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著作権とはなにか | 侵害に当てはまるものと当てはまらないものについて
著作権・商標権侵害 公開日:2018.1.15 弁護士監修記事

著作権とはなにか | 侵害に当てはまるものと当てはまらないものについて

弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤康二 弁護士
監修記事
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著作権(ちょさくけん)とは、知的財産権の一種で、著作物=文芸・美術・学術の範囲に収まる、人の感情・思想を表現した創作物を保護する権利のことです。

著作権は、著作者に対して、著作物を無断で使用されたり、改変されたり、コピーされない等の独占的な権利を与えることにより、著作物に対する創作意欲を促進させ、もって社会における文化・芸術の発展を図ることが目的です。それら著作権に関することを規定しているのが著作権法です。

なお、著作権法は、近代的なモノでは西暦1899年(明治32年)に制定された旧著作権法が始まりです。その後、1970年(昭和45年)に全面的に改正し、現行の著作権法が制定されました。

近年では、技術の進歩への対応で著作権法はよく改正されており、電子書籍やイラストなどのデジタル著作物への対応も進められています。

この記事では、著作権とはどのような権利であり、なにが著作権侵害に当たり、当たらないのかをご紹介します。

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どこまでが著作権として扱われ、どこからが侵害に該当するのか。

これらは法律の知識を持ち合わせていないと、正確な判断は難しいかと思われます。

著作権について悩みがある場合は、弁護士への相談を検討したほうがよいでしょう。

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著作権の目的

著作権は、権利者以外の人に著作物の利用に一定の制限をかけることにより、著作者の創作意欲、経済的利益を保護することで、文化の保護そして発展を目的としています。

自分のつくった作品がどこかの誰かによってなんの制限もなく真似される環境だと、精神的にも金銭的にも見返りが少なくなってしまい、新しく作品を作ろうとはならなくなってしまいますよね。

多くの人が楽しんでいる映画や漫画など身近な作品も、経済的利益が少なくなれば制作されなくなってしまいます。

したがって著作権とは作り手である権利者だけでなく、すべての人にとって大切な保護されるべき権利なのです。

著作権の要件|著作物とはなにか

著作物とはどのようなものが当てはまるのでしょうか。著作権法第二条では以下のように定められています。

 著作物 思想又は感情を創作的に表現したものであつて、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するものをいう。

創作性が必要かつ表現であること。

引用:著作権法

つまり著作物とは簡単に言うと、このような感じになります。

  • 思想や感情を表現した創作物
  • その創作物が文芸・学術・武術・音楽の範疇であること

以下では、著作物で知っておくべき基礎的なことについてお伝えします。

著作物に当たるモノ・著作権はいつ発生し、保護期間はいつまでなのかを確認していきましょう。

著作物に当てはまるモノはなにか

どのようなもの著作物として認められるのか、以下の表にて種類と具体的なモノの例をご覧ください。

著作物の種類 具体的なモノ
言語の著作物 小説・脚本・論文・講演など 口頭でも該当
音楽の著作物 楽曲・歌詞 歌詞は言語の著作物にも含まれる
舞踊または無言劇の著作物 演劇における振り付け
美術の著作物 鑑賞目的の美術品 家電製品など実用的な物は含まない
建築の著作物 芸術的な建築物 かなり独創的・奇抜である必要がある
図面・図表・模型・図形の著作物 建築物の設計図面などの思想や感情を表現した図面や図表
映画の著作物 撮影における構図や編集などの面で創作性が感じられる動画
写真の著作物 思想や感情を表現した創作性のある写真
プログラムの著作物 プログラムをディスクなどで表現したものが当てはまる プラグラム言語は含まれない

©マーク(マルシーマーク)について

©マークは著作物に表示することによって、「著作権によって守られていますよ」ということを広くアピールする目的があります。

著作権は目に見える権利ではありませんので、対象物が著作権の保護を受けるかどうかは外形的に認識しにくい場合があります。そのような場合に© マークがついていれば、対象物が著作権保護を受けていることが一目瞭然であり、誤って利用するなどしてトラブルとなる事態を回避できます。

一方で海外では一応の意味があり、著作権の方式主義を採用している国では、この©マークを表示することによって著作権の保護がなされます。日本では©マークがついていなくても著作権保護を受けることはできますので注意しましょう。

IT弁護士ナビのサイト下部にも©マークがあります!

