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企業におけるSNS炎上の原因と具体的対策|発生後のフローまで
IT・ネット法務 2018.8.27 弁護士監修記事

企業におけるSNS炎上の原因と具体的対策|発生後のフローまで

弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤康二 弁護士
監修記事
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世の中に素早く多くの情報を拡散させられることから、企業ではSNSマーケティングを導入し、企業アカウントを運用することが当たり前になってきました。その一方で、匿名で誰でも気軽にコメントを残せるため、誹謗中傷の対象になったり、ネット上でのトラブルに発展したりするケースも増えてきています。

 

ここでは、企業におけるネット炎上の実態や原因を解説します。その上で、具体的な対策も記述していきますので、企業のSNS運用担当者も参考にしていただければ幸いです。

 

 

1.SNS・ネット炎上時のリスク

まずは、企業のSNS運用担当者だからこそ注意したい、SNSやネット炎上のリスクについて、具体的に紹介します。

1-1.クレーム

企業のSNS運用では、FacebookやTwitter、Instagramなどの公式アカウントで投稿をすると、内容によっては批判的なコメントを受ける場合があります。

匿名でも書き込みができるSNSは、何気ない発言が批判を生む結果となります。また、SNSならではの特徴として、批判的なコメントが拡散されるのも非常に速いです。

SNSを活用して企業の販促活動を行う場合、ある程度のクレームは避けることができない要素ともいえます。クレームを避けるのではなく、企業全体でどうクレームに対処していくか、事前にルール化をしておくことが重要です。

また、さまざまなクレームに対しても、フローに沿って丁寧で真摯な説明をすることで、不本意な炎上を最小限に食い止められる可能性が大きくなります。

1-2.経営への影響など

SNSを運用していて炎上した場合に、SNS運用担当者だけで対応できるものと、別部署と連携しないと対応できないものがあります。特に、経営に直接的に影響を及ぼしかねない炎上案件については、取り扱いに十分な注意が必要です。

例えば、企業アカウントを使って守秘義務や秘密保持契約の違反を犯してしまった場合には、SNS運用担当者の解雇につながったり、損害賠償請求の対象になったりするケースも存在します。

また、企業としても炎上が起きることで、企業価値が下がる危険性が高いといえます。風評被害によって、経営状態が悪化するケースも多く見られます。

1-3.信用への影響

SNS運用は、企業の情報が瞬く間に拡散されて、商品販促活動によい影響を与える反面、誤った書き込みであっても、その情報はすぐに拡散されます。

SNS運用担当者が意図を持って書き込んだ内容でなくても、それを閲覧する SNSユーザーは、情報の信憑性について深く考えずに、拡散させてしまう可能性があるのです。

誤った情報であっても、拡散スピードが速いため、一度情報が流れてしまうと止めることは不可能に近い状態に陥ります。

場合によっては、ブランドアイデンティティーが脅かされ、信用を失墜する可能性だってあるのです。一度信用が失墜してしまうと、経営状態の悪化にもつながりますので、 SNS運用担当者だけでなく、企業全体としての対策が必要です。

2.SNS炎上の具体的事例

ここからは、実際に企業アカウントで SNS炎上が起きた事例について、より具体的にご紹介します。それぞれ特徴の異なる事例ですので、企業SNSアカントを運用する際に参考にしていただければ幸いです。

2-1.事例①ウォルト・ディズニー・ジャパン株式会社「Twitterでの留意不足」

ウォルト・ディズニー・ジャパンの事例では、2015年8月9日、長崎原爆の日に「なんでもない日おめでとう」とツイートをしたことで、Twitterには批判の声が殺到し、物議を醸しました。

ことの発端は、「不思議の国のアリス」の物語中に登場するキャラクターが「なんでもない日」を祝うというストーリーに関連してのツイートでしたが、日本では8月9日という特別な日であったため、配慮を欠いたツイートとして、炎上に至ったわけです。

