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北海道で名誉毀損の書き込みを見つけたら
事実のように書かれた投稿のせいで、勤め先や取引先、近所の知り合いの接し方が変わったと感じるなら、名誉毀損として慰謝料の請求や刑事告訴で責任を問える可能性があります。北海道警察が2025年(令和7年)に検挙したサイバー犯罪は961件にのぼり、過去5年平均の600.0件を大きく上回る水準です。責任追及には期限があり、告訴は書いた人を知った日から6か月、賠償の請求は損害と相手を知った時から3年を過ぎると使えません。道内の札幌・函館・旭川・釧路の4弁護士会には計1,099人が登録しており(2026年9月1日現在)、名誉毀損を扱う事務所に保存した画面を見せれば、民事と刑事のどちらから手を付けるかを最初の面談で決めてもらえます。
誰が書いたのか分からない
慰謝料の請求も告訴も、書き手の氏名と住所をつかむところが出発点です。特定の手続については北海道の情報開示請求に強い弁護士のページで扱っています。
書いた人の見当がついている
6か月の告訴期限は、その人物が書き手だと分かった時点から進みます。投稿の画面と、その人だと考える根拠を箇条書きにしたメモを用意し、2週間以内に弁護士との面談を入れてください。
投稿を早く消してほしい
削除の依頼先や手順は北海道のSNS投稿削除に強い弁護士のページにまとめています。削除を求める前に、アドレスと投稿日時が入る形で画面を記録しておけば、消えたあとも賠償や告訴の証拠に使えます。
会社や店の評判を落とされた
会社や店も名誉毀損の被害者として賠償と告訴を求められます。投稿に気づいた日から予約や問い合わせの数を日ごとに書き留めておけば、売上の落ち込みを損害として示す材料になります。
名誉毀損にあたる書き込みの条件
刑法230条1項は、公然と事実を摘示して人の名誉を毀損した者を3年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金に処すると定めています。民事の賠償請求でも問われるのは、その投稿によって世間の評価が下がったかどうかです。判断の物差しは次の3点で、すべて満たせば民事と刑事の両方で動き出せます。
名誉毀損かどうかを見る3つの物差し
- 多くの人が見られる場所か
- 法務省は、公然と、の意味を「不特定又は多数の人が認識できる状態」と説明しています。誰でも閲覧できるSNSの投稿、口コミ欄、掲示板のスレッドがこれにあたります。
- 真偽を確かめられる話か
- 最高裁平成9年9月9日判決は、事実の摘示を、証拠などで存否を決められる他人に関する特定の事項の主張としています。「横領して前の職場を追われた」「無免許で営業している」のような書き方が該当します。
- 普通の読み手の評価が下がるか
- 同じ判決は、一般の読者の普通の注意と読み方を基準に評価の低下を判断するとしました。書かれた本人の受け止め方ではなく、何も知らない第三者が読んでどう感じるかで決まります。
道内の法務局の数字も見ておきます。2025年に札幌法務局と函館・旭川・釧路の各地方法務局が受け付けたネット上の名誉・プライバシーに関する人権侵犯事件は計51件で、そのうち名誉毀損等は13件です(札幌法務局が9件)。全国の警察がネット上の名誉毀損罪で検挙した件数は、2021年の315件から2025年には451件に増えています。道警の資料でも、罪種の内訳が分かる2024年のネットワーク利用犯罪のうち名誉毀損が3.7%を占めます。自分のケースが3つの物差しに当てはまるか迷ったら、保存した投稿をまとめて弁護士に見せてください。名誉毀損のほか侮辱やプライバシー侵害も含めて、どの主張で争うと通りやすいかを教えてもらえます。
