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名誉毀損の対処法 弁護士監修記事 公開日:2020.7.15  更新日:2022.11.8

どこからが違法?YouTubeで名誉毀損になる動画の内容を解説

東京みらい法律事務所
甲斐 伸明 弁護士
監修記事
Movie pc

YouTubeの動画内で個人名を出して悪口を言われたり、承諾もなく撮影した動画を使用されたりすることは、名誉毀損や著作権違反といった法律違反になる可能性があります。

名誉毀損といわれてもどのような発言が、またどのような画像を使用されていれば誹謗中傷に該当するのか、判断することは難しいです。

もしYouTubeで名誉毀損を疑うような内容を見つけた場合には、名誉毀損に該当するか確認する必要があるでしょう。

動画の削除の方法も交えながら、訴訟や投稿者の特定を検討すべきかについても詳しくご紹介していきます。

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名誉毀損はどんな動画内容なら成立するのか

自分が非難されていると感じるものなら、どのような内容でも名誉毀損になるというわけではありません。名誉毀損が成立するための条件がいくつかあります。

以下を参考にしてみてください。

YouTube上での名誉毀損の扱い

YouTubeでは、独自に名誉毀損についての基準を設けており、以下の通り設定されています。

名誉毀損に関する法律は国によって異なりますが、ほかの人物や会社の評判を傷つけるようなコンテンツは通常これに該当します。名誉毀損の定義は世界中で異なりますが、一般的には誰かの評判を傷つけるような、事実とは異なる言動や、誰かが孤立したり、避けられたりするように仕向けることが名誉毀損とされます。

【引用元】YouTubeヘルプ「名誉毀損」

YouTubeにおける名誉毀損の基準は、以下の通りといえるでしょう。

  • 他人や社会の評判を傷つけるコンテンツ
  • 事実と異なる言動
  • 孤立するように仕向ける行為のこと

またYouTubeでは、名誉毀損は国によって法律が異なることも考慮することが定められています。

名誉毀損を理由に訴えようとする場合、法的根拠を説明する必要があると言い換えられるでしょう。

日本の法律で定められた名誉毀損の定義

YouTubeに名誉毀損を申し立てる場合には、日本の法律に違反している法的根拠を示す必要があります。

社会的生活を営む上で、世間から見て後ろめたい事柄に該当する内容を不特定多数の人に伝達する可能性のある方法で伝えられたときに名誉毀損が認められるでしょう。

YouTubeの動画内でいえば、人の名誉を傷つけるような内容をテキストや発言をした場合といえるでしょう。例えば服役していた過去から犯罪者であると吹聴したり、不貞行為をしていることを告発したりされた場合は社会的評価を下げる内容です。

このような誹謗中傷の内容が真実でなくても、名誉毀損は成立する可能性があります。

詳しい内容については、以下の記事を参考にしてみてください。

詳細記事 名誉毀損とは|成立する要件と訴える方法を分かりやすく解説

【Q&A】こんな内容は名誉毀損になる?

実際に以下のような内容の動画投稿を行えば、『名誉毀損』が成立する可能性があるでしょう。

物申す系動画

物申す系動画は、人や事件に対してあれこれ言う動画のことです。

例えば飲食店のレビューを行う際に、「○○店の料理を食べてみた!クソまず料理の真相は」という動画を投稿。

この場合は内容次第では、名誉毀損の他にも、業務妨害罪に該当する可能性もあるでしょう。

また民事的にも不法行為に該当し、損害賠償請求責任が発生する可能性があります。

あおり運転(ドライブレコーダー)の晒し

ドライブレコーダーは本来、証拠保全の観点から必要性のあるものです。

その中で、迷惑行為や言いがかりの悪質な行為が撮影されるということは、相手の真実を明らかにしているといえます。

通常、無断で人を撮影すると肖像権の侵害などの問題が生じますが、この場合には証拠保全のため、撮影自体が違法行為になる可能性は低いでしょう。

しかし,撮影行為が適法であるからといって,その動画をインターネットに投稿することまでがただちに適法とはなりません。憂さ晴らしや再生回数を伸ばす目的で投稿すれば、違法性を問われる可能性が十分にあります。

