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ネット誹謗中傷 公開日:2018.1.15  更新日:2020.4.23 弁護士監修記事

仮処分での削除申し立て|書き込み削除までの流れと費用について

弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤康二 弁護士
監修記事
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ネット投稿の削除における仮処分とは、裁判所に問題の投稿を削除したい旨を申し立てて、裁判所が削除の必要性があると判断した場合に、裁判所からサイト管理者に対して仮の削除命令を出してもらえる法的手続きです。

基本的には、サイトに削除依頼をしても対応してもらえない場合に、仮処分での対応を検討することになるでしょう。

ただ、裁判所が関与する手続きですので、「具体的に何をすればいいのか」「費用はどれくらい必要なのか」など、多くの疑問が出てくると思われます。

そこでこの記事では、仮処分でネット投稿を削除するまでの流れなどをわかりやすく解説します。ネットの投稿が削除できずお悩みの方は、参考にしてみてください。

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ネットの削除依頼で仮処分を行う状況

ネット書き込みや画像・動画などを削除するには、まずサイト(SNSや掲示板も含む)の管理者に対して任意で削除するよう求める対応が通常です。

ただ、それだと投稿が削除されるかは、サイト管理者の判断に委ねられてしまいます。そして、当該要請を受けてもサイト管理者が任意で削除に応じない場合に検討するべき手続きが、仮処分による削除申し立てです。

サイト管理者が任意で削除に応じない場合でも、裁判所が削除命令を出せばこれに応じる場合がほとんどです。

なお、仮処分は通常の民事訴訟と異なり、あくまで仮の地位を認める手続きに過ぎません。しかし、削除命令を求める仮処分の場合は、この手続限りで削除目的を達成できることが通常です。

ネット投稿は時間が経つにつれ拡散するリスクがあり、通常の裁判での対応だと時間がかかり過ぎてしまいます。そのため、より迅速な対応を期待できる仮処分の手続きを行うケースが一般的です。

仮処分の申し立てが認められる条件

仮処分が認められる条件

仮処分をするには、以下の2つの条件を満たしていないといけません。

  • 被保全権利
  • 保全の必要性

ネット投稿による被害の状況が、以下で解説する条件に該当している場合は、仮処分により投稿を削除できる可能性があります。

被保全権利

被保全権利とは、「守るべき権利がどうか」ということです。例えば、ただ嫌がらせを書き込まれて不快になったという理由だけでは、仮処分の申し立ては認められません。

仮処分ができるのは、あなたの権利や利益が違法に侵害されている場合に限られます。例えば、ネット投稿による被害だと、以下のような権利・利益の侵害が想定されます。

名誉毀損

公然の場で具体的な事実を挙げたうえで第三者の評判を落とす可能性のある言動を行うこと(例:あいつは不倫している、あいつは前科持ちだ)

侮辱

公然の場で具体的事実を挙げないで第三者の評判を落とす可能性のある言動を行うこと(例:吐き気がするくらいブス、裏でいじめをやってそう)

プライバシー侵害

公共の場で公開を望んでいない個人情報や私生活の情報を暴露する行為(例:本名や住所などの個人情報、出社退社の時間帯)

肖像権侵害

公然の場で撮影や公開を許可していない肖像物を公表する行為(例:隠し撮りの公開、SNS限定写真の公開)

保全の必要性

保全の必要性とは、「権利侵害状態を仮処分で迅速に解消する必要があるのか」ということです。

例えば、ネット上にあなたの社会的評価を落とすような誹謗中傷が書き込まれた場合、その投稿が存在し続けることで悪評が広まったり拡散されたりといったリスクが生じ続けます。

このようにネット投稿の削除に緊急性があると判断される場合に保全の必要性は認められると考えられます。ネットでの誹謗中傷が明らかな権利侵害に該当するようなケースでは、概ねこの条件を満たすのではないかと思われます。

仮処分でネットの投稿を削除するまでの流れ

仮処分の申し立てからネットの投稿を削除するまでの手続きの流れは、以下の通りです。

  1. 仮処分の申立書の提出
  2. 審尋(しんじん)
  3. 立担保(たてたんぽ)
  4. 仮処分命令の発令
  5. 執行

ここでは、手順ごとに手続きの概要について簡潔に解説をいたします。

①仮処分の申立書の提出

まずサイト運営者を相手方として権利侵害の投稿の削除を求める申立書を裁判所に提出します。

申立書には、どんな投稿が自分のどんな権利を侵害しているのか、削除しなければどんな被害を受ける恐れがあるのかを記載し、主張内容の疎明(一応確かであると認められること)ができる証拠と共に提出する必要があります。

