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名誉毀損の対処法 弁護士監修記事 公開日:2020.8.31  更新日:2023.6.7

デマの拡散は犯罪として問えるのか|デマ拡散被害の対応策を紹介

東京みらい法律事務所
甲斐 伸明 弁護士
監修記事
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新型コロナウィルス関連のデマにより、2020年の初旬、トイレットペーパーやティッシュが品切れになる事態が起こりました。

犯罪や事件につながる間違った情報のでっち上げ、フェイクニュースなど、SNSを使用したデマの拡散は、さまざまな形で世間を騒がしてしまいます。

それでは、デマを流した投稿者を特定したり、拡散を防いだりすることはできるのか詳しくご紹介していきましょう。

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デマの拡散により実害が出た場合は犯罪になり得る

デマが拡散したことにより何らかの権利侵害があったとなると、以下の犯罪に該当する可能性があります。

  • 名誉毀損罪

公然と事実を適示し、人の名誉を毀損した者は、その事実の有無にかかわらず、3年以下の懲役若しくは禁固、または50万円以下の罰金に処する。
【引用】刑法第230条1項

不特定多数の第三者に知られる状況はSNSやインターネットでの投稿も含まれます。

そのような他人の社会的信用をおとしめるような、具体的な事柄を発信すれば、名誉毀損に問われる可能性があるでしょう。

  • 信用毀損罪・偽計業務妨害債

虚偽の風説を流布し、または偽計を用いて、人の信用を毀損し、またはその業務を妨害した者は3年以下の懲役または50万円以下の罰金に処する。
【引用】刑法第233条

「虚偽の風説を流布する」とは、嘘の情報を世の中に流すこと。「偽計を用いる」とは嘘の情報で人を欺くことです。

これらの方法で人の信用となる会社の資産や、支払い能力などに対して信用毀損や業務の妨害を行った場合、上記の犯罪が成立する可能性が高いでしょう。

デマの拡散で犯罪になり得る事件の例

実際に、どのような場合に犯罪となっているのか、例を挙げてみます。

デマが拡散により名誉を毀損されている

2019年5月に新潟を拠点として活動するアイドルグループ「NGT48」のメンバーである5人を名指しし、メンバーが覚せい剤中毒であるかのようなデマをツイッターに投稿。投稿者の男性を名誉毀損容疑で逮捕しています。

覚せい剤中毒患者であるかのような内容は、明らかにメンバーの社会的地位を下げることに該当するため、投稿者が特定された刑事事件となっています。

【参考】NGT48中傷容疑で男逮捕 「覚醒剤使用」などとSNSに

企業のデマ拡散により株価が下落した

東日本大震災の際に一部の野菜が汚染されているという誤解を招き、価格が不安定になりました。また原発に近い場所に位置しているというだけで、企業活動に影響を及ぼしています。

デマによって企業のイメージ低下だけでなく、売り上げや価格の低下、株価の暴落を引き起こす事例は数多いものです。

最近多くなっているのは従業員や元従業員が、SNSを使用して会社の悪評を投稿。それが原因で会社の信用問題にとどまらず、採用活動や実務に影響が出ることがあります。

デマ拡散の被害にあった場合の対応策

もしデマが拡散してしまう被害にあった場合には、どのような対処が正しいのでしょうか。詳しくご紹介していきましょう。

デマの原因である投稿・書き込みなどを削除する

権利侵害がある場合には、名誉毀損などに該当すると考えられるため、デマの原因となる投稿や書き込みを削除することが先決です。

削除依頼をする場合には、投稿されたサイトによってその方法は異なるため、まずは「お問い合わせフォーム」などを利用して削除依頼をすることになるでしょう。

削除依頼のルールや手続きは以下の記事に詳しく掲載されています。参考にしてみてください。

【詳細記事】ネット誹謗中傷は無視で大丈夫?放置でなく対策するべき状況とは

発信者情報開示請求により投稿者を特定して損害賠償請求を行う

投稿者を特定して、損害賠償請求等を求めて裁判を行うことも可能です。その場合には以下のような流れになります。


情報開示に応じてもらえないことが多いため裁判になり得る

まずはサイト管理者にIPアドレスの開示請求を行い、プロバイダを特定します。次にプロバイダへ契約者情報の開示請求を行い、氏名住所などの開示を行います。

しかしこれら2回の開示請求を素直に応じてくれることは少ないので、裁判所へ仮処分の申し立てを行ったり、訴訟を行ったりすることが多いです。

 

なお、2022年10月27日までに改正プロバイダ責任制限法が施行されます。改正プロバイダ責任制限法では、従来2段階の裁判手続が必要だった発信者情報開示請求を、1回の非訟手続によって行うことができるようになります。これにより、被害者側の負担が軽減すると考えられるでしょう。また、ログイン時情報の発信者情報開示請求は、一定の条件はあるものの、明文で認められるようになります。

