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ネット誹謗中傷 弁護士監修記事 公開日:2018.10.17  更新日:2022.11.8

ネットいじめとは|子どもを追いつめる行為への対策ガイド

法律事務所アルシエン
清水陽平 弁護士
監修記事
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近年、子どもへのスマホ普及により、子どもがいじめに遭う場所がオフラインだけではなく、オンラインまで広がりを見せています。

ネットいじめに遭うことで、現実にもネットにも逃げ場がなく、余計に追い詰められてしまうという特徴があります。

身体にケガがない分、知らないうちに追い込まれて自殺に至ってしまう最悪のケースも想定されるでしょう。

子供がネットいじめに遭っていないか聞いても、相談できない子どももいます。

そのため、ネットいじめの特徴や対策などを確認しておくことが大切です。本記事では、ネットいじめの基礎知識や対策方法を徹底解説していきます。

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この記事に記載の情報は2022年11月08日時点のものです

ネットいじめの問題点と特徴

スマートフォンタブレットが、子供のコミュニケーションツールとして急速に普及しています。それに伴い、「ネット上のいじめ」の問題が起きています。SNS掲示板などで特定の子供に対する誹謗中傷の書き込みやうわさ話などをすることで、精神的な苦痛を与えるケースがみられます。

文部科学省でも、ネット上のいじめへの対策を行っており、対応マニュアルや事例集が作成されています。

ネットいじめの問題点

ネットいじめは、従来のいじめとは異なり、身体的な苦痛を与えるものではありません。その代わり、精神的な苦痛が、今までとは異質なものになってきているといえます。


従来のいじめでは、本人に直接言葉の暴力を浴びせるほか、根も葉もないうわさを広めたり、誹謗中傷したりしていました。一方、ネットいじめでは、それがSNSや掲示板上で行われます。

 

ネット上に投稿された文章は、投稿サイトによっても異なりますが、半永久的に残されることになり、生涯に渡っていじめられた記録が残ってしまいます。そのため、いじめられた子供は、より大きな精神的苦痛を感じやすいのです。

ネットいじめの特徴

従来のいじめは、学校内や通学路などで行われるため、自宅へ帰ってしまえば一応逃れることができました。しかし、ネットいじめは、スマホやタブレットに絶え間なく迷惑メールが送られてきたり、SNSや掲示板に誹謗中傷が書き込まれたりするため、気持ちが安らぐ時間がありません。

また、ネット上に個人情報などが書き込まれ、拡散されてしまった場合には、悪用される可能性があります。すべての書き込みに対して削除依頼をすることは非常に困難です。

さらに、学校でのいじめは、教師が把握しやすいですが、ネット上のいじめは状況を把握することが困難です。いじめの対象となる子供といじめをする子供は、短期間のうちに入れ替わりやすいという特徴も、状況把握を難しくしている要因です。

一方で、SNSや掲示板の誹謗中傷の書き込みは、いじめの証拠として残り、いじめた側の言い逃れを防ぐことができるという特徴もあります。

ネットいじめの主な行為と実例

ネットいじめの形はさまざまなので、それぞれに対策が必要です。どのような行為があるのか、ご紹介します。

SNSや掲示板での誹謗中傷

いじめ対象の子供自身が利用しているかどうかを問わず、SNSや掲示板で誹謗中傷をされます。

匿名掲示板への書き込み

掲示板は、匿名での書き込みが可能です。そのため、誰が悪口や誹謗中傷を書き込んだのかがわからないため、被害者は疑心暗鬼に陥ります。その結果、いじめには関係していない友人にも心を開けなくなった事例があります。

直接攻撃されるだけでなく、本人が知らないところで誹謗中傷されることで、いつの間にか人間関係が崩れてしまうのです。

SNSを利用したいじめ

グループチャットに1人だけ招待しなかったり、連絡できないようにブロックされたりして、疎外感を与えるいじめもあります。

インターネットは、電波さえあればどこでも利用できるため、いじめに加わる子供の数が膨れ上がりやすいという特徴もあります。エスカレートすると、対象となった子供がクラスの全員から避けられることもあるのです。

 

