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SNS担当者必見!企業の炎上予防策と炎上時の対応
IT・ネット法務 2018.7.2 弁護士監修記事

SNS担当者必見!企業の炎上予防策と炎上時の対応

弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤康二 弁護士
監修記事
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炎上とは、企業や個人の不適切な発言や行動がインターネット上で拡散し、非難が殺到して収拾がつかなくなることをいいます。

企業の公式アカウント上の発言や従業員の不適切な行動が原因で炎上すると、企業のブランドに深刻な影響が及ぶおそれがあります。

この記事では、企業ができる炎上対策と、万が一炎上してしまったときの適切な対応について解説します。

 

企業が炎上する3つのパターン

炎上にはいくつかのパターンがあります。炎上対策を考えるときには、まず炎上のパターンを理解しておきましょう。

 

会社が発信した情報が炎上

企業自ら発信した公式情報が炎上するパターンです。最近は企業が Twitter や FacebookなどのSNSの公式アカウントを利用して情報発信をするケースが増えています。

SNSは企業の認知度を上げるために有効な手段ではありますが、担当者が不適切な発言を行ってしまい、それが拡散して非難やクレームを集める事例が増えています。

(CNN) バーガーキング・ロシアがこのほど、ロシア人女性向けに、ワールドカップ(W杯)選手の子どもを妊娠すれば、4万7000ドル(約520万円)獲得の権利と生涯無料でワッパーを食べられるチャンスを提供するとの広告を出した。これを受けて同社には批判が殺到、謝罪に追い込まれている。

引用:ライブドアニュース

自社のウェブサイトで発信する情報と比べて、SNSは伝播力が強いため不適切な発言が拡散しやすいのが特徴です。また、 Twitter や Facebook は情報発信が簡単にできるので、内容が精査されることなく投稿されてしまい、炎上につながることがあります。

 

従業員個人のSNSアカウントが炎上

では、企業がSNSによる情報発信を行わなければ炎上は起きないかというと、そうでもありません。社員やアルバイトが不適切な行為・発言をSNS上に投稿し、それが拡散して炎上するパターンがあるからです。

2013年頃には、食品を扱う飲食店や小売店のアルバイトが商品や什器を使用して悪ふざけをし、その写真や動画をSNS上で発信する問題が相次ぎ、『バイトテロ』と呼ばれて話題になりましたよね。

このような事態が発生すると、企業や店舗の信用が著しく損なわれ、最悪の場合は店舗が閉店に追い込まれることすらあります。

 

不祥事が拡散して炎上

商品やサービスに対するクレームがSNS上に投稿され、拡散するパターンもあります。2014年にはカップ焼きそば『ペヤング』の麺の内部にゴキブリとみられる虫が混入している画像がTwitterに投稿され、大きく報じられました。

カップ麺の「ペヤングソースやきそば」に虫の混入が指摘された問題で、製造元のまるか食品(群馬県伊勢崎市)は11日、調査の結果、製造過程で混入した可能性が否定できないとして、全商品の生産と販売を当面の間休止すると発表した。

引用:日本経済新聞

従来、クレームは企業の窓口に届いたため、一般消費者に拡散する前に対応することが可能でした。ところが、SNSの普及により、企業にクレームが届くよりも先にSNSで広まってしまうのです。

 

企業が炎上をさせないための対策

では、炎上を起こさないためにはどうすればよいのでしょうか。

 

ソーシャルメディアポリシーの作成

企業が Facebook や Twitter などのSNSを活用するときには、ソーシャルメディアポリシーを作成しておきましょう。ソーシャルメディアポリシーとは、SNSの運営方針を定め、複数の担当者が投稿の質を保つための規程です。

Twitterを活用しているNHK(日本放送協会)は、『外部SNS等を利用したコンテンツ提供について』というソーシャルメディアポリシーを定めています。この中では、原則としてほかの外部SNSアカウントに対して『いいね!』『シェア』『フォロー』などを行わないことなど基本的なルールが定められています。

