考えられています。

したがって、相手の支払能力や経済力を貶めるような嘘をつく場合はもちろん、相手の商品の品質を貶めるような嘘を吐く場合も、信用毀損罪が成立する可能性があります。

例えば、「あの会社は経営が火の車であり、早晩潰れる」という嘘を付く場合や「あの飲食店は腐りかけの食材を使って料理を提供している」という嘘をつく場合などがこれに該当します。

信用毀損罪は親告罪ではない

信用毀損罪は親告罪ではないので、被害者による告訴がなくても刑事事件として立件される可能性があります。もっとも、被害者から一切被害申告がない状態で、警察がこれを事件化する可能性は低いのが実情です。

なお、被害者の立場としてであれば、自身に対する信用毀損行為について刑事事件化を望むのであれば、捜査機関に対しては被害申告だけではなく、刑事告訴することも検討するべきでしょう。

被害申告だけでは捜査機関には捜査義務は生じませんが、告訴があれば捜査義務が生じるからです。

噂が虚偽でなく真実だと成立しない

信用毀損罪は、『虚偽の風説』『偽計』を用いて他者の信用を傷つけた際に成立する犯罪です。つまり、伝えた情報が仮に相手の信用を傷つけるものであっても、当該情報が真実である場合には、信用毀損罪は成立しません。

また、信用毀損罪は故意犯ですので、加害者は自身の情報が嘘であることを認識している必要があります。そのため、嘘の情報を真実であると認識してもやむを得ないような状況であれば、信用毀損の故意がなく、やはり犯罪は成立しません

もっとも、これは信用毀損罪についての事柄であり、伝達する情報の内容によっては、名誉毀損などの別罪が成立する可能性は否定できませんので、注意しましょう。

信用毀損罪になる虚偽情報の例

信用毀損罪となり得る投稿例を3つご紹介します。

あの会社はもう倒産寸前だから関わるのは避けたほうがいい

毎回いちゃもんをつけて支払いを拒否する最悪の会社

あいつは自己破産の経験があるから融資は絶対にするな

信用毀損罪の判例

平成15年の最高裁判で、信用毀損罪の『信用』の定義に関わる判決が出た事例があるので、その内容をご紹介します。

判例の概要

コンビニで購入した飲料に洗剤を投入した被告が、警察に対して購入した飲料に異物が入っていたと虚偽申告をし、その旨がニュース報道されてしまった事件。裁判では、企業が扱う商品に対する評価も、刑法233条の『信用』に該当すると判断されて、信用毀損罪の成立が認められた。

【参考】最高裁平成15年 3 月11日第三小法廷判決

従前は、信用毀損罪における『信用』は、人の支払能力や支払意思に関する経済的信用を意味するという考え方が主流でした。

しかし、上記判例は「信用」には経済的信用だけでなく、商品やサービスの品質に係る信用も含まれると判断しました。

そのため、上記のとおり、現在では企業が販売する商品や提供するサービスの品質を貶めるような虚偽情報を伝達する行為も、信用毀損罪が成立する可能性があると考えられています。

ただし、似たような被害状況でも必ず上記のような判決が下されるとは限りません。まずは弁護士に相談をして、意見を参考にされることをおすすめします。

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信用毀損罪と混同されやすい犯罪

信用毀損罪と混同されやすい犯罪として挙げられるのが、名誉毀損罪と偽計業務妨害罪です。

ここでは、名誉毀損罪と偽計業務妨害罪が信用毀損罪とはどう違うのかについて解説します。

名誉毀損罪との違い

名誉毀損罪とは、多くの人に伝わる可能性のある場で、人の社会的評価を落とす可能性のある事実を指摘する犯罪です。

『社会的評価を落とす可能性のある事実』には明確な定義はありません。相手の社会からの評価が低下するおそれがある内容であれば全てこれに含まれます。

例えば、「あの人はセクハラを繰り返している」「あの人は詐欺行為を繰り返している」など、一般的に後ろめたい事実と捉えられる具体的事実が含まれれば、これに該当する余地があります。