証拠としては、投稿の日時、内容、投稿先などが分かる資料(投稿ページの印刷物等)や投稿により何らかの被害が生じていることが分かる資料を用意しておきましょう。

②審尋(しんじん)

審尋とは、裁判官が申立人や相手方(サイト管理者)の両方の言い分を確認して主張の当否について判断するための手続きです。

仮処分の場合には、基本的に双方審尋(申立人と相手方双方から話を聴く手続き)で審理を進めますので、双方共裁判所への出頭が必要です。

審尋の回数は単純な事件であれば1回で終わりますが、争いが大きいような場合には数回行われることもあります。

③立担保(たてたんぽ)

裁判所が被保全権利及び保全の必要性を両方とも認める場合、申立人に対して担保金を供託するように命じます。申立人は、裁判所から指定された金額を法務局へ預けることになります。

この担保金は、仮処分によって相手方に何らかの損害が生じ、後の本案訴訟(通常訴訟)等の結果により申立人がこれについて賠償責任を負うような場合に、この責任を担保するためのお金です。

法務局へ担保金を供託すると、供託証書が発行されますので、これを裁判所に提出することで、仮処分による削除命令を出してもらえます。

担保金の金額は案件の内容によって変わりますが、30〜50万円がおおよその目安になるでしょう。なお、一定の手続きにより担保を立てる必要がなくなったと認められた場合には、これを取り戻すことが可能となります。

④仮処分命令の発令

裁判所がサイト管理者に対して仮処分(ネット投稿の削除)命令を発令すると、サイト管理者はこれに応じて削除措置をとるのが一般的な流れです。

なお、仮処分は仮の手続きではありますが、この段階で投稿が削除されますので申立人の目的はここで達成されることになり、その後の訴訟等は不要です。

仮処分の申し立てから仮処分命令が出るまでの期間は、1〜2ヶ月がおおよその目安です。

⑤執行

あまり考えられない事態ですが、万が一管理者が削除命令に応じない場合は、強制執行の手続きを取ることが可能です。

削除を求める仮処分の場合には、相手方に削除措置を取るよう命じ、これに従わない場合には命令を履行するまでの間一定の金銭を支払わせるという方法が取られます。

このような強制執行手続きは、仮処分とは別の手続きとして行う必要があることに注意しましょう。

ネット削除の仮処分に必要な費用

仮処分の費用

削除申し立てにおける仮処分の必要費用は、印紙代2000円と郵便切手代など、それと上記で解説した担保金30〜50万円です。

ただ、仮処分での対応は法律の専門知識が求められるため、弁護士へ依頼するケースが一般的です。そのため、以下の弁護士費用も用意する必要があるしょう。

弁護士費用の金額は依頼先や案件の内容によって変わりますが、以下がおおよその相場といわれています。

着手金

約20万円

報酬金

約15万円

なお、TwitterやGoogleなど海外の管理会社への削除申し立てについては、海外法人への送達手続きなどが必要となるため、費用は高額になりやすい傾向にあります。

仮処分を検討している場合にするべきこと

仮処分での対応を検討している場合は、まず問題の投稿を証拠として記録に残しましょう。上記でも触れましたが、インターネット魚拓や印刷にリンク(URL)の記録などが証拠として役立ちます。

そして、証拠を用意できたら本当に仮処分での対応をするべき状況かを確認するため、弁護士へ被害の内容を一度ご相談ください。

もし弁護士が権利侵害として認められる余地があると判断するのであれば、仮処分の手続きを依頼することも検討するべきでしょう。

サイト管理者に任意削除を拒否された投稿でも、弁護士を通じて再度依頼することで任意の削除に応じてもらえるケースも珍しくありません。

仮処分手続きを依頼するよりも、このような任意削除依頼の方が費用は安価になりますので、まずは任意削除について対応してもらい、それでも削除されない場合に仮処分での対応を検討する方が宜しいかと思われます。

まとめ

仮処分でネットの投稿が削除できるのは、法的に保護される権利・利益 (名誉やプライバシーなど)が違法に侵害されている場合です。

ただ、投稿内容がこのような侵害行為に該当するかを判断するためには、法律の専門知識が求められます。専門家でないと判断は難しいことの方が多いので、弁護士の意見を参考にされることをおすすめします。

当サイトではネット投稿の削除を得意とする弁護士に法律相談ができますので、被害にお悩みの方はお気軽にお問い合わせください。

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この記事の監修者
弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤康二 弁護士 (第二東京弁護士会)
アンダーソン・毛利・友常法律事務所を経て2014年8月にプラム綜合法律事務所を設立。企業法務から一般民事、刑事事件まで総合的なリーガルサービスを提供している。

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相護士ナビ編集部

本記事はIT弁護士ナビを運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※IT弁護士ナビに掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。
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