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掲示板・SNS削除 私的情報・画像流出 投稿者の特定・訴訟 弁護士監修記事 公開日:2022.6.27  更新日:2022.6.27

肖像権侵害で慰謝料請求したい!主な対処法と権利侵害の判断基準

阪神総合法律事務所
曾波 重之
監修記事
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自分の写真や動画がSNSやインターネット掲示板などに勝手に掲載されている場合は、肖像権侵害に該当するかもしれません。

肖像権侵害に対する主な対処法には「投稿者や運営会社に対して削除要請を出す」「加害者に対して慰謝料を請求する」などがあります。

この記事では、肖像権の基礎知識をはじめ、肖像権侵害の判断基準や対処法、肖像権侵害で慰謝料を請求する場合の相場について解説します。

肖像権を侵害されたと悩んでいる方は、ぜひ問題解決の糸口にしてください。

この記事がおすすめの方

  • 肖像権を侵害した加害者に慰謝料を請求したい方
  • 肖像権を侵害している写真や動画を削除したい方
  • 情報開示請求や示談交渉などを弁護士に一任したい方

肖像権とは?肖像権を構成する二つの権利

肖像権とは、無断で自分の写真を撮影・使用・公開されないための権利のことです。

明文化はされていませんが、1969年に最高裁が初めて「何人も承諾がない状態でみだりに容貌や姿態を撮影されない自由を有する」と肖像権について言及しました。

この肖像権にはプライバシー権(人格権)とパブリシティ権(財産権)という2つの性質があります。

【肖像権・プライバシー権・パブリシティ権の違いと主な事件】

権利の種類

権利の内容

代表的な事件

肖像権

無断で自分の写真を撮影・使用・公開されない権利

  • 京都府学連事件
  • 毒物混入カレー事件の被告人法廷写真事件

プライバシー権

自分の私生活や私事をみだりに公開されない権利

  • 宴のあと事件
  • 石に泳ぐ魚事件

パブリシティ権

経済的価値を持つ有名人の氏名や肖像を使用されない権利

  • マーク・レスター事件
  • ブカスペシャル事件
  • ピンク・レディー事件

プライバシー権 |一般の方が持っている権利

プライバシー権とは、みだりに自分の個人情報や姿などを公表されない権利のことです。

プライバシー権は肖像権の一部であり、プライベートの写真をSNSや週刊誌などに無断で掲載された場合はプライバシー権を侵害されたことにもなります。プライバシー権を侵害された被害者は、加害者に対して慰謝料を請求できる可能性があります。

プライバシー権について詳しく知りたい方は以下のページも確認してみましょう。

関連記事 プライバシー侵害とは|成立要件と事例(判例)で具体例を解説

パブリシティ権 有名人など経済的価値がある人が持つ権利

パブリシティ権とは、経済的価値を持つ芸能人や著名人の名前や肖像を、ライセンス料を支払った第三者に専属的に帰属させる権利のことです。

そのため、無断で有名人の名前や肖像を商用利用した場合は、パブリシティ権の侵害に該当します。

なお、加害者に対して財産的損害は請求できますが、原則として慰謝料を請求することはできません。

肖像権侵害の判断基準とは?具体例を用いながら解説

写真や動画を撮られたり、公開されたりしたからといって、必ずしも肖像権侵害に該当する訳ではありません。

では、どのような写真や動画であれば肖像権侵害になるのか、その判断基準や具体例などを確認しましょう。

肖像権侵害の基準

肖像権は法律上明文化されていないため、明確な基準は設けられていません。

しかし一般的には、個人を特定できるか、拡散性が高い場所に公開されているか、本人に撮影・公開の許可を取ったか、どこで撮影されているかなどの観点で違法性を判断することが多いです。

以下で、それぞれの肖像権侵害の判断基準について詳しく確認しましょう。

個人の特定が可能

その写真や動画から個人を特定できる場合は、肖像権侵害が認められる可能性が高いでしょう。

肖像権は撮影された人のプライバシーを保護するための権利であるため、そもそも個人を特定できない写真や動画などは肖像権を侵害したことにはなりません。

撮影された人の大きさや向き、モザイク加工の有無などによって判断されることになります。

拡散性が高い場所で公開されているか

その写真や動画が拡散性の高い場所に公開されている場合は、肖像権侵害が認められる可能性が高くなります。

拡散性が高い場所とはSNSやインターネット掲示板、動画配信サービスといった不特定多数の人が閲覧できる場所のことです。

このような拡散性の高い場所の場合、みだりに個人情報や姿を公開されている状態といえるでしょう。

本人による撮影・公開許諾の有無

本人から撮影・公開の許可を得ていない場合は、肖像権侵害が認められる可能性が高いです。

日本の肖像権の考え方では、撮影と公開の許可はそれぞれ取る必要があるとされています。

撮影は許可されているものの、公開に関しての許可を得ずに写真や動画をWeb上にアップロードしてしまった場合、肖像権侵害になってしまう可能性があります。

撮影場所が私的か公的か

撮影した場所が私的領域の場合は、肖像権侵害が認められる可能性が高くなります。

たとえば、道路や公園などは不特定多数の人が自由に出入りできますが、自宅やホテルの個室などは限られた人しか出入りできません。

そのような私的空間で撮影された場合、偶然写り込んだとは考えにくいため肖像権侵害になる可能性が高いといえます。

肖像権侵害になる可能性が高いケース

肖像権侵害として認められる可能性が高いケースには以下のようなものがあります。

  • 電車で泥酔している様子を無断でSNSに公開された
  • 幼い我が子の写真を勝手にSNSに公開している
  • 露出度が高い恰好の写真を無断で撮影され、インターネット掲示板に公開された
  • 街で見かけた有名人を動画で撮影して配信サイトにアップロードした

