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架空請求メールにはどんな手口がある?架空請求の概要と対処法まとめ
架空請求 2018.1.15 弁護士監修記事

架空請求メールにはどんな手口がある?架空請求の概要と対処法まとめ

弁護士法人ネクスパート法律事務所
監修記事
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契約していないにも関わらず請求メールが来たり、インターネットサイトを見ていたら画面が切り替わって請求画面が出たという経験はあるでしょうか?

対象の人物へ有料サイト代とか退会違約金などといったウソの理由で多額の支払を要求する、いわゆる架空請求詐欺のですが、形式としてはメールによるものとサイト(アダルトサイトが多い)に入ったり、サイト内のリンクを踏んだりしたときに請求画面を表示させるようなものがあります。

「訴訟を起こす」、「家族にバラす」など脅されてしまったら、大事にしたくないし、誰にもバレないうちにさっさと支払わなくては・・・という考えにもなるかと思います。しかし、これは詐欺です。契約もしていないのに支払ってはいけません。

今回はインターネット上における電子メールの送付による架空請求についてお伝えしますが、架空請求メールとはどのようなもので、どう対処すればいいのかをお伝えします。

電子メールの架空請求はどんなものか

PCやスマートフォンなどを利用し、ありもしない請求メールを送る架空請求メール。

メールの文面はどのようなものでしょうか?こちらは大阪府の公式サイトで公開されている架空請求の一例の画像です。

引用:大阪府 身に覚えの無い有料サイトの料金請求

上の画像のようにメールにそのまま請求の文面を記載してくることもあれば、仮登録しているから○○日以内に退会手続きをしないと本登録になるから連絡してね!とメール内のアドレスを踏ませ、退会手続き料を求めてきたり、あるいは退会手続きのためと称して個人情報を要求するなど、方法は様々です。

例えばこんな架空請求の方法があります。

  • 劇場型の架空請求メール
  • SMSを利用し実在する企業や団体、債権回収業者の名前を使う
  • 督促手続や少額訴訟手続といった裁判手続きを悪用する
  • マイナンバー制度を悪用する

劇場型の架空請求メール

騙す過程で複数の人物(企業、弁護士など)が現れ、それらの役をそれぞれ演じ金銭を要求する「劇場型詐欺」の一種です。

同一人物、あるいは同一の業者が別人を装って脅しをかける形の架空請求です。

架空請求メールでは、はじめに心当たりの無いインターネットサイトの登録料や登録料を支払わなかったことに対する遅延損害金を請求し、何日以内に支払わなければ財産差し押さえなどというメールを送りつけてきます。その後、○○弁護士などと名乗る宛先からメールが送られてきて、メール内のアドレスを踏ませようとするものです。

SMSを利用し実在する企業や団体、債権回収業者の名前を使う

SMS(ショートメッセージサービス)を用いて、実在する企業・事業者名または債権回収会社名を名乗って、メッセージに記載された電話番号にかけさせる手口です。

督促手続や少額訴訟手続といった裁判手続きを騙ったり悪用する

架空請求業者からインターネットサイトの利用料金などを求める嘘の裁判通知メールが送られてくるというものです。

このような電子メールで送られてくるようなものに関しては放置しておけばいいのですが、裁判所の手続きを悪用して、本当に裁判所から督促手続(とくそくてつづき)や少額訴訟手続きの書類が送られてくることがあります。

架空請求業者のメールまたは裁判所を偽った業者からの書類送付と異なり、裁判所からの連絡を無視すると不利益を被る可能性がありますので、まずはその書類が本当に裁判所から送られてきたのかを確認しなければなりません

本物の裁判所からの通知は特別送達という方法で送られてくる

督促手続や少額訴訟手続きに関して裁判所から通知がある場合は、原則として、普通郵便ではなく特別送達という形で対象者の元へ送られてきます。

特別送達は普通郵便のように郵便受けに入れられることはなく、郵便配達員から手渡しされ、さらに署名と押印をする必要があります。受け取り拒否はできず、対象の人が拒否しても郵便配達員がその場に通知を置いていけば通知が完了したことになります。

したがって「本物の」裁判所からの通知であれば郵便配達員が手渡しをしようとするのですから、その段階を踏まない場合は本物の裁判所からではないということになります。

もしも本当の裁判所からの通知かどうかわからない場合は、消費生活センターに相談し、確認することをオススメしますが、送られてきた連絡先に連絡をとってはいけません。

裁判所には裁判所の公式サイトが存在しますので、所轄の裁判所に連絡し、本物の通知かどうか確認しましょう。

参考:裁判所 各地の裁判所の所在地・電話番号等一覧

送り主が本物の裁判所からだった場合どうすればいいのか

架空請求ではあるけれども、裁判手続きを悪用することで、本物の裁判所からの通知が来ることがあります。この場合、無視をすると厄介なことになりかねせん。理不尽かもしれませんが、督促異議の申立て、あるいは答弁書を裁判所に提出しましょう。

マイナンバー制度を悪用する

訴訟履歴が登録されるなどというメールが送られてくる

国民消費生活組合という名前で「マイナンバーに関する大切なお知らせ」というメールが送られてくる事案があります。

  • マイナンバーに訴訟履歴が登録される
  • 民事訴訟に関する最終手続きが完了した

などということが記載されています。

マイナンバーから訴訟履歴が判ることはありえないので、メールに対して返信したり、電話をかけてはいけません。

総務省と名乗りメールを送りつけてくる

総務省を名乗った者からメールが送られてくる事案も報告されています。件名「マイナンバー確定のお知らせ」で「マイナンバー制度が確定したので、記載のURLにて確認してください」という文面が送られてくるものです。

