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投稿者の特定・訴訟 公開日:2020.10.29  更新日:2020.10.29 弁護士監修記事

発信者情報開示請求の意見照会はいつ届く?2つのタイミングと回答法

小笠原六川国際総合法律事務所
神田知宏
監修記事
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インターネット上で他人を誹謗中傷するネガティブな書き込みをしてしまい、「相手から損害賠償請求や刑事告訴などの法的な責任を追求されるかもしれない…」と心配になってしまったという人もいるかもしれません。

誹謗中傷を受けた側があなたに法的な責任を訴えるためには、掲示板などのコンテンツプロバイダーや、ISPなどの経由プロバイダーに対して「発信者情報開示請求」を行い、名前や住所などを特定しなければなりません。

このとき、意見照会と言ってプロバイダーは書き込みを行った本人に対して情報を開示してよいか聞かなければなりません。つまりあなたはこのタイミングで発信者情報開示請求がなされているかどうかがわかるのです。

この記事では、意見照会が届く2つのタイミングと、届いた場合の対処法、意見照会が届いた場合に弁護士に相談すべき理由などを紹介します。ネガティブな情報を書き込んでしまって、発信者情報開示請求をされている可能性があると心配している人は参考にしてください。

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発信者情報開示請求の意見照会はいつ届く?2つのタイミング

冒頭でもお伝えした通り、発信者情報開示請求があった場合、プロバイダーはあなたに対して「情報を開示しても良いか」の確認をします。具体的には、「発信者情報開示請求に係る意見照会書」という書類が届きます。

これはプロバイダー責任制限法(特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律)によって、開示請求があった場合には書き込みをした人に対して意見を求めることが定められているからです。

開示関係役務提供者は、前項の規定による開示の請求を受けたときは、当該開示の請求に係る侵害情報の発信者と連絡することができない場合その他特別の事情がある場合を除き、開示するかどうかについて当該発信者の意見を聴かなければならない。

引用:特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律第4条

ここでは、どういったタイミングで意見照会が届くのかを見ていきましょう。

コンテンツプロバイダー(サイト運営者など)に発信者情報開示請求がなされたとき

意見照会が届くタイミングの1つ目は、掲示板などのサイト運営者であるコンテンツプロバイダーに開示請求がなされたときです。

コンテンツプロバイダーへの発信者情報開示請求は、あなたを特定するための第一段階で、ここではIPアドレスやタイムスタンプなどが公開される可能性があります。

開示請求の方法は「発信者情報開示請求書」を通じた任意の開示請求の場合もありますし、裁判所を通じた仮処分請求の場合もあります。

意見照会があなたに届くまでの期間は、任意の開示請求の場合はコンテンツプロバイダーに請求書が届いてから数週間後、仮処分の場合は申立てから約1週間程度であることが一般的です。

なお、コンテンツプロバイダーからの意見照会は、コンテンツプロバイダーがあなたの連絡先を把握しておかなければ実施できません。つまり、匿名掲示板のような利用に登録などを必要としない場合には意見照会は届きません。

そのため、コンテンツプロバイダーに発信者情報開示請求がなされた段階で意見照会を求められるケースはあまり多くないのが現状です。

経由プロバイダー (ISPなど)に発信者情報開示請求がなされたとき

意見照会が届くタイミングの2つ目は、携帯電話会社などの経由プロバイダーに発信者情報開示請求がなされたときです。

経由プロバイダーへの開示請求はあなたを特定するための二段階目で、住所・氏名・電話番号・メールアドレスなどが開示される可能性があります。開示後には損害賠償請求や刑事告訴などをされる可能性があるので注意が必要です。

経由プロバイダーへの開示請求は訴訟手続きが通常です。申立てから1~4週間程度で意見照会書が届くことが一般的です。

通信ログは一定期間しか保管されない

携帯会社などの経由プロバイダーにおいては、通信ログは一定期間しか保管されません3ヶ月~6ヶ月程度が一般的です。

つまり、この通信ログの保存期間を過ぎた場合には、ログ自体が消えてしまっているため、あなたを特定することができなくなります。

ただし、誹謗中傷などを行ったサイトが実名登録サイトの場合はコンテンツプロバイダーに開示請求をすればあなたを特定できるため、実質的な時間の制限はなくなります。また、仮に経由プロバイダーの通信ログの保管期間が過ぎていたとしても、コンテンツプロバイダーに対し二段階認証用の携帯電話番号の開示請求をする可能性もあります。

