ネットの誹謗中傷問題を弁護士に依頼した場合、投稿削除・開示請求・損害賠償で弁護士費用は100万円前後になることが多いです。
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ネットの誹謗中傷問題だけでなく、労働問題、自転車事故、刑事事件被害、離婚や相続など様々なトラブルで使うことができます。
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YouTubeでコンテンツを提供する側に立つと、誹謗中傷のコメントを受けることも少なくありません。
実際に誹謗中傷を受けた場合には、相手を訴えることも選択肢に入りますが、具体的な方法がわからず悩んでいる方もいるのではないでしょうか。
そこで本記事では、YouTubeの誹謗中傷で相手を訴える方法や流れ、訴える際の注意点などを解説します。
コメントの投稿者を特定する方法なども紹介するので、YouTubeでの誹謗中傷で悩んでいる方は参考にしてください。
YouTubeで誹謗中傷を受けた場合、民事事件として訴える方法と刑事事件として訴える方法の2種類があります。
それぞれの方法でできることや、具体的な手順を詳しく見ていきましょう。
民事事件として訴える場合、名誉毀損・侮辱行為・プライバシー侵害・業務妨害などの不法行為に基づく損害賠償金を請求できます。
たとえば、精神的な苦痛を受けたことへの慰謝料を請求するケースや、減少した売り上げの補填を求めるケースなどが挙げられるでしょう。
損害賠償請求の一般的な流れは以下のとおりです。
相手が合意しない場合は、少額訴訟、支払督促、損害賠償請求訴訟の提起などを検討する必要があります。
なお、YouTubeで誹謗中傷を受けた場合に請求できる慰謝料の相場は以下のとおりです。
【誹謗中傷コメントの慰謝料相場】
誹謗中傷の内容 |
慰謝料相場 |
名誉毀損 |
被害者が個人の場合:10万円〜50万円 被害者が法人の場合:50万円〜100万円 (誹謗中傷の内容が虚偽であった場合などはより高額になることもある) |
侮辱 |
1万円〜10万円 |
プライバシー侵害 |
10万円〜50万円 |
慰謝料の金額は、誹謗中傷の回数・期間・悪質性などによっても大きく変動します。
事案によっては、100万円以上の慰謝料が認定されることもあります。
適正な慰謝料を獲得するためにも、できる限り多くの証拠を確保しておくようにしましょう。
悪質・過激・執拗な誹謗中傷を受けた場合は、刑事事件として訴えるのも選択肢のひとつです。
刑事事件として訴えれば、加害者を逮捕したり、処罰したりすることができます。
刑事事件として訴えたい場合は、警察に告訴状を提出して刑事告訴をおこなってください。
ただし、告訴状を受理してもらうには、悪質な誹謗中傷に対して、適切な法的主張をおこなう必要があります。
軽い悪口を投稿されたにすぎない場合や、被害者が個人で警察に行っても、警察が動いてくれないことが多いのが実情です。
刑事告訴にあたっては、告訴状の作成や証拠の収集、警察への説明などが必要になるので、自力で対応しようとせず、まずは弁護士に相談してみることをおすすめします。
ここからは、YouTubeで誹謗中傷を受けた場合、どのような罪が成立する可能性があるのかを解説します。
名誉毀損罪は、公然と事実を摘示し、人の名誉を棄損した場合に成立します。
ここでいう「事実」とは、その人の社会的評価を下げるような具体的な事柄のことです。
また、名誉毀損罪における「名誉」は、その人の社会的評価・世評・名声を指します。
たとえば、「こいつは不倫をしている」「脱税している」などの投稿が該当するでしょう。
投稿の内容が事実であっても虚偽であっても、名誉毀損罪にあたります。
名誉毀損罪に問われた場合、「3年以下の懲役もしくは禁錮または50万円以下の罰金」に処せられます。
(名誉毀損)
第二百三十条 公然と事実を摘示し、人の名誉を毀損した者は、その事実の有無にかかわらず、三年以下の懲役若しくは禁錮又は五十万円以下の罰金に処する。
2 死者の名誉を毀損した者は、虚偽の事実を摘示することによってした場合でなければ、罰しない。
