ベンナビIT(旧IT弁護士ナビ) > ITコラム > 私的情報・画像流出 > 肖像権侵害で慰謝料請求したい!主な対処法と権利侵害の判断基準
弁護士の方はこちら
掲示板・SNS削除 私的情報・画像流出 投稿者の特定・訴訟 弁護士監修記事 更新日:

肖像権侵害で慰謝料請求したい!主な対処法と権利侵害の判断基準

阪神総合法律事務所
曾波 重之
監修記事
Pixta 55541523 m

「私的情報・画像流出」が得意な弁護士に相談して悩みを解決
「私的情報・画像流出」が得意な弁護士に相談して悩みを解決!

あなたのお悩みを解決!

Free consult btn

自分の写真や動画がSNSやインターネット掲示板などに勝手に掲載されている場合は、肖像権侵害に該当するかもしれません。

肖像権侵害に対する主な対処法には「投稿者や運営会社に対して削除要請を出す」「加害者に対して慰謝料を請求する」などがあります。

この記事では、肖像権の基礎知識をはじめ、肖像権侵害の判断基準や対処法、慰謝料を請求する場合の相場について解説します。

肖像権を侵害されたと悩んでいる方は、ぜひ問題解決の糸口にしてください。

肖像権侵害に対してできるだけ多くの慰謝料を請求したいと考えている方へ

肖像権侵害に対して慰謝料を請求しようと考えている場合は、まず弁護士に相談することをおすすめします。なぜなら、弁護士に相談・依頼することで慰謝料を多く請求できる可能性が上がるからです。

 

弁護士に相談することで、以下のようなメリットが得られます。

  • 投稿内容が肖像権侵害に該当するのかがわかる
  • 証拠を集める方法に関してアドバイスをもらえる
  • どの程度の慰謝料を請求できるかどうかがわかる
  • 依頼すれば、開示請求や裁判、慰謝料請求までの手続きを全て一任できる

当サイトでは、ITトラブルの解決を得意とする弁護士を地域別で検索することができます。

無料相談はもちろん、電話で相談が可能な弁護士も多数掲載していますので、まずはお気軽にご相談ください。

今すぐ無料相談電話相談OKの弁護士が見つかる!
ベンナビITで
私的情報・画像流出に強い弁護士を探す

肖像権とは?肖像権を構成する二つの権利

肖像権とは、無断で自分の写真を撮影・使用・公開されないための権利のことです。

明文化はされていませんが、1969年に最高裁が初めて「何人も承諾がない状態でみだりに容貌や姿態を撮影されない自由を有する」と肖像権について言及しました。

この肖像権にはプライバシー権(人格権)とパブリシティ権(財産権)という2つの性質があります。

【肖像権・プライバシー権・パブリシティ権と主な事件】

権利の種類

権利の内容

代表的な事件

肖像権

無断で自分の写真を撮影・使用・公開されない権利

  • 京都府学連事件
  • 毒物混入カレー事件の被告人法廷写真事件

プライバシー権

自分の私生活や私事をみだりに公開されない権利

  • 宴のあと事件
  • 石に泳ぐ魚事件

パブリシティ権

経済的価値を持つ有名人の氏名や肖像を使用されない権利

  • マーク・レスター事件
  • ブカスペシャル事件
  • ピンク・レディー事件

プライバシー権 |一般の方が持っている権利

プライバシー権とは、みだりに自分の個人情報や姿などを公表されない権利のことです。

プライバシー権は肖像権の一部であり、プライベートの写真をSNSや週刊誌などに無断で掲載された場合はプライバシー権を侵害されたことにもなります。

プライバシー権を侵害された被害者は、加害者に対して慰謝料を請求できる可能性があります。

プライバシー権について詳しく知りたい方は以下のページも確認してみましょう。

パブリシティ権 | 有名人など経済的価値がある人が持つ権利

パブリシティ権とは、経済的価値を持つ芸能人や著名人の名前や肖像を、ライセンス料を支払った第三者に専属的に帰属させる権利のことです。

そのため、無断で有名人の名前や肖像を商用利用した場合は、パブリシティ権の侵害に該当します。

なお、加害者に対して財産的損害は請求できますが、原則として慰謝料を請求することはできません

肖像権侵害の判断基準とは?具体例を用いて解説

写真や動画を撮られたり、公開されたりしたからといって、必ずしも肖像権侵害に該当する訳ではありません

では、どのような写真や動画であれば肖像権侵害になるのか、その判断基準や具体例などを確認しましょう。

肖像権侵害の基準

肖像権は法律上明文化されていないため、明確な基準は設けられていません

しかし一般的には、個人を特定できるか、拡散性が高い場所に公開されているか、本人に撮影・公開の許可を取ったか、どこで撮影されているかなどの観点で違法性を判断することが多いです。

