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リベンジポルノ 弁護士監修記事 更新日:

リベンジポルノ事例集|事例から学ぶリベンジポルノの食い止め方

弁護士法人ネクスパート法律事務所
監修記事
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リベンジポルノとは、一般論としては、他者の性的な画像や動画を復讐目的で勝手に公表してしまうことを言います。

平成26年にこのリベンジポルノを取り締まるための法律が新たに制定されましたが、実は制定前もリベンジポルノによる被害はたくさんありました。

この記事では、そんな事例に加え、被害を拡大させないためにどうすべきかという点についてもご紹介します。

既にリベンジポルノ被害に遭っている方へ

万が一、ネット上に裸の写真や動画が晒されてしまっている場合は、少しでも被害が拡大するのを防ぐため、早急に対策をしなくてはいけません。

 

サイトへの削除依頼、加害者を訴えて慰謝料を請求するなど、専門家(警察・弁護士・サポート団体)への相談をすぐ検討するべきでしょう。

 

当サイトでは、ネット問題の解決が得意な弁護士を掲載していますので、リベンジポルノ被害にお悩みの方は、無料相談サービスをぜひご活用ください。

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リベンジポルノの裁判事例

リベンジポルノは実は日本だけでなく、海外にも事例がありますので、あわせてご紹介していきます。

日本のリベンジポルノ事例

元交際相手の裸の写真をインターネット上で公開したとして、脅迫や私事性的画像記録の提供被害防止法違反などの罪に問われた、鳥取県境港市の無職、A被告(39)の判決公判が12日、横浜地裁で開かれ、樋上慎二裁判官は、懲役2年6月、執行猶予4年(求刑懲役3年)を言い渡した。ネットを用いたリベンジポルノ(復讐=ふくしゅう=目的の画像投稿)で、同法違反に基づく判決は全国で初めて。

 樋上裁判官は判決で「長期に渡り敢行され、被害者の精神的苦痛や人格の損害程度は大きい」と指摘。その上で「他人の恐怖心を理解できない認知のゆがみを解消する必要がある」として保護観察処分を付した。

 判決によると、A被告は昨年8月、無料通信アプリLINE(ライン)で、元交際相手の女性に「写真ばらまきます後悔させてやる」などと連絡。今年1月には、自らの簡易投稿サイト「ツイッター」に、元交際相手の裸の写真を10回にわたり投稿した

(引用元:産経ニュース

事例

会社員の男(33)は、27年1月、衣服の一部を着けていない元交際相手の画像等を加工した写真多数を商業施設駐車場に置き、公然と陳列した。同年2月、同男を私事性的画像被害防止法違反(私事性的画像記録物公然陳列)で逮捕した(福島)。

事例

27年8月、女性から、インターネット上に自己の裸の画像が投稿されているとの相談を受理した。画像の拡散防止措置を執るとともに、同年9月、元交際相手の男(41)を私事性的画像被害防止法違反(私事性的画像記録物公然陳列)で逮捕した(鹿児島)。

(引用元:警察庁「生活安全の確保と犯罪捜査活動」

 

海外のリベンジポルノ事例

【2月3日 AFP】米カリフォルニア(California)州サンディエゴ(San Diego)の裁判所は2日、元交際相手の性的な写真などを本人の了承なくオンラインに投稿する「リベンジポルノ」のサイトを運営していた男に対し、恐喝や個人情報窃盗の罪で有罪を言い渡した。このサイトには1万点を超えるリベンジポルノ写真が掲載されていた。

 B被告は、共謀、個人情報窃盗、ゆすり行為による恐喝など、問われていた31件の容疑について否認していた。同被告は数万ドル規模の利益を上げていたとみられている。刑の言い渡し日は発表されていないが、最高24年の実刑判決を受ける可能性がある。

