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ネット誹謗中傷 名誉毀損の対処法 弁護士監修記事 更新日:

ネットに書き込まれたら犯罪になる悪口一覧|書き込まれた場合の対処法を解説

ネット上で自分の悪口を書き込まれて悩んでいませんか?

SNSや掲示板などに悪口を書き込まれた方の中には、誹謗中傷や名誉毀損で訴えたいと考える方もいるかもしれません。

しかし、ネット上の悪口全てに対して法的措置が可能なわけではありません。

刑事責任を追及するには侮辱罪・名誉毀損罪などの構成要件を満たす必要があるうえ、民事責任を問うには不法行為責任の要件を満たすことを丁寧に主張立証しながら示談交渉・民事訴訟などの措置を実施しなければいけないからです。

本記事では、SNSや匿名掲示板で名誉毀損罪などが問題になる悪口一覧や、誹謗中傷行為に及んだ加害者に追及できる法的責任の内容などについてわかりやすく解説します。

ネット上の悪口に悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。

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侮辱罪が科された悪口一覧

まずは、侮辱罪の成否が問題になった悪口一覧を具体的に紹介します。

SNSやインターネット上の掲示板に掲載され、侮辱罪に問われた悪口一覧

「この子○○(地名)一番安い子!!お客様すぐホテル行ける!!最低!!」などとSNSへ投稿。あわせて被害者のプロフィール画面を撮影した画像を掲載。

「人間性を疑います。1人のスタッフを仲間外れにしたいので皆さん拡散をお願いします!」「#オナペ」「#ブスオナペ」「#肉便器」などとSNSへ掲載。

「BM、ブタ」などと、被害者に関するSNS上の配信動画で発言

「とうとうYouTubeのコメントは頭おかしくなった 本人がアカウント何個も作って自作自演乙w アホ丸出しで長文タラタラ。読んでも気持ち悪さが勝って なんちゃ理解出来んわw」などとインターネット上の掲示板に掲載。

SNSにおいて他人名義のアカウントに係るページに、被害者の顔写真及び被害者名を掲載。さらに「今日会えないからエッチできないじゃん」、「1日1回、キスで充電しなきゃだね~」などの文字が記載された画像を掲載。

「●●(被害者名) 顔も、便器みたいな顔、ブスでぺしゃんこ」「●●(被害者名)ぶす女」「しゃべる便器みたいな顔しているやつがいる」などとインターネット上の掲示板へ掲載。

「母親が金の亡者だから、稼げ稼げ言ってるらしいよ!育ててやってんだから稼いで金よこせ!って言われてんじゃないかしら?」、「子供達しょっちゅう施設に入ってたらしいよ」などとインターネット上の掲示板に掲載

「●●(被害者名) いじめ大好き 援交大好き DQNの肉便器 特技は股開くこと」などとインターネット上の掲示板に掲載

「●●(被害者経営店舗名)って?」と題するスレッドをインターネット上の掲示板へ掲載。そこで「●●(被害者名)は自己中でワガママキチガイ」「いや違う●●(被害者名)は変質者じゃけ!」などと掲載

