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名誉毀損の対処法 公開日:2018.5.10  更新日:2020.2.18 弁護士監修記事

名誉毀損が民事事件になるケース|刑事との違いや被害の成立要件を解説

弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤康二 弁護士
監修記事
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民法709条は、故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、被害者に対して損害賠償をする義務がある旨定めています。

この『他人の権利』には名誉権も含まれており、他人の名誉を毀損した者は民法上の不法行為として、損害賠償責任を負うことになります。

この記事では、「名誉毀損はどんな場合に認められる?」「刑事事件とはどう違うの?」など名誉毀損についての基礎知識を解説します。

名誉毀損の被害にお悩みの場合は、参考にしてみてください。

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インターネット上で受けた名誉毀損でも、犯人を特定できれば慰謝料の請求が可能です。

匿名からの書き込みだからといって、泣き寝入りをする必要はありません。

  • 投稿が名誉毀損に該当するのか
  • 書き込みはどうすれば削除できるか
  • 犯人はどうやって特定すればよいのか
  • 賠償金はいくら請求できるのか


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名誉毀損は民事か刑事での対応になる

民事と刑事での対応

名誉毀損は民法上の不法行為であると同時に、刑法上の犯罪となる可能性があります。

そのため、名誉毀損の被害者の対応としては、民事的対応としては加害者に損害賠償請求をすること、刑事的対応としては捜査機関に対して刑事告訴することが考えられます。

刑事での対応

民事での対応

  • 刑法による処罰(懲役または罰金刑)
  • 損害賠償(慰謝料)の請求
  • 名誉回復(例:謝罪文の公表など)
  • 差止請求(例:ネット投稿の削除など)

<名誉毀損の刑事罰>
3年以下の懲役若しくは禁錮、または50万円以下の罰金

<名誉毀損の慰謝料(相場)>
個人:10〜50万円
法人:50〜100万円

名誉毀損が成立する要件

名誉毀損の成立要件

単に悪口を言われた、誹謗中傷を受けたというだけでは、直ちに名誉毀損となるものではありません。

名誉毀損は、一般的には、『公然と』『具体的な事実を摘示し』『人の名誉を毀損した』行為がこれに当たります

『公然』というのは不特定または多数のことで、『事実の摘示』とは具体的な事実を挙げることです。

つまり、「不特定多数の人へ向けて、相手の社会的評価を下げる可能性のある具体的事実を挙げること」が名誉毀損となるのです。

そのため、誹謗中傷を当事者限りで行うことや具体的事実を挙げない悪口を言うことは、名誉毀損とはなりにくいといえます。

名誉毀損の民事訴訟事例

名誉毀損の判例

民事訴訟で名誉毀損の被害が認められた事例をご紹介します。

SNSのなりすまし加害者を特定して訴訟

SNSでの悪質ななりすまし行為

SNSで被害者本人の顔写真を利用してなりすまし、ネット上の第三者を罵倒するような投稿を続けて、民事訴訟に発展した事例。

【詳細】平成29(ワ)1649  損害賠償請求事件

<裁判の判決>

加害者から被害者に対して、以下の損害賠償(慰謝料&加害者特定と損害賠償請求にかかった弁護士費用)の支払いが命じられました。

  • 慰謝料60万円の支払い
  • 弁護士費用(特定手続き)58万6,000円の支払い
  • 弁護士費用(損害賠償請求の約1割)12万円の支払い

被告が行ったなりすまし行為は、第三者に原告が他者に根拠なく罵倒して場を乱す人間であるかのような誤解を与える悪質なものであり、名誉毀損の被害と損害賠償の請求が認められました。

週刊誌と週刊ネット記事の悪評に対しての訴訟

週刊誌と週刊誌ネット記事記事による虚偽

市長である原告が、被告が発行・掲載する週刊誌とWEBサイトに「茨城守谷市長の『黒すぎる市政』に地方自治法違反疑惑」と題する記事を公開されて訴訟を起こし、名誉毀損が成立した事例。

【詳細】平成29年(ワ)第18277号 謝罪広告等請求事件

<裁判の判決>

被告から原告に対して、以下の損害賠償(名誉毀損と著作権侵害の賠償&訴訟費用)の支払いが命じられました。

  • 慰謝料150万円の支払い
  • 弁護士費用(損害賠償請求の約1割)15万円の支払い
  • 週刊誌とWEBサイトへの謝罪文の掲載

週刊誌に掲載されている情報は事実なら公益性のある情報と判断されましたが、被告側には記事の内容を事実と証明できる根拠がなく、名誉基礎の被害と損害賠償請求が認められました。

