ネットの誹謗中傷問題を弁護士に依頼した場合、投稿削除・開示請求・損害賠償で弁護士費用は100万円前後になることが多いです。
月額2,950円の保険料で、依頼したときにかかる弁護士費用(着手金)の補償が受けられます。
ネットの誹謗中傷問題だけでなく、労働問題、自転車事故、刑事事件被害、離婚や相続など様々なトラブルで使うことができます。
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Xは短い文章を気軽に投稿(ポスト)できる便利なSNSですが、その拡散性の高さから、誹謗中傷を受けるとその被害が大きくなってしまう可能性があります。
しかし、自分が誹謗中傷を受けてしまった場合、どのように対処すればいいかわからない方も多いでしょう。
そこで本記事では、Xで誹謗中傷を受けた場合の主な対処法や注意点などについて解説します。
誹謗中傷を受けてしまっても、泣き寝入りせずに適切に対処したい方はぜひ参考にしてみてください。
X(旧Twitter)で誹謗中傷を受けた場合の主な対処法は、下記のとおりです。
インターネット上のコミュニケーションがますます活発になる中、X(旧Twitter)で誹謗中傷を受けるケースも増えています。
誹謗中傷は精神的なダメージを与えるだけでなく、放置すると深刻な問題に発展する可能性があります。
ここでは、Xで誹謗中傷を受けた場合の主な対処法について解説します。
X(旧Twitter)上で誹謗中傷を受けた場合、 X社に通報して該当投稿の削除依頼をすることが可能です。
Xは「 Xルール」にもとづき、他ユーザーの個人情報を許可なく投稿することや特定の人物への嫌がらせ・暴力行為・なりすまし行為などを禁止しています。
X社へ通報する方法は以下のとおりです。
なお、削除依頼をしても報告した投稿が必ずしも削除されるわけではありませんので注意してください。
X社は投稿内容や投稿者の違反歴などを総合的に判断し、どう対処するか決定しています。
X社へ通報する際は、アカウントの削除(凍結)依頼も検討しましょう。
なりすましや個人攻撃を目的としたアカウントなどであれば、X社の判断によりアカウントが凍結されることがあります。
アカウント凍結とは Xにおける最も重いペナルティです。
アカウントが凍結されると、そのアカウントの投稿などが削除され、「アカウントは凍結されています」と表示されます。
厳密にはアカウント自体が削除されているわけではありませんが、ユーザーはそのアカウントを一切操作できなくなるのです。
アカウントが凍結されることで、ユーザーが改めて誹謗中傷を繰り返すのを予防できます。
ただしユーザーが新しいアカウントを作成して、投稿を再開することまで禁止できるわけでないので注意しましょう。
また削除依頼をしたからといって、必ずしもそのアカウントが凍結されるわけでない点も覚えておく必要があります。
アカウント凍結をおこなうか否かは、X社の判断次第です。
削除依頼をする前に、スクリーンショットなどで誹謗中傷を受けた証拠を残しておきましょう。
問題の投稿が消えてしまえば、誹謗中傷を受けた証拠がなくなってしまい、その後の法的措置が困難となるからです。
スクリーンショットを残しておけば、投稿が削除された後も誹謗中傷の証拠が残るので、法的措置を進めやすくなります。
誹謗中傷を受けた場合、弁護士に依頼して「送信防止措置依頼書」を送ってもらうのもひとつの手です。
送信防止措置依頼書とは、ネット上での誹謗中傷や権利侵害を受けたときに、被害者が投稿内容の削除をサイト運営者へ要求するための書面です。
名誉毀損などの被害を受けた場合、被害者にはプロバイダやサイト運営者に対してその投稿を削除するよう求める権利があります。
これを法律的に「送信防止措置」といい、被害者がサイト運営者へ削除を求めるための書面が「送信防止措置依頼書」です。
弁護士に依頼すれば、不備のない依頼書を作成してもらえるため、投稿の削除をスムーズに進められるでしょう。
X社が削除に応じてくれない場合、引き続き削除を求めるのであれば裁判手続きを検討します。
具体的には裁判所に対し、投稿削除の仮処分を申し立てるのが一般的です。
投稿削除の仮処分とは、簡単に言うと正式な判決がでる前の暫定的な処置になります。
裁判を起こすと、判決までに年単位の長い時間がかかることも少なくありません。
裁判で争っている間にも、誹謗中傷の投稿が残り名誉毀損の被害が広がってしまうことも考えられます。
一方で仮処分を申し立て仮処分命令(仮の削除命令)が出るまで、最短で1~2ヵ月程度ですむのです。
サイト管理者が仮の削除命令に応じれば問題の投稿が削除されます。
サイト管理者が応じない場合、執行の申し立てが可能です。
