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ネット誹謗中傷 公開日:2020.12.18  更新日:2020.12.24 弁護士監修記事

誹謗中傷の具体例まとめ|違法になる書き込みを例で解説

東京みらい法律事務所
甲斐 伸明 弁護士
監修記事
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最近は芸能人への誹謗中傷に関するニュースがよく報道されるようになりました。

SNSなどによって情報拡散のスピードが非常に速くなったため、悪質な誹謗中傷は社会的評価や日常生活の平穏までをも脅かす暴力となります。

とはいえ、法律ではなにが誹謗中傷にあたるのかの明確な基準は示されていません。

だからこそ、悪質な誹謗中傷の被害に遭っている方は「いま起きている被害が誹謗中傷にあたるのか」と迷ってしまうでしょう。

この記事では、誹謗中傷にあたる書き込みの実例を挙げながら、どのような書き込みが誹謗中傷にあたるのかを解説していきます。

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当記事における誹謗中傷の定義

この記事における誹謗中傷とは、刑法において定められている名誉毀損罪または侮辱罪に該当する可能性が高いものを誹謗中傷と定義します。

名誉毀損罪・侮辱罪の判断基準は次のとおりです。

誹謗中傷による権利侵害の具体例

名誉毀損

公然の場で具体的な事実を挙げたうえで第三者の評判を落とす行為

(例:あいつは不倫している、あいつは前科持ちだ)

侮辱

公然の場で具体的事実を挙げないで第三者の評判を落とす行為

(例:昔からずっと根暗、仕事ができない落ちこぼれ)

違法になる可能性が高い誹謗中傷の具体例

誹謗中傷が刑法の名誉毀損罪または侮辱罪にあたる可能性がある具体例をみていきましょう。

事実無根の書き込み

第三者への嫌がらせとして評判を落とすために事実無根の情報を書き込む行為は誹謗中傷にあたります。

<名誉毀損の具体例>

  • ◯◯さんは世間を賑わせている殺人事件の容疑者だ
  • ◯◯さんは会社でセクハラを繰り返して処分を受けたらしい

事実無根の書き込みは具体的な事実を指摘するものが多いため、名誉毀損罪に該当する可能性が高いでしょう。

社会的評価を下げる恐れがある書き込み

一般的に考えて、周囲の人からの評価が下がるような事実を書き込む行為は誹謗中傷に考えられます。

<名誉毀損の具体例>

  • ◯◯さんは過去に事件を起こして逮捕されたことがある
  • ◯◯さんは会社の同僚と不倫をしている

隠しごとの暴露も具体的な事実を指摘するものが多く、名誉毀損罪に該当する可能性があります。

容姿をけなす書き込み

個人の容姿をけなす書き込みも誹謗中傷にあたる可能性があります。

<侮辱の具体例>

  • 太っているくせにカッコいいと勘違いしている
  • 誰にも相手にされないくらいのブスだ

個人の容姿は主観的な要素が強いため、明確な判断基準はありません。

具体的な事実の摘示にあたる可能性は低いため、侮辱にあたる可能性が高いでしょう。

人格否定をする書き込み

人格否定とは、人の性格や本質を否定することを意味します。

<侮辱の具体例>

  • 彼は犯罪者の息子だからきっと暴力的な性格に違いない
  • ◯◯さんは母子家庭で育ったから学力も低い
  • 田舎育ちだからファッション感覚がない

人の性格や本質は、評価の基準がないため具体的な事実の摘示にあたりません。

侮辱にあたる可能性が高いものの、例文のように「犯罪者の息子だ」といった隠しごとを含む場合は名誉毀損に該当する可能性もあります。

悪質な口コミ・レビュー

グルメサイトなどのようにユーザーが自由な意見を投稿できる場では、悪質な口コミ・レビューが誹謗中傷にあたる可能性があります。

<名誉毀損の具体例>

  • 洋食屋の◯◯で食事をしたら食材が腐っていたので腹痛を起こした

<侮辱の具体例>

  • ◯◯という店員はブスのくせに美容コスメを販売している

対象となる個人や店舗の評判をおとしめる目的で投稿された悪質な口コミ・レビューは、事実の摘示があれば名誉毀損に、抽象的なものであれば侮辱にあたります。

しかし投稿内容が真実であれば正当な評価として違法にはなりません。

そして、刑事でも民事でも実際は真実ではないことの証明までこちらでしなければなりません。短い口コミでは、この反真実の立証が容易ではないので、刑事はもちろん、民事でも法的手続をとることは難しいことが多いです。

法的措置が取られた誹謗中傷の実例

誹謗中傷に対して法的措置が取られた実例を、裁判所の判断とともにみていきましょう。

「殺害予告をされた」と虚偽の投稿

Twitter上で著作物の利用方法についてトラブルに発展し、漫画家である原告Aが「全力で潰します」とツイートしたところ被告Bが「Aさんに◯害予告を受けた」とツイートした事例です。

【詳細】 平成24(ワ)24571 損害賠償等請求事件

裁判所は、漫画家として活動している原告Aにとって、伏せ字とはいえ「殺害予告をするような人物だ」と評価されることが社会的評価を下げるものだと判断しました。

ただし、当該ツイートが公開されていた時間はわずか4時間程度です。多数のユーザーが閲覧したとはいえないため、請求額100万円に対して裁判所が認めたのは15万円にとどまったという点も注目すべきでしょう。