引用元:刑法 | e-Gov法令検索
侮辱罪は、公然と人をバカにしたり辱めたりした際に成立する罪です。
名誉毀損罪は具体的な事実を引き合いに出した場合に成立する一方、侮辱罪は具体的な事実を摘示しなくても成立します。
たとえば、「醜いデブ」「生きてる価値がないバカ」「キモい死ね」などの中傷的な表現の投稿は、侮辱罪に該当する可能性が高いといえるでしょう。
侮辱罪に問われると、「1年以下の懲役もしくは禁錮もしくは30万円以下の罰金または拘留もしくは科料」に処せられます。
(侮辱)
第二百三十一条 事実を摘示しなくても、公然と人を侮辱した者は、一年以下の懲役若しくは禁錮若しくは三十万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。
引用元:刑法 | e-Gov法令検索
脅迫罪とは、相手の身体や財産に危害を加える告知をした場合に成立する罪です。
また、相手の親族に害を与える告知をした場合も脅迫罪に問われます。
「明日殺しに行くからな」「明日家を燃やしてやる」「お前の家族全員、3日以内に痛い目に遭わせてやる」などの投稿は脅迫罪にあたる可能性があります。
脅迫罪の法定刑は、「2年以下の懲役または30万円以下の罰金」です。
(脅迫)
第二百二十二条 生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加える旨を告知して人を脅迫した者は、二年以下の懲役又は三十万円以下の罰金に処する。
2 親族の生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加える旨を告知して人を脅迫した者も、前項と同様とする。
引用元:刑法 | e-Gov法令検索
誹謗中傷のコメントに対しては、業務妨害罪にあたる行為として投稿者を罪に問える可能性があります。
業務妨害罪には、偽計業務妨害と威力業務妨害の2種類があるので詳しく見ていきましょう。
偽計業務妨害とは、虚偽の風評や偽計などにより人の信用を棄損したり、業務を妨害したりした場合に成立する罪です。
「偽計」とは、他人を騙したり人の勘違いを利用したりすることを指します。
業務をおこなっている本人はもちろん、その取引先・消費者などを騙すことも偽計にあたります。
たとえば、真実ではないのに、「この企業の商品には有毒な材料が使われている」「この企業はハラスメントが横行するブラック企業だ」などのコメントをした場合は偽計業務妨害に該当するでしょう。
偽計業務妨害の法定刑は、「3年以下の懲役または50万円以下の罰金」です。
(信用毀損及び業務妨害)
第二百三十三条 虚偽の風説を流布し、又は偽計を用いて、人の信用を毀損し、又はその業務を妨害した者は、三年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
引用元:刑法 | e-Gov法令検索
威力業務妨害は、威力によって業務を妨害した場合に成立します。
「威力」とは人の自由意志を制圧するほどの勢力のことです。
「明日、この店に来た客を全員殺す」「1週間後に爆発物を持って店に行く」などのコメントをした場合は威力業務妨害にあたります。
実際に行動していなくても、このようなコメントをしただけで業務妨害罪が成立します。
威力業務妨害罪の法定刑は、「3年以下の懲役または50万円以下の罰金」です。
(威力業務妨害)
第二百三十四条 威力を用いて人の業務を妨害した者も、前条の例による。
引用元:刑法 | e-Gov法令検索
YouTubeのコメント投稿は匿名でおこなわれるケースも少なくありません。
しかし、誹謗中傷に対する損害賠償請求をおこなう場合、まずは加害者を特定する必要があります。
ここからは、加害者を特定する3つの方法について詳しく解説します。
発信者情報開示請求とは、サイト管理者やプロバイダに対して、投稿者の情報を開示するよう求める手続きのことです。
発信者情報開示請求をおこなえば、投稿者に関する以下のような情報を入手できます。
発信者情報開示請求は、裁判手続きとしておこなうケースが一般的です。
