ネットの誹謗中傷問題を弁護士に依頼した場合、投稿削除・開示請求・損害賠償で弁護士費用は100万円前後になることが多いです。
月額2,950円の保険料で、依頼したときにかかる弁護士費用(着手金)の補償が受けられます。
ネットの誹謗中傷問題だけでなく、労働問題、自転車事故、刑事事件被害、離婚や相続など様々なトラブルで使うことができます。
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インターネット上で誹謗中傷被害を受けたり、お金を貸している人に逃げられたりした場合、相手の住所特定をしなければ民事責任を追及することができません。
ただし、住所特定のやり方は何をしても良いというわけではない点に注意が必要です。たとえば、「住所を教えろ」「住所を教えなければどうなっても知らないぞ」などと脅してしまうと、こちら側が刑事責任を問われるリスクもあるでしょう。
そこで本記事では、住所特定のやり方、住所特定を依頼するべき専門家などについてわかりやすく解説します。
ベンナビITでは、SNSなどで誹謗中傷を受けたときの加害者特定を得意とする弁護士を多数紹介中です。相手方を速やかに住所特定しなければ法的責任を追及できなくなるので、できるだけ早いタイミングで信頼できる弁護士まで相談してください。
示談交渉を開始したり訴訟を提起したりするには、相手の住所が必要です。
ここでは、他人の住所がわからないときに頼るべき専門家について解説します。
相手の住所を特定したいときに頼るべき専門家には、弁護士が真っ先に挙げられます。
弁護士に依頼すれば、職務上請求や弁護士会照会などの手段を尽くして他人の住所特定作業を進めてくれます。
たとえば、職務上請求を実施して相手の住民票を入手すれば、住民票に記載された相手の住所を特定できます。
また、住民票に登録された住所に相手が現在居住していなかったとしても、以下の弁護士会照会によって、相手の住所などの個人情報を特定することが可能な場合があります。
このように、弁護士に依頼すれば、相手の何かしらの情報をきっかけにして示談交渉や民事訴訟の足がかりになる住所を簡単に特定できるでしょう。
ただし、弁護士が住所を特定できるのは、「受任している事件に必要かつ相当と認められる範囲」に限られる点に注意をしなければいけません。
つまり、「ただ相手の住所が知りたいから」という理由だけでは、弁護士に住所特定を依頼することはできないということです。
探偵や興信所に依頼をすれば、尾行や張り込みなどの人海戦術を駆使して、相手の住所などの個人情報を特定してくれたり、法的措置に必要な証拠を収集してくれたりします。
たとえば、パートナーの不倫調査を依頼すると、ホテルを出入りする様子を撮影するなどして不倫を立証する証拠を収集したり、尾行することによって不倫相手の職場・住所などを洗い出したりしてくれるでしょう。
ただし、探偵や興信所によって費用体系・スキル・調査方法は全く異なるので、依頼をする前に調査方法の説明や見積もりを受ける必要があります。
また、探偵や興信所のなかには悪質な業者も紛れ込んでいるので、弁護士事務所と提携している探偵・興信所を選ぶと信頼感も高まるでしょう。
住所特定のやり方は、個別具体的な状況によって異なります。ここでは、ケース別におすすめの住所特定のやり方を紹介します。
「相続が発生したが家族・親族の住所がわからずに困っている」「家出をして行方不明になっている子どもの住所を知りたい」とお悩みの場合には、戸籍謄本や住民票から相手の住所や連絡先を入手するやり方が考えられます。
たとえば、家族の住所であれば、戸籍謄本や住民票を取り寄せることによって登録住所を特定することができるでしょう。
しかし、親族の住所がわからない場合には、住所特定のハードルが少し高くなる点に注意が必要です。
なぜなら、個人情報保護の観点から「親族だから」という理由だけで住民票・戸籍謄本を入手するのは難しくなっているからです。
なお、相続や金銭トラブルなどを解決するためという正当な理由があれば、親族であったとしても住民票・戸籍謄本を取り寄せることができる可能性があります。詳しくは、自治体まで確認してください。
ほかにも、住所がわからない家族・親族の居場所を特定するやり方として、以下の方法が挙げられます。
どの方法を選択するとしても、写真や出身地など住所がわからない家族・親族に関する情報を用意しておきましょう。
なお、家族・親族の行方がわからない原因や、家族・親族の住所を知りたい理由によって、選択するべきやり方は異なります。
住所特定の手段として弁護士への依頼が適切かどうかは別問題ですが、弁護士へ相談すれば個別の事情を踏まえて有益なアドバイスを提供してくれるでしょう。
まずは頼りになる専門家へ連絡をしてください。