【関連記事】▶︎2chの削除依頼は弁護士に相談|削除方法と弁護士費用について

被害者がいじめられている画像や動画の拡散

悪質なネットいじめでは、いじめられている画像や動画が拡散されることもあります。

ネットは一瞬で世界中に拡散されてしまうため、拡散場所によっては一晩にして学校中に噂が広がってしまいます。

また、消されても誰かが保存してしまえば一生残ってしまうため、ずっとトラウマを抱えて生きることになってしまうでしょう。

ブログへの書き込み

たまたま知り合った中学2年生Aと中学生3年生Bは、一緒に遊んだ後に次回の約束をしました。しかし、ちょっとしたすれ違いによって遊びの約束が流れ、両者の仲は悪くなりました。そこで、中学2年生Aが中学3年生Bのブログを見つけ、友人と一緒に誹謗中傷を書き込んだという事例があります。

いじめというと、年上が年下に対して行うというイメージをお持ちの方も多いと思いますが、このように逆のパターンもあるのです。

迷惑メールの大量送信

迷惑メールや誹謗中傷のメールを、大量に送信するネットいじめもあります。複数人から送られてくることでパニックになり、人間不信になることも少なくないようです。

書き込みによって意図せず精神的な苦痛を与えてしまった事例

自分のブログに同級生のことを書いた結果、その同級生が誹謗中傷されたと思い込み、欠席しがちになった事例があります。

書いた本人には、誹謗中傷の意図はありませんでしたが、次に同級生に会ったときに挨拶を無視されたことに腹を立て、今度は意図的に誹謗中傷の書き込みをしました。その結果、同級生はさらに大きなショックを受け、不登校状態となりました。このように、きっかけは意図的でなくとも、いじめへとつながることもあるのです。

これは、ネットいじめの実例の一部に過ぎません。ネットいじめは、SNSや掲示板、ブログ、メッセージツールなどで日常的に行われています

ネットいじめへの対策は?

ネットいじめは、従来のいじめと同じく、被害者の人生を大きく狂わせることにつながりかねません。そのため、周りの教師や保護者が適切な対策をすることが大切です。

子供の異変に早く気づけるようにする

いじめられても、そのことを教師や保護者、仲がよい友人に打ち明けられない子供はたくさんいます。1人で抱え込むことで次第に苦痛に耐えられなくなり、欠席しがちになるのです。

また、匿名掲示板への誹謗中傷の書き込みによって人間不信に陥り、仲のよい友人とのコミュニケーションさえ取れなくなってしまうこともあります。最終的には不登校になり、今後の人生に大きな支障をきたすことも考えられるでしょう。

このような事態を防ぐためには、子供の異変にいち早く気づくことが大切です。保護者は、普段から子供の様子を注視しておく必要があります。普段の様子をきちんと把握しておけば、小さな変化にも気がつきやすくなるでしょう。

いじめられている子供は、次のようなサインを出すことがあります。

  • 笑顔が減る
  • 浮かない顔をしている
  • 学校に行きたがらない
  • スマホを触ることを怖がる
  • スマホのネットワーク接続を切っている
  • メールの着信音を消している
  • 友人の話をしなくなる
  • 友人と遊ばなくなる

 

もし当てはまることがあれば、何かあったか本人に尋ねてみてください。ただし、無理に聞き出すのではなく、話しやすい雰囲気を作り、しっかり向き合って話を聞いてあげましょう。自分が味方であり、状況を変えられることを伝えるのが大切です。

ネットツールの使い方を再教育する

ネットツールの使い方を改めて教えましょう。特に重視する点としては、他人を傷つけるようなことはしない、送信者不明のメールが来た場合は親に報告する、といったことが挙げられます。親の方で、一定の基準を満たさないサイトを表示させないようフィルタリング設定をするのも効果的でしょう。

ネットいじめの証拠を確保

ネットいじめの実態をつかみ、証拠を確保しましょう。いじめた側が書き込みを消しただけでは、いじめが解決したとはいえません。二度といじめをしないと約束させ、謝罪を求めましょう。

掲示板やSNS、ブログなどはURLを記録するだけでなく、スクリーンショットを撮っておくことが大切です。また、メッセージツールによっては、何度もスクロールをしてスクリーンショットを撮ることになるので、スクロールしているところの動画を撮るとよいでしょう。

証拠は、スマホの本体ではなくSDカードなどのメディアに保存し、さらにクラウド上にも保管することをおすすめします。

民事的・刑事的措置を検討する

ネットいじめの証拠を学校に提出して対応を依頼しても、迅速な解決が見込めない場合があります。十分な対策がされてもいじめがなくならない場合は、民事的・刑事的措置を検討しましょう。匿名であっても、IPアドレスからプロバイダを割り出し、そこから書き込んだ人物の個人情報を取得する手続きに移ることも可能です。

