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Googleの口コミで訴えられたらどうする?対処法と流れを解説

Googleの口コミ欄に悪質なレビューを書き込むと、店舗や企業側から訴えられることがあります。

しかし、会社やお店から訴えられるのはほとんどの人が初めて経験することです。突然自宅に訴状が届き、どうしたらいいかわからずに悩んでいる方も多いのではないでしょうか。

本記事では、Googleの口コミについて訴えられたときの対処法を解説します。適切な対処法を知っておくことで、賠償責任などを最小限に抑えましょう。

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目次

Googleの口コミで訴えられた!どんな罪に問われる可能性がある?

Googleの口コミが原因で訴えられたときに問われる可能性がある罪には、主に以下3つがあります。

  • 名誉毀損罪
  • 侮辱罪
  • 偽計業務妨害罪・信用毀損罪

それぞれの犯罪類型について、以下で詳しく解説します。

名誉毀損罪 | 事実を示して公然と相手の名誉を傷つけた場合

名誉毀損罪とは、「公然と事実を摘示し、人の名誉を毀損したとき」に成立する犯罪類型のことです。

名誉毀損罪の法定刑は、「3年以下の懲役もしくは禁錮または50万円以下の罰金」と定められています。

わかりやすく表現すると、名誉毀損罪が成立するのは「不特定または多数人に触れる公の場所で、他人の社会的評価を信用させるおそれがある具体的な事実を示した場合」です。

Googleの口コミに悪口・誹謗中傷を投稿したケースでは、公然性の要件を満たすのは間違いないので、「社会的評価を低下させる具体的事実といえるのか」が名誉毀損罪の成否を左します。

たとえば、Googleの口コミに以下のような投稿をした場合、名誉毀損罪で訴えられる可能性があるでしょう。

  • 〇〇は腐った食材を客に提供して無駄に高い料金を請求する詐欺師みたいな飲食店だ
  • 〇〇の従業員は嘘の商品説明をして何も理解していない老人に必要のない長期プランを締結させている
  • 〇〇で和菓子を購入したら体調が悪くなった。賞味期限を偽装しているに違いない悪質な店舗だ
  • 〇〇はGoogleのコメント欄を不正に操作して高評価を演出している。実際に店舗を訪問したことがあるが、不味くてとても人間が食べられる料理は提供されない

なお、社会的評価を低下させる具体的な事実に該当するか否かは、個別具体的な事情を前提に判断される点に注意が必要です。

「〇〇という言葉を使ったから名誉毀損罪に該当する」という単純なものではなく、文言・語調・文脈・回数などが総合的に考慮されます。

仮に名誉毀損罪で刑事訴追されたとしても、防御活動の展開次第で、名誉毀損罪ではなく侮辱罪の適用に変更されたり、刑事訴追自体を回避できたりするので、刑事訴追のリスクに晒されているときには速やかに弁護士へ相談してください。

侮辱罪 | 事実を示すか否かを問わず公然と相手を侮辱した場合

侮辱罪とは、「事実を摘示することなく、公然と人を侮辱したとき」に成立する犯罪類型のことです。

侮辱罪の法定刑は、「1年以下の懲役もしくは禁錮もしくは30万円以下の罰金または拘留もしくは科料」と定められています。

侮辱罪と名誉毀損罪は「事実の摘示の有無」という点が異なります。

社会的評価を低下させる具体的事実を示しながら誹謗中傷などをおこなった場合は名誉毀損罪が適用されますが、社会的評価を低下させるような具体的事実を示さずに悪口を投稿した場合には侮辱罪が適用されます。