出典:e-Gov法令検索「刑法」、法務省「侮辱罪の法定刑の引上げ Q&A」、裁判所「最高裁判所 平成9年9月9日判決(平成6年(オ)第978号)」、e-Stat「人権侵犯事件統計」(法務省)2025年、警察庁「令和7年におけるサイバー空間をめぐる脅威の情勢等について」統計編、北海道警察「北斗の安全」(令和7年版)、同「令和7年 重点目標の結果」
本当のことを書かれた場合の名誉毀損
書かれた内容が事実であっても、名誉毀損は成り立ちます。刑法230条1項は「その事実の有無にかかわらず」処罰すると明記しているためです。書き手が責任を免れるのは、刑法230条の2が定める次の条件を書き手自身が立証できたときに限られます。
社会全体にとって関心を持つべき事実であること。起訴される前の人の犯罪行為に関する事実は、法律上この条件を満たすものとして扱われます(同条2項)。
書き込んだ目的が公益を図ることに尽きていること。恨みを晴らす、相手を困らせるといった私的な動機が中心なら、この条件は欠けます。
摘示した事実が真実だと書き手が証明すること。公務員や選挙の候補者に関する事実なら、条件1と2を問わず、真実の証明があれば罰せられません(同条3項)。
慰謝料をめぐる民事の争いでも、考え方はほぼ共通です。最高裁昭和41年6月23日判決は、公共性と公益目的がある場合に、真実の証明ができたとき、または真実と信じたことに相当の理由があるときは不法行為にならないとしました。ネットの個人の書き込みについては、最高裁平成22年3月15日決定が、他の媒体と同じく確実な資料や根拠に照らして相当の理由があるかを判断すべきで、基準を緩めるべきではないとしています。噂話や他人の投稿を引き写しただけの書き込みは、この基準を満たしにくいと言えます。
一部に本当のことが含まれている人は、事実と異なる部分、話を大きくした部分、相手がその情報を知りえた経路を時系列で書き出して相談に持参してください。札幌地方裁判所などで相手が真実性や公益目的を主張してきても、弁護士がどこを突けば崩せるかを早い段階で見定められます。
出典:e-Gov法令検索「刑法」、裁判所「最高裁判所 昭和41年6月23日判決(昭和37年(オ)第815号)」、同「最高裁判所 平成22年3月15日決定(平成21年(あ)第360号)」
悪口や感想の投稿と名誉毀損の境目
「気持ち悪い」「最低な人間」のように、具体的な出来事を示さずにけなすだけの投稿は、名誉毀損ではなく侮辱罪(刑法231条)の対象です。法務省は2つの罪の違いを事実の摘示を伴うかどうかに置き、それが法定刑の差につながっていると説明しています。
2つの罪の重さと手続
- 名誉毀損罪
- 具体的な事実を示して評価を落とす行為で、刑は3年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金です。
- 侮辱罪
- 事実を示さずに人をさげすむ行為で、刑は1年以下の拘禁刑もしくは30万円以下の罰金、または拘留もしくは科料です。法定刑は2022年7月7日に引き上げられました。
- どちらにも共通
- 被害者の告訴がなければ起訴されない親告罪で(刑法232条)、公訴時効はいずれも3年です(刑事訴訟法250条2項6号)。
警察庁の集計では、2025年にネット上の侮辱罪で検挙された件数は全国で104件です。民事では、事実を示していない投稿でも賠償の対象になる場合があります。最高裁平成22年4月13日判決は、名誉感情を傷つけるにとどまる書き込みでも、社会通念上許される限度を超える侮辱であれば人格的利益の侵害にあたりうると述べています。批評や意見の体裁をとっていても、人身攻撃に及ぶなど意見・論評の域を外れた投稿は責任を免れません(最高裁平成9年9月9日判決)。
