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著作権・商標権侵害 弁護士監修記事 更新日:

著作権とは?種類・期限・著作権侵害の要件・侵害時の対処法を解説

監修記事

著作権(ちょさくけん)とは、知的財産権の一種で、文芸・美術・映画・写真などの著作物を保護する権利のことです。

著作権は、著作者に対して、著作物の無断使用・改変・コピーをされないなどの独占的な権利を与えることで著作物に対する創作意欲を促進させ、社会における文化・芸術の発展を図ることを目的に定められました。

著作権に関することを規定しているのが著作権法であり、近年では技術の進歩に対応するために頻繁に改正されており、電子書籍やイラストなどのデジタル著作物への対応も進んでいます。

本記事では、著作権の種類や期限、著作権侵害の要件や著作権侵害にならないケース、著作権侵害の被害に遭った際の対処法などを解説します。

インターネット上の著作権トラブルは弁護士へご相談ください!

「どこまでが著作権で保護されていて、どのような場合に著作権侵害に該当するのか」というのは、十分な法律知識がないと適切な判断は困難です。

著作権に関する疑問や悩みがあるなら、まずは弁護士に相談することをおすすめします。

弁護士に相談・依頼すれば、主に以下のようなサポートが望めます。

 
  • 著作権侵害が成立するかどうか判断してくれる
  • 著作権侵害があった際の交渉や裁判を代行してくれる
  • 刑事告訴の手続きをサポートしてくれる など
 

当サイト「ベンナビIT」では、著作権トラブルを得意とする全国の弁護士を掲載しています。

初回相談無料の法律事務所も多くあり、法律相談だけの利用も可能ですので、まずは気軽にご相談ください。

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著作権とは

冒頭でも触れたとおり、著作権とは著作物を保護する権利のことで、知的財産権の一種です。

ここでは、著作権の目的や著作物の具体例、著作権の期限について解説します。

著作権の目的

著作権は、著作者以外の人に著作物の利用について一定の制限をかけることにより、著作者の創作意欲や経済的利益を保護し、文化を保護・発展することを目的としています。

自分の作品が誰かによって一切の制限もなく真似されるような環境では、精神的にも金銭的にも見返りが少なく、「新しく作品を作ろう」という状態にはなりにくいものです。

多くの人が楽しんでいる映画や漫画などの身近な作品も、経済的利益が少なくなってしまうといずれ制作されなくなるおそれがあります。

したがって、著作権とは、作り手である著作者だけでなく、全ての人にとって大切な保護されるべき権利といえます。

著作物の種類

著作物については、著作権法にて以下のように定められています。

一  著作物 思想又は感情を創作的に表現したものであつて、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するものをいう。

引用元:著作権法第2条1項

つまり、著作物とは以下のようなものを指します。

  • 思想や感情を表現した創作物
  • その創作物が文芸学術・美術・音楽の範疇であること

具体例としては以下のとおりです。

著作物の種類 具体例
言語の著作物 小説・脚本・論文・講演など(口頭でも該当する)
音楽の著作物 楽曲・歌詞(歌詞は言語の著作物にも該当する)
舞踊または無言劇の著作物 演劇における振り付け
美術の著作物 鑑賞目的の美術品(家電製品などの実用的なものは該当しない)
建築の著作物 芸術的な建築物(かなり独創的・奇抜である必要がある)
図面・図表・模型・図形の著作物 建築物の設計図面などの、思想や感情を表現した図面や図表
映画の著作物 撮影における構図や編集などの面で創作性が感じられる動画
写真の著作物 思想や感情を表現した創作性のある写真
プログラムの著作物 プログラムをディスクなどで表現したもの(プラグラム言語は該当しない)

©マーク(マルシーマーク)とは

商品パッケージ・雑誌・映像作品など、さまざまなものには「©」という記号が付いています。

©マークは著作権マーク(コピーライトマーク)のことで、「著作権によって保護されている」ということを示す目的があります。

著作権は目に見える権利ではないため、対象物が著作権の保護を受けているかどうかは外形的に認識しにくい場合がありますが、©マークが付いていることで誤って利用するなどのトラブルを回避できます。