誹謗中傷が多数の目に触れたのかによって、賠償額が大きく変化することを示した実例だともいえます。

独裁者のように振舞っている印象を与える投稿

政党の代表である原告Aについて、批判的な立場であった被告BがTwitter上で「異論を出したものを叩きつぶし党への恭順を誓わせてその従順さに満足する」と投稿した事例です。

【詳細】 平成29(ワ)11605  損害賠償請求事件

裁判所は、原告Aがまるで独裁者のように振舞って周囲を従わせているかのように捉えられる内容である点が名誉毀損にあたると判断し、被告に対して損害賠償の支払いを命じました。

なお、原告の請求額は550万円でしたが、名誉毀損に至った経緯は「過失である」と認定されたため、裁判所が認めた賠償額は30万円にとどまっています。

なりすましで第三者を罵倒する投稿

原告Aが利用しているSNSにアクセスした被告Bが、原告Aのアカウントになりすまし、差別用語や侮辱表現を用いた罵詈雑言の投稿を繰り返した事例です。

【詳細】 平成29(ワ)1649  損害賠償請求事件

なりすましによる投稿に加えて、原告Aが使用していたプロフィール画像を利用しており、名誉権・プライバシー権・肖像権などの侵害が問題となりました。

裁判所はなりすましによる権利侵害を認めつつも、なりすまし行為がサイト内だけであり社会生活にまでは被害が及んでいないとして、慰謝料600万円の請求に対し60万円の支払いを命じています。

違法か判断が難しい誹謗中傷の扱い

以下のような誹謗中傷は違法になるのかと疑問を抱く人は多いです。

  • ハンドルネーム(匿名)への誹謗中傷
  • 公益性のある不正・不祥事の暴露

ここでは、上記のような誹謗中傷の扱いについて解説いたします。

ハンドルネーム(匿名)への誹謗中傷

ハンドルネームに対する誹謗中傷でも、明らかに自分に向けられているものだと認識できる場合には、名誉感情侵害(侮辱)に該当することがあります。

また、ハンドルネームが周囲に認知されているものである場合には、名誉毀損が成立する余地もあるでしょう。

【関連記事】
ハンドルネームへの名誉毀損が成立する可能性が低い理由について
伏字・イニシャルでも名誉毀損が成立するケースと被害への対処法

公益性のある不正・不祥事の暴露

名誉毀損にあたる内容でも、次の3つの条件を満たす場合は違法性が認められません

  • 挙げた事実に公共性がある
  • 公益目的での行為である
  • 情報の内容が真実であるか真実と信じるに足りる相当な理由がある

たとえば、政治家の汚職や芸能人のスキャンダル、企業の不正などは、広く国民の関心ごととして公益性が認められる可能性があります。

ただし、名誉毀損の成立が否定されるのは情報が真実であるか、または真実と信じるに足りる相当な理由がある場合のみです。

事実無根の投稿や、憶測のみで本人の社会的評価をおとしめる投稿は、名誉毀損の成立が期待できるでしょう。

【関連記事】真実でも罪になる?名誉毀損が成立する事実の摘示にあたる行為とは

誹謗中傷と批判との違いについて

ネット上の誹謗中傷を判断するにあたって問題となるのが『批判』との境界です。

インターネットは自由な意見を公開できる場でもあるため、誹謗中傷にあたる投稿でも投稿者本人は「正当な批判だ」と考えている可能性もあります。

誹謗中傷と批判の違いについて、法的に明確な基準は存在しません

ここでも「この程度の内容からは誹謗中傷になる」「ここまでは批判として認められる」という境界を示すことはできませんが、判断材料としては攻撃性や方法が挙げられます。

攻撃性

  • 特定の人物や企業などの評価をおとしめる目的がある
  • 指摘の内容が商品やサービスではなく個人の人格や容姿である

方法

  • 攻撃的な投稿が多数回にわたって繰り返されている
  • 正当な批判にとどまらない差別的・侮辱的な表現が用いられている

インターネットが発達している現代社会においては、ある程度の自由な批判は許容されるでしょう。

ただし、表現の自由を傘に着た悪意のある投稿は誹謗中傷にあたる可能性があるため、判断が難しい場合は弁護士に相談してアドバイスを求めるのが賢明です。

判断が難しい場合は弁護士の意見を参考に

ネットでの誹謗中傷は、ネット社会だけにとどまるものではなく、現実社会における生活や仕事にも大きな影響を与えます。

ときには厳しい批判でも正当なものとして認められる可能性はありますが、攻撃的な意図をもって執拗におこなわれる誹謗中傷は犯罪行為です。

ご自身に向けて寄せられている投稿が誹謗中傷にあたるのか、それとも正当な批判に該当するのかの判断に迷っているなら、弁護士にアドバイスを求めましょう。

弁護士に相談すれば、過去の事例や判例に照らした正確な判断が期待できます。相談の際は、ITトラブルの解決実績が豊富な弁護士を選びましょう。

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この記事の監修者
東京みらい法律事務所
甲斐 伸明 弁護士 (東京弁護士会)
2005年弁護士登録。インターネットの普及に伴うさまざまなトラブルに対し、培ってきた様々な知識・経験を活かし、被害者に寄り添う。テレビなどメディアでの掲載実績も多数有。

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相護士ナビ編集部

本記事はIT弁護士ナビを運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※IT弁護士ナビに掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。
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