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ネット誹謗中傷 弁護士監修記事 公開日:2020.3.6  更新日:2023.4.4

ネットの脅迫で警察が動く状況とは|脅迫罪の成立要件と対処法

弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤康二 弁護士
監修記事
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『脅迫』といえば、ひとむかし前なら電話や手紙のほか、暴力団まがいの人物が自宅や会社に押しかけてくる形態の事件が大半でした。

しかし、現代の脅迫事件ではインターネットが利用されるケースが多くなっています。

ネット上の脅迫被害について、警察は積極的な姿勢をとっています。

あなたが今まさに悩んでいるネット上の脅迫行為も、警察に相談すれば事件として対応してもらえるかもしれません。

この記事では、ネット上での脅迫被害について、警察が積極的に動いてくれる状況とはどのようなものなのかを解説します。

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ネット上の脅迫の被害でも警察は動いてくれる?

警察は、ネット上の脅迫被害でも、内容次第で積極的に事件化してくれます。

ニュースや新聞などでもたびたび報道されていますが、いまやインターネットこそが脅迫事件がもっとも発生しやすい場所となっています。

芸能人やスポーツ選手などを相手に脅迫的な投稿や書き込みが相次ぎ、逮捕者がでることもめずらしくありません。

社会のさまざまな場面でインターネットが活用されるようになった現代では、脅迫の手段としてもインターネットが悪用されるようになりました。

警察もネット上の脅迫について広く認めており「ネット脅迫だから」というだけの理由で事件化を断られることはありません。

脅迫罪が成立する状況とは

脅迫罪は刑法第222条に規定されている犯罪です。

1項:生命、身体、自由、名誉または財産に対し害を加える旨を告知して人を脅迫した者は、2年以下の懲役または30万円以下の罰金に処する。

2項:親族の生命、身体、自由、名誉または財産に対し害を加える旨を告知して人を脅迫した者も、前項と同様とする。

【引用】刑法 第222

脅迫罪は、本人または親族の生命・身体・自由・名誉・財産に対して害を加える旨を告知した場合成立します。

これを『害悪の告知』といいます。

害悪を告げる方法に制限はありません。口頭・書面などはもちろん、被害者が知ることさえできれば態度であっても成立します。

被害者が恐怖するかは関係ない

害悪の告知は、単純にいえば「こわい」と感じる内容を告げるという意味だと解することができます。

ただし、脅迫罪にいう害悪の告知は『一般人が畏怖(いふ)するに足りるもの』であればよいとされています。つまり、実際に被害者が「こわい」と感じたかどうかは問題になりません

ネット上の脅迫でたとえてみましょう。SNS上で「自宅を特定して殺す」という投稿があっても、個人を特定し得ない方法でアカウントを運用していれば、どうやっても特定できるはずがないのは明らかです。

安全にアカウントを運用している方にしてみれば「こわい」と感じるほどでもありませんが、一般的にみれば「本当に特定されて危害を加えられるかもしれない」と恐れても当然です。

この場合、たとえ被害者本人が畏怖する内容ではなくても脅迫罪が成立します。

脅迫の対象となるのは本人と親族

脅迫罪の対象になるのは、被害者本人とその親族だけです。

ここでいう親族は、民法で定められている親族を準用するとされており、6親等以内の血族・配偶者・3親等以内の姻族となります。

つまり「お前の妻を殺す」や「子どもに危害を加える」という脅しは脅迫罪になりますが、「恋人を痛めつける」「友人を殺す」などでは脅迫罪が成立しません。

ネットでよく見受けられる脅迫被害の例

ネット上でよく見受けられる脅迫被害の例をご紹介します。

  • 『殺す』や『リンチする』など危害を加える予告
  • 写真やプライバシーなどを晒すと脅される

以下のような状況が、脅迫罪の成立する状況にについて確認していきましょう。

『殺す』や『リンチする』など危害を加える予告

SNSや掲示板サイトで「殺す」「リンチする」などの具体的な危害を予告する行為は、しばしば逮捕者もでるほどの代表的な事例です。

例:掲示板サイトに「◯月◯日、△△市の□□高校に通う××くんを殺そう」という投稿を受けた

この事例では、被害者本人に対して生命の危険を告げており、明らかに脅迫罪が成立します。

さらに、日時や場所を指定していると、指定場所や周辺を警戒するために警察官も出動することになるため、脅迫罪と同時に業務妨害罪も成立する余地があるでしょう。

写真やプライバシーなどを晒すと脅される

ネット上の脅迫行為として代表的なもののひとつが「さらし」行為です。

例:SNS上でトラブルになり「おまえの住所や勤務先を顔写真つきでネットにばらまくぞ」というメッセージが送られてきた

最近では、SNSや掲示板サイトで連絡先を交換した相手に自分の顔写真や裸体などの画像を送ってしまい、これを材料に「返事をくれないとさらす」などと脅されるケースが多発しています。