余談ですが、®マーク(マルアールマーク)は登録商標につけられるマークで、©マーク同様、法的に権利を保護されていることをアピールするために表示しています。

こちらも©マーク同様に、表示をしなくても保護対象です。

アイディアは保護されない

表現がされていない、アイディアの段階である場合は著作権の保護は受けません。

著作権はいつ発生するのか

著作権は著作物が作られたそのときに発生します。ですから権利の登録をするなどといった手続はありません。

著作権の保護期間はいつまでか

著作権の保護期間は映画を除けば70です。どのタイミングから保護期間が始まるのかについては著作物の名義によって異なるので、下記の表をご覧ください。

著作物の名義 保護期間
実名 著作者の死後70年
変名・無名 公表後70年or死後70年が明らかな場合は死後70年
団体 公表後70年or創作後70年以内に公表されない場合は創作後70年
映画 公表後70年or創作後70年以内に公表されない場合は創作後70年

変名とは、雅号、筆名、略称、俳号、芸名、四股名、ニックネーム、ハンドルネームのことで、要は本名ではないということ。

変名・無名の場合、著作者が死亡したのかどうか判らない場合は公表後、70年までが著作権の保護期間になりますが、変名が誰を指しているのかが明らかである場合や公表後70年が経過する前に実名もしくは変名を表示し著作物の公表をした時、また公表後70年が経過する前に著作者名を登録した場合は、公表後70年ではなく、著作者の死亡70年が保護期間になります。

著作権の種類

著作者は著作者人格権と著作権という2つの権利を持っていますが、これらは複数の権利を内包したものです。

それぞれの性質は以下のとおり。

著作者人格権…著作者の著作物に対する人格的利益を保護する
著作権…著作者の著作物に対する財産的利益を保護する

著作者人格権と著作権がそれぞれどのような権利を内包したものなのかを表でご確認ください。

著作者人格権

権利の名前 著作権法 概要
公表権 18条 著作物を公表するかどうか あるいはどのように公表するか
氏名表示権 19条 氏名を表示するかどうか 表示するとして本名かペンネームかを決める
同一性保持権 20条 著作物のタイトルや内容を無断で変えられない

著作権

権利の名前 著作権法 概要
複製権 21条 著作物を複製する
上演権/演奏権 22条 著作物を公衆に上演・演奏する
上映権 22条の2 著作物上映する
公衆送信権等 23条 著作物を公衆送信する
口述権 24条 著作物を公に口述する
展示権 25条 著作物を公に展示する
頒布権 26条 著作物を複製して頒布する
譲渡権 26条の2 著作物や複製物を公衆に提供する権利を譲渡する
貸与権 26条の3 著作物や複製物を貸与する
翻訳権/翻案権 27条 著作物を翻訳・翻案する
二次的著作物の利用に関する原著作者の権利 28条 二次的著作物の原著作物の著作者は、二次的著作物の著作者と同一の権利を持つ

著作隣接権

音楽や映画などの著作物を公衆に聞かせたり、見せたりするには、著作権者以外の力も必要になります。

このような著作物の伝達において重要な役割を果たしている人物の権利を保護するものとして著作隣接権があります。

著作隣接権で保護される人は実演家、レコード製作者、放送事業者、有線放送事業者です。

著作隣接権は実演家の権利、レコード製作者の権利、放送事業者の権利、有線放送事業者の権利が定められています。ここでは実演家の権利について説明します。

氏名表示権 実演家名を表示するかしないかを決めることができる
同一性保持権 実演家の名誉・声望を害するおそれのある改変をさせない
録画権・録音権 自身の録画・録音できる
放送権・有線放送権 自身の放送・有線放送する
二次使用料を受ける権利 商業用レコードが放送で二次使用された場合の対価を受ける
譲渡権 録画・録音されたCDやビデオを提供する権利
貸与権 発売から1年以内の録音物を貸すことができる
送信可能化権 インターネットサイトを利用し求めに応じ送信できる

※ 氏名表示権及び同一性保持権は実演家人格権ともいいます。
※ 実演家にはこのほか放送二次使用料を受ける権利及び貸レコードについて報酬を受ける権利が認められています。

著作権侵害にならない行為について

これまで著作権で保護される権利について説明して来ましたが、状況、目的、そして利用する人によっては、許諾なく複製や改変、掲載を行なっても著作権侵害にならない場合があります。「著作物の利用を自由に行えるとき」について以下の表をご覧ください。