「詐欺不動産」、「対応が最悪の不動産屋。頭の悪い詐欺師みたいな人。」などと、被害法人に関する口コミ掲示板へ掲載。

【インターネット以外で侮辱罪に問われた悪口一覧】

「くそばばあが、死ね」などと路上で被害者に対し言った

「ご注意 ●●(被害者名) 悪質リフォーム工事業者です」などと記載した紙を駅の柱などに貼付。

に「ふしだらな●●(被害者名)」と記載した顔写真を、情報誌の誌面下部に掲載。それを書店など約3,000ヵ所へ配布

商業施設において、「おめぇ、周りが見えんのやったら、うろうろするな。」などと視覚障害者である被害者に対し大声で言ったもの

自分も似たような悪口を言われたり、書き込まれたりしたことがある場合は、侮辱罪や名所毀損で相手を訴えられる可能性があります。

書き込みの内容について、法的対応がおこなえるかどうかを個人で判断するのは難しいので、一度弁護士に相談するのがおすすめです

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言葉だけでは侮辱罪などの罪にあたるか否かは判断できない

侮辱罪に該当するか否かは、「〇〇という言葉を使ったか否か」というように一律で判断されるわけではありません。

投稿の回数や文脈、言葉の内容や閲覧者の数などを踏まえたうえで、判断されます。

そのため、「あまり強い言葉を使われたわけではないけれども、SNSの投稿で嫌な気持ちになった」というときでも、弁護士に相談してみるのがおすすめです。

侮辱罪での刑事告訴が可能なのか、いくらの慰謝料請求が可能なのかなどについて的確な判断を期待できるでしょう。

ネットへの悪口の書き込みで成立しうる犯罪

インターネット上で悪口や誹謗中傷を書き込まれたときに問える可能性がある罪は、以下の4つです。

  • 侮辱罪
  • 名誉毀損罪
  • 脅迫罪
  • 信用毀損罪

ただし、個別事案の状況次第では上記4つ以外の犯罪類型が適用されるケースもあります。

それぞれの罪で問える内容について、以下で詳しく解説します。

1.侮辱罪|根拠となる事実を示さずに悪口を書き込んだ場合

侮辱罪とは、事実を摘示することなく公然と人を侮辱したとき」に成立する犯罪類型のことです。

侮辱罪の法定刑は、「1年以下の懲役若しくは禁錮若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料」と定められています。

また、侮辱罪の構成要件は以下のとおりです。

  • 公然性
  • 事実を摘示することなく人を侮辱すること

公然性とは、「摘示された事実を不特定または多数の人が認識しうる状態」のことです。なお、事実を示した相手が特定少数人であったとしても、その者を通じて不特定多数人へと伝播する場合には公然性を認める、とするのが判例実務です。

たとえば、X(旧Twitter)やInstagramなどのSNSや、5ちゃんねるような匿名掲示板で誹謗中傷されたケースでは、インターネットを介して全世界中に悪口が発信されているので、公然性が認められます。

また、仮にSNSの非公開アカウントや有料少人数制のオンラインサロンで悪口を発信されたとしても、閲覧者や視聴者が外部に流出させる可能性がある限り、公然性は存在するといえるでしょう。

一方で、ダイレクトメールで直接悪口を送信された場合には、第三者には閲覧できない以上、公然性は認められず、侮辱罪が適用されることはありません

侮辱罪の実行行為は「事実を摘示することなく人を侮辱すること」です。名誉毀損罪との大きな相違点として、「事実を摘示することなく」というポイントが挙げられます。

たとえば、「アホ」「バカ」「ブス」「気持ち悪い」「クズ」などの主観的・感情的な悪口を投稿されたケースでは、事実が摘示されていないので、侮辱罪が成立します。

一方で、「〇〇の営業成績が悪いのはIQが極度に低いバカだからだ」というように具体的な事実を添えた悪口は、侮辱罪ではなく名誉毀損罪の対象です。

2.名誉毀損罪|根拠となる事実を示して悪口を書き込んだ場合

名誉毀損罪とは、「公然と事実を摘示し、人の名誉を毀損したとき」に成立する犯罪類型のことです。

名誉毀損罪の法定刑は、「3年以下の懲役もしくは禁錮または50万円以下の罰金」と定められています。

また、名誉毀損罪の構成要件は以下のとおりです。

  • 公然性
  • 事実の摘示
  • 名誉が毀損されるおそれがあること

公然性の要件については侮辱罪と同様ですが、名誉毀損罪では。

侮辱罪とは異なり「事実の摘示」が必要です。

「事実」とは、それ自体が人の社会的評価を低下させるような具体的事実のことです。

人の社会的評価に関係する事実のほか、プライバシーに関わる事実・公知の事実も含まれます。また、事実の真否は問われません。

たとえば、「職場の〇〇は部下と何年も不倫関係を継続しているので、とても気持ち悪い」という悪口がSNSに投稿されたケースでは、「職場の〇〇は部下と何年も不倫関係を継続している」という社会的評価を低下させる具体的事実が添えられているため、侮辱罪ではなく名誉毀損罪が適用されます。