執行の申し立てをした場合、サイト管理者が削除に応じるまで裁判所の命じる金額を相手に払わせることができます。
ただ、あくまで仮の削除命令なので、サイト管理者は必ずしも削除に応じる必要はありません。
保全異議などの手続きをしたうえで、正式な裁判で争うことも可能です。
実際、正式な裁判へと移行し裁判所の判断がくつがえることもないわけではありません。
しかしながら、仮処分命令が出た時点で、ほとんどのサイト管理者が削除に応じます。
そのためXの投稿を削除して欲しい場合は、仮処分の申し立てをすることが多いのです。
発信者情報開示請求仮処分とは、インターネット上で誹謗中傷の情報を投稿した人物を特定するために情報開示を求める手続きです。
X上の投稿では、投稿主の本名や住所といった素性が分からないことも少なくありません。
相手に損害賠償請求を求めたいときなどは、投稿相手を特定することが必要です。
開示対象となる情報には、以下のようなものがあります。(プロバイダ責任制限法5条1項、2条6号、同法施行規則2条、3条)
これらの情報を取得すると、誹謗中傷をおこなった人物を特定し、その後の法的措置が進められます。
X(旧Twitter)で誹謗中傷の投稿者を特定するために、新たに施行された「発信者情報開示命令」を利用する方法もあります。
従来の発信者情報開示請求では、相手を特定するまで以下2段階の手続きが必要でした。
一方、発信者情報開示命令は一度の裁判手続きで発信者を特定できるため、スピーディーです。
ただし間接強制という手続きをしないと迅速に開示をしてもらえない場合があるなど、必ずしも発信者情報開示命令を選ぶのがよいわけではありません。
どちらの方法を選ぶべきかはケースバイケースです。
難しい判断が必要になるのでどちらの方法を選べばよいか、弁護士に相談してアドバイスを求めることをおすすめします。
損害賠償請求とは、相手の不法行為によって被った損害に対して、賠償金の支払いを求める方法です。
誹謗中傷による精神的苦痛・経済的損失などが対象となります。
損害賠償は弁護士から相手へ書面を送り、相手と直接交渉して請求することが多いです。
相手が交渉に応じなかったり交渉で合意を得られなかったりした場合は、裁判にて損害賠償請求をするか検討します。
相手の刑事責任を問いたい場合は、刑事告訴をおこないます。
刑事告訴とは犯罪の被害者などが、警察のような捜査機関へ被害を申告して加害者の処罰を求める手続きです。
X上でおこなわれた誹謗中傷によって、侮辱罪や名誉毀損罪などが成立する可能性があります。
侮辱罪や名誉毀損罪は、被害者の告訴がないと加害者を処罰できない親告罪です。
そのため相手の刑事責任を問う場合は被害者などが刑事告訴をする必要があります。
誹謗中傷の相手を刑事告訴する場合、事前に相手を特定するのが一般的です。
刑事告訴が受理されると、警察による捜査が開始されます。
X(旧Twitter)社は、ユーザーが安心して公共の会話に参加できるようにするため、セキュリティ・プライバシー・信頼性の3つの観点からガイドラインを設けています。
以下、誹謗中傷に関するX(旧Twitter)での主な禁止事項を紹介します。
禁止事項 内容 攻撃的な行為/嫌がらせ 攻撃的なコンテンツを共有したり、特定の人物を標的とした嫌がらせに関与したり、他の人に扇動したりすることは禁止 ヘイト行為 人種・民族・出身地・社会的地位・性的指向・性別・性同一性・信仰している宗教・年齢・障碍・深刻な疾患を理由とした他者への攻撃行為は禁止 合成または操作されたメディア 何らかの損害につながる可能性が高い、合成・操作されたメディアを、ユーザーを欺くことを意図しての共有は禁止
X(旧Twitter)上の誹謗中傷により適用される可能性がある罪は、以下のとおりです。
X(旧Twitter)上の誹謗中傷により法的な問題が発生する可能性があります。
主な罪の種類には、名誉毀損・侮辱罪などがあります。
これらの罪に該当する行為があった場合、被害者は法的手段を取れます。
それでは、詳しくみていきましょう。
名誉毀損罪とは、「公然と事実を摘示し、人の名誉を毀損した者」が、「その事実の真偽に関わらず」問われる罪です(刑法第230条)。
名誉毀損罪が成立すると、3年以下の懲役もしくは禁錮、または50万円以下の罰金が科される可能性があります。
侮辱罪(刑法231条)とは、「事実を摘示しなくても、公然と人を侮辱した者」に課される罪です。
名誉毀損罪と似ていますが、侮辱罪は具体的な事実を言わなくても成立する点で異なります。
たとえば「Aは頭が悪い」のように具体的な事実を示さない誹謗中傷がおこなわれた場合、名誉毀損罪でなく侮辱罪が成立する可能性があるのです。
