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その他のネット問題 弁護士監修記事 更新日:

ネットの風評被害事例5選|事例から見るよくある原因や対処法・予防法を解説

監修記事
蓮池 純

近年は、口コミサイトやSNSの普及により、企業や店舗の評判がインターネット上で簡単に広まるようになりました。

その一方で、「事実と異なる口コミを書かれた」「根拠のない噂が拡散された」といったネットの風評被害に不安を感じている事業者の方も多いのではないでしょうか。

ネットの風評被害は、売上減少や顧客離れなど、経営に大きな影響を及ぼすおそれがあります。

しかし、どのような事例があるのか、原因や対処法を事前に知っておくことで、被害を最小限に抑えることも可能です。

本記事では、ネットの風評被害の代表的な事例を5つ紹介したうえで、よくある原因や具体的な対処法、予防のポイントまでわかりやすく解説します。

万が一のリスクに備えるためにも、ぜひ参考にしてください。

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ネットの風評被害事例5選

ここからは、実際に起きたネットの風評被害の事例を5つ紹介します。

具体的なケースを知ることで、どのようなリスクがあるのかを理解し、自社での対策を検討する参考にしてください。

大手回転寿司チェーンでのSNS投稿が拡散された事例

大手回転寿司チェーンでは、来店した客が店内での迷惑行為を撮影し、その動画をSNSに投稿したことで大きな問題となった事例があります。

投稿された動画には、共用の醤油ボトルや食器に口などで直接触れる様子が映っており、「衛生管理に問題があるのではないか」といった不安の声が急速に広まりました。

この投稿は短期間で拡散され、多くの人が店舗名を検索する事態となり、企業イメージの低下や来店客数の減少などの影響が出たと報じられています。

実際には企業側の管理体制そのものに問題があったわけではありませんが、動画の印象だけが一人歩きし、「この店は危険ではないか」という誤解を招いてしまったのです。

このように、企業とは直接関係のない第三者の投稿であっても、企業名と結びついて拡散されることで、風評被害につながる可能性があります。

とくにSNSは拡散力が強いため、一つの投稿が企業全体の評価に影響を及ぼすリスクがある点に注意が必要です。

大地震の予言による航空会社の減便

「日本で大地震が起きる」という科学的根拠のない予言がSNSや動画サイトで拡散されたことで、航空会社の運航に影響が出た事例もあります。

この噂は海外を中心に広まり、「安全面に不安がある」と感じた旅行者による予約キャンセルが相次ぎました。

その結果、日本と海外を結ぶ複数の路線で減便が実施され、ある航空会社では週4便運航していた路線を週2便に縮小するなど、実際の運航計画に影響が及んだと報じられています。

また、搭乗率も大きく低下し、観光需要の落ち込みが顕著に表れる状況となりました。

しかし、この予言については気象庁も「日時や場所を特定した地震の予知はできず、該当する予兆も確認されていない」と説明しており、根拠のない情報であったことが明らかになっています。

それでも、一度広まった噂によって利用者の行動が変化し、企業の売上や事業運営に影響が出た点は、風評被害の典型的な例といえるでしょう。

このように、企業に直接的な問題がなくても、ネット上の噂や憶測が拡散されることで、実際の事業活動に影響が及ぶ可能性がある点には注意が必要です。

同姓同名の犯罪者と間違われてネットに写真が掲載された事例

ネット上では、名前が同じという理由だけで、まったく無関係の人物が犯罪者として誤認されてしまうケースもあります。

実際に海外では、インターネット百科事典の記事において、連続殺人事件の犯人として同姓同名の別人の写真が誤って掲載され、長期間にわたって公開されていた事例がありました。

この写真は、本来の犯人とは無関係の一般人のものでしたが、外見や名前が一致していたことなどから誤って使用され、そのまま約2年間にわたり修正されずに掲載され続けていました。

その結果、検索エンジンでも誤った写真が表示される状態となり、本人の社会的評価に深刻な影響を及ぼしたとされています。

このように、ネット上では一度誤った情報が掲載されると、それをもとに別のサイトや検索結果へと拡散し、被害が長期化する可能性があります。

企業や個人に関する情報であっても、誤認や確認不足によって風評被害が発生するおそれがあるため、早期の対応が重要になるといえるでしょう。

「コンビニのおにぎりに虫が入っている」という投稿が炎上した事例

大手コンビニチェーンでは、「購入したおにぎりに虫が入っていた」という内容の写真付き投稿がSNSに掲載され、大きな注目を集めた事例があります。

この投稿は短時間で拡散され、「衛生管理に問題があるのではないか」といった不安の声が広まり、企業イメージの低下につながる事態となりました。

運営会社は即座に謝罪と再発防止をおこなう旨を発表しましたが、その後、製造工程で虫が混入した可能性は低いといった情報がSNSで噂されるなど、真偽不明のまま幕引きとなりました。

