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投稿者の特定・訴訟 弁護士監修記事 更新日:

掲示板でIPアドレスを特定する方法|書き込んだ人の調べ方を解説

弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤康二 弁護士
監修記事
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匿名掲示板への書き込みでも、IPアドレスを調べることができればどこの誰が投稿したのかを特定できる可能性があります。

ネットの匿名性は高いですが、無論完全というわけではありません。

悪質な嫌がらせをしてくる相手に対しては、相手の身元特定を含む然るべき対応を検討したほうが良いかもしれません。

この記事では、ネット掲示板に書き込みをした人のIPアドレスを特定し、加害者の身元を調べる方法についてご紹介します。

誹謗中傷やプライバシー侵害など、ネットでの嫌がらせにお悩みの場合は参考にしてみてください。

ネット掲示板の嫌がらせに悩んでいる方へ

ネット掲示板で嫌がらせを受けているけど、どう対処すればいいかわからず悩んでいませんか?

 

結論からいうと、ネット掲示板の嫌がらせはIPアドレスを調査することなどを通して相手の身元を特定することができます。

もし、ネット掲示板の嫌がらせを解決したい場合、弁護士に相談・依頼するのをおすすめします

 

弁護士に相談すると以下のようなメリットを得ることができます。

  • 投稿がどの法律に違反しているか判断してもらえる
  • 投稿の削除依頼の出し方を教えてもらえる
  • 依頼すれば、相手方のIPアドレスを特定する手続きを任せられる
  • 依頼すれば、損害賠償請求手続きを一任できる

ベンナビITでは、ネット上の誹謗中傷問題を得意とする弁護士を多数掲載しています。
無料相談・電話相談など、さまざまな条件であなたのお近くの弁護士を探せるので、ぜひ利用してみてください。

この記事に記載の情報は2024年04月01日時点のものです

掲示板のIPアドレスを特定する意味

IPアドレスとは、ネットに接続する際に端末(パソコンやスマホなど)に振り当てられる個別の識別番号です。

IPアドレスからわかる加害者の情報は、以下の通りです。

IPアドレス特定からわかる情報

IPアドレスだけでは、住所や連絡先など詳細な個人情報はわかりません。

ネットでたまに見受けられる『IPアドレスがばれる=住所の特定』というのは誤解です。

しかし、IPアドレスからわかった情報をもとに、法律に則った然るべき手続きを行うことで、加害者の身元を特定することができます(詳細は下記の『IPアドレス特定後はプロバイダへ開示請求』で解説あり)。

掲示板でのIPアドレス特定は、加害者の身元を調べる手続きの第一段階といえます。

掲示板のIPアドレスを確認する2つの方法

掲示板へ書き込みをした人のIPアドレスを確認する方法は、以下の2通りです。

  1. 掲示板の管理画面から確認をする
  2. 掲示板の管理者へ開示請求をする

ご自身でサイト(ブログや掲示板)を運営されている方は①、それ以外の方は②の方法でIPアドレスを調べることができます。

掲示板の管理画面から確認をする

ご自身で掲示板を運営されている場合は、書き込みの管理ページから確認できるケースがほとんどです。

IPアドレスの表示方法などは利用しているサービスによって異なりますので、管理ページを見てもすぐ見つけられない場合は、掲示板サービスの公式ページを参考にしてみてください。

掲示板の運営者へ開示請求をする

掲示板サービスの利用者(閲覧者も含む)の場合は、掲示板の運営者に対して問題の書き込みのIPアドレスの開示請求をする必要があります。

掲示板に記載されている連絡先やお問い合わせフォームから、書き込みによる誹謗中傷被害の報告し、IPアドレス情報の開示を依頼してみましょう。

ただし、掲示板の管理者にも個人情報の守秘義務があるため、任意で開示に応じてもらえるケースは少ないのが実情です。

掲示板の管理者からIPアドレス情報を開示してもらうには、民事保全や弁護士会照会といった所定の手続きを履践する場合が多いです。

その場合は法律知識なしでは対応は難しいため、専門家への相談をご検討ください。

権利侵害に該当する誹謗中傷の例

ネット掲示板での嫌がらせによる権利侵害の代表例として、以下の4つの被害が挙げられます。

誹謗中傷による権利侵害の代表例

名誉毀損

公然の場で具体的な事実を挙げたうえで第三者の評判を落とす可能性のある言動を行うこと(例:あいつは不倫している、あいつは前科持ちだ)

侮辱

公然の場で具体的事実を挙げないで第三者の評判を落とす可能性のある言動を行うこと(例:昔からずっと根暗、仕事ができない落ちこぼれ)

肖像権侵害

他人の肖像物を無許可で公表する行為(例:隠し撮りの公開、SNS限定写真の公開)

プライバシー侵害

公共の場で公開を望んでいない個人情報や私生活の情報を無許可で公表する行為(例:本名や住所などの個人情報)

