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私的情報・画像流出 弁護士監修記事 公開日:2018.1.15  更新日:2023.1.26

肖像権の侵害が認められる条件と侵害された時に気をつけるべきこと

弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤康二 弁護士
監修記事
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肖像権(しょうぞうけん)とは、被写体となる人物に無断で写真や動画を撮られたり、撮ったモノを無断で公開されることで受ける精神的な苦痛から守られるための権利です。

スマホの普及により、ネット上に撮影物を気軽に投稿できるようになりました。しかし、以下のような理由でトラブルに発展するケースも珍しくありません。

  • 撮られたくもない写真を撮られてしまった
  • 撮影許可は出したけどネットで公開されるとは思わなかった


撮影物の削除を求めるのであれば、肖像権の侵害を主張する必要があります。

この記事では、肖像権侵害が認められる条件と、SNSを利用する上での注意事項についてご紹介します。

肖像権侵害に関するトラブルは
弁護士へご相談ください!

下記のすべての事項に該当する場合、肖像権侵害が認められる可能性は高いです。

 

  • 自分であることが明確にわかる
  • 撮影および撮影物の公開を許可してない
  • 不特定多数の目につく場所への公開
  • 個人特定による精神的ダメージが大きい


賠償金の請求や画像・動画の削除を望むなら、弁護士への依頼が有効になるでしょう。

 

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肖像権の侵害とは?

肖像権は意味をかんたんに言えば、自らの肖像権を他人に無断で使用されない権利のことです。

例えば、他人が映っている画像、映像を本人に許可なく使用したり、あるいは撮影するだけでも肖像権の侵害となります。

肖像権は法律では明文化されていない

肖像権は法律での規定はなく、法的に守られるべきだという法的根拠はありません。しかし、憲法には法的根拠となる条文が存在します。

すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。

【引用】日本国憲法 第13条

この幸福追求に対する国民の権利』が、肖像権・プライバシーを守る法的根拠とされています。

肖像権の侵害による法的措置

肖像権侵害の被害にあった場合、相手に対し差止請求(写真や動画の削除)と損害賠償請求ができます。

肖像権そのものは法律で規定されていないので、民法第709条の不法行為による損害賠償を根拠として訴えることになります。

判例(過去の裁判)では差止請求も認められているので、削除して欲しい対象の肖像権侵害のデータを消させることもできます。

(不法行為による損害賠償)

第七百九条  故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。

【引用】民法

肖像権の侵害になるケースとならないケースの判断基準

写真や映像で残されたくなかったこと、ネット上で公開などされたくないものは、誰しもきっとあると思います。

しかし、その全部が全部肖像権の侵害とは認められないのも実情です。では、どのようなものが肖像権の侵害と認められるのでしょうか?