ひとたびインターネット上に写真や住所などの個人情報が流出してしまうと、あっという間に拡散されてしまい、情報を完全に削除することはほぼ不可能です。

住所や連絡先がさらされてしまえばイタズラなどの標的になり、名誉、身体、財産等に不利益が及ぶ可能性があるので「さらす」「流す」などの文言があれば脅迫になる余地はあります。

脅迫罪と名誉毀損罪が重複するケース

ネット上の脅迫行為では、脅迫罪と名誉毀損罪が重複して成立するケースもあります。

例えば、「投稿を削除しないと不名誉なことをバラすぞ」というメッセージを受け取ったとします。

「投稿を削除しないと不名誉なことをバラす」という名誉に関する害悪の告知があるため、脅迫罪に該当します。そして、この脅しの後に相手が、ネット上で「◯◯さんは会社の女性と不倫している」と投稿すれば、この行為は名誉毀損罪にあたるでしょう。

このケースでは、一連の流れのなかで脅迫罪と名誉毀損罪の両方が成立しています。ただし、ひとつの行為で両方の犯罪は行われていないので、両者は『併合罪』の関係となり、刑罰が加重されます。

刑事罰

脅迫罪

2年以下の懲役または30万円以下の罰金

名誉毀損罪

3年以下の懲役もしくは禁錮または50万円以下の罰金

併合罪では、懲役刑が加重された場合は刑罰が重たいほうを基準に1.5倍、罰金刑は両方の上限を加算します。

つまり、脅迫罪と名誉毀損罪が重複したケースでは、懲役は4年6か月以下に、罰金は80万円以下に押し上げられることになるのです。

脅迫罪等の被害を警察へ相談する方法

ネット上で脅迫などの被害を受けた場合には、被害を証明する資料をそろえて警察に相談しましょう。

SNSや掲示板サイトなどでの被害なら、スマートフォンを持参するだけでも説明は可能ですが、投稿や書き込みは編集や削除が加えられる可能性があります。

警察への相談の際には、どのような被害が発生しているのかを具体的に説明できる、以下のような準備をして証拠資料を用意しておきましょう

  • ウェブページのインターネット魚拓の確保
  • ウェブページの印刷
  • 相手のユーザーネーム・IDの保全
  • 氏名・住所・連絡先(相手がわかる場合)の保全


日時もあわせて印刷しておけば、その時点で書き込みや投稿が存在していたことが明らかになります。

また、上記以外にも加害者に関してわかる情報があれば、警察への相談前に整理してまとめておいてください。

警察が動いてくれない場合の対処法

残念ながら、すべてのネット脅迫について、必ず警察が熱心に対応してくれるわけではありません。

警察官が熱心に対応しれくれず「緊急性がない」「どうせ相手も本気じゃない」といって相手にしてもらえないケースも考えられます。

警察が積極的に動いてくれない場合の対処法をみていきましょう。

  • 弁護士へ告訴の手続きを依頼する
  • 加害者を特定して民事訴訟をする

弁護士へ告訴の手続きを依頼する

警察の捜査を強制的に発動する手段として有効なのが、告訴(犯罪事実を申告して処罰を求めること)です。

告訴を受理した警察には、すみやかに捜査を遂げて検察庁に送付する義務が生じます。つまり、警察署限りで事件をお蔵入りさせることは許されません。

とはいえ、告訴は厳格な法手続きなので、犯罪が成立しない可能性や被害者における証拠が不十分であることを理由に受理されないケースも目立ちます。

確実に告訴を受理させるには、弁護士に相談して警察が不受理にできない内容の告訴状を作成してもらうのがベストでしょう。

もっとも、この場合でも必ずしも告訴が受理されるわけではないことは留意してください。

加害者を特定して民事訴訟をする

警察が積極的な捜査をしてくれない場合は、民事的な方法で解決が望める場合もあります。

弁護士に依頼すれば、匿名の相手からの脅迫であっても加害者の特定に向けた訴訟手続が可能です。

加害者が特定できれば、脅迫行為によって受けた精神的苦痛を賠償してもらかたちで損害賠償請求することになります。

賠償額自体は大した金額とならないことがほとんどですが、相手に一定の責任を取らせ、将来的な違法行為を予防するという意味はあります。

上記の手続きについて相談できる弁護士を探す>>

まとめ

ネット上での脅迫行為でも、口頭や文書などでおこなわれた場合と同じように脅迫罪が成立します。

脅迫被害に遭っているのであれば、まずは最寄りの警察署に相談して事件化を検討してもらうべきでしょう。

ただし、状況次第では警察が積極的に動いてくれないケースもあります。

その場合は、ネット分野に注力をしている弁護士へ相談をして、ご自身の状況に最善の対処法を検討してみてください。

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この記事の監修者
弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤康二 弁護士 (第二東京弁護士会)
アンダーソン・毛利・友常法律事務所を経て2014年8月にプラム綜合法律事務所を設立。企業法務から一般民事、刑事事件まで総合的なリーガルサービスを提供している。

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ベンナビIT(旧IT弁護士ナビ)編集部
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本記事はベンナビIT(旧IT弁護士ナビ)を運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※ベンナビIT(旧IT弁護士ナビ)に掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。

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