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発信者情報開示請求とは|手続きの流れや期間などの基礎知識
投稿者の特定・訴訟 公開日:2018.9.26  更新日:2019.10.4 弁護士監修記事

発信者情報開示請求とは|手続きの流れや期間などの基礎知識

弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤康二 弁護士
監修記事
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発信者情報開示請求とは、ネット上で誹謗中傷や著作権侵害などの被害を受けたとき、サイト管理者やネット事業者(プロバイダ)に対して、加害者の情報開示を請求する手続きのことです。

プロバイダ責任制限法(第4条1項)という法律の要件を満たしていれば、加害者の情報を開示してもらうことができます。

ネットの誹謗中傷行為に対して、損害賠償(慰謝料)の請求や刑事告訴を検討している場合は、このような手続を通じて投稿者の特定が必要です。

この記事では、発信者情報開示請求で必要になる基礎知識を簡潔にご紹介します。請求の流れ・必要期間・開示の条件など、手続きの詳細について確認したい方は、参考にしてみてください。

ネットの投稿者の特定には
時間制限がある!

誹謗中傷の犯人を特定できるのは、書き込みから3ヶ月以内といわれています。

ネット接続業者による投稿者情報の保存期間がおおよそ3ヶ月だからです。

ただ、特定手続きにかかる時間も考慮すると、1ヶ月半がタイムリミットといえるでしょう。

犯人を特定できないと…

  • 損害賠償(慰謝料)を請求できない
  • 誹謗中傷が繰り返される恐れがある


弁護士であれば、素早くスムーズに手続きが進められます。

犯人の特定を検討している場合は、お近くの法律事務所へお悩みをご相談ください。

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発信者情報開示請求でわかる情報

発信者情報開示請求を通じて、まず開示されるべき情報は以下のような情報です。

  • 発信者IPアドレス
  • 侵害情報の送信日時、時刻(タイムスタンプ)


上記情報を踏まえて、以下のような情報開示の手続に進みます。

  • 発信者氏名
  • 発信者住所
  • 発信者メールアドレス


このように、投稿者の特定には一定のステップを踏む必要があります。

発信者情報開示請求の流れ

発信者情報開示請求から加害者特定までの流れは、以下の通りです。

発信者情報開示請求の流れ


まずは、サイト(掲示板・SNS・ブログなど)管理者に対してIPアドレス情報の開示を求めます。

開示されたIPアドレス情報から加害者が利用していたプロバイダ(BIGLOBEやOCNなどのネット事業者)と特定し、当該プロバイダに対して投稿者の契約者情報の開示を求めます

プロバイダから契約者情報が開示されれば、投稿者の特定が可能です。

発信者の特定まで少なくとも2回の開示請求が必要

実名登録制のコンテンツでない限り、コンテンツ管理者は加害者の本名や住所などの情報を持っていません。コンテンツ管理者が持っているのは、対象となる投稿が行われた際に利用されたIPアドレス情報のみです。

そこで、まずは投稿内容を特定しつつ、当該投稿に利用されたIPアドレス情報を開示するよう、コンテンツ管理者に求めることになります(1回目)。

次に、開示されたIPアドレス情報から、当該IPアドレスを管理するプロバイダを特定することが可能です(whoisなどのインターネット上のサービスを使います)。

そうやって特定されたプロバイダには、プロバイダ契約を締結した際の、利用者の契約者情報があり、プロバイダは利用されたIPアドレスと利用日時がわかれば、誰が当該IPアドレスを利用したのかを特定できます。

そこで、当該IPアドレスを利用した者の契約者情報を開示するよう、プロバイダに対して求めるのです(2回目)。

裁判で手続きになるケースがほとんど

上記のようにサイト管理者にIPアドレス情報開示を求めたり、とプロバイダに契約者情報開示を求めても、任意に開示されるケースは多くありません。

サイト管理者やプロバイダは個人情報を厳格に管理する義務があるからです。特に、プロバイダが契約者情報を任意開示することはまずありません。

したがって、上記請求処理を行うためには2回(少なくとも1回)は法的手続を利用する必要があります。

開示請求にかかる期間の目安

発信者情報開示請求にかかる期間の目安は、以下の通りです。※裁判での対応の場合

サイトへの開示請求(仮処分)

1~2ヶ月

プロバイダへの開示請求(裁判)

3~4ヶ月

開示請求を依頼するサイトによって、開示までにかかる期間は変わる場合もあります。上記は、あくまで目安として参考にしていただければ幸いです。

なお、海外サイトに対しての開示請求だと、仮処分の期間は長くなる傾向にあります。(例:GoogleやFacebookなど)

発信者情報開示請求が認められる要件

ただ「嫌がらせを受けているから」という理由だけでは、発信者情報開示請求はできません。情報を開示してもらうには、プロバイダ責任制限法で定められた要件を満たしている必要があります。

<プロバイダ責任制限法4条1項>
1.侵害情報の流通によって当該開示の請求をする者の権利が侵害されたことが明らかであるとき。
2.当該発信者情報が当該開示の請求をする者の損害賠償請求権の行使のために必要である場合その他発信者情報の開示を受けるべき正当な理由があるとき。