ウォルト・ディズニー・ジャパン株式会社は、当該ツイートを削除し、公式サイトで「発信日についての留意が足りておらず」として謝罪しました。

参考元:8月9日ディズニーツイッターアカウントから発信したツイートについて|ウォルト・ディズニー・ジャパン株式会社
 

2-2.事例②楽天株式会社「楽天トラベルにて不適切ツイート」

楽天トラベルを運営している楽天株式会社は、楽天トラベルの公式Twitterアカウントで、2015年9月18日にシンガーソングライター・柴田淳さんの公式Twitterアカウントに「ぶさいく」とツイート。

この件を受けて、Twitterユーザーから楽天トラベルに対して、批判的な声や「担当が間違えて投稿したのでは?」、「楽天アカウント側でトラブルがあったのではないか」など、さまざまな反応が寄せられていました。

この楽天トラベルの投稿を受けて出されたシンガーソングライター・柴田淳さんの投稿は3,000リツイートを超え、高い注目を集める炎上事案に発展しました。

楽天トラベルは当該ツイートを削除し、楽天トラベルの公式アカウントから柴田淳さんに対して謝罪し、「当該のツイートは弊社の見解を示すものではございません。現在、なぜこのようなツイートが発生したのか調査しております。」と報告しました。

前章のウォルト・ディズニー・ジャパン株式会社によるツイートは、ツイート日に対する配慮が欠けたものでしたが、楽天トラベルのツイートについては、発言自体が不適切なことによる炎上事案となっています。

企業のSNSアカウントによるツイートについては、適切に運用しているつもりでも、意図せず炎上に至るケースもあります。運用については、ガイドラインを策定し、適切なルール化を行っていくことが必要です。

参考元:楽天トラベル、柴田淳さんへの「ぶさいく」暴言で炎上|おたくま経済新聞
 

2-3.事例③ユニ・チャーム株式会社「PR動画の表現方法による炎上」

ユニ・チャーム株式会社によるこの炎上事案は、2017年5月に発生しました。

事案内容としては、ユニ・チャーム株式会社が同月に公開した動画メディア「C CHANNEL」で、生理用品タンポンの紹介をする中で、「旅行の予定がキャンセルになった」などとして男性が女性の生理で困った経験を紹介。その上で、タンポンがあれば対人関係も良好にできるという趣旨の内容でした。

しかし、商品の購入対象となる女性たちから「なんで男性のために、タンポンを選ぶのか」と批判の声が殺到する事態になりました。

これを受けて、ユニ・チャーム株式会社は、あくまでも生理時の女性が気になってしまう、対人関係の不安を解消できるということを伝える意図で、動画を制作したことを報告。その上で「生理で悩む女性に負担を強いるような表現になっておりました。」として謝罪しました。さらに、この動画広告については削除する対応をとっています。

ユニ・チャーム株式会社の事案では、元々、企業側は女性の悩みを解消する目的で動画広告を制作しましたが、その中で男性の声を紹介したことで、あたかも男性のために女性が生理用品を使用する必要があるというかのような誤解を与えてしまい、本来のターゲットであるはずの女性たちからの批判で、結果的に炎上することになってしまいました。

このように、細心の注意を払っていても、ユーザーからどのように解釈されるのかという視点を忘れてしまうと、発信者側の意図と受信者側の受け取り方にズレが生じる可能性があります。

参考元:【最新版】炎上しやすいポイントはこの二つ!2018年、自社の「炎上」を防ぐための傾向と対策|BACKYARD
 

3.SNS炎上が起きやすい原因と背景

ここからは、SNS炎上が起きやすい原因と背景についてご紹介します。SNS炎上の背景には、どのような事象が隠れているのか、また直接的な原因はどこにあるのかを具体的に理解し、SNS炎上の対策を講じていきましょう。

3-1.SNS炎上の原因について

まずはSNS炎上の原因について解説します。SNSは、匿名性の高いメディアですので、どうしても炎上リスクが高くなる傾向にあります。主な原因をおさえて炎上対策に移行しましょう。