ただし、下表はあくまで参考情報であり、事案に依っては当該例外事例に該当しない場合もあり得ます。著作物の安易な使用はトラブルの元になりますので、慎重に対応することを心がけましょう。

著作物の利用を自由に行えるとき(根拠条文) 概要
私的使用のための複製(30条) 個人や家族などの範囲で著作物の複製ができる
付随対象著作物の利用
(30条の2)
写真撮影や録音・録画などで不当に利益を害さなければ写り込んでも良い
検討の過程における利用
(30条の3)
著作権者の許諾・裁定にて著作物の利用をする場合、必要限度内で利用できる
技術の開発又は実用化のための試験の用に供するための利用
(30条の4)
録音・録画機器など、技術開発または実用化の試験に利用される場合
図書館等における複製等
(31条)
法令で可能な範囲内で利用者に複製物を提供できる
公表された著作物の引用
(32条)
正当な範囲内で著作物を引用できる
教科用図書等への掲載
(33条)
学校教育上、認められる範囲で教科書に掲載することができる
強化用拡大図書等の作成のための複製等
(33条の2)
視覚障害や発達障害などにより文字や図形の拡大のための複製ができる
学校教育番組の放送等
(34条)
学校教育番組で著作物を放送することができる
学校その他の教育機関における複製等
(35条)
授業で利用するためであれば複製することができる
試験問題としての複製な等
(36条)
採用試験・学校の入学試験の問題として複製し、公衆送信することができる
視覚障害者等のための複製
(37条)
視覚障害者のために点字によって複製することができる
聴覚障害者等のための複製
(37条の2)
聴覚障害者のために、聴覚障害者が必要と認められる範囲・方式で複製・放送できる
営利を目的としない上演等
(38条)
非営利であれば上演や朗読ができる
時事問題に関する論説の転載等
(39条)
転載禁止表示がなければ新聞や雑誌に掲載された論説はほかの新聞や雑誌に掲載できる
政治上の演説等の利用
(40条)
政治上の演説や陳述・裁判での後悔の陳述を利用できる
時事事件の報道のための利用
(41条)
時事事件の報道をする場合、事件を構成する、または事件に関わる著作物を利用できる
裁判手続きなどにおける複製
(42条)
裁判手続きだけでなく、立法・行政での内部資料としてや、特許や商標での審査のために複製できる
行政機関情報公開法等による開示のための利用
(42条の2)
情報公開条例・情報公開法で開示される著作物の複製・再生が可能
公文書管理法等による保存等のための利用
(43条の3)
国立公文書館の館長は公文書管理条例・公文書管理法で歴史公文書等の保存が目的の場合、複製できる
国立国会図書館法によるインターネット資料及びオンライン資料の収集のための複製
(42条の4)
国立国会図書館の館長はインターネット資料の収集のために必要とされる範囲内で、インターネット資料を複製できる
翻訳、翻案等による利用
(43条)
教科書への掲載・学校教育番組の放送・私的・学校・視覚障害のための複製は、翻案・変形・編曲をすることも可能
放送事業者等による一時的固定
(44条)
放送事業者などは放送のために著作物を一時的に録画・録音を行うことができる 6ヶ月超えて保存できない
美術の著作物等の現作品の所有者による展示
(45条)
美術および写真の著作物の原作品(オリジナル)の所有者は、許諾なく展示会で展示することができる
公開の美術の著作物等の利用
(46条)
講演などに設置されている銅像などは、テレビで放送したり、写真撮影したりすることができる
美術の著作物等の展示に伴う複製
(47条)
展覧会開催者は、展示する対象の著作物を紹介・解説するための小冊子へ掲載できる
美術の著作物等の譲渡等の申出に伴う複製等
(47条の2)
インターネットオークションに出品する場合は、紹介のための画像を掲載していい
プログラムの著作物の複製物の所有者による複製等
(47条の3)
自らコンピュータで利用するためにプログラムの複製・翻案することができる
※翻案 誰かによる既存の著作物の大部分をそのままに、細かい点を変更すること
保守、修理のための一時的複製
(47条の4)
機器の修理や保守をする際に、バックアップのために複製することができる
送信の障害の防止等のための複製
(47条の5)
インターネットプロバイダなどのサーバー管理者は、障害発生の防止のために必要と認められる範囲内で複製できる
送信可能化された情報の送信元識別符号の検索等のための複製等
(47条の6)
インターネット情報検索サービス事業者は、サービス提供のために認められる範囲内で複製・自動公衆送信ができる
情報解析のための複製
(47条の7)
コンピュータを利用する情報解析するために複製できる
電子計算機における著作物利用に伴う複製
(47条の8)
情報処理の過程において、記録媒体に記録することができる
情報通信技術を利用した情報提供の準備に必要な情報処理のための利用
(47条の9)
インターネットで効率的に情報提供をする場合に、サーバーなどにデータの保存、翻案ができる
複製権の制限により作成された複製物の譲渡
(47条の10)
複製が認められている著作物は、複製したものを提供することができる