名誉毀損罪が成立するには、人の名誉が現実かつ具体的に侵害された結果までは必要とされません。

人の社会的評価を低下させる具体的な事実が公然と発信されることによって、名誉が毀損されるおそれが生じただけで名誉毀損罪が成立する、というのが判例実務です。

3.脅迫罪|危害を加えることを示唆した場合

脅迫罪とは、「本人またはその親族の生命・身体・自由・名誉・財産に対して害を加える旨を告知して人を脅迫したとき」に成立する犯罪類型のことです。

脅迫罪の法定刑は、「2年以下の懲役または30万円以下の罰金」と定められています。

脅迫とは、「一般に人を畏怖させるに足りる害悪の告知」のことです。

告知が相手方に到達して認識されることは必要ですが、脅迫行為によって実際に相手方が畏怖したことまでは必要とされません。

加害の対象は、「本人またはその親族の生命・身体・自由・名誉・財産」です。

そのため、恋人や内縁者などのどれだけ本人と親密な関係にある人物であったとしても、法的な親族に該当しない限りは、脅迫罪の対象には含まれません。

たとえば、インターネット上に以下のような悪口が投稿されたときには、脅迫罪での刑事訴追も可能だと考えられます。

  • 〇〇の家を燃やしてやる
  • 殺すぞ
  • 夜道では背後に気をつけろ
  • 子どもがどうなっても知らないぞ

4.信用毀損罪|悪口などにより人の信用を傷つけた場合

信用毀損罪とは、「虚偽の風説を流布したり、偽計を用いたりすることによって、人の信用を毀損したとき」に成立する犯罪類型のことです。

信用毀損罪の法定刑は、「3年以下の懲役または50万円以下の罰金」と定められています。

信用毀損罪における「信用」には、人の支払い能力・支払い意思に関する信用に加えて、商品の品質に対する社会的信頼も含まれると考えられています。

「虚偽の風説の流布」とは、少なくとも一部が客観的真実に反する噂や情報を、不特定または多数人に伝播することを意味します。

また、名誉毀損罪と同じように、直接少数の者にのみ悪口が伝達したに過ぎない場合でも、その者を介して多数の者に伝播するおそれがあるときには、「虚偽の風説の流布」への該当性が肯定されます

「偽計」とは、人を欺罔したり人の錯誤や不知を利用することを指し、「毀損」とは、人の信用を低下させることです。

名誉毀損罪と同じように、実際に信用棄損の結果が生じたことまでは要求されず、虚偽の風説の流布や偽計によって人の信用が低下するおそれがあるだけで足ります。

インターネット上で以下のような悪口を投稿された場合、信用毀損罪での立件が可能になるといえるでしょう。

  • 〇〇は多重債務を抱えていて、近々自己破産をする状況らしい
  • 株式会社〇〇は営業利益の大幅下落によって倒産間近だ
  • 飲食店〇〇は産地を偽装して料理を提供している
  • セレクトショップで〇〇ブランドの洋服を購入したのに偽物をつかまされた

侮辱罪が厳罰化!ネットの悪口に対してより厳しく

インターネット上での悪口が急増した背景を踏まえて、令和4年6月13日に改正刑法が成立し、同年7月7日より施行されています。

改正刑法では、刑の執行猶予制度の拡充、拘禁刑の創設、侮辱罪の法定刑の引き上げなどの抜本的な改正がおこなわれました。

ここでは、改正された部分について、特に侮辱罪に焦点をあてて解説します。

侮辱罪の法定刑が厳罰化

刑法の改正により、侮辱罪の法定刑が以下のように引き上げられました。

  • 刑法改正前:拘留または科料
  • 刑法改正後:1年以下の懲役もしくは禁錮もしくは30万円以下の罰金または拘留もしくは科料

従来はネット上で悪口が投稿されても、「拘留(1日以上30日未満の刑事施設への拘置)」「科料(1,000円以上10,000円未満の金銭納付)」の軽い範囲でしか刑事罰しか下されませんでした。