信用毀損罪と名誉毀損罪の違いですが、最も大きな違いは、信用毀損罪は伝達する情報が虚偽情報である必要があるのに対し、名誉毀損罪の場合はこれが虚偽である必要はないということです。

つまり、誹謗中傷の内容が真実であった場合、信用毀損罪は成立し得ないですが、名誉毀損罪は成立する可能性があります。

【詳細記事】名誉毀損とは|成立する要件と訴える方法をわかりやすく解説

偽計業務妨害罪との違い

偽計業務妨害罪とは、嘘の噂を流したり人を騙したりして、他者の業務を妨害する犯罪です。信用毀損罪と偽計業務妨害罪の違いは、被害の内容です。信用毀損罪は相手の『信用』が傷つけられた場合に成立しますが、偽計業務妨害は相手の正常な業務運営が阻害された場合に成立します。

もちろん、両者は重複する部分もありますので、信用毀損罪であると同時に、偽計業務妨害罪も成立する余地があるというケースもあります。

例えば、インターネットに被害企業の商品の品質を貶めるような書込みを行い、結果、被害企業に嫌がらせやクレームの電話が集中したりするなどして、その業務運営に支障が生じたようなケースでは、書込みを行った時点で信用毀損罪が成立する可能性があります。

その後、企業の業務運営に支障が生じた時点で、偽計業務妨害罪も成立する可能性があるでしょう。

信用毀損罪被害への対処法

信用毀損罪の被害に遭ったら、まずは警察への相談・被害申告を検討するべきでしょう。もし、刑事事件として捜査してもらうことを強く望むのであれば、告訴することも検討すべきです。

なお、刑事事件として立件を強く望むのであれば、民事的な手続きによって投稿者の身元情報を特定し、これを証拠として添付するなどすることも検討するべきでしょう。

このような告訴やその前提としての発信者情報開示の手続を望む場合は、専門的な知識や経験のある弁護士への相談を検討してみてください。

【詳細記事】ネット誹謗中傷の犯人特定方法|必要な期間と費用の目安を確認

※ネットでの被害は早めの相談を

投稿者を特定するには、投稿者が投稿に利用したIPアドレス情報が必要です。この情報は、投稿先サイト(掲示板やSNSなど)の管理者が保持していますので、まずは当該管理者に対してIPアドレスの開示を請求をしなくてはいけません。

しかし、管理者がIPアドレス情報を保管している期間は、通常は、投稿から3ヶ月程度と言われています。そのため、当該保管期間を過ぎてしまうと、投稿者の特定は困難になりますので、注意しましょう。

ネット被害への法的措置を検討する場合には、遅くてもサイトへの投稿から1ヶ月以内には、警察か弁護士へ相談をするようにしましょう。

弁護士費用の目安

弁護士に投稿者の特定手続きを依頼した場合に生じる費用の目安は、以下の通りです。

  • IPアドレスの開示

着手金:約10~20万円
報酬金:約10~20万円

  • 投稿者情報の開示

着手金:約20〜30万円
報酬金:約20〜30万円

なお、法律事務所によって料金体系は異なります。費用の詳細については、法律相談の際に詳しく確認しておきましょう。

まとめ

信用毀損罪とは、嘘の情報や人を騙すことで他者の信用を侵害する犯罪です。

構成要件

虚偽の風説を流布したまたは偽計を用いて、人の信用を毀損する

刑事罰

3年以下の懲役または50万円以下の罰則

ネット上での被害の場合には、IPアドレスの保存期間(サイトへの投稿からおおよそ3ヶ月)が過ぎる前に、早急に対処する必要があります。

万が一、信用毀損罪の被害者になってしまった場合には、なるべく早めに警察か弁護士への相談をご検討いただければ幸いです。

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この記事の監修者
弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤康二 弁護士 (第二東京弁護士会)
アンダーソン・毛利・友常法律事務所を経て2014年8月にプラム綜合法律事務所を設立。企業法務から一般民事、刑事事件まで総合的なリーガルサービスを提供している。

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相護士ナビ編集部

本記事はIT弁護士ナビを運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※IT弁護士ナビに掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。
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