リベンジポルノは、交際中に入手した写真や、盗み出したりハッキングしたりして取得した性的な写真を、本人の許可なくインターネット上に投稿する行為。

 B被告は2012年12月にリベンジポルノを掲載するウェブサイト「ugotposted.com」を立ち上げた。このサイトは、写真の被写体の名前を出さない他のリベンジポルノ・サイトと異なり、被写体の氏名や住所、年齢、米SNSフェイスブック(Facebook)のプロフィール・ページへのリンクなどの入力を、投稿者に課していた。

さらに第2のサイト「changemyreputation.com」を立ち上げ、「ugotposted.com」に投稿された写真の削除を希望する利用者から接触を受けた場合、このサイトを通して、金銭と引き換えに写真の削除に応じるともちかけ、1件当たり最高350ドル(約3万6000円)の金銭を要求し、数万ドル規模の利益を上げていたとされる。

(引用元:AFPBBニュース

 

リベンジポルノの相談事例

警察庁は、平成27年には1,143件ものリベンジポルノに関する相談が寄せられたと発表しています。

区分                              年次 平成27年
配偶者(元配偶者を含む) 4.6%
交際相手(元交際相手を含む) 63.4%
知人友人(インターネット上のみの関係のみ) 11.4%
知人友人(インターネット上のみの関係以外) 9.9%
職場関係者 1.8%
不明 3.8%
その他 5.0%
被害者の年齢  
区分                              年次 平成27年
19歳以下 19.5%
20歳代 38.0%
30歳代 22.5%
40歳代 14.9%
50歳代 3.7%
60歳代 0.6%
70歳以上 0.3%
年齢不詳 0.6%

(引用元:警察庁「生活安全の確保と犯罪捜査活動」

ただ、実際は警察庁以外にも多くの相談機関にSOSが寄せられています

2015年にセーフラインで把握した違法・有害情報は2014年と比べて大幅に増加しましたが、特に、児童ポルノ掲載サイトのパトロールを重点化したことから、児童ポルノの件数が大幅に増加しました(14年86件から15年5,466件に増加)。

(引用元:統計情報 | 一般社団法人 セーファーインターネット協会

そのため、トータルではこの何倍もの相談件数にのぼるのではないかと思われます。ここではそんなリベンジポルノの相談事例をいくつか見ていきましょう。

警察庁に寄せられた相談事例

警察庁が運営しているホームページには、以下の掲載をして注意喚起を呼びかけています。

よくある相談

  • 元交際相手から、以前プライベートで撮影された自分の裸の写真をネットにばらまくと脅されている。
  • ウェブページ又は掲示板に、他人が見ても自分だと分かる形で私的な性的画像が掲載されている。

 アドバイス

  • 性的な画像等を、その撮影対象者の同意なく、第三者が撮影対象者を特定できる方法で、インターネットの掲示板等に公表する行為は違法です。このような被害に遭ってしまったり、脅されたりした場合には、すぐに警察に相談してください。
  • 画像を掲載された場合、プロバイダや電子掲示板の管理者に削除依頼をすることができます。

(引用元:警察庁「インターネット安全・安心相談」)

探偵へ寄せられた相談事例

以下のように、リベンジポルノの被害相談は警察だけでなく興信所へも寄せられています。

  • 元カレがよりを戻さないなら性行為中の画像をネットに公開すると脅している。
  • 別れた元カレに肉体関係を強要されていて断るとネットにばら撒くと言われて怖い。
  • 元カレから裸の写真を消して欲しいならお金を払えと恐喝されている。
  • ネットに公開された裸の写真を消してほしい。
  • リベンジポルノの加害者が元カレであることを特定して刑事告訴したい。

(引用元:やさしい興信所「元カレからのリベンジポルノ被害相談事例」

カウンセリング協議会へ寄せられた相談事例

特に若い女性はトラウマになりやすいため、心の傷を癒すためのカウンセリングが必要になることもあります。以下はそんなカウンセリング機関に寄せられた相談事例です。

高3(女子)
昨年、別れた彼に撮影された私の上半身裸の画像と下着姿が、ネットに出ています。
ネットに拡散した画像を回収することはできますか?私には今、付き合っている彼氏がいますが、彼氏にばれないか、本当に不安です。