侮辱にあたる言葉の例や法改正の経緯は北海道のネット誹謗中傷に強い弁護士のページで扱っています。具体的な出来事を書いた投稿と、けなすだけの投稿を2つの束に分けてから道内の警察署や弁護士に渡してください。それぞれにどの罪名が当てはまるか、民事でどこまで請求できるかを1回の相談で整理してもらえます。
出典:法務省「侮辱罪の法定刑の引上げ Q&A」、法務省「拘禁刑下の矯正処遇等について」、e-Gov法令検索「刑事訴訟法」、裁判所「最高裁判所 平成22年4月13日判決(平成21年(受)第609号)」、警察庁「令和7年におけるサイバー空間をめぐる脅威の情勢等について」統計編
道警への告訴と道内4つの地検
処罰を求めるなら、警察官か検察官に書面または口頭で告訴します(刑事訴訟法241条)。期限は書き手を知った日から6か月で(同法235条)、匿名の投稿では書き手が判明した日から数えます。起訴できる期間を区切る公訴時効も3年と短いため、古い投稿ほど時間の余裕はありません。
北海道警察にはサイバー犯罪専用の相談電話がなく、誹謗中傷の案内ページでは、投稿のスクリーンショットか印刷したものを持って最寄りの警察署に行くよう求めています。事前に電話で聞きたいことがあれば、北海道警察本部警察相談センターの#9110が毎日24時間つながります(つながらない電話からは011-241-9110)。
投稿ごとの画面記録、書き手を示す資料、いつ何に気づいたかの経緯を告訴状にまとめます。罪名ごとに投稿を仕分けておくと、警察署での説明が短く済みます。
警察は受け取った告訴の書類と証拠を速やかに検察官へ送ります(同法242条)。道内には札幌・函館・旭川・釧路の4つの地方検察庁があり、支部を含め地域を受け持つ検察官が起訴するかどうかを決めます。
起訴・不起訴が決まると告訴人に通知され(同法260条)、不起訴なら請求すれば理由を教えてもらえます(同法261条)。
不起訴に納得できないときは、道内9か所の検察審査会に審査を申し立てられ、費用はかかりません。札幌検察審査会(札幌地方裁判所の庁舎内・011-350-4817)のほか、函館・旭川・釧路・帯広・北見・岩見沢・室蘭・小樽にあります。
検察審査会が2度にわたって起訴すべきと判断すれば、裁判所が指定した弁護士が検察官の代わりに起訴します。捜査の進み具合や裁判の予定を知りたい被害者は、各地検の被害者ホットラインに問い合わせてください。札幌地検は011-261-9370、函館地検は0138-41-1655(平日8時30分〜17時15分)、旭川地検は被害者支援相談室0166-51-6259(平日9時〜17時15分)、釧路地検は0154-41-6133です。相手から、告訴を取り下げてくれれば示談金を払うと持ちかけられても、一度取り消した告訴は出し直せません(同法237条)。合意書に署名する前に、条件が妥当かを弁護士に見てもらってください。
出典:e-Gov法令検索「刑事訴訟法」、同「検察審査会法」、北海道警察「インターネット上の誹謗中傷」、同「警察相談専用電話「#9110」」、札幌地方検察庁、函館地方検察庁、旭川地方検察庁、釧路地方検察庁、裁判所「検察審査会での審査の流れ」、同「全国の検察審査会一覧表」
札幌・函館・旭川・釧路の裁判所で賠償請求
民事で求めるお金の中心は、精神的な苦痛への慰謝料です(民法709条・710条)。名誉毀損の慰謝料に公的な相場表はなく、訴訟では裁判所が個々の事情を見て金額を決めます。進め方は、弁護士名での請求書の送付、交渉と示談、まとまらなければ訴訟という順です。請求額が140万円以下なら道内33か所の簡易裁判所、それを超えると地方裁判所が扱います。
主な市から見た地方裁判所の行き先
- 札幌市・江別市・千歳市・恵庭市・北広島市・石狩市
- 札幌地方裁判所 本庁(中央区大通西11丁目)
- 小樽市・苫小牧市・岩見沢市・室蘭市など