3-1-1.気軽さによる社会的な規範意識やモラルの欠如

SNSは、匿名性が高く誰もが自由に発言できる場所です。それに加えて、 スマートフォンの利用率の高まりを背景に、より気軽に利用できるようになり、SNSの普及率は増加の一途をたどっています。

総務省による平成29年版情報通信白書によると、「LINE」「Facebook」「Twitter」「mixi」「Mobage」「GREE」などのSNSのいずれかを利用している人の割合が2012年では41.4%でしたが、2016年には71.2%にまで上昇しています。

また、2012年段階では10代、20代を中心に利用率が高かったものの、2016年には、10〜60代まで幅広い世代で高い利用率となっています。

年代を問わず利用できる気軽さは多くの人にとって魅力となっている一方で、情報リテラシーが未熟な人でも簡単に、しかも匿名で情報を発信・拡散することを可能にしていることから、社会的な規範意識やモラルが欠如した状況をSNSの世界に生み出す要因になっているといえます。

参考元:平成29年版情報通信白書|総務省
 

3-1-2.誤解を招く発言

SNS炎上の具体的な原因の一つとして、発信者側の誤解を招く発言も大いに関係しています。

例えば、SNS炎上の具体的事例の章で紹介したウォルト・ディズニー・ジャパン株式会社の炎上事案も、「なんでもない日おめでとう」というTwitter上での、一見すると抽象的な発言が誤解を生みました。

この炎上事案については、ツイートする日に対しての発信者側の配慮が欠けたことが根本的な原因ですが、元々、発信者側に誰かを傷つける意図はなかったはずです。しかし、Twitter利用者から見ると配慮の欠けた発言で、結果的に誤解が生じてしまいました。

さらに、Twitterでは140文字という文字数制限(執筆時点)があり、表現できる内容が制限されるため、慎重に言葉を選ばなければ誤解を生む情報発信につながります。

SNSで投稿をする際には、正確に事実関係を把握したり、SNS運用担当者を複数配置したりして、第三者目線で事前に内容を検証することも重要です。

3-1-3.ユーザーからの告発によるもの

企業のSNS運用担当者が十分な確認や検証を行って投稿した内容でも、ユーザーから告発を受ける場合があります。

SNS炎上の具体的事例の章で紹介した、ユニ・チャーム株式会社の動画広告は、女性が生理のときに気になってしまう対人関係の不安を、解消するための商品提案を目的とした広告でした。

ターゲットである生理の際の対人関係の不安で悩む女性に、適切に訴求する意図でリリースされたわけですが、結果的に多くの女性から批判を浴びる形となりました。

このように、企業検証・リリースの段階では問題が認識されなかったものの、公開後に告発もしくは、批判を浴びるケースも多々あります。

企業公式アカウントでの発言や書き込みが、本当に誰かを傷つけることがないか、SNS運用担当者だけに任せるのではなく、二重・三重にチェックをする必要があります。その上で、炎上後の丁寧な対応などのアフターケアも重要です。

3-1-4.企業従業員による悪質性の高い投稿によるもの

匿名で投稿できるSNSは、企業SNS公式アカウントからのみ炎上するとは限りません。例えば、企業従業員による個人アカウントで、勤務する企業の「秘密情報」や「顧客情報」を漏洩させてしまった場合にも、炎上が発生します。

このようなケースでは、従業員は勤務する企業に対して「損害賠償の支払い義務」を負うことになる可能性もあります。

企業側からすると、機密情報の漏洩があった場合、従業員に対し、雇用上の義務に違反したとして損害賠償責任を請求できます。

3-2.SNS炎上を加速させる背景要因 

ここでは、SNS炎上を加速させる背景要因に迫っていきます。 SNS炎上には、直接的な要因のほかに、それを取り巻くSNSならではの環境という背景要因が隠されています。それらについても、具体的にご紹介していきます。