ソーシャルメディアポリシーを策定する際には、このような他社の規程を参考にしたり、IT問題に精通した弁護士に策定を依頼したりするとよいでしょう。

従業員への研修

従業員の個人アカウントの炎上対策としては、従業員に対する研修によりSNSの利用方法を教育することが有効です。特にパートやアルバイトが多い流通、小売、飲食などの業種では、企業の理念や方針を全従業員に浸透させることが難しく、かつ顧客と直接接する機会が多いため、特に研修が重要です。

研修の内容としては次のようなものが考えられます。

  • 自社で定めたソーシャルメディアポリシーを理解し、定着させる
  • 過去に起きたSNSの炎上の事例を紹介し、解説する
  • SNSが炎上したときにどのようなリスクがあるのか説明する

特に、従業員の個人的なSNSの投稿が炎上して企業に損害が発生した場合には、従業員の責任も厳しく問われる可能性があることを説明することによって、炎上につながる行為を抑止することができます。

研修の講師は、ソーシャルメディアポリシーを作成した弁護士やメディアリテラシーの専門家に依頼するとよいでしょう。

 

モニタリング

炎上が発生した際には、できるだけ早い段階で異常を察知し、対策することが必要です。そのためには、普段から会社名、商品・サービス名、ブランド名、経営者名などのキーワードで“エゴサーチ”をかけ、炎上の端緒を見つけられる体制を作っておきましょう。

また、Googleが提供している『Googleアラート』を活用することで、検索キーワードや頻度、件数を設定するだけで、検索数に異常があったときに通知を受け取ることができます。

 

もし炎上してしまったときの対応は?

では、万が一SNSが炎上してしまったときにはどうすればよいのでしょうか。

 

迅速な対応が肝心

SNSが炎上してしまったときに最も重要なのは、スピーディに対応することです。企業側の対策が後手後手に回ってしまうと、時間が経つほどに被害が拡大していきます。

エゴサーチやGoogleアラートを活用してできるだけ早い段階で炎上の端緒を発見しましょう。

 

アカウントの削除や『鍵かけ』は逆効果になることも

炎上したアカウントの削除や、アカウントを非公開にする『鍵かけ』行為は、かえって逆効果になることもあります。

削除や鍵かけをすると「逃げた」と評価されて炎上をますます助長することになります。また、アカウントを削除してしまうと、そのアカウントを使ってユーザーに謝罪することができなくなってしまいます。

基本的に、アカウントの削除や鍵かけにはリスクがあることに留意しましょう。

 

投稿は削除する

炎上の原因となった不適切な投稿は、できるだけ早く削除しましょう。

投稿を削除すれば不特定多数の人に見られることはなくなると思いがちですが、たいていの場合、炎上すると初期段階でスクリーンショットなどで証拠を保存されてしまうので、あまり効果はありません。

それでも投稿を削除した方がよいのは、不適切な発言を放置しておくことによって「企業は発言内容を問題だと考えていない」と受け取られてしまうおそれがあるためです。

投稿は削除し、その後できるだけ早く謝罪を行いましょう

 

謝罪

最も重要なのはユーザーに対する謝罪です。謝罪は炎上したSNS上で行い、必要に応じてコーポレートサイトなどでも経緯の説明と謝罪文を掲載しましょう。

謝罪は形式的なものではなく、投稿によって傷ついた方、不快な思いをした方々に対するお詫びの気持ちを表明する内容にしましょう。

 

さいごに

SNSは企業の商品・サービスやブランド名を認知してもらうための有効な手段です。一方で、その拡散力ゆえに不適切な発言はあっという間に広まり、企業の価値を貶めてしまうリスクがあります。

そのようなことにならないよう、SNSを炎上させないための対策を適切に行い、万が一炎上してしまったときには被害を最小限に抑えるために迅速な対応をしましょう。

この記事の監修者
弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤康二 弁護士 (第二東京弁護士会)
アンダーソン・毛利・友常法律事務所を経て2014年8月にプラム綜合法律事務所を設立。企業法務から一般民事、刑事事件まで総合的なリーガルサービスを提供している。

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相護士ナビ編集部

本記事はIT弁護士ナビを運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※IT弁護士ナビに掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。
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