また、「殺す」や「〜しないと住所を晒す」などの脅迫的投稿、イラストや音楽などの無断転載による著作権侵害になりうる投稿なども違法な権利侵害があるものとして開示請求が認められる可能性はあります。

書き込みの内容が上記のような権利侵害に該当する場合は、加害者を特定して訴えることも有効な対処法の1つです。

掲示板へIPアドレスの開示請求をするには

上記でも触れた通り、掲示板の管理者からIPアドレスを開示してもらうには、所定の手続を履践しての対応が必要になるケースが一般的です。

この場合は弁護士のサポートを受けるべきなので、弁護士への相談を検討しましょう。

なお、当サイトには掲示板別に加害者の特定方法を紹介する記事もございます。

掲示板別の解説を確認したい場合は、以下のリンク先をご参照ください。

5ちゃん(旧2ch)

爆サイ

ホストラブ

雑談たぬき

※IPアドレスには保存期間がある

IPアドレスがサーバーに保存されている期間は、3〜6ヶ月が目安といわれています。

掲示板への書き込みからこの期間を過ぎてしまうと、加害者の特定ができなくなる恐れがあるのでご注意ください。

裁判(仮処分)にかかる時間も考慮して、遅くても書き込みから1ヶ月半以内には弁護士への相談を済ませておくことをおすすめします。

なお、IPアドレスの特定にかかる期間は1〜2ヶ月、それを含めた加害者特定までにかかる期間は4〜6ヶ月がおおよその目安です。

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IPアドレス特定後はプロバイダへ開示請求

IPアドレスを特定したら、その情報から加害者が利用したプロバイダ(ネット事業者:携帯3大キャリア、OCN、BIGLOBEなど)に対して発信者情報開示請求を行います。

掲示板への開示請求と同様、プロバイダへの開示請求も裁判が必要になるケースがほとんどです。

そのため、引き続き弁護士に対応してもらうケースが一般的です。

プロバイダへの開示請求が成功したら、加害者の正体と連絡先を特定できます。

その後は、損害賠償(慰謝料)請求や刑事告訴など、ご自身の被害状況と目的に応じて警察や弁護士へご相談ください。

なお、2022年10月27日までに改正プロバイダ責任制限法が施行されます。

改正プロバイダ責任制限法では、従来2段階の裁判手続が必要だった発信者情報開示請求を、1回の非訟手続によって行うことができるようになります。

これにより、被害者側の負担が軽減すると考えられるでしょう。

また、ログイン時情報の発信者情報開示請求は、一定の条件はあるものの、明文で認められるようになります。

加害者特定にかかる弁護士費用の目安

掲示板の書き込みを特定するのに必要になる費用は、60〜70万円がおおよその目安です。

IPアドレス開示請求(仮処分)

着手金:約20万円
報酬金:約15万円

契約者情報開示請求(裁判)

着手金:約20〜30万円
報酬金:約15〜20万円

※弁護士費用は法律事務所によって金額や料金体系が異なります

加害者の特定にかかった費用は、その全部又は一部を損害賠償請求で加害者に請求することができる場合もあります

実際に請求できる金額は裁判官の判断次第であり、かかった費用全額が請求できるとは限らない点はご留意ください。

なお、弁護士への損害賠償請求の依頼費用は以下の通りです。

交渉での請求の場合

着手金:約10万円
報酬金:賠償金の16%

裁判での請求の場合

着手金:20万円
報酬金:賠償金の約16%

まとめ

掲示板の書き込みのIPアドレスを特定するには、掲示板の管理者へIPアドレスの開示請求をする必要があります。

IPアドレスの特定に成功したら、その情報からプロバイダへ発信者情報開示請求をして、加害者の身元を特定できます。

手続きのおおまかな流れは、以下の通りです。

  1. 掲示板へ投稿者のIPアドレス開示請求
  2. 仮処分(※開示に応じてもらえなかった場合)
  3. IPアドレスからプロバイダの特定
  4. プロバイダへ投稿者の個人情報開示請求
  5. 裁判(※開示に応じてもらえなかった場合)
  6. 投稿者特定

開示請求では裁判が必要になるケースがほとんどです。

加害者の特定を検討している場合は弁護士の法律相談サービスをぜひご活用ください

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参考:IPアドレスを特定する方法は?開示できる情報や情報開示ツールを紹介|Utilly

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この記事の監修者
弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤康二 弁護士 (第二東京弁護士会)
アンダーソン・毛利・友常法律事務所を経て2014年8月にプラム綜合法律事務所を設立。企業法務から一般民事、刑事事件まで総合的なリーガルサービスを提供している。
ベンナビIT(旧IT弁護士ナビ)編集部
編集部

本記事はベンナビIT(旧IT弁護士ナビ)を運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※ベンナビIT(旧IT弁護士ナビ)に掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。
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