- 札幌地裁の各支部(小樽・苫小牧・岩見沢・室蘭ほか)
- 函館市・北斗市・七飯町など道南
- 函館地方裁判所(函館市上新川町)
- 旭川市・深川市・富良野市など
- 旭川地方裁判所(旭川市花咲町4丁目)。名寄・紋別・留萌・稚内には支部
- 釧路市・釧路町など
- 釧路地方裁判所(釧路市柏木町)
- 帯広市と十勝の町村/北見市
- 釧路地裁の帯広支部/北見支部(北見市の旧常呂町は網走支部)
訴えは相手の住所地の裁判所だけでなく、義務履行地や不法行為があった地の裁判所にも起こせます(民事訴訟法4条・5条1号・5条9号)。相手が道外に住んでいても、道内に住む被害者は地元の裁判所で争える場合があります。
賠償を求める権利は、損害と加害者の両方を知ってから3年、投稿された時から20年が過ぎると時効で消えます(民法724条)。弁護士に払う費用も、最高裁昭和44年2月27日判決により、事案の難しさや請求額、認められた額などから相当といえる範囲なら損害に含めて請求できます。判決に従わず支払わない相手には、財産開示や預貯金などの情報取得を申し立てて差押えにつなげます。札幌地裁の管内では、小樽や苫小牧など支部の地域の分も本庁の民事4部(執行受付係 011-290-2200)が扱います。慰謝料の考え方は名誉毀損の慰謝料の記事で解説しています。投稿の件数と広がり方が分かる資料を持参すれば、見込める回収額と裁判にかかる費用を並べたうえで、訴えるかどうかを相談の場で決められます。
出典:e-Gov法令検索「民法」、同「民事訴訟法」、裁判所「簡易裁判所の民事事件Q&A」、同「北海道内の管轄区域表」、同「申立書提出先一覧(北海道の地方裁判所)」、札幌地方裁判所「窓口案内」、裁判所「最高裁判所 昭和44年2月27日判決(昭和41年(オ)第280号)」
謝罪文や訂正で信用を取り戻す
お金を受け取っても、周りの誤解が解けなければ生活は元に戻りません。民法723条により、裁判所は被害者の請求があれば、損害賠償に代えて、または損害賠償と合わせて、名誉を回復するのに適当な処分を命じられます。最高裁昭和31年7月4日大法廷判決は、新聞への謝罪広告の掲載を命じる判決も、真相を告白し陳謝の意を表す程度の内容であれば憲法19条(良心の自由)に反しないとしています。道内で取れる手段は次の4つです。
示談書に謝罪と訂正を盛り込む
慰謝料の額と一緒に、謝罪文の交付、訂正の投稿、元の投稿の削除、今後同じ内容を書かないという約束を合意の条件に入れます。
簡易裁判所で調停を申し立てる
調停委員を挟んで話し合う手続で、道内の簡易裁判所が扱います。札幌簡易裁判所では民事受付・手続案内センター(011-350-4300)が申立ての相談に応じています。
訴訟で謝罪広告を求める
慰謝料と並べて請求し、どの媒体に、どんな文言で、どれだけの期間載せるかを訴状で具体的に示します。
法務局に人権侵犯を申告する
法務局が調べて人権侵害にあたると判断した投稿については、法務局からプロバイダなどへ削除の要請が出されます。札幌法務局は人権擁護部(北区北8条西2丁目)、旭川地方法務局は0166-38-1114、釧路地方法務局は0154-31-5014が人権の担当で、函館地方法務局も面談に応じます。電話はみんなの人権110番(0570-003-110、平日8時30分〜17時15分)で最寄りの法務局につながります。
文字で相談したい人は、札幌法務局が北海道在住者向けに開いている法務局LINEじんけん相談も使えます。法務局の手続は強制力を持たないため、賠償や謝罪広告まで求めるなら弁護士による交渉や訴訟と組み合わせることになります。載せてほしい謝罪文の文面、掲載先、掲載期間をメモにして弁護士に渡してください。示談の条件案にも訴状の請求の趣旨にも、そのまま使ってもらえます。