それでも、一度拡散された情報の影響は大きく、事実関係が明らかになったあとも、ネガティブな印象が残ってしまうケースは少なくありません。

このように、個人によるSNS投稿がきっかけとなり、企業の評判に大きな影響が及ぶことがあります。

特に食品や衛生に関する内容は消費者の関心が高く、真偽が不明な段階でも急速に拡散されやすいため、企業にとって大きな風評リスクになるといえるでしょう。

ウイルスと同じ名前の企業のイメージが低下した事例

企業自身に問題がなくても、偶然の一致によって風評被害を受けてしまうケースもあります。

実際に、ある感染症が世界的に流行した際、そのウイルスと同じ名称を持つ企業に対して、「関係があるのではないか」といった誤解が広がり、企業イメージの低下につながった事例がありました。

SNSや検索エンジンでは、企業名とウイルス名が同時に表示される状況となり、不安を感じたユーザーがネガティブな投稿をおこなうなど、事業内容とは無関係な形で評判に影響が及んだとされています。

実際には、その企業と感染症との間に直接的な関係はありませんでしたが、名称の一致だけで誤解が生じてしまったのです。

このように、企業側に落ち度がない場合でも、社会的に注目される出来事や話題と結びつけられることで、風評被害が発生する可能性があります。

特にネット上では、関連性のない情報でも結び付けて認識されることがあるため、企業にとって予測が難しいリスクのひとつといえるでしょう。

実際の事例から見る風評被害の原因

風評被害を防ぐためには、どのような原因で発生するのかを理解しておくことが重要です。

ここからは、実際の事例をもとに、ネットで風評被害が発生しやすい主な原因について解説します。

事実確認が不十分な情報が拡散されてしまう

ネットの風評被害が発生する大きな原因のひとつが、事実関係が十分に確認されないまま情報が拡散されてしまうことです。

SNSや掲示板では、誰でも気軽に情報を発信できる一方で、その内容の正確性まで検証されるとは限りません

たとえば、「商品に異物が混入していた」「危険なトラブルがあった」といった投稿がされた場合、それが個別の状況によるものだったとしても、企業全体の問題であるかのように受け取られてしまうことがあります。

また、同姓同名の人物が犯罪者として誤認された事例のように、名前や一部の情報だけをもとに誤った判断がされることもあります。

このように、確認不足の情報が広がることで、企業や個人の信用が不当に損なわれる可能性がある点には注意が必要です。

一部のクレームや体験談が誇張されて広まる

実際にあった出来事であっても、その内容の一部だけが強調されて拡散されることで、風評被害につながるケースもあります。

たとえば、「対応が悪かった」「不快な思いをした」といった投稿は、本来は個別の接客や状況によるものです。

しかし、投稿に強い表現が使われたり、多くの人に共有されたりすることで、「この企業は問題がある」という印象が広がってしまう可能性があります。

さらに、第三者が憶測や意見を付け加えて拡散することで、元の内容よりも深刻な問題として認識されてしまうことも少なくありません。

このように、一部のクレームや体験談が誇張されて広まることで、企業の評価が実態以上に低下してしまう点には注意が必要です。

企業側の対応の遅れ・不適切な対応によってさらに炎上してしまう

風評被害は、最初の投稿そのものだけでなく、その後の企業側の対応によって拡大してしまうケースも少なくありません。

とくに、問題となっている投稿に対して長期間対応をおこなわなかったり、説明が不十分だったりすると、「問題を隠しているのではないか」といった新たな不信感を招く可能性があります。