当サイト「ベンナビIT」のサイト下部にも、以下のように©マークが付いています。

ベンナビIT

なお、©マークのほかにも「®マーク(マルアールマーク)」もあります。

®マークは登録商標に付けられるマークのことで、©マークと同様に法的に権利を保護されていることを示すために付けられています。

著作権の保護期間

著作権の保護期間については、以下のように著作物の名義によって異なります。

著作物の名義 保護期間
実名
著作権法第51条2項
著作者の死後70年
変名・無名
著作権法第52条1項
公表後70年(死後70年経っていることが明らかな場合は死後70年)
団体
著作権法第53条1項
公表後70年(創作後70年以内に公表されなかった場合は創作後70年)
映画
著作権法第54条1項
公表後70年(創作後70年以内に公表されなかった場合は創作後70年)

変名とは「本名ではない名前」のことです。

たとえば、雅号・筆名・略称・俳号・芸名・四股名・ニックネーム・ハンドルネームなどが該当します。

変名・無名の場合、著作者が死亡したのかどうかわからない場合は、公表後70年までが著作権の保護期間になります。

なお、「変名が誰を指しているのか明らかな場合」や「公表後70年が経過する前に実名を登録した場合」は、著作者の死後70年が保護期間になります。

著作権の3つの種類

著作者は大きく分けて「著作者人格権」と「著作財産権」という2つの権利を持っており、それぞれ複数の権利を内包しています。

  • 著作者人格権:著作者の著作物に対する人格的利益を保護する権利
  • 著作財産権:著作者の著作物に対する財産的利益を保護する権利

ここでは、著作者人格権や著作財産権がどのような権利を内包しているのかを解説します。

1.著作者人格権

著作者人格権の場合、以下のような権利を内包しています。

権利名 著作権法 概要
公表権 第18条 著作物を公表するかどうか、あるいはどのように公表するかを決定する権利
氏名表示権 第19条 氏名を表示するかどうか、表示するとして本名かペンネームかを決定する権利
同一性保持権 第20条 著作物のタイトルや内容を無断で変更されない権利

2.著作財産権

著作財産権の場合、以下のような権利を内包しています。

権利名 著作権法 概要
複製権 第21条 著作物を複製する権利
上演権・演奏権 第22条 著作物を公衆に上演・演奏する権利
上映権 第22条の2 著作物を上映する権利
公衆送信権等 第23条 著作物を公衆送信する権利
口述権 第24条 著作物を公に口述する権利
展示権 第25条 著作物を公に展示する権利
頒布権 第26条 著作物を複製して頒布する権利
譲渡権 第26条の2 著作物や複製物を公衆に提供する権利を譲渡する権利
貸与権 第26条の3 著作物や複製物を貸与する権利
翻訳権・翻案権 第27条 著作物を翻訳・翻案する権利
二次的著作物の利用に関する原著作者の権利 第28条 二次的著作物の原著作物の著作者は、二次的著作物の著作者と同一の権利を持つ

3.著作隣接権

たとえば、音楽や映画などの著作物を公衆に聞かせたり見せたりするためには、著作者以外の協力も必要になります。

著作物の伝達において、重要な役割を果たす人の権利を保護するものとして「著作隣接権」というものもあります。

著作隣接権の対象となるのは、実演家・レコード製作者・放送事業者・有線放送事業者などです。

実演家の場合、主に以下のような権利が認められます。

権利名 著作権法 概要
氏名表示権 第90条の2 実演家名を表示するかしないかを決定する権利
同一性保持権 第90条の3 実演家の名誉・声望を害する恐れのある改変をされない権利
録画権・録音権 第91条 自身の実演を録画・録音する権利
放送権・有線放送権 第92条 自身の実演を放送・有線放送する権利
二次使用料を受ける権利 第95条 商業用レコードが放送で二次使用された場合に対価を受ける権利
譲渡権 第95条の2 自身の実演を録画・録音したものを提供する権利
貸与権 第95条の3 発売から1年以内の録音物を貸し出す権利
送信可能化権 第92条の2 自身の実演についてインターネットなどで送信する権利  

(氏名表示権・同一性保持権は「実演家人格権」ともいいます)

著作権侵害の5つの要件

もし著作権を侵害するような行為があった際は、加害者に対して責任追及が可能です。

著作権侵害には、以下のような成立要件があります。

  1. 著作物に該当すること
  2. 著作権の存在が認められること
  3. 依拠性が認められること
  4. 類似性が認められること
  5. 著作者に無断で利用していること