出典:e-Gov法令検索「民法」、裁判所「最高裁判所大法廷 昭和31年7月4日判決(昭和28年(オ)第1241号)」、法務省「インターネット上の人権侵害をなくしましょう」、同「みんなの人権110番」、同「法務局LINEじんけん相談」、札幌法務局「人権擁護部」、旭川地方法務局「管内法務局一覧」、釧路地方法務局「管内法務局一覧」
道内の会社・店舗が被害を受けたら
社名や店名を挙げて信用を落とす投稿には、会社そのものが被害者として賠償を求め、告訴できます。法人の名誉権の侵害による無形の損害も、金銭に換算できる限り民法710条による賠償の対象になると、最高裁昭和39年1月28日判決が認めています。告訴の相談先は、本店や店舗の所在地を受け持つ北海道警察の警察署です。
売上の落ち込みまで賠償に含めたいなら、投稿との結びつきを示す記録が欠かせません。投稿に気づいた日を起点に、予約や来店、問い合わせの数、取引先からの照会や解約を日ごとに記録していけば、札幌地方裁判所などで損害を裏づける材料になります。うその噂で信用を傷つけたり業務を妨げたりする投稿は、刑法233条の信用毀損・業務妨害にも問えます。デマの拡散や検索候補の問題は北海道の風評被害に強い弁護士、口コミサイトの個々の投稿は北海道の口コミ削除に強い弁護士のページで扱っています。
中小企業なら、日弁連のひまわりほっとダイヤル(0570-001-240、平日10時〜16時・正午〜13時を除く)で弁護士に面談を申し込めます。初回30分の相談料は札幌・函館・釧路の弁護士会の管内では無料、旭川弁護士会の管内では5,500円(税込)です。対応窓口を社内で1人に決め、SNSで言い返さずに弁護士の指示を待てば、応酬で投稿が増える事態を防げます。
出典:裁判所「最高裁判所 昭和39年1月28日判決(昭和34年(オ)第901号)」、e-Gov法令検索「刑法」、日本弁護士連合会「ひまわりほっとダイヤル初回相談30分間の相談料一覧」、札幌弁護士会「中小企業の法律相談」
名誉毀損の対応を弁護士に頼むと減る手間
勝ち筋のある手段から着手できる
投稿が事実の摘示か意見か、相手に真実性の反論の余地があるかを弁護士が見極め、告訴・賠償・謝罪の要求のうち効果の大きいものから動かします。
特定から回収まで一つの事務所で
書き手の特定、慰謝料の交渉、告訴、支払わない相手への差押えまでを同じ弁護士が受け持ち、途中で依頼先を探し直す手間がかかりません。
相手と直接話さずに済む
請求書の送付、条件の交渉、合意書の作成は代理人が担い、相手からの連絡もすべて弁護士が受けます。
警察署で一から話さなくてよい
投稿ごとの罪名と証拠を整理した告訴状を弁護士が作るので、警察署での事情説明が短く済みます。
遠くの裁判所へ通う回数が減る
裁判の期日は弁護士が出席し、本人が法廷に立つのは尋問の日などごく一部です。道内は裁判所までの移動が長くなりやすいため、この負担の差は大きくなります。
書き手の特定に使う発信者情報開示命令は、相手方のSNS運営会社やプロバイダの所在地で申立て先の裁判所が決まります。札幌高裁の管内にある北海道では、道内の地裁が管轄を持つ申立てでも、東京地裁を選んで申し立てられます(情報流通プラットフォーム対処法10条3項1号)。札幌・函館・旭川・釧路の4地裁が受け付けた開示命令は2024年・2025年とも0件で、2025年は全国10,072件のうち9,343件を東京地裁が受けています。東京地裁での申立てに慣れた事務所に頼めば、特定から賠償請求や告訴まで間を空けずに進めてもらえます。
出典:e-Gov法令検索「情報流通プラットフォーム対処法」、最高裁判所「司法統計年報(民事・行政編)令和7年」
北海道で名誉毀損を無料で相談できる先
北海道では、札幌弁護士会の法律相談センターの相談料が無料です。どの事務所に頼むか決める前に、無料で見通しを聞ける先は次の4つです。