債務者や取引相手の連絡先がわからないときの住所特定のやり方は以下のとおりです。
なお、債務者や取引相手の住所特定が必要な場合は、相手の個人情報を入手したあとに、示談交渉や民事訴訟、強制執行への対応が必要なことが多いです。
将来的に法的措置をしなければいけない以上、住所特定の段階から弁護士へ相談・依頼をしたほうがスムーズでしょう。
交通事故加害者のなかには任意保険会社に加入しておらず住所などの連絡先を教えることを拒む人が少なからず存在します。
また、交通事故現場で冷静な対応ができずに加害者側の連絡先を聞きそびれることもあるでしょう。これでは、示談交渉や損害賠償請求などの手続きを進めることができません。
交通事故の加害者の住所がわからない場合には、以下の方法で相手方の連絡先などを入手する必要があります。
SNSや匿名掲示板で誹謗中傷をされた場合、投稿者の民事責任・刑事責任を追及するには、匿名投稿者の個人情報を特定する作業からスタートしなければいけません。
なぜなら、匿名投稿者の氏名や住所がわからないままでは、示談交渉・民事訴訟・刑事告訴などの措置を一切とることができないからです。
ネット上の匿名投稿者の住所などを特定するやり方として、以下の手段が挙げられます。
ネット上で誹謗中傷行為に及んだ投稿者の住所などを特定するためのもっとも現実的な方法は、3番目のプロバイダ責任制限法に基づく法的措置です。
X(旧Twitter)やInstagramなどのSNS、5ちゃんねるのような匿名掲示板で誹謗中傷の被害を受けたときには、投稿者に対して民事責任を追及することが可能です。
ここでは、インターネット上で誹謗中傷行為に及んだ投稿者を特定して損害賠償請求をするときのやり方・流れについて解説します。
インターネット上で誹謗中傷をした投稿者に対して民事責任を追及するには、「不法行為に基づく損害賠償請求権が存在すること」を基礎付けるための証拠が必要です。
将来的に民事責任追及を想定しているのなら、できるだけ早いタイミングで以下のような証拠を収集するべきでしょう。
被害者側が証拠を保全する前に問題の投稿を削除されてしまうと、発信者情報開示請求などの法的措置に踏み出すことができなくなってしまいます。
「誹謗中傷を書き込まれて腹が立つ、直接文句を言ってやりたい」というように感情的になることも多いとは思いますが、冷静になって毅然とした態度で証拠保全をおこなうのが賢明だといえるでしょう。
誹謗中傷をした投稿者の住所を特定するときの方法として、「プロバイダ責任制限法に基づく発信者情報開示請求」が挙げられます。
発信者情報開示請求の手続きの流れは以下のとおりです。
なお、プロバイダ責任制限法の改正によって、コンテンツプロバイダ及びアクセスプロバイダに対する請求を1回の非訟事件手続き内で完了できるようになりました。
匿名投稿者の契約者情報を入手するハードルが低くなったので、インターネット上の誹謗中傷で生じた被害を回復しやすくなったといえるでしょう。
ただし、発信者情報開示請求をおこなうにはログ情報などが必要ですが、問題の投稿を削除されてしまったり、3ヵ月~半年程度のログ情報の保存期間を経過したりすると、匿名投稿者を特定するのが困難になってしまいます。
インターネット上で誹謗中傷をした加害者に対する法的措置を検討しているのなら、問題の投稿を見つけてからできるだけ早いタイミングで証拠保全を済ませたうえで、弁護士に発信者情報開示請求手続きに踏み出してもらうべきでしょう。
インターネット上で誹謗中傷に該当するような書き込み・動画・画像を投稿した人物の住所などを特定できれば、いよいよ民事責任を追及します。
誹謗中傷の投稿をした加害者に対する民事責任の追及の方法として、以下の3種類が挙げられます。
まず、不法行為に基づく損害賠償請求では、インターネット上の誹謗中傷によって生じた営業損害などを請求できます。
たとえば、SNSやGoogleの口コミ欄での誹謗中傷が炎上・拡散して店を営業できなくなったようなケースでは、通常の売上分を加害者に対して請求可能です。
次に、不法行為に基づく慰謝料請求では、誹謗中傷投稿によって生じた精神的損害に対する慰謝料を求められます。慰謝料の金額は個別事案によって異なりますが、一般的には「10万円~50万円」程度が相場とされます。
また、インターネット上での誹謗中傷をした投稿者に対しては、損害賠償請求とは別に、名誉を回復するための措置を求めることも可能です。たとえば、謝罪広告・謝罪文の掲載などが挙げられます。
これらの請求をするには、加害者との間で直接示談交渉を進めたり、民事訴訟を提起するなどの法的措置が必要です。
「インターネット上で誹謗中傷をするような加害者と直接やり取りをするのは嫌だ」と考えるなら、ネット上の名誉毀損トラブルを得意とする弁護士に依頼をするほうがスムーズでしょう。