また、いじめをしている人物が名乗り出たとしても、一切謝罪せず、その後もいじめを続けるような場合もあります。このような場合は、その子供の保護者に指導を依頼することになりますが、保護者がいじめの事実を認めなかったり、指導をしなかったりするケースもあるのです。

そうした際は、民事的・刑事的措置をほのめかすことで、自分の子供がいじめをしていることを認め、指導をするようになる可能性があります。

弁護士への依頼も検討

民事的・刑事的措置を決めた場合は、弁護士に相談しましょう。専門知識が必要なため、当事者だけでは手続きがうまく進められない可能性がありますが、弁護士はそうした手続きに慣れています。また、弁護士に任せた方がIPアドレスや個人情報の開示請求が成功しやすくなる点もメリットです。

【関連記事】▶︎【弁護士監修】誹謗中傷の被害を相談できる窓口4つ

 

なお、2022年10月27日までに改正プロバイダ責任制限法が施行されます。改正プロバイダ責任制限法では、従来2段階の裁判手続が必要だった発信者情報開示請求を、1回の非訟手続によって行うことができるようになります。これにより、被害者側の負担が軽減すると考えられるでしょう。また、ログイン時情報の発信者情報開示請求は、一定の条件はあるものの、明文で認められるようになります。

子供を加害者側にしないためには?

自分の子供が加害者側になるケースもあることを頭に入れておかなければなりません。そうしないためにも、日頃の心がけと対策が大切です。

事前にできる対策

自分の子供を加害者にしないために、ネットツールの使い方を再教育しましょう。これは、いじめられないようにするための対策にもなります。ほかにできる対策はかなり限られています。学校での交友関係を細かく調べるところまではできないため、いじめに加わっていてもその親が気づくことは困難です。

ただ、いじめをしている子供は、特定の友人への態度が悪かったり、仲間外れにしていたりする傾向があります。自宅に友人が来たときの子供の対応や言動をチェックしておきましょう。

また、買い与えていないものを持っていたり、与えていないお金を持っていたりする場合は、いじめているこどもから奪っている可能性があります。

加害者になってしまったら?

もしも自分の子供が加害者になったことが判明してしまった場合でも、パニックにならず、適切に対処することが大切です。自分の子供がいじめをしていることが、受け入れられない方もいますが、事実と判明した場合は厳しく対応しましょう。

ただし、一方的に叱るのではなく、なぜいじめたのかを聞くことが大切です。いじめている理由も聞かずに頭ごなしに叱ると、再びいじめをする可能性があります。ただし、どのような理由があっても、いじめは絶対にしてはいけないことを伝えなければなりません。

いじめられた相手がどのような気持ちになるのかを諭し、相手のためにどのような対応をしていくべきなのか、きちんと向き合わせる時間を作りましょう。いじめた子供とその保護者へ謝罪をして、過ちを繰り返さないことを約束させてください。

プロバイダ責任制限法の改正による情報開示請求の変更点

2022年10月1日に改正プロバイダ責任制限法(特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律)が施行され、手続き等に変更がありました。主な違いは次の3点です。
 
➀新たな非訴手続きの創設
②開示情報の範囲の見直し
③発信者が開示を拒否した場合の理由照会の義務化
 
ここでは、これら変更点について簡単にお伝えします。

1回の手続きで情報開示請求できる新たな非訴手続きの創設

これまでは発信者情報を特定するために、「コンテンツプロバイダへの発信者情報開示仮処分」と「アクセスプロバイダへの発信者情報開示請求」の2つの裁判手続きが必要でした。
 
その分、発信者の特定まで時間と費用がかかるうえに、2回の裁判の途中でログ保存期間が経過し、発信者の特定が困難になるなどのデメリットがあったのです。
 
改正後は、新たな非訟手続として「発信者情報開示命令に関する裁判手続」が創設され、1回の手続で発信者情報の開示請求が可能になりました。非訟手続は訴訟以外の裁判手続のことで、訴訟に比べて手続きが簡易で柔軟な対応ができるのが特徴です。
 