例えば、代表例としては以下のような状況が挙げられます。

<肖像権の侵害になる可能性が高いケース>

  • 被写体を特定できる
  • 被写体をメインとして撮影されたもの
  • 拡散される可能性が高い

<肖像権の侵害になる可能性が低いケース>

  • 被写体を特定できない
  • 被写体本人に許可をもらっている
  • 場所が撮影されることを予測できる

被写体を特定できるかどうか

被写体がはっきりと映っているケースであれば肖像権の侵害になりやすいです。

一方、顔がぼやけていたり、顔が映っていない、映っているけれども、ほんの一瞬の映像だった場合などは可能性は低いと言えます。

また人混みで偶然写り込んでいただけという本人を狙ったものではない場合も、肖像権侵害とは認められにくいのです。

許可を取れているかどうか

被写体本人から許可が出ていた場合、肖像権の侵害にはなりません。

ただし、撮影の許可をしたけれど、公開は認めていないという場合には、肖像権の侵害になる可能性が出てきます。

撮影場所はどこか

肖像物の撮影場所も肖像権侵害の判断材料になります。

イベント会場や公園のような公共施設など、公な場で撮影される可能性が高いと容易に想像できる場所での撮影物は、肖像権の侵害は認められにくいです。

どこに公開したか

肖像物は不特定多数の人に見られることで、被写体の精神を害する場合があります。

そのため、拡散される(多くの人にみられる)可能性が高い場所に投稿された場合は、肖像権の侵害が認められやすいです。

例えば、TwitterやFacebookといったSNS・インターネット上への投稿は、拡散性が高いと判断されるでしょう。

肖像権侵害の判例

判例

他人に自分の娘の画像をTwitterで使われ、肖像権侵害で訴えた事件です。Aさんはデモに参加したときに電車で眠っている娘さんの写真を撮り、その画像をTwitterに載せました。

後に見知らぬ人物によって、「自分の孫がデモに連れて行かれ熱中症で亡くなった」という虚偽の内容でTwitterに投稿されました。

それに気づいたAさんは、投稿者が契約しているプロバイダーへ相手の情報の開示を求める裁判を起こし、投稿者の特定に成功した裁判です。

裁判詳細 毎日新聞 ツイッター 肖像権侵害 新潟地裁が投稿者情報開示命じる

主文

1  被告は,原告に対し,別紙投稿記事目録記載のIPアドレスに係る機器が設置されているマンションの名称及び住所を開示せよ。
2  原告のそのほか請求をいずれも棄却する。
3  訴訟費用は,その10分の9を原告,10分の1を被告の負担とする。

裁判年月日  平成28年 9月30日
裁判所名  新潟地裁  裁判区分  判決
事件番号  平27(ワ)542号
事件名  損害賠償等請求事件

【引用】文献番号  2016WLJPCA09306008

肖像権と著名人のパブリシティ権について

有名芸能人がスマホのカメラ機能などで勝手に写真を撮られ不快感を示すなどのニュースを聞きます。

一般の人と異なる部分といえば、知名度がある故にただそこにいるだけで撮影されてしまうという点かもしれません。

しかし、彼ら(彼女ら)有名芸能人、スポーツ選手は私達と同じ肖像権を持つほかに、パブリシティ権という名の権利も持っているのです。

パブリシティ権とはなにか

芸能活動やプロアスリートとしての活動をしている人の中には、活躍し、多大な経済利益を創出する人がいます。

人気・あるいは時の人を起用することでテレビの視聴率が上がったり、商品の売れ行きが良くなったり、出演自体が話題になったりなど。

彼ら『著名人』が持つ経済的な利益や価値を財産と考え、その財産を独占的に利用する権利のことをパブリシティ権というのです。

肖像等は,商品の販 売等を促進する顧客吸引力を有する場合があり,このような顧客吸引力を排他的に 利用する権利(以下「パブリシティ権」という。)

【引用】裁判所 最高裁判例 知的財産裁判例

パブリシティ権の侵害

肖像権の侵害と同じく、パブリシティ権においてもその権利を踏み越えれば、権利侵害の被害として扱われます。

例えば、平成24年2月2日のピンク・レディー事件の最高裁の判決ではこのように述べられています。

他方,肖像等に顧客吸引力を有する者は,社会の耳目を集めるなどして,その肖像等を時事報道,論説,創作物等に使用されることもあるので あって,その使用を正当な表現行為等として受忍すべき場合もあるというべきである。そうすると,肖像等を無断で使用する行為は,①肖像等それ自体を独立して鑑 賞の対象となる商品等として使用し,②商品等の差別化を図る目的で肖像等を商品 等に付し,③肖像等を商品等の広告として使用するなど,専ら肖像等の有する顧客 吸引力の利用を目的とするといえる場合に,パブリシティ権を侵害するものとし て,不法行為法上違法となると解するのが相当である。

