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SNSや匿名掲示板で、匿名による誹謗中傷を受けて悩んでいる方はいらっしゃいませんか。
誹謗中傷の匿名投稿者を特定する代表的な方法として、「発信者情報開示請求」が挙げられます。
発信者情報開示請求には数ヵ月の期間を要しますので、速やかに弁護士へ相談して対応を依頼しましょう。
本記事では、発信者情報開示請求にかかる期間や、発信者情報開示請求に関連する対応について留意すべき期限などを解説します。
インターネット上で誹謗中傷を受け、発信者情報開示請求を検討している方は、本記事を参考にしてください。
誹謗中傷の匿名投稿者を特定するためには、「発信者情報開示請求」をおこなうことが考えられます(プロバイダ責任制限法5条)。
現行の制度における発信者情報開示請求は実務上、「従来型」と「発信者情報開示命令」の2種類の手続きによっておこなわれています。
従来型の手続きは、誹謗中傷が投稿されたサイトの管理者(=コンテンツ・プロバイダ)に対する発信者情報開示請求と、投稿に用いられた端末のインターネット接続業者(=アクセス・プロバイダ)に対する発信者情報開示請求を2段階でおこなうというものです。
従来型の発信者情報開示請求の手続きの流れは、以下のとおりです。
従来型の手続きには、仮処分命令が発せられた段階で、コンテンツ・プロバイダに対する間接強制を申し立てられるメリットがあります。
コンテンツ・プロバイダの動きが遅く、間接強制を受けなければ発信者情報を開示してもらえないような場合には、従来型の手続きを選択すべきでしょう。
その一方で従来型の手続きは、発信者情報開示命令の手続きに比べて煩雑であり、(特に2段階目の訴訟において)長期間を要することが大きなデメリットです。
従来型の手続きの煩雑さや所要期間の長さを改善するため、プロバイダ責任制限法の改正によって、2022年10月1日から「発信者情報開示命令」の手続きが新設されました。
発信者情報開示命令の手続きは、コンテンツ・プロバイダとアクセス・プロバイダに対する発信者情報開示請求を、実質的に一つの手続きで審理するというものです。
発信者情報開示命令の手続きの流れは、以下のとおりです。
発信者情報開示命令の手続きでは、従来型の手続きでは2段階に分かれていた発信者情報開示請求が、実質的に1つの手続きで審理されます。
そのため、発信者情報が開示されるまでに要する期間が大幅に短縮されました。
その一方で、発信者情報開示命令を得たとしても、コンテンツ・プロバイダに対する間接強制は認められません。
そのため、コンテンツ・プロバイダの動きが遅い場合は、かえって従来型の手続きよりも時間をロスしてしまうおそれがあります。
発信者情報開示請求の所要期間は、従来型の手続きで半年から1年程度、発信者情報開示命令の手続きで3ヵ月から4ヵ月程度かかるのが標準的です。
基本的には発信者情報開示命令の手続きによる方が、所要期間を短縮できることが多いでしょう。
しかしながら、コンテンツ・プロバイダの動きが遅い場合には、発信者情報開示命令を得てもIPアドレスがスムーズに開示されないケースがあります。
この場合は、従来型の手続きによって仮処分命令を得た後に間接強制を申し立てた方が、結果的にIPアドレスの開示を早期に受けられることがあります。
従来型と発信者情報開示命令のどちらを選択すべきであるかは、開示請求先のプロバイダの動向を予想しながら判断しなければなりません。
発信者情報開示請求を豊富に取り扱う弁護士のアドバイスを求めましょう。
誹謗中傷が投稿されたサイトの管理者(=コンテンツ・プロバイダ)は、一定期間が過ぎるとIPアドレスなどのログを消去してしまうケースが多いです。
そのため、誹謗中傷などの投稿を見つけたら、速やかに発信者情報開示請求へ着手しましょう。
コンテンツ・プロバイダが保存しているIPアドレスなどのログは、3ヵ月から6カ月程度が経過すると消去されてしまうことが多いです。
コンテンツ・プロバイダがログを消去してしまうと、発信者情報開示請求を通じて匿名投稿者を投稿することは難しくなります。
ログが消去されてしまう前に、速やかに発信者情報開示請求をおこないましょう。
発信者情報開示請求の時期が遅れてしまうと、誹謗中傷の匿名投稿者を特定できる可能性は大幅に低くなってしまいます。