プロバイダは通信の秘密や個人情報を保護する義務を負っているため、裁判所の命令がないと、基本的に情報を開示してくれません。
まず、誹謗中傷コメントが投稿されているサイトの運営者に対して、IPアドレスやタイムスタンプの開示とログの保存を求めます。
この際、サイト運営者が任意での請求に応じない場合は、裁判所に対して発信者情報開示命令や提供命令を申し立て、これによって入手した情報をもとに、通信プロバイダを特定し、再度発信者情報開示命令を申し立てる必要があります。
発信者情報開示命令とは、1回の裁判手続きで迅速な情報開示を求められる制度のことです。
従来の発信者情報開示請求では、サイト管理者とプロバイダに対して、2段階の裁判手続きをおこなう必要がありました。
一方、発信者情報開示命令の申立てでは、1つの手続きの中でサイト運営者とプロバイダに対する情報開示請求ができるため、従来よりも加害者を素早く特定することが可能となります。
ディスカバリー制度はアメリカで採用されており、相手方が持っている証拠の開示を請求する手続きです。
YouTubeの運営会社はアメリカに本社があるGoogle社なので、ディスカバリー制度を利用できる可能性があります。
基本的には、Googleに対して加害者のアカウント情報などを請求することになるでしょう。
ここからは、発信者情報開示請求によって加害者を特定する流れを紹介します。
まずは、誹謗中傷を受けた事実を証明するために、スクリーンショットを撮影するなどしてコメントの内容を残しておくことが大切です。
証拠を残しておかないと、投稿者がコメントを削除してしまった場合に罪に問うのが難しくなります。
誹謗中傷コメントを証拠化する際は、以下のポイントに気をつけましょう。
【誹謗中傷コメントを証拠化するときのポイント】
証拠を保全する前に、投稿の削除請求をおこなってしまうと、抜け漏れがあった際に追加で保存することができなくなります。
まずは、証拠になりそうな投稿を全て保存することに専念しましょう。
証拠を全て残したら、裁判所に発信者情報開示の仮処分命令を申し立てましょう。
同時に、投稿の削除仮処分命令の申し立てをおこなうことも可能です。
申し立てが受理され、権利侵害等を認めてもらえれば、裁判所がGoogle社に対して情報を開示するよう命令してくれます。
ただし、IPアドレスやタイムスタンプだけでは投稿者を特定できないので、次に、プロバイダに対して氏名・住所などの情報開示を求める必要があります。
なお、電話番号の開示も求めることができ、電話番号が登録されているアカウントから誹謗中傷の投稿がなされた場合、電話番号も開示されます。
この場合、それ以上の裁判手続きをとらずに、弁護士等が弁護士会照会という手続きを使用して発信者を特定することができます(ごく稀に特定できないケースもあります)。
Google社から開示されたIPアドレスを基に、投稿者が使用した通信プロバイダを特定します。
通信プロバイダは契約者の氏名・住所などの情報を保有しているので、投稿者を特定するための重要な鍵を握っているといえるでしょう。
代表的な通信プロバイダには、NTT、KDDI、ソフトバンク、OCN、BIGLOBE、J:COM、@niftyなどがあります。
プロバイダを特定したら、プロバイダに対して発信者情報開示命令の申し立てをおこないます。
開示命令が発令されれば、プロバイダから投稿者の個人情報を開示してもらうことが可能です。
YouTubeでの誹謗中傷コメントで相手を訴える場合、弁護士に相談するのがおすすめです。
ここでは、YouTubeでの誹謗中傷について弁護士に相談するメリットを紹介します。
弁護士に相談するメリットのひとつは、誹謗中傷コメントが権利侵害にあたるかどうか判断してくれることです。
そもそも、投稿者を訴えるためには、権利侵害を受けたという事実がなければなりません。
しかし、投稿されたコメントの内容が権利侵害に該当するかを、法律の知識をもたない人が判断するのは決して簡単ではないでしょう。
開示請求のために証拠を撮影したり開示請求書を準備したりしても、権利侵害であると認められなければ全てが水の泡となってしまいます。
