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その他のネット問題 弁護士監修記事 更新日:

【弁護士監修】LINE詐欺の手口と被害に遭わないための対処法

法律事務所アルシエン
清水陽平 弁護士
監修記事

LINEはコミュニケーションツールとして圧倒的なシェアを誇っており、今や国民的なコミュニケーションツールといっても過言ではありません。

しかし、近年LINEを悪用した詐欺が横行し、実際に多くの被害が発生しています。

無料通話チャット・アプリのLINE(東京・渋谷)の利用者アカウントが不正ログインで乗っ取られた問題で、警視庁サイバー犯罪対策課は29日、電子マネーを詐取された被害を東京都内で368件、約2800万円分確認したと発表した。金銭的な被害がなかったケースを含めると、計657件の相談や被害届があったという。

引用元:LINE乗っ取り詐欺、都内の被害2800万円|日経新聞

実際にLINE詐欺の被害に遭ったことはなくても、詐欺の疑いがあるメッセージをLINEで受け取った経験がある方は多いのではないでしょうか。

この記事ではLINE詐欺の手口について説明し、LINE詐欺の被害に遭わないための対処法について解説します。

LINE詐欺の手口1:Amazonギフト券などの購入

LINE詐欺の手口として特に多いのが、Amazonギフト券やiTunesカードなどを購入させてコードを聞き出すというものです。

Amazonギフト券やiTunesカードはコンビニエンスストアなどで簡単に購入できるプリペイドカードであり、以下では具体的な詐欺の手口について解説します。

友人のLINEアカウントからメッセージが届く

もともと個人が使用していたLINEアカウントを乗っ取ったり、友人や芸能人を装ったLINEアカウントを作成したりして、「急にお金が必要になったから助けてほしい」「何も聞かずにいうとおりにしてほしい」などのメッセージを送ってくるケースが一般的です。

Amazonギフト・iTunesカードをコンビニで買うよう促す

次に「今は事情があって手が離せないから、代わりにコンビニエンスストアでAmazonギフト券を3万円分買ってきてほしい」というようなメッセージで購入を依頼してきます。

Amazonギフト券を購入したことを報告すると、「裏のギフト券番号を写真に撮って送ってほしい」などとギフト券番号を聞き出そうとしてきます。

ここで写真を相手に送るとギフト券はすぐに使用され、その相手とは二度と連絡を取ることができなくなります。

iTunesカードを購入させる手口も流れは同様です。

LINE詐欺の手口2:悪質な有料サイトへの登録

詐欺の手口として、悪質な有料サイトに登録させるというものもあります。

悪質なサイトに誘導される

まずは「友達になってほしい」「知り合いには話しづらいことだから、内緒で相談に乗ってほしい」などのメッセージが突然送られてきます。

その後、「スマホを修理に出すから」「LINEの調子が悪いから」などと理由をつけて、LINE以外で連絡がしたいといって外部サイトに誘導してきます。

送り主は、友人を装ったり芸能人や綺麗な女性の写真を使ったりして、メッセージを受け取ったユーザーに連絡をとりたいと思わせようとするケースが一般的です。

リンク先にアクセスするとどうなる?

リンク先のサイトでは、有料登録をしないと続きのメッセージがやり取りできないようになっており、有料登録をさせて利用料を騙し取ります。

リンク先のサイトは、LINEが公式に提供しているサービスであるかのように巧妙に作られている場合もあるので注意が必要です。

たとえば、「LINE無料チャットルーム」「LINE Contact」などのようなLINEを連想させる名前だったり、デザインがLINEそっくりだったりします。

LINE詐欺の被害に遭わない2つの対処法

次に、LINE詐欺に遭わないためにできることをご紹介します。

怪しいメッセージは無視する

LINE詐欺の被害に遭わないための対処法は、怪しいメッセージが届いても相手にせずに無視することです。

友人からプリペイドカードを購入するように求められたり、見知らぬ人から突然連絡があったりした時点で詐欺を疑うべきでしょう。

詐欺のメッセージかどうか見極めるために、どのような手口があるのか知っておくことも大切です。

運営側では、実際に被害が出ている詐欺の手口をX(旧Twitter)の公式アカウントで公表して注意喚起しているので、情報収集のためにもフォローしておきましょう。

本人に直接確認をする

知人のアカウントを乗っ取ってプリペイドカードの購入を依頼してくるような手口だと、「もしかしたら本当に友人が困って連絡してきているのではないか」と思ってしまうかもしれません。

しかし、そのように思ってしまったら相手の思うつぼです。

もしどうしても心配であれば、本人に直接会ったり電話をかけたりするなど、LINE以外の方法で連絡をとって確認しましょう。

LINE詐欺に遭った被害金の回収は可能?

もしLINE詐欺の被害に遭ってしまったら、すぐに警察とLINEの運営に通報しましょう。

AmazonやiTunesなどのプリペイドカードのコードを教えてしまった場合には、それらのサービスを提供している業者にも連絡しましょう。

法律上は返金を求める権利がある

法律上は「損害賠償請求」または「不当利得返還請求」として、詐欺を働いた業者に対して支払った被害金を返金するよう求める権利があります。

ただし、権利があるということと実際に返金を受けられるということは別の問題です。

被害金の回収は困難

購入したプリペイドカードを使用されたり、サイトで課金されたりすると、以下のような事情から被害金を回収することは困難です。

  • 警察では犯人の氏名や住所などを特定できない
  • 警察が動かなければ犯人のアカウントを特定しようがない

たとえ特定できたとしても、すでに被害金を使い込まれている場合もあり、必ずしも返金するだけの資力があるとはかぎりません。

「プリペイドカードを購入させる詐欺であれば、クレジットカードのように補償してもらえるのではないか」と思う方もいるかもしれませんが、AmazonやAppleでは補償はしていません。

コードを利用したアカウントなら特定できる可能性があり、実際に摘発されているケースもありますが、AmazonもAppleもアメリカの企業ですので、捜査も簡単ではないようです。

さいごに

本記事で解説した詐欺の手口は代表的なもので、今後さらに巧妙な手口が生まれる可能性もあります。

LINEが詐欺に利用される可能性があることを意識して、少しでも怪しいと思ったら不用意な行動はとらないようにすることが、詐欺被害の防止につながります。

また、自身のアカウントが乗っ取られて詐欺に利用されないよう、十分に対策しておくことも重要です。

アカウントの管理が不十分だったために不正利用され、友人が詐欺の被害に遭ってしまうと、人間関係にヒビが入る恐れもあります。

LINEのパスワードは第三者には決して教えず、推測されやすいものは避けて乗っ取りを防止しましょう。

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この記事の監修者
法律事務所アルシエン
清水陽平 弁護士 (東京弁護士会)
インターネット上の法律問題について途を切り拓いてきた弁護士。​日本初の案件を多数取り扱っており、誹謗中傷の削除、発信者情報開示請求、損害賠償請求など、相談者のお悩みに沿った解決策を提案。
ベンナビIT(旧IT弁護士ナビ)編集部
編集部

本記事はベンナビIT(旧IT弁護士ナビ)を運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※ベンナビIT(旧IT弁護士ナビ)に掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。
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