【引用】特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示

ここでは、発信者情報開示請求をするために特に重要となる2つの要件について解説します。

権利侵害の被害が明らかである

『当該開示の請求をする者の権利が侵害されたことが明らかであるとき』とは、『名誉毀損』『プライバシー侵害』『著作権侵害』などの法的保護に値する権利が違法に侵害されたことが明らかであることを意味します。

発信者情報開示を求める場合、権利侵害の有無・内容を明確に説明する必要があります

例えば、「○○(実名)は元犯罪者だ」という書き込みに対しては、これが対象者のどのような権利を侵害しているのかを法的に整理して説明する必要があります。

(この場合は、対象者の名誉権やプライバシー権が侵害されているという方向で整理することになりそうです)

開示を請求するべき正当な理由がある

『発信者情報の開示を受けるべき正当な理由があるとき』の正当な理由には、以下のような目的が挙げられます。

  • 発信者に対する削除請求に必要であるため
  • 発信者に対する損害賠償請求権などの民的請求に必要であるため
  • 発信者に対する刑事告発など刑事的処理に必要であるため


当然ですが、発信者に復讐するためのような不当な目的は認められません。発信者情報開示請求には、上記の正当な目的が求められます。

発信者情報開示請求の判例(事例)

発信者情報開示請求訴訟では、最終的に情報開示が認められる場合がほとんどです。以下、一例として、参考にしてみてください。

名誉毀損による開示請求

原告が運営する病院に対する、ネット掲示板で過去に3名以上失明させられた人がいるという書き込みに対して、開示請求が行われた事例。この書き込みの内容は虚偽であり、この書き込みにより予約の取り消しも発生。

営業妨害かつ病院の社会的評価を低下させる内容であるため、名誉毀損および信用毀損により、ネット掲示板に対して発信者の情報開示が命じられました。

【詳細】平成14(ワ)11665 損害賠償等請求 

著作権侵害による開示請求

原告がカ著作権を有する写真目録に掲載された写真が、teacup(レンタル掲示板サービス)に無断転載された事例。

カメラマンが撮影した写真には被写体の選択・構図・カメラアングルに個性があり、著作物性が肯定されると判断され、teacupに対して発信者の情報開示が命じられました。

【詳細】平成31(ワ)8400 発信者情報開示請求事件

発信者情報開示請求は自分でも可能?

発信者情報開示請求手続は、特に代理人を通じて行うルールではないため、当然、被害者本人がこれを行うことは可能です。

しかし、上記のとおり、最終的に投稿者を特定するためには、違法な権利侵害行為であることを法的に整理したり、複数の法的手続を履践したりと、法的な知識・経験がある程度必要です。実務的には弁護士に依頼するケースがほとんどでしょう。

【詳細記事】発信者情報開示請求を自分で行うための基礎知識まとめ

ネット問題の解決を得意とする弁護士であれば、加害者特定までの処理がスムーズですし、特定後の損害賠償の処理も一任できます。

「自分だけでの投稿削除や加害者特定は難しい」「少しでも早くトラブルを解決したい」という場合には、IT分野を得意とする弁護士への法律相談をご検討ください。

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弁護士への依頼費用の相場

弁護士への依頼費用の相場は、以下の通りですがあくまで目安です。

サイトへの開示請求(仮処分)

着手金:約20万円
報酬金:約15万円

プロバイダへの開示請求(裁判)

着手金:約20〜30万円
報酬金:約15〜20万円

弁護士費用は、法律事務所によって料金体系や金額が異なります。また、サイトによっても金額が変わるケースもあるので、依頼前にかならず直接確認してください。

弁護士へ依頼をするタイミング

弁護士へ依頼するタイミングは、ネット上への問題の投稿から1ヶ月以内が望ましいです。

実は、加害者特定に必要になるIPアドレス情報は一定期間しかログが保管されていません一般的には投稿から3ヶ月がおおよその目安といわれています。

この期間を過ぎてしまうと、IPアドレスのログが消えてしまい、加害者の特定は困難になるのでご注意ください。

発信者情報開示請求にかかる時間を考慮するのであれば、トラブル発生から遅くても1ヶ月以内には、手続きに着手できる状態にしておいたほうが良いでしょう。

まとめ

発信者情報開示請求は、ネット上で権利侵害(名誉毀損や著作権侵害など)の被害を受けた際に、加害者の情報開示を請求する手続きです。

実務的には、加害者の特定までの道のりで法的知識・経験が必要となる場合が多いので、専門知識がないと個人での対応は難しいのが実情です。

当サイト『IT弁護士ナビ』では、ネット問題の解決実績が豊富な弁護士のみを掲載しています。発信者情報開示請求を検討されている場合は、法律相談サービスをお気軽にご利用ください。

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この記事の監修者
弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤康二 弁護士 (第二東京弁護士会)
アンダーソン・毛利・友常法律事務所を経て2014年8月にプラム綜合法律事務所を設立。企業法務から一般民事、刑事事件まで総合的なリーガルサービスを提供している。

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相護士ナビ編集部

本記事はIT弁護士ナビを運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※IT弁護士ナビに掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。
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