肖像権侵害にならない可能性が高いケース

一方 以下のようなケースは肖像権侵害として認められません。

  • 公益を図るため政治家や犯人などの写真をニュースサイトに掲載した
  • スポーツ大会や記者会見などの場所で黙示的な承諾のもと撮影した
  • モデルが許可を出しているフリー画像を利用規約どおりに使用した

肖像権侵害されたときの対処法は?慰謝料相場と共に解説

もし 肖像権を侵害されてしまったら、投稿者やサイト管理者に削除を依頼したり、裁判所を通じて差し止め請求をしたりするなどの対処法があります。

以下で、それぞれの対処法のポイントや肖像権侵害の慰謝料相場について確認しましょう。

投稿者本人とサイトの管理者に削除を依頼する

SNSやインターネット掲示板などに公開された写真や動画を削除したいなら、投稿者本人とサイト管理者に削除を依頼してみましょう。

投稿者に依頼する場合は、ダイレクトメッセージ機能やコメント機能などを使ったり、連絡先がわかる場合は直接連絡したりする方法があります。

また、サイト管理者に依頼する場合は、そのサイトに設けられている専用フォームから削除依頼を出すと良いでしょう。

主なサイトの削除方法を以下にまとめましたので、参考にしてください。

2ちゃんねる

5ちゃんねる

爆サイ

ホスラブ

雑談たぬき

したらば掲示板

teacup(ティーカップ)

Instagram(インスタグラム)

Twitter(ツイッター)

Facebook(フェイスブック)

アメブロ

Livedoorブログ

Yahoo!知恵袋

Google関連ワード

Googleマップ口コミ

検索サジェスト

転職会議

みんしゅう

裁判所に対して差し止め請求を申し立てる

投稿者本人やサイト管理者が削除依頼に応じてくれない場合は、裁判所に対して差止請求・削除請求の仮処分申し立てをおこないます。

仮処分にするメリットは、通常の民事訴訟よりも短期間で削除命令を出してもらえるという点です。

申し立て後に裁判所で審尋を受け、担保金を供託に預け入れることで、仮処分命令を出してもらえます。

慰謝料・損害賠償請求でもらえる慰謝料相場

肖像権侵害を受けた被害者は、加害者に対して民事上の損害賠償を請求できる可能性があります。

慰謝料・損害賠償の金額は被害状況によって異なりますが、一般的には10万~50万円が慰謝料の相場となっています。

ただし、以下のように肖像権侵害による慰謝料金額が100万円以上になった事例もあります。

【肖像権侵害の事例と損害賠償金額】

肖像権侵害の事例

損害賠償金額

バラバラ殺人現場近くのごみ収集を担当している運転手を、テレビ局が無承諾で生放送の取材・撮影をしたことで肖像権とプライバシー権が侵害された事例

120万円

写真と名前を無断で使用したなりすまし犯が他人への誹謗中傷を繰り返したことで、被害者の肖像権と名誉権が侵害された事例

130万円

【肖像権侵害による慰謝料請求の大まかな流れ】

慰謝料請求の流れ

手続きの概要

1.サイト管理者に開示請求をする

  • サイト管理者に対して投稿者のIPアドレスを開示するよう請求する

2.プロバイダに開示請求をする

  • プロバイダに対して投稿者の名前や住所を開示するよう請求する

3.慰謝料を算定する

  • 肖像権侵害や名誉毀損などの被害状況に合わせて慰謝料を算出する

4.加害者に慰謝料請求をおこなう

  • 加害者に対して示談交渉・調停・裁判などで慰謝料請求をおこなう

発信者情報開示請求の手続きや流れについては以下のページを確認してください。

関連記事  発信者情報開示請求とは?発信者を特定するまでの手続きと流れを解説

弁護士に依頼する

肖像権侵害の被害に遭っている場合は、弁護士に相談することをおすすめします。

弁護士に相談すれば、投稿者やサイト管理者に対して任意での削除要請をしてくれたり、削除に応じてくれなかった場合には発信者情報開示請求や削除請求といった法的手続きをおこなったりしてくれます。

肖像権侵害は、その後の被害拡大を防ぐためにも、いち早く対応することが重要です。

「IT弁護士ナビ」を使用して、肖像権侵害の対策が得意な弁護士を探してみましょう。

最後に|肖像権侵害に悩まされているなら弁護士にご相談を!

肖像権は一般の方にも認められている権利であり、無断で写真を撮影・使用・公開された場合には肖像権侵害で民事上の慰謝料・損害賠償を請求できる可能性があります。

肖像権侵害の慰謝料相場は10万~50万円程度ですが、事件内容や被害状況によっては100万円以上の慰謝料が認められるかもしれません。

肖像権の侵害で困っていたら、自分ひとりで悩まずに肖像権侵害やネットトラブルの対策を得意としている弁護士に相談してみましょう。

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この記事の監修者
阪神総合法律事務所
曾波 重之 (大阪弁護士会)
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相護士ナビ編集部

本記事はIT弁護士ナビを運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※IT弁護士ナビに掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。

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