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神奈川の会社が風評被害を受けた直後の対応
ネットに出回ったでたらめな話で、客が減った、取引先から探りを入れられたと感じたら、社内で様子を見る前に、書き込みの保存と弁護士への相談を始めてください。神奈川県警は令和7年、インターネットを使った名誉毀損を20件検挙し(前年は11件)、名誉毀損・誹謗中傷などの相談を326件受けています。県内の会社の場合、書き手の特定は東京地方裁判所で、書き込みの削除は横浜地方裁判所でも手続ができるため、両方の裁判所に慣れた弁護士に任せれば、会社は営業を続けながら削除・特定・賠償を進められます。
被害の形ごとの初動
- SNSで「偽物を売っている」などと広まっている
- もとの投稿、引用して広めた投稿、反応の多い返信を、URLと日時がわかる形でひと通り保存してください。商品の真正さを示す仕入れ書類も手元にそろえておくと、弁護士がうそを証明する材料に使えます。
- 取引先の担当者に匿名のメールが届いた
- 取引先に頼んで、メールを転送ではなく受け取ったときのヘッダーごと残してもらってください。送り主の手がかりが残り、競合会社によるものなら不正競争防止法での請求も視野に入ります。
- 社名の検索候補に「事件」「逮捕」と出る
- 候補語が出ている画面を、日付と検索サービス名が残る形で記録してください。候補語の原因になった記事を弁護士が突き止め、検索事業者への申請か仮処分かを決めます。
- 転載ブログやまとめ記事がいくつも出てきた
- 見つけた転載先を一覧にし、それぞれがどの投稿を元にしているかを書き添えてください。元の投稿と転載先を一括で削除の対象にすれば、火種が残らずに済みます。
- 店員の写真付きで悪口を書かれた
- 写っている店員を接客から外すかどうかを本人と話し、投稿は会社で保存してください。県内に住む店員なら個人の被害を県の専門相談にも持ち込め、会社としての請求は弁護士がまとめて引き受けます。
違法な風評と正当な批判の境目
会社への悪評は、内容によって3つに分けられます。どこに入るかで取れる手段がまったく違うため、問題の書き込みを1件ずつ仕分けてから動いてください。
違法の疑いが強い:うそで信用や営業を損なう
虚偽の風説の流布や偽計で信用を損なえば信用毀損罪、業務を妨げれば業務妨害罪(刑法233条)、威力で妨げれば威力業務妨害罪(刑法234条)で、刑はいずれも3年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金です。最高裁判所の平成15年3月11日判決は、商品の品質への社会的な信頼もこの「信用」に当たるとしています。
判断が分かれる:事実を挙げて評価を下げる
事実を指摘して評価を落とす行為は、指摘が真実でも刑法230条1項の名誉毀損罪になり得ます。ただし、公共の利害にかかわる事実を公益目的で示し、それが真実だと証明されれば処罰されません(刑法230条の2)。詳しくは神奈川の名誉毀損に強い弁護士のページで扱っています。
違法とまではいえない:体験にもとづく批判
実際に利用した人の不満や辛口の評価は、表現が厳しくても削除や賠償が認められないことがあります。こうした書き込みには、公式の説明や改善の報告で向き合うほうが、評判を取り戻す近道になります。
民事の請求は、不法行為の損害賠償(民法709条)が中心で、信用の低下のような数字にしにくい損害も含まれます(民法710条)。名誉を傷つけられた場合は、訂正や謝罪の掲載のように名誉を回復させる処分を、賠償に加えて、または賠償の代わりに裁判所に求められます(民法723条)。
書き込みの発信源が同業の会社なら、営業上の信用を害する虚偽の事実の告知・流布として、不正競争防止法2条1項21号の不正競争にもあたります。この場合は流布をやめさせる請求(3条)、損害の穴埋め(4条)、取引先の信頼を取り戻す措置(14条)を組み合わせられ、訴える先も横浜地方裁判所のほか東京地方裁判所から選べます(民事訴訟法6条の2第1号)。
