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ネット誹謗中傷 弁護士監修記事 公開日:2020.12.18  更新日:2023.1.27

ネットへの実名晒しは違法行為|罪と被害への対処法を解説

東京みらい法律事務所
甲斐 伸明 弁護士
監修記事
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インターネット利用におけるトラブルの代表例として挙げられるのが、氏名・住所・勤務先や電話番号などを無断で公開する、いわゆる『晒し(さらし)行為』です。

平成27年版の情報通信白書では、SNS上でのトラブル経験について調査をおこない、4.2%の人が個人情報の『晒し』にあった経験があると回答したことが明らかになりました。

平成27年個人情報の晒しにあった経験 情報通信白書

【引用】 平成27年版 情報通信白書|総務省

スマートフォンの普及によるインターネット利用率の増加、SNSユーザーの増加に伴い、現状ではさらに被害経験のある人が増えている可能性があります。

ネット上で他人の実名を晒す行為は、権利侵害にあたる可能性があるので見逃すわけにはいかないでしょう。

この記事では、ネットへの『実名晒し』がどのような違法になるのかの判断や、被害を受けた場合に取るべき行動、相談先について解説します。

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この記事に記載の情報は2023年01月27日時点のものです

ネットへの実名晒しはプライバシー侵害

ネット上で相手の許可なく実名を晒す行為は場合によっては『プライバシー権』の侵害にあたることがあります

プライバシー権とは、明確な定義はありませんが、日本国憲法第13条を根拠とした基本的人権のひとつとして認められています。

プライバシー侵害の成立を判断する要素は次の3点です。

  1. 私生活上の事実または事実と受け取られる可能性がある
  2. ①の事実が公開されていないものである
  3. ①の事実が通常は公開を欲しないものである

実名晒しは、単に「実名を公開する」というだけでなく、何らかほかのプライバシー情報と併せて公開されるケースが多いはずです。

たとえば「◯◯(実名)はサラ金から多額の借金がある」といった情報は、実名+「借金がある」という経済的な情報がセットになっています。

このような不名誉なプライバシー情報は、先に挙げた①~③のすべてを満たすため、プライバシー侵害が成立すると考えられるでしょう。

プライバシー侵害が成立する要件や具体的な事例については、以下記事で詳しく解説しています。

誹謗中傷や虚偽の投稿は名誉毀損になる可能性も

実名を晒すと同時に誹謗中傷などが存在する場合は、刑法の『名誉毀損罪』が成立する可能性もあります

刑法第230条1項(名誉毀損)

公然と事実を摘示し、人の名誉を毀損した者は、その事実の有無にかかわらず、3年以下の懲役もしくは禁錮または50万円以下の罰金に処する。

【引用】 刑法|e-Gov

名誉毀損が成立するのは、次の3つの要件を満たす場合です。

  • 社会的評価を下げる可能性がある
  • 具体的な事実を挙げている
  • 公然の場である

たとえばネット上で「◯◯(実名)は傷害の前科があり、いつも家族に暴力をふるっている」と投稿された場合、これら3つの要件のすべてを満たすため、原則として名誉毀損が成立します。

名誉毀損の成立で問題になりやすいのが「公然の場である」という点ですが、インターネットは不特定・多数のユーザーがアクセスできる場なので、公然性は十分に認められるでしょう。