【参考】著作権の概要 | 目的・種類・著作物の種類・罰則についてまとめ

著作権侵害になるケースとならないケースについて

著作権の侵害になるか、ならないのかについてはわかりづらい部分もあるかと思います。

ここまででご紹介させていただいた著作権で保護される権利と著作権侵害にならない行為を元に、なにがセーフでなにがアウトかをいくつか例を挙げてみます。

著作権侵害に当てはまるケース

前述した権利の侵害と言えるケースを紹介いたします。

  • JASRACからの許諾なしor引用の範囲を越えてブログに歌詞を載せる…複製権、公衆送信権の侵害
  • 著作物を権利者の許諾なく、動画や音声をネット上にアップロードすることは、違法アップロードといい著作権侵害になる…複製権、公衆送信権の侵害

歌詞を載せる場合はなにかと話題のJASRAC(参考:JASRAC ブログへの歌詞掲載について)から許諾を得るか、引用の範囲で載せる必要があります。

引用として認められるには、以下の要件をすべて満たさなければなりません。

  • 引用元を明示すること
  • 引用目的が批評や研究であること
  • 引用箇所が他の箇所と明確に別れていること
  • 著作者人格権の侵害をしていないこと
  • ブログ記事の内容が自分の文章と引用箇所の主従関係が逆転していないこと
  • 引用元が既に公表された著作物であること

著作権侵害に当てはまらないケース

前述の許諾なく自由に使える例をいくつか挙げてみます。

  • レンタルしてきたCDを音源としてデジタルオーディオプレーヤー(AppleのiPodやSONYのウォークマンなど)にコピーする…私的使用のための複製

ネット上に挙げられている動画や音声を違法にアップロードされている著作物と知りながらダウンロードすることは、違法ダウンロードであり処罰の対象とされています。

たとえそれが私的使用のための複製だったとしても著作権侵害になってしまうので注意が必要です。

外国の著作物も日本で保護される

著作物の権利保護は国内に留まりません。世界中の国と条約を結ぶことで、互いの国の著作物が保護されているのです。

国際的な著作権の条約は、この記事の冒頭に挙げたベルヌ条約のほか、万国著作権条約があります。

ベルヌ条約は©マークを表示する必要がなく、万国著作権条約は©マークの表示がないと保護対象にはなりません。

万国著作権条約しか結んでいない国もあるので、海外へ輸出する際には©マークはつけておいたほうが良いと考えられています。

また著作隣接権の条約として、実演家等保護条約(実演家、レコード製作者及び放送機関の保護に関する国際条約(実演家等保護条約又はローマ条約))、レコード保護条約(許諾を得ないレコードの複製からのレコード製作者の保護に関する条約(レコード保護条約))が挙げられます。

著作権侵害をされたときの法的措置について

著作権侵害を受けた際は民事と刑事によって法的措置をとれます。

民事訴訟でできる請求について

民事では紛争の当事者同士(原告と被告で)で主張をし、また反論をします。

解決に向けて交渉をし、原告が以下の請求をしたり、あるいは和解を目指します。

請求の種類 概要
差止請求 侵害行為の停止・予防
損害賠償請求 侵害行為で被った損害の埋め合わせ
不当利得返還請求 侵害行為で得た利益の返還を求める
名誉回復等の措置請求 著作人格権・実演家人格権の侵害に対する名誉回復を求める

刑事訴訟における刑罰について

著作権侵害は民事による解決だけでなく、刑事告訴することによって捜査機関が被疑事実の有無を確認し、犯罪行為が認められた場合には、相手を刑事罰に問うこともできます。

罰則については、どの権利を侵害したかによって異なり、著作権、出版権、著作隣接権については10年以下の懲役または1,000万円以下の罰金、著作人格権、実演家人格権について5年以下の懲役または500万円以下の罰金です。また法人による著作権侵害がなされたときについては3億円以下の罰金が下されます。