誹謗中傷から一定期間が経っていたとしてもあなたの情報が開示されないわけではありませんので、注意が必要です。

発信者情報開示請求の意見照会への回答方法

「発信者情報開示請求に係る意見照会書」が届いたら、回答書が添付されていますので記載後に返信しましょう。

返信期間は通常14日とされています。

回答書の例は次の通りです。

発信者情報開示請求回答書

引用:発信者情報開示請求標準書式

「発信者情報開示に同意しません。」もしくは「発信者開示に同意します。」のどちらかに〇をつけます。「発信者情報開示に同意しません。」に〇をつけた場合には、理由とともに証拠も記載しておきましょう。

あなたの情報が開示されるには、「➀あなたの書き込みなどが権利侵害をしている」「②情報開示に正当な理由がある」という2つの条件が必要になります。これは、プロバイダー責任制限法の第4条によります。

つまり、「理由」の部分には、あなたの書き込みが権利侵害に該当していないこと、もしくは、開示に正当な理由がないことを記載しなければなりません

権利侵害については、「発信者情報開示に係る意見照会書」に、書き込みをされた側がどの権利を侵害されたと考えているかの記載があります。具体的には「名誉権侵害」「プライバシー権侵害」「名誉感情侵害」「肖像権侵害」などが挙げられます。

いずれの権利も、侵害しているかどうかは要件を満たす必要があります。あなたの書き込みが権利侵害の要件を満たしていないことを理由として記載しましょう。

開示に正当な理由がないについては、開示されるとあなたの家に書き込みされた側が押し寄せる・ネット上であなたの氏名などが公開される・職場に連絡されるなど、不当にあなたの名誉又は生活の平穏が害される場合には、認められる可能性があります。

これまで、書き込みされた側とのやりとりで、そういった旨を通知されている場合には、スクリーンショットなどの証拠とともに理由として記載してください。

なお、権利侵害をしていない理由の記載については、あなた自身で法律的な組み立てをするのが困難なことが通常でしょうから、弁護士に相談することをおすすめします。

発信者情報開示請求の意見照会に回答しない場合には

意見照会に回答しない場合には、プロバイダー側としては「何も意見がなかったもの」として扱われ、「発信者情報開示請求書」を通じた任意の開示請求の場合には、あなたの情報が開示される可能性があります。

一方、仮処分または訴訟になっている場合には、開示するかどうかの判断は裁判所が行うことになりますが、この時も回答しないことによって、プロバイダーの弁護士は「回答がなかった」と報告することになり、裁判官としてもあなたの情報を開示するのに心理的な抵抗が弱くなる可能性が高まります。

発信者情報を開示されたくない場合には、意見照会回答書は返信しておきましょう。

発信者情報開示請求の意見照会が届いたら弁護士に相談を

意見照会の回答で「開示に同意しません」に〇をつけた場合には、理由を説明しなければなりません。理由の記載内容としては「権利侵害をしていないから」とするのが通常ですが、すでにお伝えした通り、権利侵害をしているかどうかは、各要件を満たしているかどうかで判断する必要があり、書き込みの文言、書き込みなどが行われた経緯などの個別事情を総合的に考慮する必要があります。

あなた自身では法律的な組み立てが困難なことが一般的でしょうから、「発信者情報開示請求に係る意見照会書」が届いた場合には、弁護士に相談することをおすすめします

弁護士はあなたに代わって意見照会を記載することもできますし、訴訟になっている場合には裁判を傍聴して書き込みされた側の主張や現在の状況を確認するといった業務をしてくれるケースもあるでしょう。

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まとめ

意見照会が届くのは、サイト運営者などのコンテンツプロバイダーかISPなどの経由プロバイダーのどちらかに開示請求がなされたタイミングです。

「発信者情報開示請求に係る意見照会書」には回答書が添付されていますので、開示されたくない場合には「開示に同意しない」に〇をつけて、理由と証拠を記載しましょう。

また、発信者情報の開示を請求した側は、最終的に損害賠償請求や刑事告訴などの法的責任を追及しようとしていることが通常です。そのため、意見照会が届いた場合には、発信者情報が開示された後のこととともに、意見照会の回答方法について弁護士に相談することをおすすめします。

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この記事の監修者
小笠原六川国際総合法律事務所
神田知宏 (第二東京弁護士会)
【元IT企業代表取締役】IT分野を集中的に扱ってきた実績を活かしたサポート!GoogleのクチコミやTwitterなど、悪質な書き込みによって業務に支障が出る前にご相談ください。

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相護士ナビ編集部

本記事はIT弁護士ナビを運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※IT弁護士ナビに掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。
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