「具体的な事実」とは、単なる感想や評価の域を超えて、真実・虚偽の確認ができる余地のある情報を指します。

「傷害の前科」や「暴力をふるう癖がある」といった情報は、個人の感想や評価ではなく確認可能な事実であり、しかも社会的評価を下げる可能性がある情報です。

実名晒し+名誉毀損にあたる情報が公開された場合は、刑事的には名誉毀損罪が成立することもあります。

名誉毀損が成立する要件や対処法も、別の記事で詳しく解説しています。

違法か判断が難しいよくあるトラブルを解説

ネット上の実名晒しは「実名+プライバシー情報」のかたちが典型的です。

このかたちならプライバシー侵害や名誉毀損が成立する可能性は高くなりますが、少しでもパターンが変形してしまうと判断が難しくなってしまいます。

ここでは実名晒しの違法性について、判断が難しい2つのケースを解説します。

匿名で活動していたのに実名を晒された

実名を明かさずに個人のブログやSNSを運営していたところ、コメント欄などで実名を明かされてしまったというケースでも、プライバシー侵害が成立します。

また、ホステスやキャバクラのような源氏名で活動している人が実名を暴露されたというような場合も、プライバシー侵害が成立する余地があるでしょう。

伏字やイニシャルで嫌がらせをされている

実名の一部を伏せ字やイニシャルに置き換えて晒されたケースでも、周辺事情や断片的な情報から個人が特定できる場合はプライバシー侵害が成立する可能性があります。

さらに、具体的な事実を挙げることで社会的評価を下げる可能性があれば、名誉毀損の成立も考えられるでしょう。

具体的には、次のようなケースで名誉毀損が成立します。

  • A株式会社営業2課に所属する部長Mと秘書Tは不倫している
  • 東京の浅草にある洋食屋O亭は腐りかけのサラダを提供している

ポイントとなるのは、伏せ字やイニシャルでも特定の個人や屋号などが特定できるのかという点です。

上の例でも、次のように変化すれば断片情報からの特定は困難なので、名誉毀損の成立が難しくなります。

  • 部長Mと秘書Tは不倫している
  • 洋食屋O亭は腐りかけのサラダを提供している

ネットに実名を晒された時の対処法

ネット上で実名を晒されてしまった場合は、その状態を放置することで実名に対する誹謗中傷などの攻撃を受けてしまうおそれがあります。

ただちに対処して実名が晒されている状態を解消しましょう。

サイト(掲示板やSNS等)へ削除依頼する

掲示板サイトやSNSのほとんどが、利用規約において個人情報を晒す行為を禁止しています。実名は個人情報にあたるため、サイトの運営者・管理者に削除を依頼すれば対応してもらえる可能性があります。

各サイト・SNSのルールに従って削除依頼の手続きを取りましょう。ただし、削除を依頼しても表現の自由などを理由に対応してくれないケースが少なくありません。

削除する・しないの判断は各サイト・SNSが独自に定めたルールやポリシーに準じるため、削除に応じてくれない場合は法的手続きによる削除を検討する必要があります。

ITトラブルの解決実績が豊富な弁護士に削除依頼を代行してもらいましょう。

実名の投稿者を特定して訴える

実名を晒した加害者に対して損害賠償請求や刑事告訴を考える場合は、どこの誰が加害者であるのかを特定する必要があります。

ところが、サイト・SNSの上では加害者も匿名であることが多いため、個人が特定できません。

実名晒しの加害者は、裁判所の手続きを利用した『発信者情報開示請求』を申し立てることで特定が可能です。

IPアドレスなどの開示と契約者情報の開示という二段階で訴訟を申し立てる必要があるうえに、データの保存期間が短くスピード感のある対応が求められるので、個人での対応は容易ではありません。

発信者情報開示請求の実績が豊富な弁護士への依頼をおすすめします。

 

なお、2022年10月27日までに改正プロバイダ責任制限法が施行されます。改正プロバイダ責任制限法では、従来2段階の裁判手続が必要だった発信者情報開示請求を、1回の非訟手続によって行うことができるようになります。これにより、被害者側の負担が軽減すると考えられるでしょう。また、ログイン時情報の発信者情報開示請求は、一定の条件はあるものの、明文で認められるようになります。

犯罪など不祥事のニュース記事の対策について

実名晒しと同時に公開されてしまう情報のなかには、過去に「事件を起こして逮捕された経歴がある」「刑務所に入っていた」などの犯罪や前科前歴に関するものも少なくありません。