高校1年(女子)
私は今、都内の高校に通っていますが、同じ部活の先輩とメールでやり取りしていたのですが、誰にも見せないから、胸の画像送ってと言われ、迷いましたが、私は、その先輩が好きだったので、送ってしまいました。そのあと、先輩とは何度かセックスをし、局部の画像も取られました。その後、その先輩が他に付き合っている人がいることが分かって、喧嘩別れしました。私は、部活もやめました。11月に入って、3年の男子生徒の間で、私の胸や局部の画像がLINEで出回っていると聞き、今、ショックで学校を休んでいます。このまま、学校を辞めようか・・・とも思っています。これからどうしたら良いでしょうか?

23歳 女性
今、付き合っている彼氏は機嫌が悪いとすぐに暴力を振るいます。この前も、彼氏に言われるまま、恥ずかしい写真や動画を撮られました。今のところ、何も問題がないのですが、今まで撮られた画像を何に使っているのか心配です。ネットに流出しないかも心配です。どうすればいいでしょうか?

20歳 女性
私の友達がプロフィールサイトに胸を出した画像を載せています。いろんな人が見ているからやめたほうがいいと言ったのですが、たくさんの人に見てもらいたい。といわれました。私には理解できません。なんとか、友達を説得したいのですがどうしたらいいですか?

(引用元:全国Webカウンセリング協議会

 

リベンジポルノを食い止める方法

事例を見てもわかるとおり、インターネットは便利な反面とても怖いもので、大元のデータは消せても拡散された画像の削除や回収は困難です。

そのため、被害を拡大しないための早期対処が重要になります。その方法を詳しく見ていきましょう。

エゴサーチをする

検索エンジンに自分の名前を入力して検索することをエゴサーチと言いますが、もしも恥ずかしい写真を元恋人や知人が持っている場合はこのエゴサーチを定期的に行い、自分の画像が流出していないかをチェックしましょう。

早くに気づき、早くに対処することができれば、それだけ画像の拡散を防げます。

証拠の保全をする

自分がこういった被害に遭った、という証拠を保全しておくことで、犯人の行為に対して警察からもストップをかけられやすくなります。

嫌な気持ちになるでしょうが、自分の画像が流出しているページのスクリーンショットを撮って保存しておいたり、犯人から「画像をばらまく」などと脅されている場合はその文面を保護しておきましょう。

警察や専門機関に相談する

リベンジポルノは犯罪です。そのため、犯人を罰する法律もきちんとありますし、被害者は画像データを削除してもらうための意思表示をすべきです。泣き寝入りしないためにも、まずは信頼できる相談機関に相談をしましょう。

参考▶「リベンジポルノは罪になる|該当する罪名と罰則を徹底解説

《主な相談機関》

 

まとめ|リベンジポルノの被害に遭わないためには徹底予防を

インターネットは拡散性が高く不特定多数の人が閲覧をするため、一度恥ずかしい写真や画像が流出してしまうとトラブルの完全解決がむずかしくとても厄介です。

リベンジポルノ被害者にならないためには、安易に恥ずかしい写真や動画を撮らせないことが重要です。

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この記事の監修者
弁護士法人ネクスパート法律事務所
2016年1月に寺垣弁護士、佐藤弁護士の2名により設立。現在の在籍弁護士は14名(2018年1月時点)。遺産相続、交通事故、離婚などの民事事件や刑事事件、企業法務まで幅広い分野を取り扱っている
ベンナビIT(旧IT弁護士ナビ)編集部
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本記事はベンナビIT(旧IT弁護士ナビ)を運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※ベンナビIT(旧IT弁護士ナビ)に掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。
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