たとえば、SNSで商品に関するトラブルが指摘された際に、企業からの公式な説明がない状態が続くと、第三者の憶測が広まりやすくなります。

その結果、事実とは異なる内容まで拡散され、炎上状態に発展してしまうこともあるでしょう。

また、感情的な反論や投稿者を非難するような対応をおこなってしまうと、かえって批判が集まり、被害が拡大するおそれもあります。

このようなリスクを防ぐためには、問題を把握した段階で、事実関係を整理したうえで冷静かつ適切に対応することが重要です。

ネットの風評被害を放置するリスク

ここからは、ネットの風評被害を放置した場合に起こり得る主なリスクについて解説します。

企業やブランドイメージの低下

ネットの風評被害を放置した場合、まず大きな影響を受けるのが企業やブランドのイメージです。

現在では、多くの人が商品やサービスを利用する前に、企業名や店舗名を検索し、口コミや評判を確認しています。

その際、検索結果にネガティブな情報が表示されていると、「問題のある企業なのではないか」と不安を与えてしまう可能性があります。

たとえ投稿の内容が事実と異なっていたとしても、一度悪い印象を持たれてしまうと、そのイメージを払拭するのは簡単ではありません。

その結果、本来であれば獲得できたはずの顧客が離れてしまい、売上の減少につながることもあるでしょう。

また、ブランドイメージの低下は短期間で回復するとは限らず、長期的に企業の評価に影響を及ぼす可能性もあります。

情報拡散による炎上・被害の拡大リスク

ネット上の風評被害は、放置することでさらに情報が拡散し、被害が拡大してしまうおそれがあります。

とくにSNSでは、投稿が短時間で多くの人に共有されるため、当初は限られた範囲だった情報が、予想以上の規模で広がるケースも少なくありません。

たとえば、最初は一人のユーザーによる投稿であっても、第三者が引用やコメントを加えて拡散することで、内容が誇張されたり、事実とは異なる解釈が広まったりすることがあります。

その結果、企業の名前が検索されるたびにネガティブな情報が表示され、被害が長期化してしまう可能性もあるでしょう。

さらに、一度炎上状態になると、投稿を削除してもスクリーンショットや転載によって情報が残り続け、実質的な完全削除が難しくなることがあります。

採用活動における機会損失

ネットの風評被害は、顧客だけでなく、求職者の意思決定にも大きな影響を与える可能性があります。

現在では、就職や転職を検討する際に、企業名を検索して評判や口コミを確認することが一般的になっています。

そのため、検索結果にネガティブな情報が表示されていると、「安心して働ける環境なのか」と不安を感じ、応募を見送られてしまうこともあるのです。

とくに小規模事業者の場合、知名度が高くない分、ネット上の口コミや評判が企業イメージに与える影響が大きくなりやすいでしょう。

既存社員の士気低下

ネット上の風評被害は、社外だけでなく、社内にも影響を及ぼす可能性があります。

自社に関するネガティブな情報が拡散されている状況は、社員にとっても大きな不安やストレスにつながることがあるためです。

たとえば、「自分の勤めている会社は大丈夫なのか」「家族や知人にどう思われているのか」といった不安を感じ、仕事へのモチベーションが低下してしまうケースもあります。

また、企業の将来性に不安を抱いた結果、転職を検討する社員が増えてしまう可能性もあるでしょう。

さらに、風評被害によって社外からの評価が下がると、仕事に対する誇りや自信を持ちにくくなり、組織全体の活力が低下するおそれもあります。

ネットで風評被害に遭ったときの対処法

ネット上で風評被害が発生した場合は、状況に応じて適切な対処をおこなうことが重要です。

「そのうち収まるだろう」と放置してしまうと、情報が拡散し続け、被害が拡大してしまうおそれがあるからです。

具体的な対処法としては、以下3つが考えられます。

  • 原因となっている記事や投稿の削除依頼をおこなう
  • 開示請求で発信者を特定し、損害賠償請求をおこなう
  • 正しい情報を発信してネガティブな情報を上書きする

