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投稿者の特定・訴訟 弁護士監修記事 公開日:2019.5.24  更新日:2023.1.26

個人情報を特定する方法|IPアドレスを調べていく方法や手続きとは

八雲法律事務所
山岡 裕明
監修記事
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ネットで匿名の誹謗中傷を受けて心身ともに辛くなることもあるでしょう。そんな時には投稿者を特定し、謝罪や損害賠償を請求したいのも当然な気持ちです。

匿名の投稿者を特定するには、まずネット上に残されている「IPアドレス」を探る必要があります。

「IPアドレスから個人情報を特定できる」 この言い方は正確には間違いですが、IPアドレスを基に個人情報の特定手続きに進んでいけるのです。

IPアドレスから個人を特定するために、法律に則ったしかるべき手続きを踏んでいきましょう。

当コラムでは、IPアドレスの特定からわかる情報や、匿名の相手を特定する方法についてご紹介します。匿名の誹謗中傷にお悩みの場合は参考にしてください。

急いで!ネットの投稿者の特定には
時間制限がある!

誹謗中傷の犯人を特定できるのは、書き込みから3ヶ月以内といわれています。

 

ネット接続業者による投稿者情報の保存期間がおおよそ3ヶ月だからです。

 

ただ、特定手続きにかかる時間も考慮すると、1ヶ月がタイムリミットと言えるでしょう。

 

犯人を特定できないと…

  • 損害賠償(慰謝料)を請求できない
  • 誹謗中傷が繰り返される恐れがある


弁護士であれば、素早くスムーズに手続きが進められます。

 

犯人の特定を検討している場合は、お近くの法律事務所へお悩みをご相談ください。

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IPアドレスからは何を特定できるのか

まずは、IPアドレスからどのような情報ができるのかを確認していきましょう。

IPアドレス特定からわかる情報

IPアドレスからわかる情報

IPアドレスからは、国や地域単位でのおおまかな位置や、利用しているプロパイダや回線情報などを推定できます。それらの情報は、以下のような検索ツールを利用すれば、誰でも調べることが可能です。

【検索サイト】KEIROMICHI | IPアドレスから住所検索

ただし、IPアドレスから名前や住所など、詳しい個人情報の特定はできません。IPアドレスからわかる情報は、あくまでネット回線の情報になります。

巷で言われる「IPアドレスから個人情報が漏れる」は誤解です。基本的には、IPアドレスだけで個人情報を特定できるケースは少ないでしょう。

IPアドレスから住所を特定できるケース

IPアドレスには、『固定IPアドレス』と『動的IPアドレス』の2種類があります。

IPアドレスの種類

固定IPアドレス

番号が固定されて変わらないIPアドレス。企業や学校、大きな施設のルーターに割り振られているケースが多い。

動的IPアドレス

一定期間の経過や接続切れで番号が変わるIPアドレス。一般家庭で利用するインターネットやスマホなどに割り振られているケースが多い。

固定IPアドレスからは、ルーターを利用している組織・施設の名前や詳しい住所を特定できる場合もあります。ただし、誰がネット機器を使っていたかまでの把握はできません。

なお、一般家庭や個人に割り振られているIPアドレスは、動的IPアドレスであることがほとんどです。そのため、個人がIPアドレスだけで個人情報を特定されるケースはほぼないでしょう。

IPアドレスから個人情報を特定するには

IPアドレスから個人情報を特定するには、IPアドレスから判明したプロパイダに対して、契約者情報の開示請求をする必要があります。

プロパイダとは

回線をインターネットに繋げる役割を担う接続事業者(例:BIGLOBE、OCN、So-netなど)

プロパイダ開示請求の流れ

しかし、契約者情報の開示請求をすると、プロバイダは、当該請求を受けたIPアドレスを割り当てられた契約者に対して、開示に同意するか否かを尋ねる意見照会書を送付します。

この意見照会書について、自らの個人情報の開示に同意する者はほとんどおらず、同意を得られない以上プロバイダとしても開示をすることは容易な判断ではありませんので、開示の適否について裁判所の判決が必要となることがほとんどです。

そのため、実務上は、裁判が必須といっても過言ではありません

裁判所の判断が必要となる以上、『単に知りたい』という理由だけでは、契約者情報は開示されません。何らかの権利が侵害されていることが必要になります。『発信者情報開示請求』の条件(下記に解説あり)を満たしている必要あります。

このようにIPアドレスを知っていれば、誰でも安易に個人情報を調べられるわけではありません。詳しい特定手続きの方法については、以下の記事をご参照ください。

【詳細記事】ネット誹謗中傷の特定方法|書き込み犯人を調べる費用の相場は?