ここでは、著作権侵害の成立要件についてそれぞれ解説します。

1.著作物に該当すること

前提として、著作物に該当していなければ著作権侵害は成立しません。

「著作権とは」でも解説したとおり、著作物の種類としては以下のようなものがあります。

  • 言語の著作物
  • 音楽の著作物
  • 舞踊または無言劇の著作物
  • 美術の著作物
  • 建築の著作物
  • 図面図表・模型・図形の著作物
  • 映画の著作物
  • 写真の著作物
  • プログラムの著作物 など

2.著作権の存在が認められること

著作物について、著作権の存在が認められていることも必要です。

具体的には、以下のような条件を満たしていれば著作権が認められます。

  • 著作権の保護期間を過ぎていない
  • 日本の著作権法で保護されている

なお、著作権は著作物が作られた時点で発生するものであり、権利登録などの手続きは不要です。

3.依拠性が認められること

著作権侵害の成立には、依拠性が認められることも必要です。

依拠性とは「既存の著作物を参考にして創作物が作られていること」を指します。

たとえば「自分で一から作曲した結果、たまたま他人と同じような作品が出来上がってしまった」というようなケースでは、依拠性は認められずに著作権侵害が成立しない可能性があります。

4.類似性が認められること

著作権侵害の成立には、類似性が認められることも必要です。

類似性とは「既存の著作物と創作的な表現部分が同じ・似ていること」を指します。

たとえば「有名な観光名所を正面から写真撮影した」というようなケースでは、誰が撮っても同じような構図になるありふれた表現と判断され、類似性は認められずに著作権侵害が成立しない可能性があります。