著作権侵害は親告罪ですので、権利者が告訴をしなければ警察が勝手に捜査することはまずありません。

したがって相手を著作権侵害で刑事罰に問いたい場合はまずは警察署または検察庁に足を運び刑事告訴をしましょう。

ただし、刑事告訴は単に犯罪事実を申告するだけでなく、その証拠が必要です。そのため、告訴する場合には必ず証拠を揃えて警察に行くようにして下さい。

権利の種類 刑罰について
著作権 10年以下の懲役
又は
1,000万円以下の罰金
出版権
著作隣接権
著作人格権 5年以下の懲役
又は500万円以下の罰金
実演家人格権
法人  3億円以下の罰金

みなし侵害 |間接的に著作権の侵害をしている場合

直接的に著作権の侵害をしていなくても、著作権の侵害になるケースもあります。

みなし侵害といって、以下に当てはまるような行為をすると実質的に著作権の侵害をしたこととなります。

  • 海賊版であることを知っているにも関わらず、販売したり、配布すること。また販売・配布のために海賊版を所持すること
  • 国内で販売および配布する目的として、外国で作られた海賊版を輸入する行為
  • 海賊版のプログラムであることを知っていながらも会社で業務のために使用すること
  • 著作者の名誉・声望を害する方法により著作物を使用する行為
  • 著作物に付された権利管理情報※を追加・削除・変更を行うこと

※権利管理情報 著作権・著作隣接権の権利者、著作物の利用を許可する場合の利用方法・利用条件に関する情報

第百十三条  次に掲げる行為は、当該著作者人格権、著作権、出版権、実演家人格権又は著作隣接権を侵害する行為とみなす。

 国内において頒布する目的をもつて、輸入の時において国内で作成したとしたならば著作者人格権、著作権、出版権、実演家人格権又は著作隣接権の侵害となるべき行為によつて作成された物を輸入する行為

 著作者人格権、著作権、出版権、実演家人格権又は著作隣接権を侵害する行為によつて作成された物(前号の輸入に係る物を含む。)を、情を知つて、頒布し、頒布の目的をもつて所持し、若しくは頒布する旨の申出をし、又は業として輸出し、若しくは業としての輸出の目的をもつて所持する行為

【引用】

著作権法 第113条

みなし侵害の罰則

上記、みなし侵害に該当する行為をした場合、以下の罰則が科される可能性があります。

5年以下の懲役または500万円以下の罰金もしく併科

著作権侵害に関係する判例

著作権の侵害に関係する判例を2つご紹介させていただきます。

一つ目の判例がデザインに対する著作権の侵害に関する事案で、二つ目の判例が送信可能化権の侵害に関する事案です。

あぶらとり紙のデザインの著作権者が類似デザインのパッケージの商品を販売する会社を訴えた判例

あぶらとり紙のデザインの著作権者である原告が、自身の著作物によく似たデザインがなされた別の商品のあぶらとり紙を製造販売している被告に損害賠償をしました。

結果としては、原告が本当に著作権者であるかの立証ができず、原告の請求は棄却されました。

主文

 原告の請求を棄却する。

 訴訟費用は原告の負担とする。 

第1 請求

 被告は,原告に対し,2000万円及びこれに対する平成28年5月28日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。

第2 事案の概要

 本件は,原告が,被告に対し,原告は別紙著作物目録記載の「ふるや紙」等の文字及び図柄からなるデザイン(以下「本件著作物」という。)の著作権者であるところ,被告が製造販売する別紙被告商品目録の記載の商品(以下「被告商品」という。)のデザイン(同目録「表」欄記載のもの。以下「被告デザイン」という。)は本件著作物に依拠して作成されたものであり,原告の著作権(複製権)の侵害に当たると主張して,民法709条,著作権法114条2項に基づき損害賠償金の一部2000万円及びこれに対する不法行為の日の後(訴状送達の日の翌日)である平成28年5月28日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求める事案である。