3-2-1.匿名性

SNS全般にいえることですが、匿名性が非常に高いのが特徴です。ただ、中にはFacebookのように実名登録を規約に導入しているSNSも一部あります。しかし、現状では偽名を使用している人も多く、実質的には匿名に近い状態で投稿可能です。

このように、匿名で気軽に投稿できるからこそ、SNSは、投稿内容のモラルや事実について十分な検証が行われずに、責任のない発言や書き込みが蔓延しやすい状況となるのです。

当然ながら、企業のSNS公式アカウントについては、企業の看板となる公式SNSであるわけですから、企業のSNS運用担当者が責任を持って投稿する必要があります。

ただ、SNS炎上の具体的事例の章で紹介した「楽天トラベル」のツイートのように、その気軽さゆえ、企業側の統制が十分でない中でツイートした内容が炎上を生む可能性もあります。

3-2-2.拡散のしやすさ

SNS炎上の背景要因として、拡散のしやすさは最も密接に関わっているものの一つです。例えば、Twitterを参考に見ると、ツイートした投稿内容を閲覧したフォロワーやTwitterユーザーは、リツートをワンクリック、もしくはワンタップすれば、いとも簡単に拡散していってしまいます。

SNSの拡散のしやすさは、企業の販促活動においては高い効果を発揮するため、 SNSマーケティングなどでは、重宝しますが、その反面、誤った情報やモラルが欠如したマイナスの情報も拡散されやすい傾向にあるのです。

また、ネガティブな情報を一度拡散されてしまうと、たとえ早い段階で投稿を削除しても、企業価値の低下や風評被害による経営状態の悪化は免れません。

SNSは、拡散されやすいだけに、迅速かつ丁寧な運用が求められるのです。

4.炎上に至るまでの具体的フェーズ 

炎上に至るまでの具体的フェーズを見ていきましょう。フェーズを理解することで、SNS炎上前の対応や炎上後の具体的なフロー作成に生かすことができます。

4-1.SNSで炎上元の発見と拡散

炎上と言うからには、火種が存在します。SNS炎上の火種の発見については「企業自身による発見」と「SNSを利用する告発者による発見」、また最近では企業と契約したSNS24時間監視サービスの事業者によって発見されるケースも存在します。

いずれにしても、何らかの形で炎上の元となる火種が発見されることにより、話題として取り上げられるようになるのです。

その後、その話題はSNSの拡散機能を通じて一気に、世界中に拡散されます。当然のことながら、投稿元の企業アカウントをフォローしている人はもちろん、フォローしていない人にまで拡散されることとなります。

たとえ、拡散された内容に誤りがあったとしても、一度拡散されてしまうとその流れを止めることは非常に困難になります。

4-2.炎上キーワードが検索補助に表示

SNSで炎上元が多くの人に発見されて、その後、世界中に拡散されると、炎上の事実を知ろうとする一般のインターネットユーザーが、GoogleやYahoo!で検索を行います。

それに伴い、各検索窓に企業炎上についてのサジェストキーワードが表示されるようになり、多くのインターネットユーザーが炎上について記載されている各種メディアを訪問する形になるのです。

4-3.まとめサイトやメディアでの報道

各検索エンジンの検索窓にキーワードが表示されると、次にまとめサイトなどで紹介されるようになります。まとめサイトでの紹介が多くなると、さらに企業の炎上情報が拡散されることになり、企業の経営への影響がより深刻味を増してきます。

まとめサイトの目的は、企業の炎上情報を取り扱うことにより、アクセスを集めることにあります。したがって多くのまとめサイトが、炎上情報を積極的に取り上げようとします。

まとめサイトで本格的に取り上げられると、次にテレビのニュースなどでも報道されることが増えてきます。ここまでは、インターネットユーザーを中心に企業炎上情報が出回りましたが、テレビのニュースなどで報道されることにより、さらに不特定多数の人々に情報が知れ渡ります。