5.著作者に無断で利用していること

ほかにも、著作者に無断で著作物を利用していることも必要です。

たとえば、著作者から許可を得たうえで利用している場合や、例外的に自由利用の条件を満たしている場合などは著作権侵害は成立しません。

上記のような5つの要件を全て満たしていれば、著作権侵害が成立します。

著作権侵害にならないケース

利用状況・利用目的・利用する人などによっては、許諾なく複製・改変・掲載などをしても著作権侵害にならないケースもあります。

ただし、著作物の安易な利用はトラブルの元になるため、慎重に対応することが大切です。

著作権侵害にならない主なケースとしては、以下のようなものが該当します。

著作権侵害にならない行為 概要
私的使用のための複製
著作権法第30条
個人や家族などの範囲で著作物の複製ができる
付随対象著作物の利用
著作権法第30条の2
写真撮影・録音・録画などで不当に利益を害さなければ写り込んでもよい
検討の過程における利用
著作権法第30条の3
著作権者の許諾・裁定にて著作物を利用する場合、必要限度内で利用できる
技術の開発または実用化のための試験の用に供するための利用
著作権法第30条の4
録音・録画機器など、技術開発または実用化の試験のためであれば利用できる
図書館等における複製等
著作権法第31条
法令で可能な範囲内で利用者に複製物を提供できる
公表された著作物の引用
著作権法第32条
正当な範囲内で著作物を引用できる
教科用図書等への掲載
著作権法第33条
学校教育上、認められる範囲で教科書に掲載できる
教科用拡大図書等の作成のための複製等
著作権法第33条の3
視覚障害や発達障害などにより文字や図形を拡大するための複製ができる
学校教育番組の放送等
著作権法第34条
学校教育番組で著作物を放送できる
学校その他の教育機関における複製等
著作権法第35条
授業で利用する目的であれば複製できる
試験問題としての複製等
著作権法第36条
採用試験・学校の入学試験の問題として複製し、公衆送信できる
視覚障害者等のための複製
著作権法第37条
視覚障害者のために点字によって複製できる
聴覚障害者等のための複製
著作権法第37条の2
聴覚障害者のために、聴覚障害者が必要と認められる範囲・方式で複製・放送できる
営利を目的としない上演等
著作権法第38条
非営利であれば上演や朗読できる
時事問題に関する論説の転載等
著作権法第39条
転載禁止表示がなければ、新聞や雑誌に掲載された論説はほかの新聞や雑誌で掲載できる
政治上の演説等の利用
著作権法第40条
政治上の演説や陳述・裁判での公開の陳述を利用できる
時事事件の報道のための利用
著作権法第41条
時事事件の報道をする場合、事件を構成する、または事件に関わる著作物を利用できる
裁判手続きなどにおける複製
著作権法第42条
裁判手続きだけでなく、立法・行政での内部資料としてや、特許や商標での審査のために複製できる
行政機関情報公開法等による開示のための利用
著作権法第42条の2
情報公開条例・情報公開法で開示される著作物の複製・再生ができる
公文書管理法等による保存等のための利用
著作権法第42条の3
国立公文書館の館長は、公文書管理条例・公文書管理法にて歴史公文書などの保存が目的の場合、複製できる
国立国会図書館法によるインターネット資料およびオンライン資料の収集のための複製
著作権法第43条
国立国会図書館の館長は、インターネット資料の収集のために必要とされる範囲内で、インターネット資料を複製できる
翻訳・翻案等による利用
著作権法第47条の6
教科書への掲載・学校教育番組の放送・私的使用のための複製・学校における複製・視覚障害のための複製などの際、翻案・変形・編曲できる
※翻案:既存の著作物の大部分は変更せず、細かい点のみ変更すること
放送事業者等による一時的固定
著作権法第44条
放送事業者などは、放送のために著作物を一時的に録画・録音できる
(6ヵ月を超えて保存することはできないが、政令で定められた公的な記録保存所で保存する場合は例外)
美術の著作物等の現作品の所有者による展示
著作権法第45条
美術および写真の著作物の原作品の所有者は、許諾なく展示会で展示できる
公開の美術の著作物等の利用
著作権法第46条
公園などに設置されている銅像などは、テレビで放送したり写真撮影したりできる
美術の著作物等の展示に伴う複製
著作権法第47条
展覧会の開催者は、展示対象の著作物を紹介・解説するための小冊子にて掲載できる
美術の著作物等の譲渡等の申出に伴う複製等
著作権法第47条の2
インターネットオークションに出品する場合は、紹介のために画像を掲載してよい
プログラムの著作物の複製物の所有者による複製等
著作権法第47条の3
自らがコンピュータで利用するために、プログラムの複製・翻案ができる
保守・修理のための一時的複製
著作権法第47条の4
機器の修理や保守をする際に、バックアップのために複製できる
送信の障害の防止等のための複製
著作権法第47条の4
インターネットプロバイダなどのサーバー管理者は、障害の防止のために必要と認められる範囲内で複製できる
送信可能化された情報の送信元識別符号の検索等のための複製等
著作権法第47条の5
インターネット情報検索サービスの事業者は、サービス提供のために認められる範囲内で複製・自動公衆送信できる
情報解析のための複製
著作権法第47条の5
コンピュータの情報解析をするために複製できる
電子計算機における著作物利用に伴う複製
著作権法第47条の4
情報処理の過程において、記録媒体に記録できる
情報通信技術を利用した情報提供の準備に必要な情報処理のための利用
著作権法第47条の4
インターネットで効率的に情報提供をする場合に、サーバーなどにデータの保存・翻案できる
複製権の制限により作成された複製物の譲渡
著作権法第47条の7
複製が認められている著作物は、複製したものを提供できる  

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著作権を侵害された場合の2つの対処法

著作権を侵害された場合は、加害者に対して民事と刑事の両面から責任を追及できます。

ここでは、著作権侵害の被害に遭った際の対処法について解説します。

1.民事上の責任追及をおこなう|差止請求や損害賠償請求など

民事上の責任追及として、被害者は加害者に対して以下のような請求が可能です。

請求の種類 概要
差止請求
著作権法第112条
著作権の侵害行為の停止を求めること
損害賠償請求
民法第709条
被害者が侵害行為によって被った損害について、金銭で補償を求めること
不当利得返還請求
民法第703条、第704条
加害者が侵害行為によって得た利益について、返還を求めること
名誉回復等の措置請求
著作権法第115条
謝罪や謝罪広告の掲載などを求めること

2.刑事上の責任追及をおこなう|拘禁刑や罰金刑など

刑事上の責任追及として、被害者は刑事告訴をおこなって処罰を求めることも可能です。

なお、著作権侵害は親告罪であるため、告訴がなければ加害者は原則処罰されません。

刑事告訴すれば捜査機関が動いてくれる可能性があり、加害者に拘禁刑や罰金刑などの刑事罰が科されることもあります。

刑事罰の内容は、被害状況によって以下のように異なります。

権利の種類 罰則
著作権 10年以下の拘禁刑もしくは1,000万円以下の罰金刑、または併科
著作権法第119条1項
出版権
著作隣接権
著作者人格権 5年以下の拘禁刑もしくは500万円以下の罰金刑、または併科
著作権法第119条2項
実演家人格権
法人による著作権侵害  3億円以下の罰金刑(著作権法第124条1項1号)  