Googleの口コミに対して侮辱罪が適用される可能性があるのは、以下のようなケースです。

  • 飲食店〇〇の料理はまずい
  • 携帯ショップ〇〇の従業員はブスしかいない
  • 株式会社〇〇はブラック企業だ

なお、実際に侮辱罪が適用されたケースについては、「侮辱罪の事例集|法制審議会刑事法(侮辱罪の法定刑関係)部会 3 第1回会議配布資料」を参考にしてください。

偽計業務妨害罪・信用毀損罪 | 相手の信用を毀損したり業務妨害をしたりした場合

Googleの口コミの内容次第では、業務妨害罪・信用毀損罪の容疑で刑事訴追される可能性もあります。

信用毀損罪・業務妨害罪の法定刑は、「3年以下の懲役または50万円以下の罰金」と定められています。また、それぞれの成立要件は以下のとおりです。

  • 信用毀損罪:虚偽の風説の流布または偽計によって人の信用を毀損したとき
  • 業務妨害罪:虚偽の風説の流布または偽計によって人の業務を妨害したとき

虚偽の風説の流布とは、「少なくとも一部が客観的真実に反する噂や情報を不特定または多数人に伝播すること」です。また、偽計とは「人を欺罔したり、人の錯誤や不知を利用すること」を意味します。

たとえば、Googleの口コミ欄に「〇〇という飲食店は暴力団関係者が経営しているので迂闊に訪れないほうが良い」と書き込んだ結果、そのコメントが拡散されて通常通りに営業ができなくなったときには、業務妨害罪が成立する可能性が高いです。

また、「飲食店〇〇はまずい料理しか出さないから訪問するべきではない」というような正当なレビューに見えるような投稿でも、何百件も繰り返して書き込んだようなケースでは、信用毀損罪で摘発されることもあるでしょう。

Googleの口コミで民事責任を問われ訴えられる場合もある

Googleの口コミ欄に誹謗中傷や悪口などのネガティブな書き込みをした場合、被害者側から民事責任を追及される可能性があります。

口コミで損害賠償を請求される可能性がある4つのパターン

Googleの口コミ欄への書き込みが原因で民事上の責任を追及される典型例が、賠償責任を追及されるパターンです。

民法では、不法行為に基づく損害賠償請求・慰謝料請求によって、被害者側に生じた損害について金銭賠償を求めることが認められています。

なお、不法行為に基づく損害賠償請求・慰謝料請求が認められるのは、不法行為が原因で被害者に「権利侵害」が生じたときに限られます。

ここでは、損害賠償請求・慰謝料請求の根拠になる「権利侵害」の種類別に、賠償請求の範囲などについて解説します。

「名誉権侵害」を根拠とするパターン

名誉権とは、事実上の社会的評価である外部的名誉・事実的名誉のことです。

社会から受けている評価を侵害された場合に、不法行為に基づく損害賠償請求の対象となります。

たとえば、「飲食店〇〇は腐った食材を提供している」というGoogleの口コミは、飲食店の社会的評価を低下させるものなので、名誉権を侵害していると判断される可能性が高いでしょう。

ここで注意すべきは、刑法の名誉毀損罪が適用される範囲と、名誉権侵害を理由に民事上の不法行為責任が認められる範囲にはズレがあるという点です。

わかりやすく説明すると、刑法の名誉毀損罪が適用されるのは「公然と事実を摘示したとき」に限られる一方で、民事上の不法行為責任は「公然と事実を摘示したとき + 公然と名誉権を侵害する程度の意見・論評をしたとき」に発生します。

Googleの口コミでは、店舗や企業に対して正当な批判が寄せられることも少なくありません。

店舗・企業側にとってネガティブな内容だからといって、常に「名誉権を侵害している」と判断されてしまうと、人々の表現の自由が侵害されてしまいます。

そのため、以下の要件を満たす場合には、ネガティブな意見・論評をしたとしても、民事上の不法行為責任は免責されるとするのが判例実務です。

  1. 意見・論評が公共の利害に関する事実に関わるものであること
  2. 意見・論評がもっぱら公益を図る目的でおこなわれたこと
  3. 意見・論評の前提としている事実が重要な部分について真実であること
  4. 人身攻撃に及ぶなど、意見・論評としての域を逸脱したものではないこと