出典:e-Gov法令検索「刑法」、同「民法」、同「不正競争防止法」、同「民事訴訟法」、裁判所「最高裁判所 平成15年3月11日判決(平成14年(あ)第1198号)」
社内で先に決める発表と記録のルール
うわさへの反論を急ぐあまり、確かめていない内容まで否定してしまうと、あとで一部が事実と判明したときに会社の発表そのものが信用を失います。外に向けて発信する前に、次の4つのルールを社内で決めてください。
見つけた書き込みの画面、URL、見つけた日時、見つけた人を、共有フォルダの1か所に集めます。社員がそれぞれの端末に保存したままだと、弁護士に渡すときに漏れが出ます。
商品の話は品質管理、取引の話は経理、人の話は人事というように、書かれた内容ごとに担当部署が記録を確かめ、事実・一部事実・根拠なしの結論を出します。
根拠なしと確認できた部分だけを否定し、書き手を責める表現や、誰が書いたかの推測は入れません。法的措置に触れる文面は、弁護士に見せてから出します。
社員が私的なアカウントで反論すると、そのやり取りがさらに拡散のきっかけになります。問い合わせへの回答者を決め、社内に一斉に周知します。
この時期に対応した社員ごとの作業時間も、日報の形で残してください。のちに賠償を求めるとき、人件費として請求する根拠になります。
客の不満がネット上の中傷にまで及び、従業員が矢面に立たされている場合は、社内の守りも固めます。神奈川県は、2026年10月1日から職場のカスタマーハラスメント対策が事業主に義務づけられること、カスハラには電話やSNSなどネット上で行われるものも含まれることを案内し、事業主からの相談も、かながわ労働センターの労働相談(本所 045-633-6110、平日9時〜17時)で受けています。社内体制の相談はそこで進め、書き込みの削除や書き手への請求は弁護士に任せてください。
出典:神奈川県「企業や労働者におけるカスタマーハラスメント対策」、同「かながわ労働センター」
投稿者の特定は東京地裁、削除は横浜地裁も
書き手を突き止める発信者情報開示命令は、申し立てる裁判所が相手方(SNS運営会社や通信事業者)の住所・本拠地で決まる仕組みで、被害者の会社がどこにあるかは関係しません(情報流通プラットフォーム対処法10条1項)。そのうえ東京高等裁判所の管内にある神奈川県の事件では、横浜地方裁判所に代わる申立て先として東京地方裁判所が法律で認められています(同条3項1号)。
令和7年に横浜地裁が新たに受けた開示命令は1件で、前の年は0件です。同じ年に東京高等裁判所の管内で受けた9,346件のうち9,343件を東京地裁が受けており、神奈川の会社の特定の手続も、ほぼ東京地裁で進むと考えて準備してください。東京地裁に日ごろから申し立てている弁護士であれば、書面の提出も期日の対応も代わりに担うため、会社側の仕事は証拠の提供にとどまります。
書き込みの削除を求める仮処分は、横浜地方裁判所では本庁3階の第3民事部保全係(045-664-8738)が受け付けており、川崎・相模原・横須賀・小田原の各支部にも保全の受付があります。申立ての手数料は債権者の数×債務者の数×2,000円、削除の仮処分にあたる「仮の地位を定める仮処分」で納める郵便切手は3,900円分です。参考までに、令和7年の横浜地裁では保全命令の新しい申立てが622件あり、仮処分はそのうち220件を占めます。
削除を先に進める場面
求人や新規の商談に影響が出ていて、とにかく人目から消したいときです。消える前の画面さえ手元にあれば、書き手探しや賠償の請求は削除の後でも始められます。
特定を先に進める場面
同じ書き手が手を替え品を替え投稿している、競合や元社員が疑わしい、といったときです。通信記録の保存には期限があるため、見つけてすぐに弁護士に依頼してください。
両方を同時に進める場面
拡散を止めつつ、書き手に責任も取らせたいときです。一つの事務所に両方を任せると、証拠集めが一度で済みます。
