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名誉毀損の対処法 弁護士監修記事 更新日:

源氏名でも名誉毀損が成立するケースと被害への対処法

弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤康二 弁護士
監修記事
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源氏名は一定の場所で使用するものなので、その名前のみで個人を特定することは、通常できません。しかし、源氏名と名称使用場所が併されば、特定は容易である場合もあります。

源氏名を挙げて他人を誹謗中傷する行為は、このように個人の特定ができる場合だと、名誉棄損やプライバシー侵害などの違法な権利侵害行為となる可能性があります。

この記事では、源氏名を挙げて行う誹謗中傷について名誉毀損となり得るケースや、ネットでその被害に遭った場合の対処法をご紹介します。

源氏名でも名誉棄損になる?と悩んでいるあなたへ

源氏名に対する誹謗中傷が名誉棄損に当たるかわからず、悩んでいませんか?

 

結論からいうと、源氏名であっても個人の特定が可能な場合は名誉毀損が成立するケースがあります。

ただし、法律知識のない個人で判断するのは難しいので、もし今すぐ著作権侵害を解決したい場合、弁護士に相談・依頼するのをおすすめします

 

弁護士に相談・依頼すると以下のようなメリットを得ることができます。

  • 投稿が名誉棄損に当たるか判断してもらえる
  • 依頼すれば、発信者情報開示請求で相手を特定してもらえる
  • 依頼すれば、損害賠償請求してもらえる

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源氏名でも名誉毀損が成立する可能性はある

名誉毀損は対象となる個人が特定されていなければ、成立しません。

名誉毀損の成立要件の1つである『社会的評価を低下させる可能性がある』という要件を満たさないためです。

すなわち、匿名やHNを挙げて人を誹謗中傷しても、そこから個人の特定が困難である場合には、特定個人の社会的評価が低下するとは認められず、名誉毀損は成立しないのです。

源氏名も単に名称だけ挙げるのであれば、個人の特定は困難であり名誉毀損が成立する可能性は低いと言えます。しかし、源氏名でも個人の特定が可能な場合には、名誉毀損が成立する可能性は十分にあります。

源氏名を挙げて個人を誹謗中傷する行為が名誉毀損となり得るケース

名誉毀損が成立するには、以下の要件をすべて満たしている必要があります。

名誉毀損が成立する要件

  • 社会的評価を低下させる可能性がある
  • 具体的な事実を挙げている
  • 公然の場である

詳細記事 名誉毀損とは|成立する要件と訴える方法をわかりやすく解説

源氏名を示して他人を誹謗中傷する行為は、上記の「社会的評価を低下させる可能性がある」かどうかが問題となります。以下、例を挙げて検討します。

名誉毀損になる可能性があるケース

  • 歌舞伎町A店の愛ちゃんはホスト狂いで多額の借金がある
  • 吉原の角町通りB店にいるアンナちゃんは枕営業をしている
  • 中州新橋C店のマリンは性病を持っている

※店名や源氏名は架空のものです。

上記のように、源氏名だけでなく、それを使用している店を併記すると、該当者は非常に限定されるため、個人の特定は容易になります。

このような場合には、通常一般人であれば「あの人のことだ」と個人を特定することができるため、名誉毀損は成立し得ます。

名誉毀損となる可能性が低いケース

上記のように店名を併記せず、単に源氏名だけを挙げた場合には通常は個人の特定が困難ですので、名誉毀損が成立する可能性は低いです。

しかし、当該源氏名が社会的に広く知れ渡っており、源氏名だけで特定個人を容易に連想できる場合には、源氏名は特定個人の通称として通用します。

そのような場合は、源氏名だけを挙げて誹謗中傷をする行為にも名誉毀損は成立し得ます。

その他要件との関係

源氏名の問題とは別問題として、以下のようなケースでは名誉毀損が成立する可能性は乏しいです。

  • メールやラインでの誹謗中傷
  • 個人の主観による誹謗中傷

上記のような誹謗中傷は、公然性がなかったり、具体的事実を挙げたりして、名誉毀損を立証することは難しいでしょう。

プライバシー侵害となる可能性も

源氏名を挙げて個人を誹謗中傷する行為には、名誉毀損となるだけでなく、プライバシー侵害となる可能性もあります。

例えば、源氏名の特定可能性がある状況で、その人物について以下のような情報を投稿したような場合には、プライバシー侵害が成立する可能性があります。

  • 前科、過去の犯罪行為
  • 疾病(持病・病歴)その他身体的特徴
  • 住所、電話番号
  • 身分行為(結婚・離婚)