たとえば、Googleの口コミ欄への書き込みが全くの事実無根である場合、粗暴な語調で攻撃的なものである場合などでは、投稿主がどれだけ本気で批判をしたつもりであったとしても、民事上の不法行為責任を強いられる可能性が高いでしょう。

「名誉感情の侵害」を根拠とするパターン

名誉感情とは、本人が自分自身に対して抱いている感情・自尊心・意識のことです。

名誉権が社会的・外部的な評価であるのに対して、名誉感情は主観的な評価を意味します。

たとえば、「飲食店〇〇はクズ」「アパレルショップ〇〇の店員はブスしかいない」など、「事実の摘示」の存在しない感情的な口コミをGoogleに投稿した場合には、名誉感情の侵害を理由に不法行為責任を問われる可能性があるでしょう。

「プライバシー侵害」を根拠とするパターン

プライバシー権とは、私生活をみだりに公開されない権利のことです。

自分に関する情報を公開するかどうか、公開したとしてどのように取り扱われるのかなど、私生活上の情報・個人情報は、情報の帰属先が自由に決定できます。

たとえば、写真撮影禁止の店舗の外観や従業員を勝手に撮影してGoogleのコメント欄にアップロードする行為などは、プライバシー侵害を理由に不法行為責任を追及される可能性があります。

「営業権侵害」を根拠とするパターン

営業権とは、企業や個人が自由に経済活動を営むことができる権利のことです。

たとえば、Googleのコメント欄での誹謗中傷や的外れな批判コメントが原因で、企業や店舗の営業に支障が生じたり、売上が低下したりすると、不法行為に基づく損害賠償請求によって逸失利益を請求される可能性があります。

謝罪広告の掲載など名誉回復措置を請求される可能性もある

Googleの口コミ欄への書き込みが民事責任の対象になる事案では、金銭賠償以外に「名誉を回復するのに適当な処分」を実施するように命じられることもあります(民法第723)。

名誉回復措置の具体例として、謝罪広告・取消広告・訂正広告の掲載、ホームページやSNSアカウントでの謝罪文の投稿などが挙げられます。

Googleの口コミで刑事責任を問われ訴えられた場合の流れ

Googleのコメント欄に犯罪の疑いがある口コミを投稿すると、刑事訴追をされる可能性あります。

ここでは、刑事責任を問われるときの手続きの流れについて解説します。

1.発信者情報開示請求をされる

Googleのコメント欄は、Googleアカウントがあれば誰でも書き込めるうえ、個人情報を晒さずに匿名でも登録できます。

しかし、口コミを書かれた側が法的措置に踏み出すと、プロバイダ責任制限法(正式名称「特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律」)に基づく発信者情報開示請求によって、匿名投稿者の個人情報が入手されてしまいます。

2022年10月には、プロバイダ責任制限法が改正されて、従来のコンテンツプロバイダ及びアクセスプロバイダに対するログの開示請求手続きなどをひとつの非訟事件内で完結できるようになりました。以前よりも匿名アカウントの特定作業が容易になったため、「匿名で口コミに投稿したら大丈夫だろう」と油断するのは厳禁です。

また、Googleへの口コミ内容の悪質性が高く、被害者に看過しがたいデメリットが生じているような事案では、刑事告訴を受理した捜査機関側が匿名投稿者の個人情報を特定することもあります。

2.被害者による告訴・警察による捜査

Googleの口コミで誹謗中傷などが投稿された場合は、通常は被害者が警察に告訴状・被害届を提出することによって刑事手続きがスタートします。

告訴状や被害届を受理した警察は、被疑事実について捜査活動を開始します。

被害者本人や関係者に対する参考人聴取が実施されたり、被害者側から提出された証拠がチェックされたりします。

また、違法性の疑いがある口コミを書き込んだ被疑者に対する事情聴取も実施されるでしょう。

捜査機関からの出頭要請や事情聴取に応じるか否かはあくまでも任意ですが、正当な理由もないのに出頭要請・事情聴取を拒絶すると、証拠隠滅や逃亡のおそれがあると判断されて、逮捕されるリスクが生じかねません。