SNS投稿の削除の手順は神奈川のSNS投稿削除に強い弁護士、書き手を特定する手続は神奈川の情報開示請求に強い弁護士、店舗の口コミは神奈川の口コミ削除に強い弁護士のページで詳しく扱っています。
出典:e-Gov法令検索「情報流通プラットフォーム対処法」、最高裁判所「司法統計年報(民事・行政編)令和7年 第4表」、横浜地方裁判所「ダイヤルイン一覧表」、同「仮差押・仮処分命令申立書類等一覧表」、同「窓口案内」
検索候補・転載記事への削除の求め方
検索窓に社名を打ったときに並ぶ候補語(サジェスト)は、個人の書き込みではなく、検索サービスが表示を決めている言葉です。消してほしいと求める相手は検索サービスを運営する会社で、各社の申請手続か、裁判所の仮処分のどちらかを使います。
裁判所の判断には幅があります。東京弁護士会の会報「LIBRA」2017年10月号の特集は、名前で検索すると犯罪を思わせる候補語が出た人について、東京地方裁判所が平成24年3月19日に仮処分で削除を命じ、平成25年1月15日の第1審判決も同じ結論をとったと伝えています。同じ特集の座談会では、候補語の削除を求めた訴訟が平成26年1月15日の東京高等裁判所判決で逆の結論になったとも語られています。いずれも個人名の事案のため、社名の候補語を消したいときは、候補語がうそであることを示す資料と、候補語のきっかけになった記事をそろえて弁護士に見通しを聞いてください。
転載ブログやまとめ記事は、元の投稿が消えたあとも残り、さらに別のサイトに写されることがあります。元の投稿と転載先を一覧にして一括で削除を求め、運営者の連絡先がないサイトはサーバー会社に求めます。転載先が多いと運営者探しだけで何日もかかるため、この作業を弁護士に任せれば、県内の事業者は日々の仕事を止めずに済みます。
出典:東京弁護士会「LIBRA 2017年10月号 特集 インターネット検索サービスの表示削除をめぐる諸問題」
賠償額を決める証拠と回収の手順
損害賠償で認められるのは、うわさがあったことと売上が落ちたことを並べた金額ではなく、うわさが原因だと証拠で結びつけられた分です。どこまで結びつけられるかの目安として、東京地方裁判所の平成23年4月20日判決が参考になります。ネットの書き込みではなく、競合のレンタルオフィス会社が顧客29社に虚偽の通知を送った事件です。
認められたもの(合計349万5,608円)
内訳は、対応チームと各地のマネージャーが割いた時間に時給を掛けた119万5,608円、顧客に経営状態の証明を迫られ賃料の引下げまで求められた不利益としての200万円、弁護士費用30万円です。これが請求額3,084万3,608円に対して認められた内訳です。
認められなかったもの
解約や更新拒否で失った売上は、その顧客がもともと移転を計画していた事情などがあり、通知のせいだとまでは言えないとして外されています。謝罪広告も、送付が29社の限られた範囲にとどまることから必要性を否定されています。
損害の発生ははっきりしているのに、その額を示すのが極めて難しい場合は、裁判所が相当な額を認定できます(民事訴訟法248条)。損害があったこと自体を示すのは会社の側なので、次の資料を、うわさに気づいた日から集めてください。
神奈川の会社がそろえる損害の資料
- うわさが出る前の数か月と比べられる、同じ形式の売上・客数の集計
- 取引先や顧客がうわさを理由に挙げた解約・発注停止の連絡
- 問い合わせ対応や調査に当たった社員ごとの日報と時給の資料
- 訂正の告知や説明資料の作成など、信用を取り戻すために払った費用の明細
賠償の訴えは、140万円以下なら県内11か所の簡易裁判所、それを超えるなら横浜地方裁判所の本庁か川崎・相模原・横須賀・小田原の各支部に起こします。判決を得ても払われないときは、横浜地裁第3民事部に、預貯金などの情報取得(債権発令係 045-664-8739)や財産開示(競売受付係 045-664-8735)を申し立てて差し押さえに進みます。なお、賠償の請求は、損害と相手の両方がわかった時点から3年以内、どんなに遅くとも書き込みから20年以内に起こさないと時効で消えます(民法724条)。
