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リベンジポルノ 弁護士監修記事 更新日:

どんな罪に問われる?リベンジポルノの犯罪が成立する要件とは

弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤康二 弁護士
監修記事
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交際相手やネット上の知人などから、性的な画像を公の場に公開されてしまう、いわゆる『リベンジポルノ』の問題をご存知でしょうか。

警察庁のデータによると、被害件数は年々と増加傾向にあり、年間で1,347件もの相談があるようです。

リベンジポルノの被害件数

【引用】平成30年におけるストーカー事案及び配偶者からの暴力事案等への対応状況について

リベンジポルノのトラブルは場合によっては犯罪となります。

この記事では、リベンジポルノは具体的にどのような犯罪で、どのような罪に該当するのかについてご紹介します。

リベンジポルノ被害を受けているあなたへ

リベンジポルノ被害を受けているけど、対処法がわからず悩んでいませんか?

 

結論からいうと、リベンジポルノは公表罪やわいせつ物頒布罪に該当します。

もし、リベンジポルノを削除して加害者を責任追及したい場合、弁護士に相談・依頼するのをおすすめします

 

弁護士に相談・依頼すると以下のようなメリットを得ることができます。

  • リベンジポルノの削除依頼の方法を教えてもらえる
  • 依頼すれば、リベンジポルノの削除を任せられる
  • 依頼すれば、加害者に損害賠償請求できる

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リベンジポルノを犯罪として罰する法律

三鷹市で女子高生が殺害されて裸の写真をネットに晒される悪質な事件がきっけかになり、2014年にリベンジポルノ防止法(正式名称:私事性的画像記録の提供等による被害の防止に関する法律)が制定されました。

なお、この法律が制定される以前でも、リベンジポルノが違法行為なのには変わりません。

改めて法律化をして世間に認知をさせることで、犯罪の抑止効果を狙うのがこの法律が制定された目的です。

この法律は、私事性的画像記録の提供等により私生活の平穏を侵害する行為を処罰するとともに、私事性的画像記録に係る情報の流通によって名誉又は私生活の平穏の侵害があった場合における特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律 (平成十三年法律第百三十七号)の特例及び当該提供等による被害者に対する支援体制の整備等について定めることにより、個人の名誉及び私生活の平穏の侵害による被害の発生又はその拡大を防止することを目的とする。

【引用】私事性的画像記録の提供等による被害の防止に関する法律 第1条

リベンジポルノ防止法の構成要件|該当する画像・動画

リベンジポルノ防止法の規制対象となる「私事性的画像記録」とは以下のような記録を指します。

  • 性行為の記録
  • 性交類似行為(手淫・口淫)の記録
  • 他人が性器等(性器、肛こう門又は乳首)に触れる記録
  • 衣服の全部、または一部を着けておらず性的な部位が強調されている記録


なお、本人が第三者に見られることを認識した上で撮影を許可した画像(アダルトビデオ、グラビア写真など)は対象外です。

リベンジポルノに該当する状況の例

リベンジポルノ防止法の定める犯罪類型には、以下のようなものがあります。

公表罪

第三者が撮影対象者を特定できる方法で、私事性的画像記録(物)を不特定若しくは多数の者に提供し、又は公然と陳列する行為

提供罪

公表させる目的で、私事性的画像記録(物)を提供する行為

リベンジポルノに対する罪と罰則

次に、リベンジポルノ防止法とリベンジポルノに関する罪の罰則をご紹介します。

  • 公表罪|リベンジポルノ防止法
  • 提供罪|リベンジポルノ防止法
  • わいせつ物頒布罪
  • 児童ポルノ公然陳列罪
  • 名誉毀損


リベンジポルノ行為が事件として立件され、行為者が起訴(刑事裁判にかけられること)され、裁判で有罪判決になった場合には、以下の刑事罰が科されます。

公表罪|リベンジポルノ防止法

3年以下の懲役または50万円以下の罰金です。

提供罪|リベンジポルノ防止法

1年以下の懲役または30万円以下の罰金です。

わいせつ物頒布罪

性的な画像を広く頒布したり、公然と陳列すると(インターネット上での公開を含みます)、わいせつ物頒布罪という罪に該当する可能性があります。

この場合の罰則は、2年以下の懲役または250万円以下の罰金となります。

児童ポルノ公然陳列罪

18歳未満の児童に係る性的な画像を多数の者に提供したり、公然と陳列すると、児童ポルノ頒布罪に該当する可能性があります。

この場合の罰則は、5年以下の懲役または500万円以下の罰金と、成人の画像を公開した場合よりも罪が重くなります。

名誉毀損罪

性的な画像を公開する行為が被写体本人の名誉を毀損(きそん)するような場合は、名誉毀損罪に該当する可能性があります。

この場合の罰則は、3年以下の懲役または禁錮または50万円以下の罰金です。

リベンジポルノで逮捕につながった事例

リベンジポルノの加害者が逮捕された事例を2つご紹介します。

  • SNSへ元交際者の裸の写真を投稿
  • トイレの盗撮動画をネットで販

SNSへ元交際者の裸の写真を投稿

リベンジポルノ防止法の制定後、初めて刑事裁判で有罪判決が出た事例です。

東被告は昨年8月、無料通信アプリLINE(ライン)で、元交際相手の女性に「写真ばらまきます後悔させてやる」などと連絡。今年1月には、自らの簡易投稿サイト「ツイッター」に、元交際相手の裸の写真を10回にわたり投稿した。