一般の法律相談は30分以内で無料です。ネットの誹謗中傷の相談も一般相談として受けており、予約は011-251-7730です。札幌センター(中央区北1条西10丁目)は月曜・水曜・金曜の夜18時〜19時30分にも枠があり、新さっぽろセンター(厚別区)は土日を含め毎日相談を受けています。小樽・苫小牧・岩見沢・滝川・室蘭などにもセンターがあります。
分野を問わず弁護士が電話で答える無料相談で、011-281-8686、平日10時〜16時、1回15分程度です。北海道に住んでいる人が対象です。
告訴を考えている人向けの無料電話相談で、011-251-7822、毎週月曜10時30分〜12時30分と水曜17時〜19時に受けています。面談も初回は無料です。
収入と資産が基準以下なら、同じ問題で3回まで無料で相談できます。予約は法テラス札幌0570-078388、函館0570-078390、旭川0570-078391、釧路0570-078392(いずれも平日9時〜17時)で、釧路の管内は帯広・北見・網走などの弁護士会のセンターで相談を受けます。
法テラスの収入基準は、札幌市と江別市に住む単身者なら手取り月収200,200円以下、それ以外の道内は182,000円以下が目安で、家賃の加算はどこでも単身41,000円までです。札幌市民なら、市役所本庁舎の無料法律相談(平日13時15分〜16時35分・1人20分、当日9時15分から予約専用電話011-218-5100)も一般の法律相談として使えます。
函館・旭川・釧路の弁護士会の相談センターは有料で、30分あたり函館5,000円、旭川5,500円、釧路5,000円(いずれも税込)です。函館弁護士会は電話での法律相談を行っていないので、道南の人が電話で先に話したい場合は、札幌弁護士会のハロー弁護士相談に電話してください。釧路弁護士会はネット上の誹謗中傷や個人情報の書き込みも一般の相談センターで受けると案内しており、帯広(0155-66-4877)や北見にもセンターを置いています。
出典:札幌弁護士会「法律相談のご案内」、同「法律相談センター紹介」、同「電話相談」、同「犯罪被害者弁護ライン」、法テラス「法テラス札幌」、同「生活保護の基準に定める一級地」、同「民事法律扶助のしおり」(2026年3月現在)、札幌市コールセンター「無料法律相談」、函館弁護士会「よくある質問」、旭川弁護士会「相談の方法」、釧路弁護士会「インターネットに関する相談」、同「法律相談」
北海道で名誉毀損の弁護士を選ぶ基準
名誉毀損の弁護士費用に決まった料金表はなく、着手金も報酬金も事務所ごとに違います。名誉毀損を取扱分野に挙げる事務所には、書き込んだ側の弁護を中心に受けるところもあります。被害者の代理を扱う事務所に候補を絞り、次の3つを満たすところに依頼してください。
依頼を決める3つの条件
- 書き手の特定、慰謝料の請求、告訴、謝罪の交渉をまとめて受け、手続ごとの着手金と報酬金を見積書で分けて出す
- 投稿が何件もあるときの費用の数え方と、回収した額から報酬を差し引くかどうかを初回の面談で説明する
- 電話やオンラインで打ち合わせができ、事務所から遠い地域に住んでいても来所の回数を最小限にできる
道内は札幌圏と道南・道北・道東で移動に何時間もかかることがあり、近くに名誉毀損を扱う事務所が見つからない地域もあります。事務所一覧の絞り込みを使えば、条件に合う道内の事務所をすぐに比べられます。事務所に行かずに進めたい人は来所不要やオンライン面談可、仕事の後に相談したい人は夜間の面談可能、週末に動きたい人は休日の相談可、費用を抑えたい人は初回の面談相談無料と分割払い対応、今日中に話したい人は当日相談可を選んでください。
北海道の名誉毀損でよくある質問