著作権について争われた判例2選

ここでは、著作権侵害について争われた判例を2つ紹介します。

1.あぶらとり紙のパッケージデザインを巡って争われたケース

あぶらとり紙のデザインの著作者である原告が、自身の著作物によく似たデザインの別商品のあぶらとり紙を製造販売している被告に対し、著作権侵害を主張して損害賠償請求したというケースです。

裁判では、原告側は「商品の文字や図柄などが著作権(複製権)の侵害にあたる」と主張していたものの、そもそも自身が正当な権利者であることを示す十分な証拠を提示できなかったため、最終的には請求は棄却されました。

主文

 原告の請求を棄却する。

 訴訟費用は原告の負担とする。

事実及び理由 

第1 請求

 被告は,原告に対し,2000万円及びこれに対する平成28年5月28日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。

第2事案の概要

 本件は,原告が,被告に対し,原告は別紙著作物目録記載の「ふるや紙」等の文字及び図柄からなるデザイン(以下「本件著作物」という。)の著作権者であるところ,被告が製造販売する別紙被告商品目録の記載の商品(以下「被告商品」という。)のデザイン(同目録「表」欄記載のもの。以下「被告デザイン」という。)は本件著作物に依拠して作成されたものであり,原告の著作権(複製権)の侵害に当たると主張して,民法709条,著作権法114条2項に基づき損害賠償金の一部2000万円及びこれに対する不法行為の日の後(訴状送達の日の翌日)である平成28年5月28日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求める事案である。

引用元:平成29年3月23日東京地裁判決|裁判所

2.カラオケ音源を用いた歌唱動画のアップロードを巡って争われたケース

カラオケ音源を使用して歌っている動画をYouTubeに投稿した被告に対し、送信可能化権を持つ該当曲のカラオケ音源の製作者である原告が、差し止め請求および被告の持つ電子記録媒体から動画記録の削除を請求したというケースです。

裁判では原告側の主張が認められ、すでにYouTubeの動画は削除されていたものの、ほかの動画共有サイトへ投稿される可能性も考慮して、被告に対して電子記録媒体にある動画記録を削除するように命じる判決が下されました。

主文

 1 被告は,別紙動画目録記載の動画を送信可能化してはならない。

 2 被告は,別紙動画目録記載の動画の電磁的記録を,同記録が入力されている被告の占有に係るハードディスクその他の記録媒体から消去せよ。

 3 訴訟費用は被告の負担とする。

 4 この判決は,第1項に限り,仮に執行することができる。

事実及び理由

第2 事案の概要

 本件は,原告が,被告に対し,被告が原告の作成したカラオケ音源を用いてカラオケ歌唱を行っている様子を自ら動画撮影した動画の電磁的記録をインターネット上の動画共有サイトにアップロードした行為が,原告の上記カラオケ音源に係る送信可能化権(著作権法96条の2)の侵害に当たると主張して,同法112条1項及び2項に基づく上記動画の送信可能化の差止め及びその電磁的記録の消去を求める事案である。

引用元:平成28年12月20日東京地裁判決|裁判所

著作権トラブルは弁護士に相談するのがおすすめ

著作権トラブルに巻き込まれた際は、弁護士にサポートしてもらうのが有効です。

ここでは、弁護士に相談・依頼するメリットについて解説します。

1.著作権侵害が成立するかどうか判断してくれる

弁護士に相談すれば、著作権侵害にあたるかどうか法的視点からアドバイスしてくれます。

著作権侵害が成立するためには、多くある要件を全て満たしている必要があります。

特に「依拠性や類似性が認められるかどうか」などは、素人では判断が難しい場合もあり、高度な知識が必要となることもあります。

弁護士なら正確な判断が望めるため、まずは速やかに相談することをおすすめします。

2.著作権侵害があった際の交渉や裁判を代行してくれる

弁護士に依頼すれば、著作権侵害の加害者とのやり取りを代行してくれます。

加害者に対して差止請求や損害賠償請求などをおこなう場合、書面・交渉・裁判といった方法で対応を求めることになります。

素人同士で進めようとすると、手続きが難航したり感情的なトラブルに発展したりすることもありますし、特に裁判手続きは難解ですので弁護士無しで適切に対応するのは困難です。