以下で、それぞれの肖像権侵害の判断基準について詳しく確認しましょう。

個人の特定が可能か

その写真や動画から個人を特定できる場合は、肖像権侵害が認められる可能性が高いでしょう。

肖像権は撮影された人のプライバシーを保護するための権利であるため、そもそも個人を特定できない写真や動画などは肖像権を侵害したことにはなりません。

撮影された人の大きさや向き、モザイク加工の有無などによって判断されることになります。

拡散性が高い場所で公開されているか

その写真や動画が拡散性の高い場所に公開されている場合は、肖像権侵害が認められる可能性が高くなります。

拡散性が高い場所とはSNSやインターネット掲示板、動画配信サービスといった不特定多数の人が閲覧できる場所のことです。

このような拡散性の高い場所の場合、みだりに個人情報や姿を公開されている状態といえるでしょう。

本人による撮影・公開許諾の有無

本人から撮影・公開の許可を得ていない場合は、肖像権侵害が認められる可能性が高いです。

日本の肖像権の考え方では、撮影と公開の許可はそれぞれ取る必要があるとされています。

撮影は許可されているものの、公開に関しての許可を得ずに写真や動画をWeb上にアップロードしてしまった場合、肖像権侵害になってしまう可能性があります。

撮影場所が私的か公的か

撮影した場所が私的領域の場合は、肖像権侵害が認められる可能性が高くなります。

たとえば、道路や公園などは不特定多数の人が自由に出入りできますが、自宅やホテルの個室などは限られた人しか出入りできません。

そのような私的空間で撮影された場合、偶然写り込んだとは考えにくいため肖像権侵害になる可能性が高いといえます。

肖像権侵害になる可能性が高いケース

肖像権侵害として認められる可能性が高いケースには以下のようなものがあります。

  • 電車で泥酔している様子を無断でSNSに公開された
  • 幼い我が子の写真を勝手にSNSに公開している
  • 露出度が高い恰好の写真を無断で撮影され、インターネット掲示板に公開された
  • 街で見かけた有名人を動画で撮影して配信サイトにアップロードした

肖像権侵害にならない可能性が高いケース

一方、 以下のようなケースは肖像権侵害として認められません。

  • 公益を図るため政治家や犯人などの写真をニュースサイトに掲載した
  • スポーツ大会や記者会見などの場所で黙示的な承諾のもと撮影した
  • モデルが許可を出しているフリー画像を利用規約どおりに使用した

肖像権侵害されたときの対処法

もし 肖像権を侵害されてしまったら、投稿者やサイト管理者に削除を依頼したり、裁判所をつうじて差し止め請求をしたりするなどの対処法があります。

以下で、それぞれの対処法のポイントついて確認しましょう。

投稿者本人とサイトの管理者に削除を依頼する

SNSやインターネット掲示板などに公開された写真や動画を削除したいなら、投稿者本人とサイト管理者に削除を依頼してみましょう。

投稿者に依頼する場合は、ダイレクトメッセージ機能やコメント機能などを使ったり、連絡先がわかる場合は直接連絡したりする方法があります。

また、サイト管理者に依頼する場合は、そのサイトに設けられている専用フォームから削除依頼を出すと良いでしょう。

裁判所に対して差し止め請求を申し立てる

投稿者本人やサイト管理者が削除依頼に応じてくれない場合は、裁判所に対して差止請求・削除請求の仮処分申し立てをおこないます。

仮処分にするメリットは、通常の民事訴訟よりも短期間で削除命令を出してもらえるという点です。

申し立て後に裁判所で審尋を受け、担保金を供託に預け入れることで、仮処分命令を出してもらえます。

弁護士に依頼する

肖像権侵害の被害に遭っている場合は、弁護士に相談することをおすすめします。

弁護士に相談すれば、投稿者やサイト管理者に対して任意での削除要請をしてくれたり、削除に応じてくれなかった場合には発信者情報開示請求や削除請求といった法的手続きをおこなったりしてくれます。