「借金を踏み倒した債務者を見つけるため」「インターネット上で誹謗中傷に及んだ加害者の法的責任を追及するため」など、どれだけ正当な理由があったとしても、住所特定の際に何をやっても良いということにはなりません。
ここでは、違法な住所特定のやり方を紹介します。絶対に真似をしないように注意をしてください。
他人のSNSアカウントやインターネットサービスにログインすれば、住所などの個人情報を入手できます。
しかし、相手方の許諾がない状況において、対象者のアカウントなどに勝手にログインしてはいけません。
なぜなら、「不正アクセス行為の禁止等に関する法律」(通称「不正アクセス禁止法」)違反を理由に刑事責任を追及される危険性に晒されるからです。
不正アクセス禁止法では、以下の行為類型が禁止されています。
罪名 |
法定刑 |
具体例 |
不正アクセス罪 |
3年以下の懲役刑または100万円以下の罰金刑 |
他人のSNSアカウントやLINEなどに無断でログインする行為 |
不正取得罪 |
1年以下の懲役刑または50万円以下の罰金刑 |
嘘や詐称によって他人からパスワードなどのログイン情報を入手する行為 |
不正助長罪 |
1年以下の懲役刑または50万円以下の罰金刑 |
他人のSNSログイン情報を無断で第三者に教える行為 |
不正保管罪 |
1年以下の懲役刑または50万円以下の罰金刑 |
不正アクセスをする目的で他人のパスワードなどのログイン情報を保管する行為 |
不正入力要求罪 |
1年以下の懲役刑または50万円以下の罰金刑 |
公式サイトなどになりすましてパスワードを入力させるように求める行為 |
たとえば、住所特定をするために他人の消費者金融のマイページに不正にログインした場合、以下のリスクがあります。
仮に、不起訴処分が下されて刑事責任を追及することがなかったとしても、刑事手続きに巻き込まれるだけで実生活上にさまざまな支障が生じかねません。
何かしらの理由で住所特定が必要な状態になったのなら、不正な手段に出るのではなく、弁護士へ相談・依頼をして、プロバイダ責任制限法に基づく適法な法的措置に踏み出してもらいましょう。
他人の住所を特定する手段として「尾行」が挙げられます。
実際、探偵や興信所に住所特定を依頼した場合、尾行による調査活動がおこなわれるケースも少なくありません。
しかし、探偵や興信所に依頼をするのではなく、自分自身で尾行をするのは避けるべきでしょう。
なぜなら、尾行のやり方や程度次第では、「ストーカー行為等の規制等に関する法律」(通称「ストーカー規制法」)違反を理由に、「1年以下の懲役刑または100万円以下の罰金刑」の範囲で刑事責任を問われかねないからです。
たとえば、以下のような「つきまとい行為」を反復しておこなったときには、ストーカー規制法が適用されるリスクが生じます。
不正アクセス禁止法違反のケースと同じように、ストーカー規制法違反の容疑をかけられると、さまざまな刑事手続き上のペナルティを強いられかねません。
対象者を脅して強制的に住所を聞き出そうとすると、強要罪・脅迫罪に問われる可能性があります。
まず、強要罪とは、「本人または親族の生命・身体・自由・名誉・財産に対して害を加える旨を告知して脅迫したり、暴行を用いることによって、人に義務のないことをおこなわせたり、権利の行使を妨害したとき」に成立する犯罪類型のことです。強要罪の法定刑は「3年以下の懲役刑」と定められており、未遂犯も処罰対象に含まれます。
次に、脅迫罪とは、「本人または親族の生命・身体・自由・名誉・財産に対して害を加える旨を告知して脅迫したとき」に成立する犯罪類型のことです。脅迫罪の法定刑は「2年以下の懲役刑または30万円以下の罰金刑」と定められています。
たとえば、「住所を特定するぞ」と発言しただけなら強要罪・脅迫罪が成立する可能性は低いです。しかし、「住所を教えなければどうなっても知らないぞ」「家に火をつけられたくなかったら住所を自分から連絡してこい」などという表現を使うと、脅迫罪や脅迫罪の容疑で刑事責任を追及されかねません。
住所を特定したい対象者がいるとしても、自分自身で対象者に直接アプローチをかけるのはリスクが高いと考えられます。対象者と連絡などが取れる状況において「あとは住所を特定するだけで良い」という段階なら、弁護士に依頼をしてさまざまな交渉をおこなってもらうとスムーズでしょう。
相手方の住所特定が必要なシチュエーションによって、個人情報を特定するやり方は異なります。
また、戸籍謄本の入手、発信者情報開示請求などのさまざまな措置をとるにしても、法律に詳しくない素人では手続きをスムーズに進めることはできないでしょう。
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