特定の人物の顔に修正をせず、危険人物として顔をさらす行為は名誉毀損罪に該当する可能性が高くなるため、感情的に投稿をすることは控えたほうが良いでしょう。

YouTubeの名誉毀損動画を削除する方法

『YouTube』に動画を削除依頼する方法を、2つご紹介していきます。

運営へ名誉毀損の申し立てを行う

名誉毀損による削除依頼ウェブフォーム」から申し立てを行います。

質問事項に沿って記入していきますが、注意すべき箇所は「名誉毀損に該当する理由」の説明です。

ここには法的根拠を記載する必要があるので、日本の刑法第230条に違反(事実の摘示がある場合)することや、民法709条の不法行為になることを詳細に伝える必要があります。

弁護士に削除手続を依頼する

もし自分で行う削除依頼に不安がある場合には、弁護士に相談してみるのも方法のひとつです。

自分で削除依頼をしたものの対応してもらえなかった場合に、弁護士への依頼を検討してみても良いでしょう。

YouTubeの削除依頼や名誉毀損について実務経験がある弁護士に相談すれば、事態の早期解決に結びつく可能性があります。

YouTubeでの名誉毀損の対応を検討する場合は弁護士へ相談

YouTubeで名誉毀損をされたと感じて、削除依頼や投稿者特定などを検討する場合、基本的には弁護士への相談がベターといえるでしょう。

特に投稿者特定のための発信者情報開示請求や、仮処分命令申立については内容面・手続面の両方が非常に専門知識を要します。

そのため弁護士の中でも、特にIT分野に関する実績や経験がある弁護士に依頼したほうが、早期解決を図れるでしょう。

 

なお、2022年10月27日までに改正プロバイダ責任制限法が施行されます。改正プロバイダ責任制限法では、従来2段階の裁判手続が必要だった発信者情報開示請求を、1回の非訟手続によって行うことができるようになります。これにより、被害者側の負担が軽減すると考えられるでしょう。また、ログイン時情報の発信者情報開示請求は、一定の条件はあるものの、明文で認められるようになります。

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プロバイダ責任制限法の改正による情報開示請求の変更点

2022年10月1日に改正プロバイダ責任制限法(特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律)が施行され、手続き等に変更がありました。主な違いは次の3点です。
 
➀新たな非訴手続きの創設
②開示情報の範囲の見直し
③発信者が開示を拒否した場合の理由照会の義務化
 
ここでは、これら変更点について簡単にお伝えします。

1回の手続きで情報開示請求できる新たな非訴手続きの創設

これまでは発信者情報を特定するために、「コンテンツプロバイダへの発信者情報開示仮処分」と「アクセスプロバイダへの発信者情報開示請求」の2つの裁判手続きが必要でした。
 
その分、発信者の特定まで時間と費用がかかるうえに、2回の裁判の途中でログ保存期間が経過し、発信者の特定が困難になるなどのデメリットがあったのです。
 
改正後は、新たな非訟手続として「発信者情報開示命令に関する裁判手続」が創設され、1回の手続で発信者情報の開示請求が可能になりました。非訟手続は訴訟以外の裁判手続のことで、訴訟に比べて手続きが簡易で柔軟な対応ができるのが特徴です。
 
新設された「発信者情報開示命令に関する裁判手続」では、「①裁判所に対する開示命令」「②コンテンツプロバイダとアクセスプロバイダに対する提供命令」「③アクセスプロバイダに対する消去禁止命令」を同時に申立てます。
 
このように、1つの裁判手続きで済むことと、消去禁止命令があることから、発信者の特定まで時間が短縮され、ログが消えて発信者情報の開示が困難になるのを防ぎ、より円滑に被害者の損害が回復されることが見込まれます。