侮辱罪に該当すると、以下のいずれかの刑に処される可能性があります。
以前は、侮辱罪の刑罰は拘留・科料のみでしたが、誹謗中傷が社会問題となっていることを背景に、2022年7月7日より厳罰化されました。
脅迫罪(刑法222条)とは、相手やその親族に対して「生命、身体、自由、名誉または財産に害を加える」と脅した場合に成立する罪です。
脅迫罪には「公然と」といった要件がないため、個別のメッセージなどでも成立します。
脅迫罪に該当すると、2年以下の懲役または30万円以下の罰金が科される場合があります。
偽計業務妨害罪・信用毀損罪(刑法233条)とは、「虚偽の情報を流したり、巧妙な手段を使ったりして人の信用を損なう場合、またはその業務を妨害した場合」に適用される罪です。
たとえば、店舗・会社の口コミに嘘の内容を書き込んだ結果、信用を傷つけたり業務を妨害したりした場合、この罪に問われる場合があります。
偽計業務妨害罪・信用毀損罪に該当すると、3年以下の懲役または50万円以下の罰金が科される可能性があります。
X(旧Twitter)で誹謗中傷された場合に注意すべきポイントは、下記のとおりです。
Xは匿名性が高いため、誹謗中傷の被害が発生しやすいプラットフォームのひとつです。
万が一、誹謗中傷の被害に遭った場合、どのように対処すればよいのかを知っておくことは非常に重要です。
ここでは、誹謗中傷を受けたときに注意すべきポイントについて解説します。
X(旧Twitter)上で誹謗中傷を受けた場合、相手に直接反論するのは賢明ではありません。
相手の挑発に乗って反論すると、相手の誹謗中傷がさらにエスカレートする可能性が高まったり、周囲を巻き込んで炎上する危険があったりするからです。
また、相手が投稿やアカウントを削除してしまうと、誹謗中傷の証拠が消えてしまい、法的措置をとるのが難しくなる可能性があります。
そのため、まずは冷静になって証拠の確保から始めましょう。
相手がDMを受け付けていれば、直接相手に削除を依頼することも可能です。
しかしDM上で削除を依頼すると相手が逆上し、よりひどい誹謗中傷がおこなわれるなど、トラブルに発展しかねません。
悪意をもってDMをさらされてしまう可能性もあります。
そのため直接相手に削除を依頼すべきかどうかは、慎重に判断すべきでしょう。
また損害賠償請求や刑事告訴を検討している場合、証拠を取得する前に投稿が削除されてしまうことのないよう気を付けなくてはなりません。
削除を依頼する前に、スクリーンショットなどでしっかり証拠を取得しておきましょう。
誹謗中傷の被害を受け、損害賠償請求や刑事告訴を検討している場合はなるべく早く行動を起こす必要があります。
タイミングが遅くなると、開示請求をしてもログが削除され相手を特定できなくなる可能性があるからです。
インターネットサービスプロバイダのログは、3~6ヵ月程度で削除されることが多くなっています。
インターネットサービスプロバイダのログが削除され、投稿者のIPアドレスがわからなければ相手を特定できません。
一方、XなどSNSのログはインターネットサービスプロバイダのログより保存期間は長いことが多いようです。
しかしアカウントが削除されると、それほど期間をあけずに投稿のログも削除されてしまう可能性があります。
開示請求の申し立てなどにも準備が必要であり、すぐに実行できるわけではありません。
そのため投稿の削除だけでなく、損害賠償請求などをしたい場合はなるべく早く弁護士へ相談するようにしましょう。
対処方法に迷う場合は、手遅れになる前に弁護士へ相談するのが重要です。
弁護士は法律に精通しており、あなたの状況を正確に把握し、最適な対処方法を提案してくれます。
また弁護士であれば、発信者情報開示請求など速やかに対応すべき手続きについても、迅速に代行してくれるでしょう。
誹謗中傷の対処方法に迷う場合、まずは弁護士へ相談しアドバイスを求めることを強くおすすめします。
X(旧Twitter)上での誹謗中傷は、以下の罪に問われる場合があります。
X(旧Twitter)で受けた誹謗中傷は、泣き寝入りせずに削除請求・発信者情報開示請求などの対処をとるのが大切です。
ただし、これらの手続きは個人でおこなうのは難しく、手間もかかるため、弁護士に相談するのが最も効果的な対処方法といえるでしょう。
弁護士は、法律に関する知識と経験が豊富であるからこそ、最適な解決策を提案してくれます。
また、相手に対する法的手続きや交渉を代行してくれるため、自分では問題解決が難しい場合も安心です。
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