出典:裁判所「東京地方裁判所 平成23年4月20日判決(平成21年(ワ)第11566号)」、e-Gov法令検索「民事訴訟法」、同「裁判所法」、同「民法」、裁判所「神奈川県内の管轄区域表」、横浜地方裁判所「ダイヤルイン一覧表」
神奈川県警の統計と告訴の進め方
神奈川県警が令和7年に受けたサイバー犯罪などの相談8,781件のうち、名誉毀損・誹謗中傷などの相談は326件(3.7%)です。同じ年にサイバー犯罪として検挙した652件のうち、名誉毀損は20件と、前の年の11件から増えています。
県警にはネット被害専用の相談電話はなく、事件としての相談は最寄りの警察署で受け付け、それ以外は警察庁のオンライン受付窓口に案内しています。会社として被害届や告訴を出すときは、会社の所在地を受け持つ警察署に、次の資料を持って出向いてください。一般的な警察への相談は #9110 か 045-664-9110 ですが、携帯電話からかけると、都県境の近くでは隣の都県の警察につながることがあります。
警察署に持って行く資料
- 書き込みごとのURL・日時・保存画面をまとめた一覧
- 書かれた内容が事実でないと示す社内の記録の写し
- 売上や客数の落ち込み、取引の停止など被害の裏づけ
- 書き込みを見つけてからの経過を時系列に書いたメモ
信用毀損罪と業務妨害罪は、名誉毀損罪と違って告訴がなくても起訴でき、犯人を知ってから6か月という告訴の期限もかかりません(刑法232条・刑事訴訟法235条)。ただし、罪を犯してから3年たつと起訴できなくなる公訴時効はあります(刑事訴訟法250条2項6号)。告訴は検察官に対しても書面か口頭でできますが(刑事訴訟法241条1項)、横浜地方検察庁は電子メールやファックスでの告訴を受け付けていません。同庁の被害者ホットライン(045-211-7638、平日9時〜17時)は被害者からの相談に応じ、不起訴になったときは横浜地裁の庁舎内にある横浜第一〜第三検察審査会などに審査を申し立てられます。弁護士に告訴状を任せれば、罪名と証拠の組み立てから警察署とのやり取りまで引き受けてもらえます。
出典:神奈川県警察「令和7年中の神奈川県警察におけるサイバー犯罪の検挙状況等について」、同「サイバーセキュリティに関する相談について」、同「警察への相談」、e-Gov法令検索「刑事訴訟法」、横浜地方検察庁「被害者支援」、裁判所「全国の検察審査会一覧表」
風評対策業者に頼める範囲と弁護士法
民間の風評対策業者のサービスは、良い情報を増やして悪評を検索結果の後ろへ下げる逆SEOと、評判のモニタリングが中心です。見え方は変わっても、問題の書き込みはネットに残ります。
他人の法律事件を報酬目的で代理したり、和解の交渉を引き受けたりすることを業として行えるのは、弁護士と弁護士法人だけです。それ以外の者が引き受けること、あっせんすることは弁護士法72条で禁じられているため、運営者への削除の請求、裁判所への申立て、賠償の請求は弁護士に依頼してください。
弁護士の仕事
削除の請求と仮処分、開示命令による書き手の特定、賠償の交渉と裁判、告訴状の作成です。発表文や取引先への説明文の法的な点検もあわせて引き受けます。
業者に任せられる仕事
公式サイトやSNSでの情報発信の支援、検索結果や評判の定期的な確認です。書き込みを消す手段ではないため、弁護士の対応と役割を分けて使います。
業者の提案に「削除の代行」「運営者との交渉」が含まれていたら、その部分だけ契約から外し、弁護士に回してください。弁護士資格のない業者が法律事務に手を出している疑いがあれば、業者が県内にある場合の連絡先は神奈川県弁護士会です。日本弁護士連合会は、非弁事案への注意・警告や告発は各地の弁護士会が行っているとして、業者の所在地の会へ調査を頼むよう呼びかけています。
出典:e-Gov法令検索「弁護士法」、日本弁護士連合会「隣接士業・非弁活動・非弁提携対策」
神奈川で風評被害を依頼する費用