弁護士に代理人になってもらうことで、煩雑な手続きから解放されますし、冷静かつ適切に進行してくれるため早期解決できる可能性が高まります。

3.刑事告訴の手続きをサポートしてくれる

弁護士なら、刑事告訴の手続きをサポートしてもらうことも可能です。

刑事告訴は自力でも可能ですが、必ずしも受理してくれるとはかぎりません。

特に手続きに慣れていない素人では、警察側が何かと理由を付けて受理してくれず、なかなか捜査が開始しないおそれがあります。

弁護士は、どうすれば受理してくれやすくなるのかアドバイスしてくれるほか、書類作成の代行なども依頼でき、自力で対応するよりも受理してもらえる可能性が高まります。

著作権に関するよくある質問3選

ここでは、著作権に関するよくある質問について解説します。

1.著作権とは何?

著作権とは、知的財産権の一種で、文芸・美術・映画・写真などの著作物を保護する権利のことです。

著作者以外の人に著作物の利用について一定の制限をかけることにより、著作者の創作意欲や経済的利益を保護し、文化を保護・発展することを目的に定められました。

著作権の対象となる著作物については、主に以下のようなものが該当します。

著作物の種類 具体例
言語の著作物 小説・脚本・論文・講演など(口頭でも該当する)
音楽の著作物 楽曲・歌詞(歌詞は言語の著作物にも該当する)
舞踊または無言劇の著作物 演劇における振り付け
美術の著作物 鑑賞目的の美術品(家電製品などの実用的なものは該当しない)
建築の著作物 芸術的な建築物(かなり独創的・奇抜である必要がある)
図面・図表・模型・図形の著作物 建築物の設計図面などの、思想や感情を表現した図面や図表
映画の著作物 撮影における構図や編集などの面で創作性が感じられる動画
写真の著作物 思想や感情を表現した創作性のある写真
プログラムの著作物 プログラムをディスクなどで表現したもの(プラグラム言語は該当しない)

2.著作権でダメな例は?

一例として、以下のようなケースでは著作権侵害にあたります。

  • JASRACからの許諾なく、または引用の範囲を超えてブログに歌詞を載せる行為
  • 著作者からの許諾なく、著作物である動画や音声をインターネット上にアップロードする行為

歌詞を載せる場合は、JASRACから許諾を得るか、引用の範囲内で載せる必要があります。

なお、引用として認められるためには、以下の要件を全て満たさなければなりません。

  • 引用元を明示すること
  • 引用目的が批評や研究であること
  • 引用箇所がほかの箇所と明確に分かれていること
  • 著作者人格権を侵害していないこと
  • 自分の文章と引用箇所の主従関係が逆転していないこと
  • 引用元がすでに公表された著作物であること など

3.著作権の期限は?何年で切れる?

著作権の期限については、以下のように著作物の名義によって異なります。

なお、かつては50年と定められていましたが、2018年の著作権法改正によって70年へ延長されました。

著作物の名義 保護期間
実名
著作権法第51条2項
著作者の死後70年
変名・無名
著作権法第52条1項
公表後70年(死後70年経っていることが明らかな場合は死後70年)
団体
著作権法第53条1項
公表後70年(創作後70年以内に公表されなかった場合は創作後70年)
映画
著作権法第54条1項
公表後70年(創作後70年以内に公表されなかった場合は創作後70年)

さいごに|著作権トラブルを弁護士に相談するなら、ベンナビITがおすすめ

インターネットが普及した現代では、違法な手段で映画などがアップロードされたり、海賊版の漫画データが広まったりすることもあります。

著作者に無断で著作物の使用や複製などをすると著作権侵害が成立し、加害者には賠償金の支払い義務が発生したり、拘禁刑や罰金刑などの刑事罰が科されたりすることもあります。

もし自分が著作権侵害の被害に遭ったときは、被害が大きくなる前に弁護士に相談して、迅速に対応しましょう。

今すぐ信頼できる弁護士を探したいなら、当サイト「ベンナビIT」がおすすめです。

都道府県・市区町村・最寄り駅などの地域検索や、初回相談無料・休日相談可・電話相談可などの条件検索にも対応しており、自分に合った弁護士を一括検索できます。

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立花 志功 (日本弁護士連合会)
立花志功法律事務所は、北海道札幌市の法律事務所。トラブルに巻き込まれた方々を全力で助けるため、活動している。
ベンナビIT(旧IT弁護士ナビ)編集部
編集部

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