名誉毀損が成立しない状況の例

名誉毀損が成立しない状況

インターネット上の誹謗中傷トラブルについて、名誉毀損の成立要件を満たしにくいものを簡単に紹介します。

  • 匿名やHNに対する誹謗中傷
  • 誹謗中傷に具体的な事実がない
  • メール(DM)での誹謗中傷

以下のような状況では、名誉毀損が成立しない可能性が高いのでご注意ください。

匿名やHNに対する誹謗中傷

「こいつは人を騙してばかりの詐欺師」とSNSアカウント(匿名)を誹謗中傷された。

匿名アカウントに対する誹謗中傷は、アカウントを管理する本人の現実での社会的評価には直ちに影響はありません

このように被害者が現実の誰かを特定できない場合は、現実の特定人の社会的評価を下げる可能性が認め難いとして名誉毀損が成立しない可能性が高いです。

なお、名誉毀損とならない場合でも、近年では誹謗中傷の投稿はサイトの利用規約で場合がほとんどです。サイトへ違反報告をすることで、投稿の削除に応じてもらうことはできそうです。

誹謗中傷に具体的な事実がない

「あいつは人として終わってるから付き合わない方がいい」と実名を出されてネットに書き込まれた。

「あいつは人として終わっている」は個人の感想・意見に過ぎず、具体的な事実ではありません。

このような「バカ」や「きもい」などの主観的な誹謗中傷は、具体的な事実を提示するものではなく名誉毀損が成立しない可能性が高いです。

なお、具体的な事実が挙げられていなくても、公然の場で他者の社会的評価を下げる可能性がある言動を行う行為は侮辱行為として別途責任を問われる可能性はあります。

メール(DM)での誹謗中傷

「犯罪者は表に出てくるな!」とメールで誹謗中傷をされた

メール(DM)での誹謗中傷は、やり取りをしている当人以外の第三者の目に触れることはありません。

このような状況では『公然の場で』の要件を満たしていないとして、名誉毀損が成立しない可能性が高いです。

メール(DM)での誹謗中傷への対処は、ブロックまたはSNS運営への通報が効果的です。※身に危険が及ぶ恐れのある脅迫をされている場合(「殺す」などのメッセージを受け取っている場合)は、すぐ最寄りの警察へご相談ください。

要件を満たしても名誉毀損にならない例外

名誉毀損の例外

『公然と事実を摘示し、人の名誉を毀損した者』に当てはまる言動であっても、以下の要件にすべて該当する場合には、違法性が否定されて名誉毀損として責任を負わないものとされています。

  • 公開した情報に公共性がある
  • 言動が公益目的で行われている
  • その内容が真実または真実と信じるに足りる理由がある


例えば、政治家の汚職報道は政治家名誉を傷つける可能性がありますが、一般市民にとってその情報は投票の判断材料になる有益なものです。

このように多くの人がその問題を知ることで社会のためになると判断される情報であり、かつ真実または真実と信じるに足りる相当な理由がある状況であれば、違法行為として責任を問われることがないのです。

代表例としては、社会への影響力が強い著名人や企業・団体などに対してのニュースが挙げられるでしょう。

名誉毀損の被害者の取りうる具体的対応

名誉毀損で被害者が取りうる主な対応は、以下の2通りです。

  • 警察へ告訴する|刑事
  • 損害賠償(慰謝料)請求|民事

警察へ告訴する|刑事

警察への告訴

告訴とは、捜査機関に対して犯罪の事実を申告して、加害者への訴追を求めることです。

告訴をするには告訴状を用意する必要がありますが、被害者から積極的に処罰を求める場合には、自ら告訴状を用意して提出するケースが一般的です。

捜査機関は告訴状が受理すると事件について捜査します。捜査の結果、検察が「刑事裁判で責任を問う必要がある」と判断した場合は、加害者を起訴(刑事裁判にかけられる)します。刑事裁判で有罪判決が出た場合は、刑事罰が科されることになります。

なお、以下に記載の通り、警察はインターネット上の誹謗中傷についてなかなか告訴状を受理してくれないという話があります。個人での対応が難しそうであれば、弁護士への依頼をご検討ください。

名誉毀損では警察は動いてくれない?