風評被害の依頼にいくらかかるかについて、公的な機関が示している目安の金額はなく、料金は事務所ごとの基準で決まります。削除だけで終わるか、特定・賠償・告訴まで進むかで総額が大きく開くため、見積りは段階ごとに分けてもらい、複数の事務所を同じ項目で見比べてください。
見積りで段階ごとに分けてもらう項目
- 初回と2回目以降の相談料、オンライン相談の料金
- 削除請求・仮処分・開示命令・賠償請求・告訴のそれぞれの着手金と報酬金
- 書き込みやサイトの数が増えたときの追加料金の決め方
- 東京地裁で手続をするときの交通費・日当の扱い
- 手数料・郵便切手・仮処分の担保金など、報酬とは別に裁判所へ納めるお金
会社や個人事業主の相談なら、神奈川県弁護士会の「事業者の経営に関する法律相談」を1回まで無料・30分以内で受けられます。会場は横浜駅西口(火曜9時30分〜11時30分、水曜15時45分〜17時45分、土曜10時〜12時、日曜12時45分〜14時45分)と川崎(木曜10時〜13時)です。日本弁護士連合会のひまわりほっとダイヤル(0570-001-240)を使えば、会社の所在地や住まいの近くの弁護士の初回面談30分が無料になり、申し込んだ当日か翌営業日に折り返しがあります(一事業者1回限り)。
一般の総合法律相談は45分以内で5,000円(税込)です。インターネットの専門枠はないため、普通の法律相談として予約してください。
出典:日本弁護士連合会「弁護士費用(報酬)とは」、神奈川県弁護士会「事業者の経営に関する法律相談」、同「ひまわりほっとダイヤル」、同「相談料金」
県内1,849人の弁護士から選ぶ基準
神奈川県弁護士会の登録者は1,849人(2026年9月1日現在)で、都道府県別では東京・大阪・愛知に次ぐ規模です。弁護士会は一般的な弁護士の紹介をしていないため、取扱分野を示している事務所の中から、次の3点で絞り込んでください。
県内の事務所を絞る3つのポイント
- 東京地裁での開示命令と、横浜地裁での削除の仮処分を両方扱っている
- 削除のあとの賠償請求や告訴まで、担当を替えずに続けられる
- 書き込みの件数や手続の段階ごとに料金を示している
そのうえで、会社の都合に合う条件を選べます。日中は現場を離れにくいなら夜間の面談可能や休日の相談可、県西部や三浦半島から出向く時間が取れないならオンライン面談可や来所不要、書き込みが増え続けているなら当日面談可能、費用を抑えたいなら初回の面談相談無料や分割払い対応で一覧を絞ってください。
出典:日本弁護士連合会「弁護士会別会員数」、神奈川県弁護士会「弁護士を紹介します」
神奈川で費用をかけずに相談できる先
弁護士を選ぶ前に話を整理したいとき、また社員が個人として被害を相談したいときは、県内の次の機関が使えます。
神奈川県弁護士会 事業者の経営に関する法律相談
個人事業主・中小企業の事業主が対象で、1回まで無料・30分以内。横浜駅西口(045-620-8300)と川崎(044-223-1149)の法律相談センターで受けられます。
ひまわりほっとダイヤル(神奈川県弁護士会)
中小企業の初回面談30分が無料です。0570-001-240(平日10時〜12時・13時〜16時)。ネットからも申し込めます。
神奈川県 インターネット上の誹謗中傷専門相談
県と神奈川県弁護士会が連携した弁護士の無料相談で、1組45分程度・予約制です。対象は誹謗中傷を受けた県内在住の人で、特定の個人や集団に向けた内容に限られるため、名指しされた社長や社員の相談に使えます。予約 045-210-3637(平日8時30分〜17時)。
かわさき人権相談(川崎市)
市内に住む・勤める・通う人の、ネット上の誹謗中傷やプライバシー侵害の相談を受けます。044-200-2359(平日8時30分〜12時・13時〜17時15分)。
違法・有害情報相談センター(総務省の委託事業)
削除依頼の出し方などを教えてくれます。2024年度には、個人事業主271人と企業・団体189人がこのセンターに相談しています。Webフォームからの相談のみで、違法かどうかの判断はしません。ihaho.jp
横浜地方法務局(みんなの人権110番)