裁判年月日 平成29年 3月23日 裁判所名 東京地裁 裁判区分 判決

事件番号 平28(ワ)16088号

事件名 著作権侵害損害賠償請求事件

裁判結果 棄却 文献番号 2017WLJPCA03239002

カラオケ音源を用いた歌唱動画のアップロードを送信可能化権の侵害として差止め及び記録の消去を求めた判例

カラオケ音源を使用して歌を歌っている動画を動画共有サイト、YouTubeに投稿した人物に対し、送信可能化権を持つ該当曲のカラオケ音源の製作者である原告が、差止請求および被告の持つ電子記録媒体から動画の記録を削除するよう求めた事案です。

YouTubeからはすでに動画は削除されてはいるが、他の動画共有サイトへ投稿する可能性を考え以下の判決がなされました。

主文

 1 被告は,別紙動画目録記載の動画を送信可能化してはならない。

 2 被告は,別紙動画目録記載の動画の電磁的記録を,同記録が入力されている被告の占有に係るハードディスクその他の記録媒体から消去せよ。

 3 訴訟費用は被告の負担とする。

 4 この判決は,第1項に限り,仮に執行することができる。

第2 事案の概要

 本件は,原告が,被告に対し,被告が原告の作成したカラオケ音源を用いてカラオケ歌唱を行っている様子を自ら動画撮影した動画の電磁的記録をインターネット上の動画共有サイトにアップロードした行為が,原告の上記カラオケ音源に係る送信可能化権(著作権法96条の2)の侵害に当たると主張して,同法112条1項及び2項に基づく上記動画の送信可能化の差止め及びその電磁的記録の消去を求める事案である。

裁判年月日 平成28年12月20日 裁判所名 東京地裁 裁判区分 判決

事件番号 平28(ワ)34083号

事件名 著作隣接権侵害差止等請求事件

文献番号 2016WLJPCA12209002

著作権の侵害解決は権利侵害問題が得意な弁護士に相談

ご自身の著作物を無断で使われているなどで著作権の侵害をされている場合、そのまま放っておくと収益が下がってしまったり、あるいは信用が低下してしまうこともあります。

なるべく早く弁護士に依頼し、侵害をしている相手に警告してもらうことで、侵害行為の停止が期待できます。また著作権侵害によって実際に損害が出ているのであれば、損害賠償請求もでき、それも弁護士が行なってくれます。

著作権に関するトラブルを早く解決し、被害を最小限に抑えるよう行動しましょう。

弁護士費用の相場

弁護士事務所によって違いがあるので一概には言えませんが、おおよそ下記のような費用感になると思われます。

相談料 無料か1時間10,000円前後
着手金 10万円〜20万円前後
報酬金 経済的利益の10%〜20%前後

詳しい費用は相談する内容によって大きく前後しますので、厳密な費用が知りたい場合は、直接弁護士に相談されることをおすすめします。

弁護士の選び方は?

著作権のことだけでなく、現在のインターネット環境に詳しい弁護士を選ぶと良いでしょう。

弁護士の探し方

今はインターネットの時代なので、GoogleやYahoo!で「著作権 弁護士」や「著作権侵害 弁護士」とご検索いただければ、権利侵害系を得意とする弁護士を見るけることができるでしょう。

他にも、ポータルサイトで特定の分野が得意な弁護士を掲載しているケースもありますので、そちらから探して頂くということも可能ですで。

参考:インターネットの法律相談可能な弁護士一覧

まとめ

いかがでしたでしょうか。

他人によって自分の著作権が侵害されることは案外簡単に行われてしまうもの。

特にインターネットが普及した現代では、コピーしたデータはあっという間に広まり、違法な手段でアップロードされた動画を視聴できてしまったり、マンガのネタバレを発売の一週間前に見て内容を知ることができてしまったりします。

そのような違法なデータをありがたく思ってしまうインターネットユーザーが少なからず存在しているのも現実で、需要・供給のどちらも、なんとなく「良くないことである」ということは理解していても、欲求を優先するあたり他者が持つ権利への意識が低いように思われます。

著作権の侵害に遭ったときは、弁護士を雇うなどし、迅速に対応しましょう。

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この記事の監修者
弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤康二 弁護士 (第二東京弁護士会)
アンダーソン・毛利・友常法律事務所を経て2014年8月にプラム綜合法律事務所を設立。企業法務から一般民事、刑事事件まで総合的なリーガルサービスを提供している。

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相護士ナビ編集部

本記事はIT弁護士ナビを運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※IT弁護士ナビに掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。
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