総務省のHPでは、注意喚起がなされており、総務省からそのようなメールは送っていないのでメール内のアドレスにアクセスしないよう呼びかけられています。

参考:総務省 総務省をかたったマイナンバー関係の不審なメールにご注意ください

架空請求メールの対処法1|サイト利用の有無によって判断

サイトを利用していないとき|支払は不要!身に覚えのないメールは無視

対象のサイトを全く使った覚えがないのに架空請求が来たときはとにかく無視しましょう。間違っても支払ってはいけません。

また相手にメールを返したり、電話をしたりしないように注意しましょう。

サイトを利用していたとき

サイトは確かに使ったけれど…というときですが、有料だと判断しづらい表記だったり、契約の確認画面の表示がない場合、錯誤による契約の無効を主張できることもあります。「有料契約」をしたという認識がなければ、心当たりのないサイトのときと同様に、まずは無視をしておきましょう。こちらから個人情報を教えてはなりません。

架空請求メールの対処法2 | 状況ごとに対処すべき項目

架空請求メールが送られてきたというときに、それに対してあなたが今どういう状況であるかによってなにをするか考えなければなりません。

  • 架空請求メールが送られてきた
  • 架空請求メール内のアドレスをクリックしてしまった
  • メール内の電話番号にかけてしまった
  • 自身のメールアドレスや電話番号が知られてしまい連絡が来る

心当たりがなければまず無視

架空請求メールが送られてきたということは、メールアドレスまたはショートメールサービス(SMS)を利用した電話番号への送信だと思われますが、前者の場合はあなたのメールアドレスがなんらか理由で流出している可能性があります。

またSMSの場合は電話番号が流出しているとは限らず、ランダムに送りつけ、たまたまあなたの電話番号に合致したというだけ、ということが考えられます。いずれにしてもやはり無視しておくことが得策であり、不用意に返信したり、または電話をかけてしまったりした場合、個人情報を更に相手方へ教えてしまうだけでなく、理由をつけ支払請求を受けることになります。

SMSは受信拒否設定ができます。下記のリンクよりお調べください。

参考:docomo SMS拒否設定 Soft Bank 迷惑メール対策をする(SMS/MMS) au迷惑SMS (Cメール) 防止方法

IPアドレスや個体識別番号が画面に表示される

ケースによってはあなたのIPアドレスや個体識別番号というものを表示してくることがありますが、あなたの個人情報がバレたわけではありません。

まずIPアドレスというのは、ネットワーク上の機器、つまりPCやスマートフォンを識別するために個々に割り当てられた数字のことで、ここから使用者の詳細な住所などの個人情報はわかりません。プロバイダーや携帯電話会社が開示すればわかりますが、個人情報保護の観点から、プロバイダーも携帯電話会社も開示は絶対にありえません。

個体識別番号というのはあくまでもお使いの携帯電話の型番や製品番号を示すものであって、あなたの名前や住所、電話番号やメールアドレスといったあなた個人を特定しうる情報はここからは判りません。

つまりただの脅しです。名前など出さずにわざわざIPアドレスや機種の情報を出すことから判るように、そのくらいしか相手はあなたのことを知らないのです。

メール本文のアドレスをクリック・電話をかけてしまった場合

架空請求メール内に記載されていたアドレスをクリックしてしまい、サイトに入ったときに登録されたことにされ、高額な請求を受けることがあります。メールが送られてきたとき同様、無視してしまってかまいません

アクセスしただけで契約されたのかどうかですが、まず一般的に契約に関しては申込をした人に重過失がない場合であればその契約を無効にすることができます。今回のように電子消費者契約にあたるときは、申込みの意思がないにも関わらず申し込みのためのボタンをクリックしてしまった場合において、重過失があったかどうかを問わず錯誤無効主張をすることができます。

※契約は契約の当事者同士の意思表示が合致することで成立しますが、表示の合致だけでなく、本人の内心と意思表示も一致していなければなりません。

参考:電子消費者契約及び電子承諾通知に関する民法の特例に関する法律(平成十三年六月二十九日法律第九十五号)

自身のメールアドレスや電話番号が知られてしまい連絡が来る

個人情報が、よくわからない誰かに知られてしまうことはとても不安だと思いますが、それでも相手へ連絡をとってはいけません。メールアドレスも電話番号も変更してしまえば連絡が来ることも無くなりますので、変更することもひとつの手です。

架空請求メールの被害にあったときに誰に相談する?

基本的には無視してしまえば済む架空請求メールですが、個人情報が相手に知られてしまい執拗に支払を要求されたり、あるいは支払ってしまった場合は、警察や消費生活センターに相談しましょう。

詳しくは「架空請求は基本無視!無視がNGな例外的なケースと無視できない場合の対処法」の記事をご覧ください。

まとめ

最後に今回の記事をまとめました。

  • 心当たりの無い請求メールについては無視する
  • メール内のアドレスにアクセスしたり、電話番号にかけたりしてはいけない
  • 裁判所を装った通知が自宅に送られてくることもあるが、本当に裁判所から通知が来るときは、原則として特別送達という方法で、手渡しで行われる。
  • 架空請求ではあるけれど裁判所へ手続きをとり、本当に裁判所から通知が送られてくることがあるけれど、この場合は無視してはいけない
  • 架空請求メールについて悩んでいる方は警察や消費生活センターへ相談しに行く

この記事の監修者
弁護士法人ネクスパート法律事務所
2016年1月に寺垣弁護士、佐藤弁護士の2名により設立。現在の在籍弁護士は14名(2018年1月時点)。遺産相続、交通事故、離婚などの民事事件や刑事事件、企業法務まで幅広い分野を取り扱っている

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相護士ナビ編集部

本記事はIT弁護士ナビを運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※IT弁護士ナビに掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。
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