4-4.炎上による経営への影響

全国的に企業の炎上情報が知れ渡ると、風評による炎上企業の商品の購入を控える動きや、ブランドイメージの悪化による経営への影響が現れます。

企業SNSアカウントの炎上により、営業停止や販売停止などにつながって仕舞えば、企業にとっての損失も大きくなるでしょう。

企業のSNSアカウントの炎上により、経営への影響が顕著に見られたのが以下の一例です。

4-4-1.企業のSNSアカウント炎上による経営への影響事例「宅配ピザ店の破産」

宅配ピザチェーン「ピザーラ」のフランチャイズ加盟店として、平成5年5月に設立した有限会社ワンダーは、平成25年にアルバイト店員が冷蔵庫に入るなどの不衛生かつ不適切な行為をSNS上にアップロードしたとして、その後炎上。

炎上後に著しく信頼が損なわれ、信用回復が不可能に。その結果、平成27年には事業停止となり、平成28年東京地裁から破産開始決定を受けました。

一部のアルバイト店員によるモラルに欠けた行為をSNSにアップロードしたことで、企業イメージが損なわれ、経営破産に至ったケースです。

今回ご紹介した事例は、ピザ店での炎上事案ですが、そのほかの飲食店でも店員による炎上が発生しています。

アルバイト店員への教育制度の適正化も叫ばれた事案となりました。

参考元:不適切写真アップのバイトテロで宅配ピザ店運営会社が破産|ITmediaビジネス
 

5.SNS炎上を防ぐ対策

ここからは、 SNS炎上を防ぐためにはどのような方法があるのか、具体的な対策を見ていきます。

5-1.ソーシャルメディアガイドラインの策定

SNSを含むソーシャルメディアガイドラインとは、企業のSNSアカウントの運用方法や取り決めについて、業種ごとに詳細に記載されているガイドラインのことです。

昨今のソーシャルメディアの普及により気軽に情報発信ができるようになった一方で、拡散性のあるソーシャルメディアは炎上発生のリスクも伴っています。炎上を未然に防ぐためには、SNS運用担当者だけでなく、企業全体の取り決めとしてソーシャルメディアの使用目的や禁止語句などをルール化し、従業員に共有することが重要です。

フローを明確にすることで、SNS炎上の防止やリスク低減に努めましょう。

5-1-1.ソーシャルメディアガイドラインの策定ポイント①「SNS投稿担当の明確化」

ソーシャルメディアガイドラインに盛り込む内容の最初のポイントとしては、SNS投稿の担当者を明確にするということです。主に、SNS運用担当者が投稿を担っていることが多いですが、企業によっては明確な担当者がおらず、日によって担当者がバラバラになっていることもあります。

担当者が明確に決定されていなければ、ソーシャルメディアガイドラインを策定しても、投稿コンテンツのルールを逸脱するリスクが高まります。

5-1-2.ソーシャルメディアガイドラインの策定ポイント②「投稿コンテンツのルール化」

ソーシャルメディアガイドラインを策定する際に、投稿コンテンツのルールを決める必要があります。当然のことですが、SNS運用担当者が複数の場合、投稿コンテンツのルールを明確にしておくことで、効率のよいSNS活用を実現します。

投稿コンテンツのルール化に明記する内容としては以下の通りです。

・更新頻度、更新のタイミング
・投稿担当者は誰にするのか
・投稿者のキャラクターはどうするか
・投稿するコンテンツ(自社商品、新着情報など)の策定
・投稿しない方がよい禁止語句の策定
・企業SNSアカウントの管理責任者を誰にするのか

少なくとも、これらの内容を投稿コンテンツのルール化の際に盛り込んでおくとよいでしょう。

5-1-3.ソーシャルメディアガイドラインの策定ポイント③「問い合わせへの対応方法策定」

企業のSNS公式アカウントが炎上する前には、企業に対してダイレクトメールや問い合わせが来る場合があります。この問い合わせの対応次第で炎上を未然に防いだり、その後のリスクを低減したりできる可能性があります。

