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投稿者の特定・訴訟 弁護士監修記事 公開日:2019.9.17  更新日:2022.11.2

発信者情報開示請求を自分で行うための基礎知識まとめ

弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤康二 弁護士
監修記事
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ネット上の誹謗中傷や著作権侵害などの加害者を特定するには、発信者情報開示請求によりサイトの管理者やプロバイダから加害者に関する情報を開示してもらう必要があります。

基本的には、弁護士へ依頼しての対応が推奨されますが、個人でも手続きに臨むこともできないことはありません。

この記事では、発信者情報開示請求の手続きに関する基礎知識をご紹介します。弁護士への依頼前に、ご自身での手続きも検討されている場合は、参考にしてください。

【関連記事】発信者情報開示請求が届いたらどうなる?その後の流れと対処法を解説

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発信者情報開示請求の手続きの流れ

まずは、発信者情報開示請求の手続きの流れから確認していきましょう。

基本的には、問題の投稿がされているサイトの管理者と、加害者が利用したプロバイダ(ネット事業者:OCNやso-net等)に対しての2回の開示請求が必要になります。

発信者情報開示請求から加害者の情報が開示されるまでの流れは、以下のとおりです。

  1. サイト管理者に投稿内容に利用されたIPアドレス情報の開示請求
  2. サイト管理者による内容の審査
  3. 情報の開示(非開示の場合は法的手続を取る)
  4. 開示されたIP情報からプロバイダを特定
  5. プロバイダに対して当該IPを利用した者の契約者情報の請求
  6. プロバイダによる内容の審査
  7. 情報の開示(非開示の場合は法的手続を取る)


ブログなどのコンテンツ管理者が投稿者の契約者情報を持っていれば開示請求が1回で済むケースもありますが、稀といえます。基本的には上記のとおり複数回の請求手続を要します。

発信者情報開示請求で必要になる書類

発信者情報開示請求の必要書類に特に決まりはありません。しかし、以下のような所定の書式や添付書類を規約上要求している場合は多いです。


これらの書類の要否・内容は規約次第の部分もありますので一概にはいえません。

発信者情報開示請求書の書き方

発信者情報開示請求書を記載する場合『プロバイダ責任制限法 関連WEBサイト』より、書式のダウンロードと記入方法の確認をできますので参考にしてください。

当記事でも、個人の名誉毀損被害に関する記入例を用意しました。

 

重要なのは『侵害された権利』と『権利が明らかに侵害されたとする理由』の部分です権利侵害の典型的なものは『名誉毀損』『プライバシー侵害』『著作権侵害』などでしょうか。

この点については、法的に保護される権利やその侵害要件についてある程度の知識を要します。詳細については、以下の記事で詳しく解説しています。

<参考記事>
名誉毀損とは|成立する要件と訴える方法をわかりやすく解説
プライバシー侵害とは|成立要件と事例(判例)で具体例を解説
著作権侵害となる5つの要件|著作権法に違反する基準とは?

発信者情報開示請求をする際の注意事項

発信者情報開示請求を行う際は、IPアドレスの保存期間に注意しましょう。

IPアドレスとは、ネットを利用する際に当該利用に供される端末機器(PCやスマホ)に振り分けられる記号番号です。加害者が利用していたプロバイダを特定するには、サイト管理者から当該投稿に利用されたIPアドレス情報を開示してもらう必要があります。

しかし、サイト側にIPアドレスがずっと保存されているわけではありません。保存期間(おおよそ3ヶ月)が過ぎる前に、早急に手続きに着手する必要があります

IPアドレスの情報が消えた後では、加害者を特定は基本的に不可能です。手続きにかかる時間も考慮して、遅くても投稿から1ヶ月以内には、必要書類をサイトへ提出しておきましょう。

 

なお、2022年10月27日までに改正プロバイダ責任制限法が施行されます。改正プロバイダ責任制限法では、従来2段階の裁判手続が必要だった発信者情報開示請求を、1回の非訟手続によって行うことができるようになります。これにより、被害者側の負担が軽減すると考えられるでしょう。また、ログイン時情報の発信者情報開示請求は、一定の条件はあるものの、明文で認められるようになります。

個人での発信者情報開示請求が困難な理由

一般的には、発信者情報開示請求は弁護士への依頼が推奨されています。その代表的な理由としては、以下の2点が挙げられます。

  • 権利侵害の主張が難しい
  • 裁判が必要になるケースが多い

ご自身での手続きを検討している場合には、個人での対応が難しいといわれる理由も踏まえて、今後の対応を考えていきましょう。

権利侵害の主張が難しい

上記の『発信者情報開示請求書の書き方』でも触れましたが、加害者の特定のためには、投稿内容が違法な権利侵害であることを明確に示す必要があります。

しかし、法律の専門知識がないと、投稿内容がどの権利侵害になぜ該当するかを、適切に説明するのは困難です。

この説明がうまくいかなければ、「権利侵害であるかどうか明白でない」として開示を拒絶されたり、裁判所からも申立てが却下されたりします。

個人で発信者情報開示請求に臨む際には、投稿内容が違法な権利侵害を構成することをきちんと主張できるかどうか(法的に適切な構成ができるかどうか)がネックになります。

裁判が必要になるケースが多い

IPアドレスや発信者情報の任意開示を求めても、サイト管理者やプロバイダがこれに応じないこともよくあります。特に発信者情報をプロバイダが任意で開示することはまずありません。

したがって、投稿者を特定しようと思ったら、基本的には、裁判で情報の開示を求めることになります。

ネット加害者の身元を特定するには、裁判手続きについてある程度の知識・経験が必要となりますそのため、個人での手続きは理論的には可能ですが、現実的に難しいのが実情です。