社会生活への影響も大きいので、これらの情報はすみやかに削除してもらいたいと考えるのが当然です。

ところが、犯罪に関する情報は、ニュース報道などで広く公開されるものなので、削除依頼も多数のサイトに請求することになります。SNSなどで拡散されてしまえばすべてを削除するのはほぼ不可能でしょう。

また、たとえ削除を求めても、犯罪に関する情報は国民の『知る権利』として高い公益性が認められるため対応してもらえる可能性は高くありません。

逮捕歴などの情報に関する対策については、以下の記事をご参照ください。

ネットに実名が晒された時の相談先

ネット上で実名が晒されてしまい、個人での対応が難しいと感じたら、ただちに各種の相談窓口を活用しましょう。

有効な対策についてアドバイスやサポートがもらえる窓口としては、次の3つが考えられます。

  • 法務省の人権相談窓口
  • 最寄りの警察署またはサイバー犯罪相談窓口
  • 弁護士

法務省|被害への助言・サポート

法務省・地方法務局が開設している人権相談窓口では、人権侵害にあたるトラブルへのアドバイスや解決に向けたサポートを提供しています。

全国共通の『みんなの人権110番』による電話相談や、パソコン・携帯電話・スマートフォンから利用できる『インターネット人権相談受付窓口』で相談を受け付けているので、まずは気軽に相談してみるとよいでしょう

警察|刑事告訴の手続き

実名晒しと同時に誹謗中傷などの被害を受けている場合は、名誉毀損事件として管轄の警察署への刑事告訴を検討することになるでしょう。

都道府県警察が開設している『サイバー犯罪相談窓口』でも、一般的な相談や刑事告訴に向けた助言が得られます。

ただし、プライバシー侵害自体の刑事罰はないため、単に実名を晒されたという状況では、警察は動いてくれないので注意してください。

弁護士|削除代行・訴訟の依頼

弁護士は、あなたの代理人として次に挙げる内容のサポートが可能です。

  • 各サイトやSNS運営者に対する削除依頼の代行
  • 投稿者の特定に向けた発信者情報開示請求の代行
  • 損害賠償請求の代行
  • 刑事告訴に向けた手続きの代行

弁護士への相談は有料で、30分あたり5,000円程度の相談費用がかかりますが、初回に限って30分までは無料で相談を受け付けている事務所もあります。

各種の手続き代行を依頼した場合の費用相場は以下のとおりです。

削除依頼の代行(任意での削除)

10~20万円

削除依頼の代行(仮処分での削除)

約35万円

発信者情報開示請求の代行

70~85万円

損害賠償請求の代行(交渉)

着手金:約10万円

報酬金:賠償金の16%

損害賠償請求の代行(裁判)

着手金:約20万円

報酬金:賠償金の16%

刑事告訴の手続き代行

50~80万円

※書き込み件数や法律事務所の料金体系によって費用は変わります

いずれの手続きを取る場合でも、決して安くはない弁護士費用の支払いが必要です。

弁護士費用を無駄にしないためにも、実名晒しの被害を解決するにはITトラブルの解決実績が豊富な弁護士を選びましょう。

まとめ

ネット上で実名を晒されてしまうと、日常生活に多大な影響が生じます。

実名で誹謗中傷を受ける、ブログやSNSが閉鎖に追い込まれるといった事態も想定されるので、早急な対処が肝心です。

ネットでの実名晒しの被害を受けてしまったら、ただちにITトラブルに詳しい弁護士に相談してアドバイスを求めましょう。

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この記事の監修者
東京みらい法律事務所
甲斐 伸明 弁護士 (東京弁護士会)
2005年弁護士登録。インターネットの普及に伴うさまざまなトラブルに対し、培ってきた様々な知識・経験を活かし、被害者に寄り添う。テレビなどメディアでの掲載実績も多数有。

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相護士ナビ編集部

本記事はIT弁護士ナビを運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※IT弁護士ナビに掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。

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