それでも、同一の者によると思われる別の投稿について発信者情報開示請求をおこなうなど、誹謗中傷の投稿者の責任を追及する余地は残されていることがあります。
弁護士に相談して、どのような責任追及の方法が考えられるかを検討しましょう。
発信者情報開示請求によって誹謗中傷の投稿者を特定したら、損害賠償請求や刑事告訴をおこないましょう。
ただし、損害賠償請求や刑事告訴にも、法律上の期限が設けられているので注意が必要です。
誹謗中傷によって受けた精神的損害に関する損害賠償請求権は、以下のいずれかの期間が経過すると時効により消滅します(民法724条)。
時効期間が経過した後に、誹謗中傷の投稿者が時効を援用すると、被害者は投稿者に対して損害賠償を請求できなくなってしまいます。
損害賠償請求権の時効完成を阻止するためには、時効期間内に内容証明郵便の送付や訴訟の提起などをおこなう必要がありますので、お早めに弁護士へご相談ください。
誹謗中傷は名誉毀損罪(刑法230条1項)または侮辱罪(刑法231条)に当たるため、被害者は投稿者を刑事告訴することができます(刑事訴訟法230条)。
刑事告訴をすると、誹謗中傷に関する捜査が促され、投稿者が摘発される可能性が高まります。
名誉毀損罪・侮辱罪はいずれも親告罪とされているため(刑法232条1項)、被害者が犯人を知った日から6ヵ月が経過して以降は、刑事告訴をすることができません。
誹謗中傷の投稿者の処罰を求めたい場合は、早めに警察署へ足を運んで刑事告訴をおこないましょう。
誹謗中傷の投稿者に関する発信者情報開示請求を速やかに認めてもらうには、誹謗中傷の証拠を確保することと、経験豊富な弁護士へ早期に相談・依頼することが大切です。
誹謗中傷に関する発信者情報開示請求は、権利侵害を受けていることが明らかな場合に限って認められます(プロバイダ責任制限法5条1項1号)。
権利侵害を受けている事実を示すためには、誹謗中傷の投稿をスクリーンショットで撮影するなど、客観的な証拠を十分に確保することが大切です。
個々の投稿内容だけでは誹謗中傷に当たるかどうか分かりにくい場合は、その文脈などが分かるように、関連する投稿をすべてスクリーンショットで撮影するなどして証拠を確保しましょう。
発信者情報開示請求には迅速な対応が求められる上に、必要となる裁判手続きも専門的かつ複雑です。
そのため、発信者情報開示請求を豊富に取り扱っている弁護士に相談することをおすすめします。
サイト管理者(=コンテンツ・プロバイダ)におけるログの保存期間などを考慮すると、発信者情報開示請求を成功させるためには、早期に弁護士へ相談することが非常に大切です。
「ベンナビIT」を活用すれば、発信者情報開示請求に詳しい弁護士をスムーズに探すことができますので、ぜひご利用ください。
発信者情報開示請求を弁護士に依頼する場合は、弁護士費用を支払う必要があります。
発信者情報開示請求の弁護士費用は、総額で30万円から100万円程度かかるのが標準的です。
具体的な弁護士費用の金額は、依頼先の弁護士によって異なります。
そのため、正式な依頼の前に必ず見積もりを取得しましょう。
見積もりの内容が妥当かどうかを判断するため、複数の弁護士から見積もりを取得して比較することをおすすめします。
SNSや匿名掲示板で誹謗中傷を受けたら、発信者情報開示請求をおこなって投稿者を特定し、損害賠償を請求しましょう。
ただし、発信者情報開示請求は迅速におこなわないと、サイト管理者がIPアドレスを削除してしまうなどして失敗に終わってしまうリスクが高くなります。
そのため、誹謗中傷の投稿を発見したら、発信者情報開示請求に詳しい弁護士へ速やかに相談しましょう。
「ベンナビIT」には、インターネットトラブルへの対応を得意とする弁護士が多数登録されています。
相談内容や地域に応じてスムーズに弁護士を検索できるので、たいへん便利です。
また、「ベンナビIT」には無料相談ができる弁護士も多数登録されています。
対応内容や費用に納得した上で弁護士に依頼したい方は、「ベンナビIT」を通じて無料相談を申し込みましょう。
誹謗中傷の投稿者から適切な損害賠償を受けるためには、早期に弁護士へ相談することが大切です。
インターネット上で誹謗中傷の被害に遭った方は、「ベンナビIT」を通じてお早めに弁護士へご相談ください。
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