プライバシー侵害の成立要件

  • 私生活上の事実または事実と受け取られる可能性がある
  • ①の事実が公開されていないものである
  • ①の事実が通常は公開を欲しないものである

詳細記事 プライバシー侵害とは|成立要件と事例(判例)で具体例を解説

万が一、名誉毀損やプライバシー侵害の被害に遭っている場合には、以下で紹介する対処法を参考にしていただければ幸いです。

名誉毀損の被害に遭った場合の対処法

ネットで名誉毀損の被害に遭った場合の対処法は、主に以下の2通りです。

  • サイトへ削除依頼を出す
  • 犯人を特定して訴える

悪評が広がるのを防ぐことを優先するのであれば①の対処法を検討するべきですし、加害者本人への責任追及を優先するのであれば、②の対処法を検討するべきでしょう。

サイトへ削除依頼を出す

大半のサイトでは、名誉毀損やプライバシー侵害に該当するような違法性のある投稿は、利用規約で禁じられています。

『お問い合わせ』や『削除依頼フォーム』から規約違反を報告することで、投稿の削除に応じてもらえる可能性が高いです。

削除依頼の出し方はサイトによって変わりますので、利用規約を確認の上、ルールに従って申請を行いましょう。

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なお、もし削除に応じてもらえなかった場合には、裁判(仮処分)での対応を検討する必要があります。その場合は、弁護士のアドバイスを参考にしてみてください。

加害者への責任追及

書き込みをした加害者への責任追及(慰謝料請求や刑事告訴)を検討している場合は、まず相手の身元を特定する必要があります。

身元特定の手続きの流れは、以下の通りです。

  1. 名誉毀損の投稿サイトIPアドレスの開示請求
  2. 仮処分(※開示に応じてもらえなかった場合)
  3. IPアドレスからプロバイダの特定
  4. プロバイダへ投稿者の個人情報開示請求
  5. 裁判(※開示に応じてもらえなかった場合)
  6. 身元特定

詳細記事 ネット誹謗中傷の特定方法|書き込み犯人を調べる費用の相場は?

なお、上記の手続きでは、裁判が必要になる場合がほとんどです。専門知識がないと対応が難しいため、弁護士へ依頼して手続きに臨むケースが一般的です。

犯人を特定した後、民事訴訟で権利侵害の被害を立証できれば、損害賠償(慰謝料など)の請求が認められるでしょう。

権利侵害の慰謝料相場

名誉毀損(一般人)

10〜50万円

名誉毀損(法人)

50〜100万円

プライバシー侵害

10〜50万円

プライバシー侵害(ヌード写真の公開)

100万円以上

また、2022年10月27日までに改正プロバイダ責任制限法が施行されます。改正プロバイダ責任制限法では、従来2段階の裁判手続が必要だった発信者情報開示請求を、1回の非訟手続によって行うことができるようになります。これにより、被害者側の負担が軽減すると考えられるでしょう。また、ログイン時情報の発信者情報開示請求は、一定の条件はあるものの、明文で認められるようになります。

名誉毀損の被害は弁護士への相談がおすすめ

投稿の削除依頼なら個人でも対応可能ですかもしれませんが、仮処分での削除申請や加害者の特定をするとなると個人では対応しきれないことも多いです。

もしご自身だけでの誹謗中傷トラブル解決が難しい場合は、IT分野を得意とする弁護士への相談をご検討ください。

法律相談をしたら必ず依頼することになるわけではありません。まずはご自身の状況での最善の対処法を確認し、その後で依頼をするか判断されることをおすすめします。

弁護士費用の相場

弁護士への依頼費用の相場は、以下の通りです。

 

着手金

報酬金

裁判費用

削除依頼

裁判外

約5~10万円

約5~10万円

×

裁判

約20万円

約15万円

3万円

発信者の身元特定

裁判外

約5~10万円

約15万円

×

裁判

約20~30万円

約15~20万円

6万円

損害賠償請求

裁判外

約10万円

慰謝料の16%

×

裁判

約20万円

慰謝料の16%

3万円

弁護士費用は依頼先の事務所やサイトによって、金額や料金体型が異なります。費用の詳細については、法律相談の際に詳しく確認しておきましょう。

被害の相談先を選ぶコツ

弁護士であれば、すべての法律問題の解決経験があるわけではありません。弁護士にも得意とする分野と経験が浅い分野があります。

そのため、ネットの誹謗中傷トラブルを依頼する場合には、IT分野に注力している法律事務所から、相談先を検討するべきでしょう。

依頼先を選ぶ際には、弁護士の過去の解決実績が重要な判断材料になります。

なお、当サイト『ベンナビIT(旧:IT弁護士ナビ)』では、ネット誹謗中傷トラブルに注力している弁護士のみを掲載しています。相談先探しにぜひ参考にしてみてください。

まとめ

源氏名に対するネット誹謗中傷でも、以下の2つを満たしている場合には、名誉毀損が成立する可能性があります。

  • 投稿内容から現実のあなたを特定できる
  • 具体的事実によってあなたの外部的評価が低下する可能性がある


また、本名や住所など個人情報を晒された場合には、プライバシー侵害の被害が認められる可能性もあります。

多くの人に悪評が広まってしまう前に、すぐ削除手続きに着手しましょう。もし、ご自身での対応が難しい場合は、弁護士への法律相談をご検討ください。

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この記事の監修者
弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤康二 弁護士 (第二東京弁護士会)
アンダーソン・毛利・友常法律事務所を経て2014年8月にプラム綜合法律事務所を設立。企業法務から一般民事、刑事事件まで総合的なリーガルサービスを提供している。
ベンナビIT(旧IT弁護士ナビ)編集部
編集部

本記事はベンナビIT(旧IT弁護士ナビ)を運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※ベンナビIT(旧IT弁護士ナビ)に掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。
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