プロバイダ責任制限法の改正による情報開示請求の変更点

2022年10月1日に改正プロバイダ責任制限法(特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律)が施行され、手続き等に変更がありました。主な違いは次の3点です。
 
➀新たな非訴手続きの創設
②開示情報の範囲の見直し
③発信者が開示を拒否した場合の理由照会の義務化
 
ここでは、これら変更点について簡単にお伝えします。

1回の手続きで情報開示請求できる新たな非訴手続きの創設

これまでは発信者情報を特定するために、「コンテンツプロバイダへの発信者情報開示仮処分」と「アクセスプロバイダへの発信者情報開示請求」の2つの裁判手続きが必要でした。
 
その分、発信者の特定まで時間と費用がかかるうえに、2回の裁判の途中でログ保存期間が経過し、発信者の特定が困難になるなどのデメリットがあったのです。
 
改正後は、新たな非訟手続として「発信者情報開示命令に関する裁判手続」が創設され、1回の手続で発信者情報の開示請求が可能になりました。非訟手続は訴訟以外の裁判手続のことで、訴訟に比べて手続きが簡易で柔軟な対応ができるのが特徴です。
 
新設された「発信者情報開示命令に関する裁判手続」では、「①裁判所に対する開示命令」「②コンテンツプロバイダとアクセスプロバイダに対する提供命令」「③アクセスプロバイダに対する消去禁止命令」を同時に申立てます。
 
このように、1つの裁判手続きで済むことと、消去禁止命令があることから、発信者の特定まで時間が短縮され、ログが消えて発信者情報の開示が困難になるのを防ぎ、より円滑に被害者の損害が回復されることが見込まれます。

 

既存の2段階の手続きも認められている

改正プロバイダ責任制限法では、既存の「発信者情報開示請求権にかかる手続き」による2段階の手続きも認められています。つまり、「発信者情報開示命令に関する裁判手続」と「発信者情報開示請求権にかかる手続き」のどちらの方法でも発信者情報の開示請求が可能です。
 
もっとも、新設の手続きではアクセスプロバイダとコンテンツプロバイダの間で必要な情報を相互に提供し合う必要があり、円滑に発信者情報の特定に至るか難しいケースも考えられます。
 
例えば、IPアドレスやタイムスタンプなどで発信者が特定可能な平易なケースであれば、新設の手続きを利用するのが理想でしょう。
 
一方、ポート番号など他の情報が必要なケースや、事前にプロバイダが強く情報開示を拒否すると予想されるケースなどは、既存の手続きを必要とする可能性が高く、ケースバイケースでどちらの手続きを選択すべきか判断することになります。

ログイン時情報を開示請求可能に

近年のSNSはログイン型サービスが主流になりました。同サービスではログインした状態で様々な投稿をおこないます。もっとも、そのようなログイン型サービスは、ログイン時のIPアドレスは保有しているものの、投稿時のIPアドレスを保有していないケースも少なくありません。
 
そして、ログイン時のIPアドレスは既存のプロバイダ責任制限法において「発信者情報」に該当するか明確になっておらず、開示されるかどうかは裁判所により個別に判断されていました。また、ログイン時の通信を媒介したプロバイダに関しては、開示請求の対象とはしていませんでした。
 
つまり、権利侵害を受けたにも関わらず発信者が特定できないケースもあったのです。
 
そこで改正プロバイダ責任制限法では、ログイン時のIPアドレスについて「特定発信者情報」と明文化し、ログイン時のIPアドレスについても開示請求権を認めました。さらに、ログイン時の通信を媒介したプロバイダも開示請求の対象と認めています。
 
これにより、ログイン型サービスにおいて、投稿時のIPアドレスが保存されていないケースであっても、ログイン時IPアドレスを特定発信者情報とし情報開示請求が可能になりました。
 
もっとも、ログイン時のIPアドレスの開示が認められるには「請求対象のプロバイダが特定発信者情報のみしか保有していない」など条件が設けられています。つまり、ログイン時の情報が開示されるのはログイン型サービスのみに限定される点に注意が必要です。

意見照会で発信者が情報開示に応じないときの理由の照会

既存のプロバイダ責任制限法では、発信者情報開示請求があった場合、プロバイダは発信者に対して意見照会をしなければならないと定められています。意見照会は簡単にいえば「発信者に対して情報を開示してもよいか確認すること」と表現できます。
 
改正プロバイダ責任制限法でも意見照会自体について定めがあるものの、新たに、「発信者が開示に請求に応じない場合にはその理由を照会する」旨の規定が定められました。
 
つまり、発信者が情報開示請求に応じない場合、プロバイダはその理由について聞き取りをしなければなりません。
 
これにより、発信者が情報開示に応じない理由を把握したうえで、プロバイダが適切な対応がとれるようになります。

個人での対応が難しい場合は弁護士へ

「やっぱり自分での手続きは難しそう」「実際にやってみたけど開示してもらえなかった」という場合には、弁護士への依頼のご検討をおすすめします。

IT分野を得意とする弁護士であれば、ネット上の権利侵害に対する対処法を熟知しています。ご自身の状況に適した最善の対処を期待できるでしょう。

ネット上の権利侵害(名誉毀損や著作権侵害など)の被害にお悩みの場合は、弁護士の法律相談サービスの利用をおすすめします。

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この記事の監修者
弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤康二 弁護士 (第二東京弁護士会)
アンダーソン・毛利・友常法律事務所を経て2014年8月にプラム綜合法律事務所を設立。企業法務から一般民事、刑事事件まで総合的なリーガルサービスを提供している。

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相護士ナビ編集部

本記事はIT弁護士ナビを運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※IT弁護士ナビに掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。

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