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ネットに強い弁護士 弁護士監修記事 公開日:2019.11.7  更新日:2022.11.8

ネット誹謗中傷は弁護士が解決!削除や慰謝料請求が可能な書き込みとは

弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤康二 弁護士
監修記事
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「サイト(掲示板やSNSなど)に削除を要求する方法がわからない」「サイトへ削除依頼をしたけど削除に応じてもらえない」

そのような状況でも、すぐ泣き寝入りをする必要はありません。第三者が見てあなたのことだとわかる可能性がある投稿なら、弁護士への依頼で削除が成功する可能性は十分にあります。

ネット誹謗中傷被害のお悩みは、弁護士の法律相談サービスをぜひご活用ください。

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この記事に記載の情報は2022年11月08日時点のものです

弁護士が削除できる可能性がある誹謗中傷の例

ネット投稿の内容に、他者の権利侵害(名誉毀損やプライバシー侵害など)が見られる場合は、弁護士への依頼で削除できる可能性があります。

  • 誹謗中傷の例①

    アシロ太郎 30歳 東京都新宿区○丁目○○ 物事が思い通りにならないとすぐ怒鳴る。精神疾患に罹患したことがあるので頭がオカシイのだろう」

    上記例は、『年齢』『住所』『病歴』など個人のプライバシーに関わる事項を含み、また「精神疾患に罹患したことがある」という表現は名誉毀損となる可能性があります。

  • 誹謗中傷の例②

    「アシロ太郎は15年前に横領で逮捕された元犯罪者

    名誉毀損となる言動は、内容の真偽にかかわらず、社会的評価に悪影響を与えるものであれば、成立する余地があります。上記の例だと、『逮捕された元犯罪者』が本当でも嘘でも名誉毀損となり得ます。

  • 誹謗中傷の例③

    「○○市役所に勤めているH.Aは不倫をしている 昔から男好きの尻軽女」

    はっきりと実名が書かれていない場合でも、対象者の周囲の人から容易に個人特定が可能なら名誉毀損が成立する余地があります。なお、上記投稿のうち『不倫をしている』という書き込みは、社会的信用を貶める内容と判断されやすいと考えられます。

加害者を特定をして慰謝料の請求が成功した事例

誹謗中傷の慰謝料

上記でご紹介した例のようなネット誹謗中傷の被害に遭った場合、加害者の身元を特定して、実際に慰謝料を請求することも可能です。

例えば、以下のような事例がございます。

なりすまし加害者を特定して損害賠償(慰謝料)を請求

SNSで被害者本人の顔写真を利用してなりすまし、ネット上の第三者を罵倒するような投稿を続けて、民事訴訟に発展した事件(詳細)。

弁護士に依頼した結果

投稿サイトと加害者が利用したプロバイダ(ネット事業者)に対する開示請求により加害者を特定。その後、加害者を民事裁判により名誉毀損の被害が立証されて、損害賠償の請求が認められました。

裁判の判決

加害者から被害者に対して、以下の損害賠償(慰謝料&加害者特定と損害賠償請求にかかった弁護士費用)の支払いが命じられました。

  • 慰謝料60万円の支払い
  • 弁護士費用(特定手続き)58万6,000円の支払い
  • 弁護士費用(損害賠償請求)12万円の支払い

なお、2022年10月27日までに改正プロバイダ責任制限法が施行されます。改正プロバイダ責任制限法では、従来2段階の裁判手続が必要だった発信者情報開示請求を、1回の非訟手続によって行うことができるようになります。これにより、被害者側の負担が軽減すると考えられるでしょう。また、ログイン時情報の発信者情報開示請求は、一定の条件はあるものの、明文で認められるようになります。

弁護士への依頼費用の相場

ネット書き込み削除の弁護士費用の相場は、以下の通りです。

任意での削除(サイトが削除依頼に応じた場合)

着手金:5〜10万円
報酬金:5〜10万円

仮処分での削除(サイトが削除依頼を拒否する場合)