しかし、刑法改正後はネットの誹謗中傷トラブルの状況に鑑みて、以下いずれかの刑事罰があり得るということです。

  • 1カ月以上1年以下の懲役刑
  • 1カ月以上1年以下の禁錮刑
  • 1日以上30日未満の拘留
  • 1万円以上30万円以下の罰金
  • 1,000円以上10,000円以下の科料

なお、侮辱罪の厳罰化によって法定刑は大幅に引き上げられましたが、侮辱罪が適用される範囲が拡大されたわけではない点に注意が必要です。

侮辱罪の構成要件自体に変更はないので、「改正前刑法で処罰されなかった悪口が、刑法改正によって犯罪として立件されるようになる」ということはありません。

また、厳罰化された侮辱罪が適用されるのは、2022年7月7日以降の悪口・誹謗中傷のみです。

ネットなどに投稿された悪口がどれだけ酷い内容であったとしても、2022年7月6日以前に投稿されたものである限り、拘留・科料の範囲でしか処断されません。

加害者が逮捕される可能性が高くなった

悪口の加害者が逮捕される可能性が高くなったことも改正刑法によるものです。

そもそも、捜査機関が犯罪事実について捜査活動を開始したとしても、常に被疑者に対して逮捕処分が実施されるわけではありません。

なぜなら、逮捕処分が実施されるのは、「被疑者が罪を犯したことを疑うに足りる相当な証拠があり、かつ、逃亡または証拠隠滅のおそれがあるとき」に限られるのが原則だからです。

つまり、被疑者側が罪を犯したことを認めている場合や、事情聴取に素直に応じている場合には、犯罪行為に及んだことが明らかであったとしても、在宅事件として扱われる可能性があるということです。

また、刑事訴訟法では30万円以下の罰金、拘留、科料に当たる犯罪類型については、強制処分である逮捕手続きができるのは、上記の原則的な逮捕要件に加えて、「被疑者が定まった住居を有しない場合、または、正当な理由がなく任意の出頭要請に応じない場合」に限られる、という追加の要件が加重されています(刑事訴訟法第199条第1項)。

つまり、改正前の刑法では、法定刑が「拘留または科料」だったため、ネット上に悪口を投稿された事案において投稿者が逮捕されるのは、「被疑者が罪を犯したことを疑うに足りる相当な証拠があり、かつ、逃亡または証拠隠滅のおそれがあるとき」「被疑者が定まった住居を有しない場合、または、正当な理由がなく任意の出頭要請に応じない場合」という要件を満たすときに限られていました。

しかし、刑法改正によって「被疑者が定まった住居を有しない場合、または、正当な理由がなく任意の出頭要請に応じない場合」という要件を満たさなくても、ネット上で悪口や誹謗中傷に及んだ加害者を逮捕できるようになったということです。

時効期間が長くなった

侮辱罪の法定刑の引き上げは、公訴時効期間にも影響します。

公訴時効とは、犯罪が終わったときから一定期間を経過することによって犯人を処罰できなくなる制度のことです。

検察官が起訴処分を下せなくなるだけではなく、警察などに逮捕されることもなくなります。

刑法改正によって、侮辱罪の公訴時効期間は以下のように延長されました。

ネット上に投稿された悪口について、刑法が改正される前は、投稿や書き込みをされてから1年以内のものだけしか起訴できなかったところが、刑法改正によって過去3年に遡ってネット上の悪口を投稿した人物の刑事責任を追及できるようになったということです。