「ネット上の名誉毀損被害では警察は動いてくれない」という話はよくありますが、これは残念ながら本当です。

警察の人員は限られているため、すべての事件に対応することは現実的には不可能です。そのため、ネット上のトラブルで事件性がないまたは緊急性がない被害は、対応してもらえないケースの方が多いと思われます。

「殺害予告をされた」「裸の写真を晒された」などのような事件性が明白で、緊急性もあるような事案でなければ、警察が動いてくれる可能性は少ないです。

そのため、まずは刑事よりも民事での対応を検討したほうが良いでしょう。

損害賠償(慰謝料)請求|民事

損害賠償請求

加害者へ損害賠償(慰謝料)を請求する際は、まず手続外で賠償請求を行うのが通常です。

その際の交渉で協議がまとまれば事件は解決ですが、加害者が支払いに応じない場合には、民事訴訟での対応も検討する必要があるでしょう。

なお、素人限りで対応しても、適正な賠償額がいくらであるか、被害について立証ができるのかなどの問題に直面してしまい、スムーズな処理が進まないことが大いに考えられます。

またインターネット上の誹謗中傷については、そもそも加害者がどこの誰であるのかがわからないケースが大半です。このような場合、素人での対応は極めて困難と言わざるを得ません。

そのため、民事での請求についても弁護士を通じてこれを行うことも検討した方が良いかもしれません

※加害者の特定手続き

加害者がどこの誰かわからない状態では、損害賠償の請求はできません。ネット誹謗中傷で加害者がわからない場合は、損害賠償請求の前に特定手続きへ着手する必要があります。

加害者を特定するには、問題の投稿があるサイトの管理者と加害者が利用したプロバイダ(ネット事業者:携帯3キャリアや光回線など)に対して、情報の開示請求を行います。

  1. サイトの管理者へIPアドレスの開示請求
  2. IPアドレスから利用されたプロバイダを特定
  3. プロバイダの契約者情報開示請求
  4. 加害者の特定

ただし、サイト管理者とプロバイダにも個人情報の守秘義務があるため、任意で開示に応じてもらえるケースはほとんどありません。

裁判での対応になるケースの方が多いので、加害者の特定手続きについても、弁護士への依頼を検討したほうが良いでしょう。

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民事での対応に必要な弁護士費用の相場

弁護士費用

弁護士費用は法律事務所によって金額や料金体系が異なりますが、ここでは大まかな相場をご紹介させていただきます。

損害賠償請求の依頼費用の相場は、以下の通りです。

交渉での請求の場合

着手金:約10万円
報酬金:賠償金の16%

裁判での請求の場合

着手金:20万円
報酬金:賠償金の約16%

また、加害者の特定手続きが必要になる場合は、以下の費用も必要になります。

IPアドレス開示請求(仮処分)

着手金:約20万円
報酬金:約15万円

契約者情報開示請求(裁判)

着手金:約20〜30万円
報酬金:約15〜20万円

加害者の特定手続きの費用は、損害賠償の一部として請求することが可能です。ただし、必ずしも全額請求が認められるとは限らないので、その点にはご留意ください。

名誉毀損の時効について

名誉毀損の時効

名誉毀損の対応については一定の時間制限があります。

  • 刑事の場合:加害者を刑事告訴できるのは犯人を知った時から6ヶ月以内
  • 民事の場合:加害者への損害賠償請求は損害及び加害者を知った時から3年以内

ネットでの名誉毀損被害について加害者の特定がされていない場合は、この特定が完了してからが時間制限のスタートです。

なお、加害者の特定に必要になるIPアドレス情報には保存期間があり、その期間は3ヶ月が目安といわれています。

IPアドレス情報が消えた後では加害者を特定できなくなるので、加害者の特定手続きが必要な場合は、投稿から1ヶ月以内には弁護士への相談を済ませておくことをおすすめします。

まとめ

名誉毀損の被害については、民事・刑事それぞれの対応があり得ます。※もちろん両方の対応を行うことも可能です。

  • 刑事:加害者の刑事告訴
  • 民事:加害者への損害賠償請求


ただ、どちらで対応するにしろ、手続きには法律やネットの専門知識が求められます。告訴や損害賠償請求の成功率を高めたいのであれば、弁護士への依頼を検討するべきでしょう。

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KL2020・OD・037

この記事の監修者
弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤康二 弁護士 (第二東京弁護士会)
アンダーソン・毛利・友常法律事務所を経て2014年8月にプラム綜合法律事務所を設立。企業法務から一般民事、刑事事件まで総合的なリーガルサービスを提供している。

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相護士ナビ編集部

本記事はIT弁護士ナビを運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※IT弁護士ナビに掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。
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