ここからは、それぞれの対処法について、進め方やポイントを解説します。

原因となっている記事や投稿の削除依頼をおこなう

ネットで風評被害が発生した場合、まず検討したいのが、問題となっている記事や投稿の削除依頼です。

口コミサイトやSNS、掲示板などの多くのサービスでは、利用規約に基づき、一定の条件を満たす投稿について削除を求めることができます。

削除依頼をおこなう際は、「どの投稿が問題なのか」「どの点が事実と異なるのか」「どのような被害が生じているのか」を具体的に整理し、客観的に説明することが重要です。

感情的な反論や投稿者への批判を含めてしまうと、削除してもらえない可能性もあるため注意しましょう。

また、削除依頼をおこなっても、必ずしもすぐに削除されるとは限りません。

そのため、削除依頼とあわせて、他の対処法も検討しながら対応を進めることが大切です。

開示請求で発信者を特定し、損害賠償請求をおこなう

投稿の内容が明らかに事実と異なり、企業の信用を損なっている場合には、発信者情報開示請求によって投稿者を特定したうえで、損害賠償請求を検討することも可能です。

発信者情報開示請求とは、その名のとおり、サイトの運営者などに情報開示請求をおこなうことで、投稿者を特定する手続きのことです。

ネット上の書き込みは匿名でおこなわれることが多いものの、法律に基づいた手続きを進めることで、投稿者の氏名や住所などの情報を開示してもらえる場合があります。

また、発信者を特定できれば、削除を求めるだけでなく、名誉毀損や信用毀損などを理由として損害賠償を請求することもできます。

実際に法的責任を問うことで、被害の回復だけでなく、同様の投稿の再発防止につながる可能性もあるでしょう。

ただし、開示請求や損害賠償請求には専門的な手続きが必要であり、全てのケースで認められるとは限りません。

そのため、違法性の有無や対応の可否については、弁護士に相談しながら進めることが重要です。

正しい情報を発信してネガティブな情報を上書きする

削除依頼や法的対応とあわせて検討したいのが、自社から正しい情報を発信することです。

ネット上では、ネガティブな情報だけが目立ってしまうと、それが事実であるかのように受け取られてしまう可能性があります。

そのため、公式サイトやSNSを通じて事実関係を整理し、正確な情報を示すことが重要です。

たとえば、誤解が生じている内容について経緯や対応状況を説明したり、商品やサービスの品質管理体制を紹介したりすることで、不安の払拭につながることがあります。

また、継続的に情報を発信することで、検索結果に表示される情報のバランスが改善され、ネガティブな情報が目立ちにくくなる効果も期待できるでしょう。

ただし、反論の仕方を誤ると、新たな批判を招いてしまうおそれもあります。

あくまで感情的な表現は避け、事実をもとに冷静かつ丁寧に説明する姿勢が、企業の信頼を守るうえで大切です。

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ネットの風評被害を防ぐためにすべきこと

ネットの風評被害は、問題が発生してから対応するよりも、事前に備えておくことで被害を最小限に抑えられる可能性があります。

とくに重要なのは、日頃から自社に関する情報を把握し、適切に管理できる体制を整えておくことです。

具体的には、次の3つの対策に取り組むことが有効です。

  • 自社の評判や関連キーワードを定期的にモニタリングする
    自社名やサービス名で検索し、口コミサイトやSNS、掲示板などを確認する習慣をつけておくことが大切です。
  • 問題が小さい段階で気づくことができれば、削除依頼や説明対応など、迅速な対処につながります。
  • 情報発信やSNSに関するルールを決めておく
    SNSでの発信内容の基準や注意点、トラブル発生時の対応方法などを事前に定めておくことが重要です。
  • あらかじめルールを整備しておくことで、不要なトラブルを防ぐことにつながります。
  • 風評被害対策サービスを利用する
    風評被害対策サービスでは、ネット上の情報を継続的に監視し、ネガティブな情報の早期発見や検索結果の改善支援などをおこなっています。

なお、具体的な対策方法については、以下の記事でも詳しく解説していますので、あわせて参考にしてください。

まとめ

ネットの風評被害は、SNSや口コミ、検索結果などを通じて突然発生し、企業の信用や売上、採用活動にまで影響を及ぼす可能性があります。

実際の事例からもわかるように、必ずしも企業側に原因があるとは限らず、第三者の投稿や誤解、確認不足の情報がきっかけとなるケースも少なくありません。

そのため、日頃から自社の評判を確認する体制を整えるとともに、問題が発生した場合には、削除依頼や情報発信など、状況に応じた適切な対応を取ることが重要です。

また、被害が大きい場合や違法性が疑われる場合には、法的措置を検討する必要もあるでしょう。

ネット上の情報は、一度拡散されると完全に消すことが難しい場合もあります。

自社の信用を守るためにも、風評被害のリスクを正しく理解し、早めの対策と冷静な対応を心がけることが大切です。

風評被害への対応方法や法的手続きについて詳しく知りたい場合は、弁護士への相談も検討してみてください。

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この記事の監修者
弁護士法人LEON
蓮池 純 (東京弁護士会)
インターネットトラブルを中心に年間2,000件を超えるご相談をお受けしており、豊富な対応実績があります。個人の方はもちろん、法人や配信者様からも多数のご依頼をいただいております。
ベンナビIT(旧IT弁護士ナビ)編集部
編集部

本記事はベンナビIT(旧IT弁護士ナビ)を運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※ベンナビIT(旧IT弁護士ナビ)に掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。

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