教唆犯や幇助犯も処罰の対象になった

刑法上、拘留または科料のみに処すべき罪の教唆犯・従犯は、特別な規定がなければ処罰されません。

教唆とは、人を教唆して犯罪を実行させることです。わかりやすく言い換えると、人に犯罪遂行の意思を生じさせて犯罪を実行させることを意味します。

たとえば、友人を唆してネットに悪口を書き込ませたケースが挙げられます。

従犯(幇助犯)とは、正犯による犯罪の遂行を援助・補助することです。

たとえば、SNSで他人の悪口を投稿するためにスマートフォンやタブレット端末を貸し出すケースが挙げられます。

刑法改正前の侮辱罪の法定刑は「拘留または科料」と定められており、改正前刑法には侮辱罪の教唆犯・従犯を処罰する特別な規定が置かれていませんでした。

そのため、刑法が改正される前は、侮辱罪の教唆犯・幇助犯は不可罰と扱われていました。

刑法改正によって侮辱罪の法定刑が引き上げられたことにより、侮辱罪の教唆犯・幇助犯に対しても刑事責任を追及できるようになっています。

ネット上の悪口を投稿した人物に対する刑事責任を追及する過程で、犯行に関わった人物の存在が明るみに出た場合には、投稿をした張本人だけではなく教唆犯・幇助犯に対する法的責任の追及も検討してください。

悪口を書き込んだ相手を罪に問いたい場合の流れ

SNSや匿名掲示板などのインターネットサービス上に悪口を書き込まれたときには、投稿者の刑事責任を追及することが可能です。

ここでは、悪口を投稿した人物に対して刑事責任を追及する流れについて解説します。

1.まずは証拠を集める

ネット上の悪口や誹謗中傷に対して刑事責任の追及を検討しているなら、最優先で証拠集めをしてください。

なぜなら、侮辱罪や名誉毀損罪などを根拠付ける証拠が存在しなければ、捜査機関を動かすことができないからです。

ネット上に投稿された悪口や誹謗中傷を発見すると、不安や怒りから「すぐに書き込みを削除してほしい」と感じるでしょう。

しかし、投稿を削除されてしまうと証拠が消えてしまい、刑事訴追自体が困難になりかねません。投稿を削除される前に、急いで以下のような証拠を収集・保全してください。

  • 悪口や誹謗中傷の画面のURL、スクリーンショットなど
  • 悪口や誹謗中傷をした人物のアカウント名、URL、スクリーンショット、IPアドレスなど
  • 悪口や誹謗中傷の投稿に対して寄せられた返信や拡散量、閲覧数など

なお、刑事訴追のためにどのような証拠を収集するべきかは事案によって異なります。

弁護士のアドバイスを参考にしながら、できるだけ早いタイミングで証拠収集を済ませましょう。

2.発信者情報の開示を求める

匿名掲示板や匿名アカウントによる悪口・誹謗中傷については、投稿者の個人情報を特定できなければ法的責任を追及することができません。

そのため、悪口を投稿したのが誰なのかわからない場合は、匿名投稿者の身元を特定するための作業が必要になります。

投稿者の身元を特定する手段は、以下のとおりです。

  1. 投稿者本人に対してDMなどで連絡先を問い合わせる
  2. サイト管理者に投稿者の情報を任意で開示するように求める
  3. プロバイダ責任制限法に基づいて発信者情報開示に関する法的措置を実施する

まず、投稿者に直接連絡することは逆恨みのリスクがあるためおすすめできません。また、連絡を受けた投稿者に書き込みを削除されると法的責任の追及が不可能になってしまいます。

サイトの管理者に個人で情報開示を求めるのも、成功する可能性が極めて低い点がデメリットです。

匿名投稿者の身元を明らかにする手段として現実的なのが、「特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律」(通称「プロバイダ責任制限法」)に基づく法的措置です。