名誉毀損罪などの容疑で逮捕されると、身柄拘束をされて強制的に取調べを受ける必要があります。

身柄拘束から72時間以内、勾留された場合には最長23日間、留置施設から出ることもできませんし、外部と連絡を取ることも許されません。逮捕・勾留されたことを会社や家族に隠し通すのも難しくなってしまいます。

Googleのコメント欄への口コミを理由に刑事訴追されたときには、弁護士のアドバイスを参考にしながら、捜査活動に対して真摯・誠実に対応することを強くおすすめします。

3.起訴状が届く

Googleの口コミ欄への書き込みについての捜査活動の結果、「刑事裁判にかける必要がある」と検察官が判断した場合には、起訴処分が下されます。

起訴処分が下されるときの流れは以下のとおりです。

  1. 検察官が裁判所に対して公判請求をする(起訴状を提出する)
  2. 裁判所が起訴状を受理するか否かを判断する
  3. 裁判所が被告人に対して特別送達の方式で起訴状を郵送する(郵便法第49

起訴状には、「被告人を特定できる事柄(氏名、年齢、住所、本籍、職業など)」「公訴事実」「罪名・罪状」が記載されています。

今後、起訴状に記載された被疑事実について刑事裁判が開廷されて、Googleの口コミ欄での誹謗中傷などについて審理が進められます。

なお、日本

なお、日本の刑事裁判の有罪率は約98%以上とも言われており、基礎処分になった場合、有罪判決となる場合がほとんどです。

そのため、防御活動の観点からすると、「不起訴処分・起訴猶予処分を獲得すること」が重要だといえるでしょう。

起訴猶予処分を獲得するには、早期の段階で被害者との間で示談交渉を進めるなどが必要です。必ず刑事弁護を得意とする専門家へ相談・依頼をしてください。

また、任意の事情聴取に対応したにもかかわらず、捜査機関側から何の連絡もないときには、不起訴処分が下された可能性があります。

担当検察官に連絡をすれば不起訴処分が下されたかどうかがわかるので、不起訴処分告知書を請求するとよいでしょう。

4.刑事裁判

起訴状が届いてから約1カ月~2カ月後の時期を目安に、公開の刑事裁判が開廷されます。

公開の刑事裁判では、公判期日にて、冒頭手続き・証拠調べ手続き・弁論手続きが実施されます。

なお、Googleの口コミ投稿に対して侮辱罪や名誉毀損罪の容疑をかけられたときには、通常の起訴処分ではなく「略式起訴」という方式が選択されることも少なくありません。

略式起訴とは、「簡易裁判所の管轄事件について、被疑者の同意がある場合に限って、正式裁判手続きを省略して、略式命令のみによって100万円以下の罰金または科料を科すことができる簡素化された刑事手続き」のことです。

略式起訴に同意をすると、公開の刑事裁判で反論する機会を放棄することになりますが、一方で、素早く罰金刑が確定されるので、社会生活復帰のタイミングが早くなるメリットがあります。

略式起訴に同意するべきか否かは事案の状況によって異なるので、必ず弁護士の意見を参考にしてください。

5.判決

刑事裁判での各種手続きが終了すると、裁判所が事件について最終的な判決を下します。

たとえば、実刑判決が下されると、刑期を満了するまで服役をしなければいけません。罰金刑が確定すると、裁判所から指定された金銭の納付義務が生じます。

なお、インターネット上での誹謗中傷が原因で刑事訴追されたような事案では、初犯の場合、いきなり実刑判決が下されるのではなく、執行猶予付き判決が下されることが多いです。

とはいえ、実刑・罰金・執行猶予付き判決のいずれであったとしても、有罪判決であることには変わりないので、全て「前科」と扱われる点に注意が必要です。

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Googleの口コミで民事責任を問われ訴えられた場合の流れ

