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投稿者の特定・訴訟 弁護士監修記事 公開日:2020.10.21  更新日:2023.1.27

発信者情報開示請求の費用の相場|投稿者の特定にはいくら必要になるか

小笠原六川国際総合法律事務所
神田知宏
監修記事
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発信者情報開示請求で投稿者の特定にかかる費用は、30万円~70万円前後がおおよその目安です。

ただし、情報の請求先(サイト・プロバイダ)や手続きの依頼先(法律事務所)によって、投稿者の特定にかかる費用は変わります。

上記はあくまで目安の一つとしてご認識いただければ幸いです。

この記事では、発信者情報開示請求の費用について解説いたします。ネット投稿者の特定を検討している場合は、参考にしてみてください。

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発信者情報開示請求の費用の内訳

ネット投稿者の特定には、以下の手順で2回の開示請求を行うケースが一般的です。

  1. サイト(掲示板・SNS等)へ投稿者のIPアドレス開示請求
  2. IPアドレスから投稿者が利用したプロバイダを特定
  3. プロバイダへ投稿者の契約者情報開示請求

※実名登録のサイトで、サイトから開示された情報だけで身元特定できる場合は、プロバイダへの開示請求は不要

法律事務所の料金体系によりけりですが、サイトとプロバイダへの発信者情報開示請求には、別途費用が必要になる場合が多いです。

まずは、それぞれの請求先への開示請求にかかる弁護士費用を確認していきましょう。※法律事務所によって依頼費用は変わるので、一例としてご参照ください

サイトへのIPアドレス開示請求(仮処分)

サイト(掲示板・SNS等)への開示請求にかかる費用の相場は、以下の通りです。

仮処分申立をしない場合

着手金

約5万円

報酬金

約10万円

仮処分申立てをする場合

着手金

約20万円

報酬金

約15万円

国外に本社があるサイトは『仮処分』の申し立てに手間がかかるため、GoogleやTwitterなどへの請求は、費用が高額になる傾向があります

※成功報酬不要としている法律事務所もあります。

プロバイダへの契約者情報開示請求

プロバイダ(BIGLOBEやOCN、携帯3キャリア等のネット事業者)への開示請求にかかる費用の相場は、以下の通りです。

開示請求訴訟をしない場合

着手金

約5万円

報酬金

約10~20万円

開示請求訴訟をする場合

着手金

約20~30万円

報酬金

約15~20万円

なお、投稿者が利用しているプロバイダは、サイトから開示されたIPアドレスをもとに『whois検索』等の検索サービスで調べられます。そのためプロバイダの特定には費用はかかりません。

※成功報酬不要としている法律事務所もあります。

投稿が複数ある場合の費用はどうなる?

法律事務所の料金体系によって費用の負担は変わります。

同サイトの投稿なら一緒に対応してくれる事務所もあれば、投稿ごとに別対応をしている事務所もあるので、依頼先次第です。

弁護士費用の内訳については、依頼前の法律相談の際に詳しく確認しておきましょう。

費用は特定した相手に請求することができる

発信者情報開示請求にかかった費用は損害賠償の一部として、投稿者に対して請求が可能です。

ただし、裁判官が費用の内容を精査した上で請求額は判断されます。

※不相応に高額な費用や不必要な費用まで請求できてしまうと、投稿者に不当な負担を押し付けることになるため

どこまでを損害賠償として請求できるかは裁判官の判断次第ですので、必ずしも全額請求できるとは限らない点にはご留意ください。

弁護士なしで自分だけで手続きは可能か

弁護士なしでも発信者情報開示請求の手続きを進めることは可能です。ただし、サイトが任意に開示する例はありますが、プロバイダが任意で情報を開示してくれるケースは、ほとんどないのが実情で、訴訟手続が必須です。

プロバイダ側には通信の秘密を守るため、安易に情報を開示しようとしません。裁判所からの命令で初めて開示に応じてもらえるケースが一般的です。

訴訟手続には法律の専門知識が不可欠です。少しでも投稿者特定の成功率を高めたいのであれば、弁護士への依頼を検討されることを強くおすすめします。

開示請求をした相手に請求できる慰謝料

加害者にできる慰謝料の金額は、ネット投稿による被害内容によって異なりますので、一概にいくらと明言することはできません。

ただ、おおよその目安を挙げると、ネット誹謗中傷被害(個人の場合)の慰謝料は、10~70万円の範囲に留まるケースが多いでしょう。

名誉毀損の損害賠償事件の判例

SNSへの誹謗中傷の投稿(大阪地裁平成30年9月20日)

30万円

Twitterで誹謗中傷をリツイート(大阪地裁令和元年9月12日判決)

33万円

【詳細記事】名誉毀損の慰謝料はいくら?請求事例と弁護士に依頼して訴える費用

弁護士への損害賠償請求の依頼費用は、『着手金20~30万円+勝訴した金額の16%』が目安です。※法律事務所によって金額・料金形態は異なります

発信者情報開示請求は費用倒れのリスクもある

ネット誹謗中傷の被害では、損害賠償(慰謝料)の金額よりも投稿者の特定にかかる費用の方が大きくなるケースは少なくないです。

上記の通り、発信者情報開示請求の費用は損害賠償の一部として請求は可能ですが、必ずしも全額請求が認められるわけではありません。

また、費用の請求が認められたとしても、特定した投稿者に支払い能力がなく、損害賠償を回収できない可能性も否定できません。

発信者情報開示請求に着手する際はそれらのリスクを踏まえた上、専門家の意見を参考にしつつ慎重にご検討いただければ幸いです。

 

なお、2022年10月27日までに改正プロバイダ責任制限法が施行されます。改正プロバイダ責任制限法では、従来2段階の裁判手続が必要だった発信者情報開示請求を、1回の非訟手続によって行うことができるようになります。これにより、被害者側の負担が軽減すると考えられるでしょう。また、ログイン時情報の発信者情報開示請求は、一定の条件はあるものの、明文で認められるようになります。

まとめ

発信者情報開示請求にかかる弁護士費用の目安は、以下の通りです。

投稿サイトへの開示請求(仮処分)

着手金:約20~30万円
報酬金:約0~15万円

プロバイダへの開示請求(裁判)

着手金:約20~30万円
報酬金:約0~20万円

上記の費用は、損害賠償の一部として投稿者に請求できますが、必ずしも全額認められるとは限らない点にはご留意ください。

ネット投稿者を特定する費用は安価ではありません。もしご自身の状況で発信者情報開示請求をするべきか判断が難しい場合は、法律相談で専門家の意見を参考にされてみてはいかがでしょうか。

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この記事の監修者
小笠原六川国際総合法律事務所
神田知宏 (第二東京弁護士会)
【元IT企業代表取締役】IT分野を集中的に扱ってきた実績を活かしたサポート!GoogleのクチコミやTwitterなど、悪質な書き込みによって業務に支障が出る前にご相談ください。

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相護士ナビ編集部

本記事はIT弁護士ナビを運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※IT弁護士ナビに掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。

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