肖像権侵害は、その後の被害拡大を防ぐためにも、いち早く対応することが重要です。

「ベンナビIT(旧:IT弁護士ナビ)」を使用して、肖像権侵害の対策が得意な弁護士を探してみましょう。

今すぐ無料相談電話相談OKの弁護士が見つかる!
ベンナビITで
私的情報・画像流出に強い弁護士を探す

慰謝料・損害賠償請求でもらえる慰謝料相場と請求の流れ

肖像権侵害を受けた被害者は、加害者に対して民事上の損害賠償を請求できる可能性があります。

慰謝料・損害賠償の金額は被害状況によって異なりますが、一般的には10万~50万円が慰謝料の相場となっています。

ただし、以下のように肖像権侵害による慰謝料金額が100万円以上になった事例もあります。

【肖像権侵害の事例と損害賠償金額】

肖像権侵害の事例

損害賠償金額

バラバラ殺人現場近くのごみ収集を担当している運転手を、テレビ局が無承諾で生放送の取材・撮影をしたことで肖像権とプライバシー権が侵害された事例

120万円

写真と名前を無断で使用したなりすまし犯が他人への誹謗中傷を繰り返したことで、被害者の肖像権と名誉権が侵害された事例

130万円

参考記事
朝ズバッ!生放送で無承諾撮影は違法 TBSに賠償命令.朝日新聞.2009年4月14日,朝日新聞DIGITAL(2022年8月19日 閲覧)
SNSでなりすまし、他人を罵倒 名誉権侵害で賠償命令.朝日新聞.2017年8月30日,朝日新聞DIGITAL(2022年8月19日 閲覧)

【肖像権侵害による慰謝料請求の大まかな流れ】

慰謝料請求の流れ

手続きの概要

1.サイト管理者に開示請求をする

  • サイト管理者に対して投稿者のIPアドレスを開示するよう請求する

2.プロバイダに開示請求をする

  • プロバイダに対して投稿者の名前や住所を開示するよう請求する

3.慰謝料を算定する

  • 肖像権侵害や名誉毀損などの被害状況に合わせて慰謝料を算出する

4.加害者に慰謝料請求をおこなう

  • 加害者に対して示談交渉・調停・裁判などで慰謝料請求をおこなう

発信者情報開示請求の手続きや流れについては以下のページを確認してください。

最後に|肖像権侵害に悩まされているなら弁護士にご依頼を!

肖像権は一般の方にも認められている権利であり、無断で写真を撮影・使用・公開された場合には肖像権侵害で民事上の慰謝料・損害賠償を請求できる可能性があります。

肖像権侵害の慰謝料相場は10万~50万円程度ですが、事件内容や被害状況によっては100万円以上の慰謝料が認められるかもしれません。

肖像権の侵害で困っていたら、自分ひとりで悩まずに肖像権侵害やネットトラブルの対策を得意としている弁護士にまずは相談してみましょう。

今すぐ無料相談電話相談OKの弁護士が見つかる!
ベンナビITで
私的情報・画像流出に強い弁護士を探す

SNSで記事をシェアする

この記事の監修者
阪神総合法律事務所
曾波 重之 (大阪弁護士会)
数多くの掲示板の書き込みの削除や、犯罪歴の削除に注力している。対応実績豊富な弁護士が、プライバシーに配慮して迅速対応いたします。
ベンナビIT(旧IT弁護士ナビ)編集部
編集部

本記事はベンナビIT(旧IT弁護士ナビ)を運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※ベンナビIT(旧IT弁護士ナビ)に掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。
誹謗中傷リスクに弁護士費用保険という備え
弁護士費用を補償

ネットの誹謗中傷問題を弁護士に依頼した場合、投稿削除・開示請求・損害賠償で弁護士費用は100万円前後になることが多いです。

月額2,950円の保険料で、依頼したときにかかる弁護士費用(着手金)の補償が受けられます。

ネットの誹謗中傷問題だけでなく、労働問題、自転車事故、刑事事件被害、離婚や相続など様々なトラブルで使うことができます。

無料で資料ダウンロード
弁護士費用を負担してくれる
弁護士保険で法律トラブルに備える
弁護士保険に関する資料のお届け先
氏名
必須
フリガナ
必須
電話番号
必須
メールアドレス
必須

私的情報・画像流出に関する人気コラム

私的情報・画像流出に関する新着コラム

Icon column white カテゴリからコラムを探す