新設された「発信者情報開示命令に関する裁判手続」では、「①裁判所に対する開示命令」「②コンテンツプロバイダとアクセスプロバイダに対する提供命令」「③アクセスプロバイダに対する消去禁止命令」を同時に申立てます。
 
このように、1つの裁判手続きで済むことと、消去禁止命令があることから、発信者の特定まで時間が短縮され、ログが消えて発信者情報の開示が困難になるのを防ぎ、より円滑に被害者の損害が回復されることが見込まれます。
 

既存の2段階の手続きも認められている

改正プロバイダ責任制限法では、既存の「発信者情報開示請求権にかかる手続き」による2段階の手続きも認められています。つまり、「発信者情報開示命令に関する裁判手続」と「発信者情報開示請求権にかかる手続き」のどちらの方法でも発信者情報の開示請求が可能です。
 
もっとも、新設の手続きではアクセスプロバイダとコンテンツプロバイダの間で必要な情報を相互に提供し合う必要があり、円滑に発信者情報の特定に至るか難しいケースも考えられます。
 
例えば、IPアドレスやタイムスタンプなどで発信者が特定可能な平易なケースであれば、新設の手続きを利用するのが理想でしょう。
 
一方、ポート番号など他の情報が必要なケースや、事前にプロバイダが強く情報開示を拒否すると予想されるケースなどは、既存の手続きを必要とする可能性が高く、ケースバイケースでどちらの手続きを選択すべきか判断することになります。

ログイン時情報を開示請求可能に

近年のSNSはログイン型サービスが主流になりました。同サービスではログインした状態で様々な投稿をおこないます。もっとも、そのようなログイン型サービスは、ログイン時のIPアドレスは保有しているものの、投稿時のIPアドレスを保有していないケースも少なくありません。
 
そして、ログイン時のIPアドレスは既存のプロバイダ責任制限法において「発信者情報」に該当するか明確になっておらず、開示されるかどうかは裁判所により個別に判断されていました。また、ログイン時の通信を媒介したプロバイダに関しては、開示請求の対象とはしていませんでした。
 
つまり、権利侵害を受けたにも関わらず発信者が特定できないケースもあったのです。
 
そこで改正プロバイダ責任制限法では、ログイン時のIPアドレスについて「特定発信者情報」と明文化し、ログイン時のIPアドレスについても開示請求権を認めました。さらに、ログイン時の通信を媒介したプロバイダも開示請求の対象と認めています。
 
これにより、ログイン型サービスにおいて、投稿時のIPアドレスが保存されていないケースであっても、ログイン時IPアドレスを特定発信者情報とし情報開示請求が可能になりました。
 
もっとも、ログイン時のIPアドレスの開示が認められるには「請求対象のプロバイダが特定発信者情報のみしか保有していない」など条件が設けられています。つまり、ログイン時の情報が開示されるのはログイン型サービスのみに限定される点に注意が必要です。

意見照会で発信者が情報開示に応じないときの理由の照会

既存のプロバイダ責任制限法では、発信者情報開示請求があった場合、プロバイダは発信者に対して意見照会をしなければならないと定められています。意見照会は簡単にいえば「発信者に対して情報を開示してもよいか確認すること」と表現できます。
 
改正プロバイダ責任制限法でも意見照会自体について定めがあるものの、新たに、「発信者が開示に請求に応じない場合にはその理由を照会する」旨の規定が定められました。
 
つまり、発信者が情報開示請求に応じない場合、プロバイダはその理由について聞き取りをしなければなりません。
 
これにより、発信者が情報開示に応じない理由を把握したうえで、プロバイダが適切な対応がとれるようになります。

まとめ

ネットいじめは、スマホやタブレットの普及によって増加しているため、保護者が正しい対策・対処法を身につけておくことが大切です。

いじめられる側だけではなく、いじめる側になる可能性もあります。どちらの場合も、保護者としては悲しい出来事となってしまうでしょう。

特に、いじめられている場合は、子供を守るために迅速に行動しましょう。場合によっては、弁護士への相談も検討することが大切です。

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この記事の監修者
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清水陽平 弁護士 (東京弁護士会)
インターネット上の法律問題について途を切り拓いてきた弁護士。​日本初の案件を多数取り扱っており、誹謗中傷の削除、発信者情報開示請求、損害賠償請求など、相談者のお悩みに沿った解決策を提案。

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相護士ナビ編集部

本記事はIT弁護士ナビを運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※IT弁護士ナビに掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。

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