着手金:約20万円
報酬金:約15万円

加害者の特定と損害賠償請求も依頼する場合は、60万円前後がおおよその目安になります。※弁護士費用は、法律事務所や対象サイトによって異なります。

なお、民事訴訟では、加害者に対して弁護士費用を負担させる旨の判断が出る可能性がありますが、必ずしもかかった費用全額が認められるわけでもありませんので、注意しましょう。

弁護士への依頼をおすすめする状況

弁護士への依頼

上記の通り、弁護士費用は安価ではありません。

弁護士への依頼は、以下のいずれかに該当するかを確認した上、慎重にご検討ください。

  • 警察に相談しても動いてもらえない
  • 加害者を特定して慰謝料を請求したい

警察に相談しても動いてもらえない

「脅迫をされた」「営業妨害をされた」など、事件性のある被害には、『警察への相談』が有効です。

ただし、警察は民事不介入が原則であるため、事件性がないまたは犯罪の証明が難しい状態だと、積極的に対応してもらえないケースも多いのが実情です。

個人での解決が難しい問題にもかかわらず、警察に対応してもらえない場合は、弁護士への相談をおすすめします。

加害者を特定して慰謝料を請求したい

長期間ずっと粘着されていたり、削除してもすぐまた書き込まれてしまう場合には、単に投稿を削除するだけでは解決が難しいと思われます。

しかし、身元特定をされて訴えられてまで、誹謗中傷を続ける人はほとんどいません。これ以上の誹謗中傷を抑止する目的で弁護士を雇うのも、誹謗中傷への有効な対処法一つです。

また、私生活や仕事への被害が大きい場合は、慰謝料が高額になりやすいです。精神的苦痛に対する賠償や損害への補填が目的の場合は、依頼前の法律相談でおおよその見積もりを確認してみましょう。

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誹謗中傷対策業者への依頼は要注意

ネットで誹謗中傷対策について検索をしていると、誹謗中傷対策業者が多く見受けられます。

しかし、弁護士と対策業者では依頼できる内容が異なるのでご注意ください。

相談内容

弁護士

対策業者

サイトへの削除依頼

×

検索の関連ワード・サジェスト対策

逆SEO対策(誹謗中傷サイトの検索順位を下げる)

×

仮処分(削除・IPアドレス開示)

×

投稿者の特定(プロバイダへの開示請求)

×

加害者への損害賠償請求

×

対策業者へ依頼できるのは、GoogleやYahooなどの関連キーワード対策や、検索エンジンの順位を下げる逆SEO対策です。

ネット投稿(書き込み・画像・動画など)の削除依頼や、加害者の身元特定・慰謝料請求はできません。※弁護士以外が削除依頼を受け付けている場合は、違法業者である可能性が高いです

プロバイダ責任制限法の改正による情報開示請求の変更点

2022年10月1日に改正プロバイダ責任制限法(特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律)が施行され、手続き等に変更がありました。主な違いは次の3点です。
 
➀新たな非訴手続きの創設
②開示情報の範囲の見直し
③発信者が開示を拒否した場合の理由照会の義務化
 
ここでは、これら変更点について簡単にお伝えします。

1回の手続きで情報開示請求できる新たな非訴手続きの創設

これまでは発信者情報を特定するために、「コンテンツプロバイダへの発信者情報開示仮処分」と「アクセスプロバイダへの発信者情報開示請求」の2つの裁判手続きが必要でした。
 
その分、発信者の特定まで時間と費用がかかるうえに、2回の裁判の途中でログ保存期間が経過し、発信者の特定が困難になるなどのデメリットがあったのです。
 
改正後は、新たな非訟手続として「発信者情報開示命令に関する裁判手続」が創設され、1回の手続で発信者情報の開示請求が可能になりました。非訟手続は訴訟以外の裁判手続のことで、訴訟に比べて手続きが簡易で柔軟な対応ができるのが特徴です。
 