【詳細】「リベンジポルノ」39歳男に有罪判決 ネット使用で初

裁判官は、「長期に渡り敢行され、被害者の精神的苦痛や人格の損害程度は大きい」と指摘し、懲役2年6月、執行猶予(求刑懲役3年)を言い渡し、保護観察処分を付しました。

トイレの盗撮動画をネットで販売

事件発覚の当初は都迷惑防止条例違反(盗撮)容疑で逮捕されましたが、後々の捜査でネットへの動画投稿の事実が発覚し、リベンジポルノ防止法の違反で再逮捕された事例です。

トイレ内の女性の動画をインターネット上に投稿したとして、私事性的画像被害防止法(リベンジポルノ防止法)違反の疑いで警視庁池袋署は、25日までに東京都墨田区のIT会社社員、名取亮容疑者(42)を再逮捕した。

【詳細】トイレ無差別盗撮で再逮捕の男 リベンジポルノ防止法適用の理由

リベンジポルノは元交際者への復讐行為のイメージが強いですが、この事件のように面識のない相手に対しても、条件を満たしていれば犯罪は成立します。

リベンジポルノ被害への対処法

リベンジポルノの被害に遭った場合は、まず公開された画像や動画を削除するのが先決です。

もしご自身でも対応できそうであれば、サイトの利用規約を参照して削除依頼を出してください。

個人での削除依頼が難しい場合は、すぐ専門家への相談を持ちかけましょう。

リベンジポルノ被害の主な相談先としては、以下の3つが挙げられます。

相談先

目的

最寄りの警察署または『性犯罪110番

投稿削除、加害者への刑事罰の追及

法律事務所(弁護士への相談)

投稿削除、加害者への損害賠償請求

セーファーインターネット協会

投稿の削除依頼だけをしたい

【詳細】リベンジポルノ被害の相談|どの相談先を利用すべき?

基本的には、まず警察からの相談で問題ないかと思われます。

ただ、被害状況によっては、警察では削除依頼や加害者の特定などの対応が難しいケースもあり得ます。

その場合は、弁護士への相談をご検討いただければ幸いです。

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リベンジポルノ被害前によくある悩みへの対処法

まだリベンジポルノの被害に遭っていなくても、以下のような悩みを抱える人も少なくありません。

  • 画像(写真)・動画を晒すと脅されている
  • 元交際者に裸の写真を所有されている

最後に、このような状況になってしまったときに、どのような対応ができるかについてご紹介します。

画像(写真)・動画を晒すと脅されている

「このまま自分と別れるなら裸の写真をネットに晒すぞ!」のような脅しは、脅迫罪に該当する可能性が高いです。

画像のスクリーンショットや通話の音声などの証拠を用意して、警察へすぐ被害を相談してください。

ただし、何も証拠がない状態で警察へ相談しても、警察は対応してくれない場合がほとんどですので注意しましょう。

元交際者に裸の写真を所有されている

元交際者が自分の性的な画像や動画を所有したままなのに、不安を感じる人は多いです。

しかし、過去に合意をして撮影をしている場合には、そのデータは相手に権利があります。

そのため、相手にこれを削除させることは難しいのが実情です…。

どうしてもという場合は、弁護士名義で削除を求めるという方法もありますが、削除に応じてもらえるかは相手次第になるでしょう。

まとめ

リベンジポルノとは、本人の承諾なく『性欲を興奮させ刺激するプライベートな性的画像・動画』を公表または他人へ提供する犯罪です。

刑事裁判で有罪判決が出た場合には、加害者に以下の刑罰が科される可能性があります。

公表罪

公表罪:3年以下の懲役または50万円以下の罰金

提供罪

提供罪:1年以下の懲役または30万円以下の罰金

リベンジポルノの被害に遭った場合は、被害が拡大する前に早急に削除することが重要です。

ご自身での対応が難しい場合は、専門家への相談をご検討ください。

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この記事の監修者
弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤康二 弁護士 (第二東京弁護士会)
アンダーソン・毛利・友常法律事務所を経て2014年8月にプラム綜合法律事務所を設立。企業法務から一般民事、刑事事件まで総合的なリーガルサービスを提供している。
ベンナビIT(旧IT弁護士ナビ)編集部
編集部

本記事はベンナビIT(旧IT弁護士ナビ)を運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※ベンナビIT(旧IT弁護士ナビ)に掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。
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