問い合わせがあった場合は、どの程度の内容までSNS運用担当者が対応すべきなのか、SNS運用担当者では対応しきれない事案については、どの部署に引き継ぎをするのかなども、事前に決めておくとよいでしょう。

問い合わせに対応するフローを策定することで、冷静かつ丁寧な対応につなげることができます。

5-1-4.ソーシャルメディアガイドラインの策定ポイント④「SNS炎上後のフロー策定」

ソーシャルメディアガイドラインには、企業SNSアカウントの炎上防止策のほかに、万が一、炎上してしまった場合のフローについても明記しておきましょう。

炎上後のフローを明確にしておくことで、関係部署へのスムーズな連絡や迅速な対応につながります。炎上後のフロー策定に盛り込んでおいた方がよい項目については以下の通りです。

・SNSアカウントの当該投稿の削除時期
・連絡フロー(SNS運用担当者・直属の上司・広報や総務・相談窓口との連携方法について)
・事実関係の調査方法
・対応策の協議方法
・弁明や謝罪方法とその時期について

企業のSNSアカウントがひとたび炎上すると、瞬く間に拡散されてしまいます。拡散を最小限にし、経営状態への影響を少なくするためには、炎上事案の事実関係の調査をスピーディーに行い、丁寧に公式コメントを発信し、事態の収拾に努めましょう。

6.SNSが炎上してしまったら

SNS炎上に対応するソーシャルメディアガイドラインを策定したら、炎上後もフローに沿って冷静な対応をしていきましょう。具体的には、炎上状況を把握し、事実関係を調査します。

その後、必要に応じてSNS運用担当者から各部署へ共有事項を伝達し、公式コメントの発表や当該コメントの削除など対応にあたります。引き続き、炎上状況について監視し、今後の対応方針を決定しましょう。

一連のフローを迅速かつ丁寧に行うことが重要です。

7.SNS炎上による誹謗中傷に対しては法的対応も検討

これまで紹介したSNS炎上に関するフローを運用する場合でも、ありもしない企業への誹謗中傷に対しては法的対応が必要なケースもあります。誹謗中傷をそのままにしておくと、企業経営にも悪影響を及ぼしますので、迅速な対応が必要です。

企業公式SNSアカウントへの誹謗中傷は、場合によっては、「名誉毀損」や「信用毀損・業務妨害」の対象となります。

<名祖毀損>

第二百三十条

第一項

第一項:公然と事実を摘示し、人の名誉を毀損した者は、その事実の有無にかかわらず、三年以下の懲役若しくは禁錮又は五十万円以下の罰金に処する。

第二項:死者の名誉を毀損した者は、虚偽の事実を摘示することによってした場合でなければ、罰しない。

引用元:『刑法第二百三十条
 


<信用毀損・業務妨害>

第二百三十三条

虚偽の風説を流布し、又は偽計を用いて、人の信用を毀損し、又はその業務を妨害した者は、三年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。

引用元:『刑法第二百三十三条

悪質な企業SNSアカウントへの誹謗中傷に対しては、法的措置へ移行することも検討に入れましょう。

まとめ

企業におけるSNS炎上の原因をより詳細に分析し、明確なソーシャルメディアガイドラインを打ち出すことで、炎上を未然に防ぐことが重要です。その上で、炎上してしまった事案については、フローに沿って迅速かつ丁寧に対応していきましょう。

この記事の監修者
弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤康二 弁護士 (第二東京弁護士会)
アンダーソン・毛利・友常法律事務所を経て2014年8月にプラム綜合法律事務所を設立。企業法務から一般民事、刑事事件まで総合的なリーガルサービスを提供している。

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相護士ナビ編集部

本記事はIT弁護士ナビを運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※IT弁護士ナビに掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。
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