札幌弁護士会の無料相談で、名誉毀損の相談もできますか。
できます。札幌弁護士会の法律相談センターは相談料が無料で、ネットの誹謗中傷も一般の法律相談として受けています。ただし30分以内なので、投稿の画面とこれまでの経緯を1枚にまとめて持参してください。その場で、どの手続から動くかまで聞き出せます。
帯広や北見に住んでいる場合、どこの裁判所や弁護士会になりますか。
帯広市と十勝の町村は釧路地方裁判所の帯広支部、北見市は北見支部が地元の地裁です。人権相談は釧路地方法務局の帯広支局・北見支局、弁護士会は釧路弁護士会の帯広・北見の相談センターが受け持ちます。相手の住所地の裁判所も選べるので、どこで訴えるかは弁護士と決めてください。
書いた人の特定は札幌地方裁判所でできますか。
申立て先は相手方のSNS運営会社やプロバイダの所在地で決まり、道内の4地裁で受け付けた開示命令は2025年も0件です。道内の地裁が管轄を持つ場合でも、東京地裁を選べます。手続の詳細は北海道の情報開示請求のページにあります。特定と告訴を一人の弁護士に任せておけば、書き手の名前が判明したその足で告訴に進めます。
慰謝料はいらないので、謝罪と訂正だけを求めることはできますか。
できます。民法723条は、損害賠償に代えて名誉を回復する処分を求めることを認めています。示談で謝罪文と訂正の投稿を約束させる方法もあるので、求めたい謝罪の文面と載せる場所を書き出して相談に持参してください。交渉で済むか訴訟が必要かを見極めてもらえます。
何年前の書き込みまで責任を問えますか。
民事の請求権は、被害と書き手が分かった時点から3年、書き込まれた時点から20年で時効にかかります。刑事では、書き手を知ってから6か月が告訴の締め切りで、公訴時効も3年しかありません。いちばん早く来る告訴の期限から逆算して、相談の日程を組んでください。
警察署で「民事で解決して」と言われたらどうすればいいですか。
告訴は検察官に対しても行えます(刑事訴訟法241条)。弁護士が罪名と証拠を整理した告訴状を作れば、警察署でも検察庁でも受理を求めやすくなります。まずは断られたときのやり取りをメモに残し、そのメモを持って弁護士に相談してください。
来所不要やオンライン面談、初回無料、夜間・休日の相談といった条件で事務所を比較できます。書いた人を知ってから6か月の告訴期限が来る前に、保存した画面を手元に置いて問い合わせてください。
北海道で名誉毀損の初回相談が無料の弁護士を見る参考資料
- e-Gov法令検索「刑法」、同「刑事訴訟法」、同「民法」、同「検察審査会法」、同「民事訴訟法」、同「情報流通プラットフォーム対処法」
- 裁判所「最高裁判所 昭和41年6月23日判決」、同「平成9年9月9日判決」、同「平成22年3月15日決定」、同「平成22年4月13日判決」、同「昭和31年7月4日大法廷判決」、同「昭和39年1月28日判決」、同「昭和44年2月27日判決」
- 裁判所「北海道内の管轄区域表」、同「全国の検察審査会一覧表」、最高裁判所「司法統計年報(民事・行政編)令和7年」、札幌地方検察庁
- 北海道警察「インターネット上の誹謗中傷」、同「令和7年 重点目標の結果」、警察庁「令和7年におけるサイバー空間をめぐる脅威の情勢等について」
- 法務省「侮辱罪の法定刑の引上げ Q&A」、札幌法務局「人権擁護部」、e-Stat「人権侵犯事件統計」2025年
- 日本弁護士連合会「弁護士会別会員数」(2026年9月1日現在)、同「弁護士費用(報酬)とは」、札幌弁護士会「法律相談のご案内」、函館弁護士会「法律相談」、旭川弁護士会「相談場所」、釧路弁護士会「法律相談」
- 法テラス「民事法律扶助のしおり」(2026年3月現在)
2026年9月30日時点で各機関が公表している情報をもとに作成しています。