新設された「発信者情報開示命令に関する裁判手続」では、「①裁判所に対する開示命令」「②コンテンツプロバイダとアクセスプロバイダに対する提供命令」「③アクセスプロバイダに対する消去禁止命令」を同時に申立てます。
 
このように、1つの裁判手続きで済むことと、消去禁止命令があることから、発信者の特定まで時間が短縮され、ログが消えて発信者情報の開示が困難になるのを防ぎ、より円滑に被害者の損害が回復されることが見込まれます。

既存の2段階の手続きも認められている

改正プロバイダ責任制限法では、既存の「発信者情報開示請求権にかかる手続き」による2段階の手続きも認められています。つまり、「発信者情報開示命令に関する裁判手続」と「発信者情報開示請求権にかかる手続き」のどちらの方法でも発信者情報の開示請求が可能です。
 
もっとも、新設の手続きではアクセスプロバイダとコンテンツプロバイダの間で必要な情報を相互に提供し合う必要があり、円滑に発信者情報の特定に至るか難しいケースも考えられます。
 
例えば、IPアドレスやタイムスタンプなどで発信者が特定可能な平易なケースであれば、新設の手続きを利用するのが理想でしょう。
 
一方、ポート番号など他の情報が必要なケースや、事前にプロバイダが強く情報開示を拒否すると予想されるケースなどは、既存の手続きを必要とする可能性が高く、ケースバイケースでどちらの手続きを選択すべきか判断することになります。

ログイン時情報を開示請求可能に

近年のSNSはログイン型サービスが主流になりました。同サービスではログインした状態で様々な投稿をおこないます。もっとも、そのようなログイン型サービスは、ログイン時のIPアドレスは保有しているものの、投稿時のIPアドレスを保有していないケースも少なくありません。
 
そして、ログイン時のIPアドレスは既存のプロバイダ責任制限法において「発信者情報」に該当するか明確になっておらず、開示されるかどうかは裁判所により個別に判断されていました。また、ログイン時の通信を媒介したプロバイダに関しては、開示請求の対象とはしていませんでした。
 
つまり、権利侵害を受けたにも関わらず発信者が特定できないケースもあったのです。
 
そこで改正プロバイダ責任制限法では、ログイン時のIPアドレスについて「特定発信者情報」と明文化し、ログイン時のIPアドレスについても開示請求権を認めました。さらに、ログイン時の通信を媒介したプロバイダも開示請求の対象と認めています。
 
これにより、ログイン型サービスにおいて、投稿時のIPアドレスが保存されていないケースであっても、ログイン時IPアドレスを特定発信者情報とし情報開示請求が可能になりました。
 
もっとも、ログイン時のIPアドレスの開示が認められるには「請求対象のプロバイダが特定発信者情報のみしか保有していない」など条件が設けられています。つまり、ログイン時の情報が開示されるのはログイン型サービスのみに限定される点に注意が必要です。

意見照会で発信者が情報開示に応じないときの理由の照会

既存のプロバイダ責任制限法では、発信者情報開示請求があった場合、プロバイダは発信者に対して意見照会をしなければならないと定められています。意見照会は簡単にいえば「発信者に対して情報を開示してもよいか確認すること」と表現できます。
 
改正プロバイダ責任制限法でも意見照会自体について定めがあるものの、新たに、「発信者が開示に請求に応じない場合にはその理由を照会する」旨の規定が定められました。
 
つまり、発信者が情報開示請求に応じない場合、プロバイダはその理由について聞き取りをしなければなりません。
 
これにより、発信者が情報開示に応じない理由を把握したうえで、プロバイダが適切な対応がとれるようになります。

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この記事の監修者
弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤康二 弁護士 (第二東京弁護士会)
アンダーソン・毛利・友常法律事務所を経て2014年8月にプラム綜合法律事務所を設立。企業法務から一般民事、刑事事件まで総合的なリーガルサービスを提供している。

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相護士ナビ編集部

本記事はIT弁護士ナビを運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※IT弁護士ナビに掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。

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