 

なお、2022年10月27日までに改正プロバイダ責任制限法が施行されます。改正プロバイダ責任制限法では、従来2段階の裁判手続が必要だった発信者情報開示請求を、1回の非訟手続によって行うことができるようになります。これにより、被害者側の負担が軽減すると考えられるでしょう。また、ログイン時情報の発信者情報開示請求は、一定の条件はあるものの、明文で認められるようになります。

IPアドレスを特定する方法

IPアドレスを特定するには、特定したい相手が利用したサイトの運営者に対して、IPアドレスの開示請求を行います。(例:2chの場合は2ch、Twitterの場合はTwitterの運営へ)

しかし、サイト運営者にも個人情報の守秘義務があるため、必ずしも開示に応じてもらえるとは限りません。もし開示請求を拒否された場合には、裁判(仮処分)を通しての開示命令が必要になるでしょう。

【詳細記事】仮処分での削除申し立て|書き込み削除までの流れと費用について

なお、ご自身で運営している個人サイトに関しては、サイトのアクセス解析やコメントのデータなどから、IPアドレスを確認できる可能性が高いです。

IPアドレスを開示請求で特定できる条件

IPアドレスの開示請求に応じてもらうには、『発信者情報開示請求』の2つの要件を満たしている必要があります。

開示請求に必要な条件

  • 権利が侵害されたことが明らか
  • 開示を受ける正当な理由がある

権利が侵害されたことが明らか

権利が侵害されたことが明らかである、ネットの書き込みによって、開示請求をする人が名誉毀損やプライバシー侵害などの権利侵害を受けているのが明らかなときを意味します

権利侵害を受けているかの判断は、以下の侵害行為に該当するかが重要視されるでしょう。

侵害行為

詳細

名誉毀損

公然の場で事実を摘示し、又は事実を基礎とする意見ないし論評を述べて第三者の評判を落とす誹謗中傷(例:あいつは前科持ちだ、不倫を繰り返している)

プライバシー侵害

公共の場で公開を望んでいない個人情報や私生活の情報の暴露(例:個人情報の晒し、治療中の病気の公開)

開示を受ける正当な理由がある

発信者情報開示請求においては、発信者の情報を入手するための必要性、その他の正当な理由があることが要件となっています。

例えば、「誹謗中傷をやめさせたい」や「犯人へ賠償金を請求したい」など、相手を特定する必要がある正当な理由がある場合には、この条件を満たしていると判断されるでしょう。

IPアドレスと個人情報特定にかかる期間

IPアドレスの特定から個人情報特定までにかかる期間の目安は、以下の通りです。

特定にかかる期間の目安

IPアドレス開示請求(仮処分)

1~2ヶ月

個人情報開示請求(裁判)

3~6ヶ月

なお、IPアドレスが保存されている期間は、サイトへの投稿から3ヶ月が目安といわれています。IPアドレスの記録が消えた後では、相手を特定することはできなくなるので注意してください。

裁判の手続きにかかる期間を考慮するのであれば、遅くても書き込みから1ヶ月以内には特定手続きに臨むようにしてください。

IPアドレスの開示請求を依頼できる場所

IPアドレスの開示請求は個人でも行えます。ただ、法律とITの知識を身につける必要があるため、一般人には難しいのが実情です。

基本的には、警察か弁護士へ手続きを任せたほうが良いでしょう。

依頼をしたほうがよい状況

警察

ネットで脅迫や性的画像の流出など、事件性の高い被害を受けている。

弁護士

少しでも早く相手を特定したい。損害賠償(慰謝料)の請求を検討している。

警察

「自分の身に危険が及ぶ可能性が高い脅迫を受けている」「性的な画像を流出させられた」。このような事件性が高い被害を受けている状況であれば、警察が動いてくれる可能性が高いです。

ただし、警察は民事問題には対応していないため、権利侵害の事実が明らかでないと、確実に動いてくれるとは限りません。事件として扱うかの判断も、警察しだいになります。

ご自身での判断が難しい場合には、『サイバー犯罪の相談窓口』へ問い合わせてから、警察署へ出向くことをおすすめします。

弁護士

IT分野を得意とする弁護士であれば、誹謗中傷の対処から開示請求の手続きの流れを熟知しています。トラブルを少しでも早く解決したい場合は、弁護士を雇っての対応がベストでしょう。

基本的に、開示請求の手続きには、裁判が必要になるケースがほとんどです。また、特定後に慰謝料を請求する際にも法律の知識が必要になります。

IPアドレスの開示請求は、IT分野とネットの知識がない個人では対応が難しいのが実情です。もし自分ではどうしたらいいかわからないとお悩みの場合は、まずは法律相談だけでも検討してみましょう。

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この記事の監修者
八雲法律事務所
山岡 裕明 (第一東京弁護士会)
2010年弁護士登録。情報セキュリティスペシャリスト。ITに関する法律問題に特化。2016年4月、日本で初めてアマゾンジャパンからAmazonレビューの投稿者情報の開示請求につき認容判決を勝ち取る。

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相護士ナビ編集部

本記事はIT弁護士ナビを運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※IT弁護士ナビに掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。

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