その点、弁護士に相談・依頼すれば、コメントが権利侵害にあたるかを法的な観点から適切に判断してもらえるので、手間と時間を無駄にしてしまうおそれがなくなります。
発信者情報開示請求の手続きをスピーディに進められることも、弁護士に相談するメリットのひとつです。
Google社やプロバイダなどが任意の開示請求に応じない場合は、裁判手続きをおこなうことになります。
しかし、法律の知識がない人にとって、裁判手続きを迅速に進めることは難しいでしょう。
たとえば、裁判所に提出する申立書では、権利侵害があったことを法的根拠を交えながら明確に説明する必要があるので、高度な法的知識が求められるといえます。
自力でやろうとしても、どの法律を根拠にすればよいのか、どのように書けばよいのかなどがわからず、時間もかなりかかってしまうでしょう。
その点、弁護士に依頼すれば、申立書の作成や提出を全て任せられます。
手続きに要する時間と手間を大幅に軽減しつつ、開示請求を遅滞なく進めることが可能です。
弁護士に相談・依頼すれば、損害賠償請求や刑事告訴などのサポートもおこなってくれます。
民事事件における損害賠償請求では、相手と示談交渉をして慰謝料等の損害賠償金の金額を取り決めます。
相手が弁護士を立てた場合、弁護士を相手に交渉をすることになりますが、法律の知識がない人が対等に話し合うのはなかなか難しいでしょう。
一方、弁護士に依頼すれば、示談交渉を代わりにおこなってくれるので、話し合いがスムーズに進むうえ、有利な条件で慰謝料を獲得できる可能性が高くなります。
また、刑事告訴をする場合は、告訴状を警察に提出する必要があります。
しかし、告訴状には誹謗中傷の事実を法的な根拠をもって正確に記入しなければならないため、法律の知識がないなかで作成しても、受理してもらえない可能性が高いです。
弁護士に依頼すれば、告訴状も代わりに書いてもらえるので負担がかなり軽減されるうえ、警察も断る理由を探せないので、受理してもらいやすくなるでしょう。
場合によっては、適正な捜査がおこなわれているかをチェックしてもらうことも可能です。
YouTubeの誹謗中傷コメントで相手を訴える場合、注意すべきポイントが3つあります。
コメントが権利侵害にはあたらないと判断された場合、発信者情報開示請求は認められません。
時間をかけて開示請求の申立書を準備しても、無駄になってしまうおそれがあります。
手間と時間を最小限に抑えつつ、開示請求を認めてもらう可能性を高めるためにも、弁護士の力を借りるのが得策です。
YouTubeの誹謗中傷コメントで訴える際に、投稿者と直接やり取りすることはできるだけ控えましょう。
誹謗中傷をしてきた投稿者に直接言い返したり反論したりすると、誹謗中傷がエスカレートするおそれがあります。
また、言い返した内容によっては炎上したり、開示請求をする際に不利になったりする可能性もあるでしょう。
誹謗中傷をされてカッとなってしまうのは自然なことですが、まずは落ち着いて弁護士に相談してください。
投稿者を訴えるつもりがあるのであれば、誹謗中傷コメントを安易に削除してはいけません。
コメントを削除すると、誹謗中傷を受けたという証拠が消えてしまいます。
証拠がなければ開示請求が認められないので、焦って削除しないよう注意してください。
まずはスクリーンショットなどでコメントの内容を保存し、弁護士に相談しましょう。
コメントを削除する適切なタイミングについても、アドバイスを受けられます。
YouTube上で誹謗中傷を受けた場合は、まず弁護士に相談しましょう。
法的措置をとるには、まず誰が投稿したのかを特定しなければなりません。
そして、投稿者を特定するためには発信者情報開示請求をおこなう必要がありますが、法律の知識がない人が自力で進めるのは決して簡単ではないでしょう。
自力でやろうとすると時間と手間がかかるうえ、開示請求が認められないおそれもあります。
弁護士に相談すれば、開示請求手続きはもちろん、損害賠償請求や刑事告訴などのサポートも受けられます。
トラブルを有利に解決できる可能性が高くなるので、一人で悩む前にまずは一度相談してみてください。
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