特に、近年では発信者情報開示に関する手続きが簡素化されて、コンテンツプロバイダとアクセスプロバイダに対する法的措置をひとつの非訟事件内で済ますことができるようになりました。

悪口を投稿されたサイト・SNSごとに対応方法が異なるので、詳しくはネットをめぐる誹謗中傷トラブルを得意とする弁護士まで相談してください。

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3.刑事告訴をする

侮辱罪・名誉毀損罪は親告罪です。被害者などから告訴状が提出されなければ、侮辱罪や名誉毀損罪で起訴処分を下すことはできません。

ネット上の悪口・誹謗中傷に関する証拠が揃って、投稿者の個人情報も特定できたなら、侮辱罪や名誉毀損罪について刑事告訴をしてください

なお、告訴状の形式には法的な決まりは存在しません。

ただし、捜査機関の限られた人的リソースを割いてもらうためには、実務的に通用する告訴状と丁寧な証拠を揃えて提出する必要があるといえるでしょう。

ネットをめぐる侮辱・名誉毀損トラブルを得意とする弁護士へ相談すれば、告訴状の作成・提出などにも対応してもらえます。

ネットで悪口を発信されているのを見つけたときには、できるだけ早いタイミングで信頼できる弁護士まで問い合わせてください

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悪口を書き込んだ相手には民事責任も問える

ネット上に悪口や誹謗中傷を書き込んだ相手に対しては、不法行為に基づく損害賠償請求・慰謝料請求によって民事責任を追及することも可能です。

慰謝料などを請求する方法は以下2つです。

  • 示談交渉:加害者との間で直接話し合いの場を設けて和解契約締結を目指す
  • 民事訴訟:加害者に対して民事訴訟を提起して裁判内で勝訴判決獲得を目指す

悪口の内容や回数などによって異なりますが、ネット上で侮辱表現による被害を受けたときの慰謝料相場は10万円~50万円程度とされています。

また、悪口によって深刻な名誉毀損が生じたケースでは、謝罪広告・謝罪文の掲載などの「名誉を回復するのに適当な処分」を求めることもできます(民法第723条)。

さいごに|悪口を書き込んだ相手に責任を問いたい場合は弁護士へ相談!

侮辱罪や名誉毀損、信用毀損罪に当たる悪口にはさまざまなものがあります。具体例は以下のとおりです。

  • 「この子○○(地名)一番安い子!!お客様すぐホテル行ける!!最低!!」などとSNSへ投稿。あわせて被害者のプロフィール画面を撮影した画像を掲載。
  • 「人間性を疑います。1人のスタッフを仲間外れにしたいので皆さん拡散をお願いします!」「#オナペ」「#ブスオナペ」「#肉便器」などとSNSへ掲載。
  • 「BM、ブタ」などと、被害者に関するSNS上の配信動画で発言

しかし、「○○という言葉を使ったら侮辱罪」のように、悪口が罪に当たるかどうかを一概に判断することはできません。ネット上で悪口を書き込まれていて悩んでいる場合は、速やかに弁護士に相談し、法的対応が可能かどうか判断してもらいましょう。

ベンナビITでは、ネット上の悪口・誹謗中傷トラブルを得意とする弁護士を多数掲載中です。

法律事務所の所在地、具体的な相談内容、初回相談無料などのサービス面から無料で専門家を絞り込むことができるので、できるだけ早いタイミングで信頼できる弁護士まで問い合わせをしてください。

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この記事の監修者
プロスパイア法律事務所
光股 知裕 (東京弁護士会)
ITコンサルティングをおこなう企業を経営していることもあり、弁護士として法的な観点から対応をおこなうだけではなく、中長期的な視点から問題に対応する。初回のご相談は無料で夜間22時まで対応可能。
ベンナビIT(旧IT弁護士ナビ)編集部
編集部

本記事はベンナビIT(旧IT弁護士ナビ)を運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※ベンナビIT(旧IT弁護士ナビ)に掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。
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