警察に被害届・告訴状を出して特定・捜査をしてもらう

誹謗中傷の被害を警察に相談するには、刑法上の犯罪に該当していることが必要です。

その場合には警察に被害届を提出することで捜査をしてもらえる可能性はあります。しかし被害届の提出だけでは十分ではありません。

被害届の提出だけでは捜査してもらえないことがあるので告訴が必須

確実に警察に捜査を進めてもらうためには、告訴状を提出する必要があります。被害届の提出のみで捜査をしてくれる場合もありますが、必ずしも捜査をしてくれるとは限りません。

告訴状を提出すると、警察機関は捜査をしなければならない義務を負います。告訴状はネット上にテンプレートが用意されているので、それを利用しても良いでしょう。

告訴状に記載すべき内容は以下の通りです。

  • 告訴状を作成した日付
  • 管轄する警察署長の名前
  • 被害者の個人情報(名前・住所)
  • 誹謗中傷してきた投稿者の情報
  • 誹謗中傷が行われたSNSやネットのサイト名
  • 誹謗中傷が行われた日付
  • 該当する罪状
  • 被害状況の詳細

民事手続きの発信者情報開示請求によって投稿者が投稿されていれば、その日から半年以内に告訴するかを決定しなければなりません。

デマ拡散の被害を弁護士に相談すべき状況

突然拡散するデマの被害は、どれほどに及ぶものかは見当もつきません。

静観していて収まることもあるかもしれませんが、弁護士に依頼すべき状況はどのような場合なのかを詳しく見ていきましょう。

自分で削除依頼をしたが削除してもらえなかった

投稿されたサイトの中にある「お問い合わせフォーム」などを使って、自分で削除依頼の要請を行っても、サイト管理者が応じてくれないという場合があります。

このようなときは、弁護士への相談を検討すべきでしょう。

権利侵害の立証などを自分で行う自信がない

削除の要請も、発信者情報開示請求を行う場合にも、投稿された内容のどこがどのような権利を侵害しているかを説明する必要があるのです。

権利侵害には「名誉権」「プライバシー権」「著作権」「肖像権」などがあり、専門知識がないと難しい場合があります。

これらの説明を自分で行う自信がない場合には、弁護士への相談を検討してみてください。

自分で裁判を起こして開示請求をする知識・技術がない

投稿者を特定するためには、IPアドレスの開示請求や契約者情報の開示請求などを行う必要があります。

そのいずれも相手方が素直に応じるケースは少なく、仮処分申し立てなどの裁判を伴うケースがほとんどです。

個人が裁判を行うとなると、法的手続きや相手方との交渉などのすべてをやらなければならず、困難を極めるでしょう。

警察に確実に捜査をしてもらいたい

警察に被害届を提出しただけでは、警察が捜査を行うことは難しいといえます。

告訴状の提出や警察との交渉など、手続き上の問題もあります。確実な捜査をしてもらうためには、弁護士への依頼が近道です。

デマ拡散被害による弁護士依頼の費用目安

弁護士費用の目安は、以下のとおりです。しかし弁護士事務所によって料金の形態は異なるため、相談をする場合には各事務所に相談してください。

 

着手金

報酬金

裁判費用

削除依頼

裁判外

約5~10万円

約5~10万円

×

裁判

約20万円

約15万円

3万円

発信者の身元特定

裁判外

約5~10万円

約15万円

×

裁判

約20~30万円

約15~20万円

6万円

損害賠償請求

裁判外

約10万円

慰謝料の16%

×

裁判

約20万円

慰謝料の16%

3万円

民事裁判での損害賠償請求では弁護士費用を含めて請求が可能

基本的には弁護士費用は自分で支払うものとされていますが、不法行為による賠償請求の場合には相手方に弁護士費用(損害額の10%)を請求することが可能です。

不法行為が成立するためには「故意過失」「違法行為」「因果関係」「損害の発生」が必要です。

まとめ

デマに実害が伴っている場合には、投稿者を特定することも、場合によっては損害賠償の請求を行うことも可能です。

警察に被害届を出して刑事事件として捜査してもらうこともできるでしょう。

いずれの場合も法律の知識の乏しい個人で行うよりも、専門家である弁護士の手を借りると、迅速な解決を期待できます。場合によっては弁護士費用も請求することも可能です。

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この記事の監修者
東京みらい法律事務所
甲斐 伸明 弁護士 (東京弁護士会)
2005年弁護士登録。インターネットの普及に伴うさまざまなトラブルに対し、培ってきた様々な知識・経験を活かし、被害者に寄り添う。テレビなどメディアでの掲載実績も多数有。

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ベンナビIT(旧IT弁護士ナビ)編集部
編集部

本記事はベンナビIT(旧IT弁護士ナビ)を運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※ベンナビIT(旧IT弁護士ナビ)に掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。

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