社長や社員など個人の名誉・プライバシーの侵害を人権相談として受けます。0570-003-110(平日8時30分〜17時15分)、川崎支局 044-244-4166。2025年に横浜地方法務局が受けたネット上の人権侵犯事件は88件です。
出典:神奈川県弁護士会「事業者の経営に関する法律相談」、同「相談場所一覧」、同「ひまわりほっとダイヤル」、神奈川県「インターネット上の誹謗中傷専門相談」、川崎市「かわさき人権相談」、総務省「令和6年度 インターネット上の違法・有害情報対応 相談業務等の請負 報告書(概要版)」、横浜地方法務局「人権擁護事務」、e-Stat「人権侵犯事件統計」2025年
神奈川の事業者が抱きやすい風評被害の疑問
横浜地裁に開示命令を申し立てることはありますか。
相手方の運営会社や通信事業者の本拠が横浜地裁の管轄区域にあれば申し立てられますが、令和7年に横浜地裁が受けた開示命令は1件です。大手のSNSや通信事業者が相手になる事件は東京地方裁判所で進むのが通常なので、東京地裁での手続に慣れた弁護士を選んでください。
川崎市の店です。削除の仮処分は川崎で申し立てられますか。
横浜地裁の川崎支部にも保全の受付(債権・保全係 044-233-8268)があります。ただ、どの裁判所に申し立てるかは相手方の所在地などで決まり、横浜以外の裁判所になることもあるため、申立て先は弁護士に選んでもらってください。
告訴状をメールで横浜地検に送れますか。
送れません。横浜地方検察庁は、電子メールやファックスでは告訴・告発を受け付けないと案内しています。告訴状は警察署か検察庁に書面で出すか、口頭で申し立てるため、弁護士に作成と提出を任せてください。
県の誹謗中傷専門相談は、会社として使えますか。
対象は誹謗中傷を受けた県内在住の人で、特定の個人や集団に向けた内容に限られるため、会社そのものへの風評は対象から外れます。名指しされた社長や社員が個人として相談するのには使えます。この相談では訴訟の手続や交渉、書類の作成は行わないため、会社の削除や賠償の請求は弁護士に依頼してください。
競合他社がうわさを流しているようです。どこの裁判所で争いますか。
不正競争防止法にもとづく訴えは、横浜地方裁判所に管轄がある事件なら東京地方裁判所にも起こせます(民事訴訟法6条の2第1号)。どちらで起こすかは、証人や証拠の所在、相手方の本社の場所を踏まえて弁護士が選びます。
夜や週末に、弁護士会で相談できますか。
できます。神奈川県弁護士会の横浜駅西口の法律相談センターは水曜の夜と土日、川崎は月曜・水曜の夜と土日祝、相模原は火曜・木曜の夜に相談を受けています(45分以内で5,000円)。水曜と土曜にはZOOMのオンライン相談もあります。
初回無料の面談、夜間・休日の相談、オンライン面談、来所不要、当日の面談など、会社の都合に合う条件で事務所を選べます。通信の記録には保存期限があるため、画面を保存し終えたら、その足で問い合わせてください。
神奈川で風評被害の初回相談が無料の弁護士を見る参考資料
- e-Gov法令検索「刑法」、同「民法」、同「民事訴訟法」、同「刑事訴訟法」、同「不正競争防止法」、同「弁護士法」、同「裁判所法」、同「情報流通プラットフォーム対処法」
- 裁判所「最高裁判所 平成15年3月11日判決(平成14年(あ)第1198号)」、同「東京地方裁判所 平成23年4月20日判決(平成21年(ワ)第11566号)」
- 最高裁判所「司法統計年報(民事・行政編)令和7年 第4表」
- 横浜地方裁判所「窓口案内」、裁判所「神奈川県内の管轄区域表」
- 東京弁護士会「LIBRA 2017年10月号」
- 神奈川県警察「令和7年中の神奈川県警察におけるサイバー犯罪の検挙状況等について」
- 神奈川県「企業や労働者におけるカスタマーハラスメント対策」
- 総務省「令和6年度 インターネット上の違法・有害情報対応 相談業務等の請負 報告書(概要版)」
- 日本弁護士連合会「弁護士会別会員数」(2026年9月1日現在)
2026年9月30日時点で各機関が公表している情報をもとに作成しています。