【引用】裁判所 最高裁判例 知的財産裁判例

要約をすると、以下の3つの要件を満たしていないものには、パブリシティ権の侵害は認められないという内容になります。

  1. 肖像や氏名を独立して鑑賞の対象となる商品とすること
  2. 商品の差別化を図る目的で肖像等を商品とすること
  3. 肖像や氏名を商品の広告として使用するなど,肖像・氏名が持つ顧客 吸引力の利用を目的とする

上記の裁判ではパブリシティ権の侵害は認められませんでした。

しかし、逆に上記の要件をすべて満たしている状況であれば、権利侵害の被害が認められるといえます。

肖像権侵害の被害者になったときは弁護士に相談

自分や子どもの画像が勝手にSNSにアップされていたなど、肖像権の侵害をされたかもしれないときに、具体的にはなにができるでしょうか。

前述のように、差止請求と損害賠償請求を求めることができますので、下記に詳しく説明していきます。

差止請求と損害賠償請求をする際、サイト運営者に伝えるべき内容

投稿サイト運営者に動画や画像の削除請求をします。

サイトによっては専用の申し出フォームを用意しているサイトもありますが、それらが用意されていない場合は、下記の内容を運営者に伝達するといいでしょう。

  • 請求者の氏名
  • 住所
  • 連絡先(メールアドレスなど)
  • 申請の内容(例:容姿が含まれている、など)
  • 肖像権が侵害されている箇所(例:動画の4分10秒の画面右側の黒いスーツの人物が私です、など)

実際の対処は弁護士に依頼するのがベター

差止請求をサイト運営者にした際、任意で応じてくれない場合などは、裁判所で仮処分の手続きを取る必要があり、自身で対処するのが困難です。

また、損害賠償請求についても、どこの誰が行ったのかがわからないケースが多いので、その際も相手を特定する手続きが必要になります

その場合もやはり裁判を行う必要が出てきますので、ご自身だけでの対処は非常に手間と時間がかかってしまうでしょう。

削除依頼を出してもサイト運営者が対応してくれない場合や、損害賠償請求を行いたい場合は、権利関係の法律に詳しい弁護士に相談しましょう。

今後自分が肖像権侵害の加害者にならないために

加害者にならないための注意点

気軽に撮影できる環境ですと、日常のあらゆることを撮りたくなるものです。

そのため悪気がなくてもだれかを傷つけてしまうこともあるのが怖いところです。

誰も傷つけないためにも、以下をよく覚えておくようにしましょう。

  • 被写体から許可をもらう
  • どこまで同意できるかの範囲も聞いておく
  • 被写体が誰であるかわからないように加工する

被写体から許可をもらう | 何に使用するかも伝えその範囲の同意を得る

相手から許可を得ることができれば肖像権侵害にはなりません。

ただし公開することが前提であるならば、撮影の許可だけでなく、公開する許可も得る必要があります。(=画像、動画の用途を細かに言っておく)

被写体が誰であるかわからないように加工する

友達だからといって写真やプリクラの画像データを平気でネット上にアップする人がいますが、誰が見てるかもわからないところに許可なくそのまま載せてはいけません。

許可を得ていないのであれば、アップする前にアプリなどで加工し、誰であるかわからないようにしましょう。

まとめ

肖像権侵害の定義は法律では明文化されていません。

ただ、以下のすべての要件を満たしている状況であれば、侵害行為が認められる可能性が高いでしょう。

  • 自分であることが明確にわかる
  • 撮影および撮影物の公開を許可してない
  • 不特定多数の目につく場所への公開
  • 個人特定による精神的ダメージが大きい


万が一、肖像権侵害の被害に遭ってしまい、ご自身での解決が難しい場合は、弁護士への相談をご検討いただければ幸いです。

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この記事の監修者
弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤康二 弁護士 (第二東京弁護士会)
アンダーソン・毛利・友常法律事務所を経て2014年8月にプラム綜合法律事務所を設立。企業法務から一般民事、刑事事件まで総合的なリーガルサービスを提供している。

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相護士ナビ編集部

本記事はIT弁護士ナビを運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※IT弁護士ナビに掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。

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