既存の2段階の手続きも認められている

改正プロバイダ責任制限法では、既存の「発信者情報開示請求権にかかる手続き」による2段階の手続きも認められています。つまり、「発信者情報開示命令に関する裁判手続」と「発信者情報開示請求権にかかる手続き」のどちらの方法でも発信者情報の開示請求が可能です。
 
もっとも、新設の手続きではアクセスプロバイダとコンテンツプロバイダの間で必要な情報を相互に提供し合う必要があり、円滑に発信者情報の特定に至るか難しいケースも考えられます。
 
例えば、IPアドレスやタイムスタンプなどで発信者が特定可能な平易なケースであれば、新設の手続きを利用するのが理想でしょう。
 
一方、ポート番号など他の情報が必要なケースや、事前にプロバイダが強く情報開示を拒否すると予想されるケースなどは、既存の手続きを必要とする可能性が高く、ケースバイケースでどちらの手続きを選択すべきか判断することになります。

ログイン時情報を開示請求可能に

近年のSNSはログイン型サービスが主流になりました。同サービスではログインした状態で様々な投稿をおこないます。もっとも、そのようなログイン型サービスは、ログイン時のIPアドレスは保有しているものの、投稿時のIPアドレスを保有していないケースも少なくありません。
 
そして、ログイン時のIPアドレスは既存のプロバイダ責任制限法において「発信者情報」に該当するか明確になっておらず、開示されるかどうかは裁判所により個別に判断されていました。また、ログイン時の通信を媒介したプロバイダに関しては、開示請求の対象とはしていませんでした。
 
つまり、権利侵害を受けたにも関わらず発信者が特定できないケースもあったのです。
 
そこで改正プロバイダ責任制限法では、ログイン時のIPアドレスについて「特定発信者情報」と明文化し、ログイン時のIPアドレスについても開示請求権を認めました。さらに、ログイン時の通信を媒介したプロバイダも開示請求の対象と認めています。
 
これにより、ログイン型サービスにおいて、投稿時のIPアドレスが保存されていないケースであっても、ログイン時IPアドレスを特定発信者情報とし情報開示請求が可能になりました。
 
もっとも、ログイン時のIPアドレスの開示が認められるには「請求対象のプロバイダが特定発信者情報のみしか保有していない」など条件が設けられています。つまり、ログイン時の情報が開示されるのはログイン型サービスのみに限定される点に注意が必要です。

意見照会で発信者が情報開示に応じないときの理由の照会

既存のプロバイダ責任制限法では、発信者情報開示請求があった場合、プロバイダは発信者に対して意見照会をしなければならないと定められています。意見照会は簡単にいえば「発信者に対して情報を開示してもよいか確認すること」と表現できます。
 
改正プロバイダ責任制限法でも意見照会自体について定めがあるものの、新たに、「発信者が開示に請求に応じない場合にはその理由を照会する」旨の規定が定められました。
 
つまり、発信者が情報開示請求に応じない場合、プロバイダはその理由について聞き取りをしなければなりません。
 
これにより、発信者が情報開示に応じない理由を把握したうえで、プロバイダが適切な対応がとれるようになります。

まとめ

YouTubeの誹謗中傷を解決する手段は、ガイドラインに沿った内容であることが強く意識されているようです。

また名誉毀損は専門性が高い分野ですので、弁護士でなければ円滑な削除は難しいかもしれません。

名誉毀損に該当する事例に自分が当てはまるかどうかを判断し、なるべく早く削除に応じてもらわなければ、その間もYouTubeで投稿は公開され続けてしまいます。

被害を最小限にとどめるために、早期に弁護士へ相談し、事態の解決を図りましょう。

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この記事の監修者
東京みらい法律事務所
甲斐 伸明 弁護士 (東京弁護士会)
2005年弁護士登録。インターネットの普及に伴うさまざまなトラブルに対し、培ってきた様々な知識・経験を活かし、被害者に寄り添う。テレビなどメディアでの掲載実績も多数有。

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相護士ナビ編集部

本記事はIT弁護士ナビを運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※IT弁護士ナビに掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。

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