Googleのコメント欄への口コミが原因で、民事責任を追及されるときの流れについて解説します。

発信者情報開示請求をされる

刑事責任を追及される場面と同じように、まずは被害者側が加害者である匿名投稿者の個人情報を入手するために、発信者情報開示請求などの法的措置に踏み出します。

内容証明郵便が届く

発信者情報開示請求などの法的措置によって加害者側の個人情報が被害者に開示されると、加害者本人もしくは先方の代理人弁護士から内容証明郵便が届くのが一般的です。

慰謝料請求やその他の和解条件について記載されているので、内容を確認のうえ、対応方法を検討してください。

なお、誹謗中傷の被害者側から届いた内容証明郵便を無視してはいけません。

配達記録付き内容証明郵便が届いた以上、「受け取っていない」という言い訳は通用しませんし、示談交渉段階で誠実に対応することによって紛争の早期解決を期待できるからです。

3.相手と示談交渉をして和解が目指される

次に、被害者側との間で示談交渉をおこないます。

示談交渉とは、私人間の紛争について民事裁判ではなく、当事者間による合意によって解決を目指すことです。

慰謝料額や慰謝料の支払い方法、将来的に被害者宛てに口コミを書き込まない旨の誓約条項など、紛争解決に必要な諸条件について当事者間で話し合いを実施します。

被害者側からの示談交渉の打診に応じるか否かは自由です。ただし、示談交渉に全く応じる姿勢を見せなければ民事訴訟を提起されて紛争が長期化するだけですし、「民事的な解決に至っていないこと」を理由に重い刑事処分が下されるリスクも生じます。

誹謗中傷をされた被害者側のなかには、強気な示談条件を提示してくるケースも少なくありません。

加害者側として示談交渉には誠実に対応するべきですが、被害者側からの無理難題を全て受け入れる必要もありません。

弁護士へ依頼をすれば、口コミの内容などを踏まえたうえでの現実的な示談条件で合意できるように最善を尽くしてくれるでしょう。

4.訴状(副本)が届く

誹謗中傷の被害者側との示談交渉が上手くいかなかった場合や、被害者側が示談交渉自体を拒否した場合には、民事訴訟に移ります。

被害者側に民事訴訟を提起されると、自宅もしくは依頼をしている弁護士事務所宛に訴状が郵送されます。訴状が届いた場合、被害者側が裁判所に訴えを提起したことを意味します。

訴状を受け取ったときには、決して無視してはいけません。

民事訴訟手続きを無視したまま時間が経過すると、被害者側の主張・請求内容がそのまま認められた判決内容が下されてしまうからです。

「知らなかったから」「身に覚えがないから」という言い訳は一切通用せず、被害者側の主張だけが全面的に採用された判決内容にしたがった金銭賠償義務が生じます。

民事訴訟で訴えられたときに実施するべき対応方法は以下2つです。自分だけで対応するのが難しいなら、速やかに弁護士の元へ訴状を持参してアドバイスを求めてください。

  • 訴状に同封されている「答弁書」を作成して、指定された期日までに裁判所に返送する
  • 訴状に同封されている「呼出状」に記載された日時に裁判所に出頭する(日時の都合がつかないときには事前に裁判所へ連絡を入れて変更などを依頼する)

5.複数回の口頭弁論期日・弁論準備期日

民事訴訟の手続きは、複数の弁論準備期日・口頭弁論期日をかけて、論点整理や証拠調べが実施されます。

双方の主張が折り合わないときや、論点が多岐にわたるときには、民事訴訟手続きが年単位に及ぶことも少なくありません。

弁論準備期日・口頭弁論期日には加害者本人が出席することも可能です。ただし、インターネット上の誹謗中傷事件では、被害者側が弁護士を代理人に選任しているケースがほとんどです。加害者側が弁護人を選任しなければ、被害者側に有利に民事訴訟手続きが進められかねません。

一定の弁護士費用は発生するものの、民事紛争が訴訟段階に移行した場合には、弁護士に手続きを一任したほうがよいでしょう。

6.和解、または判決

民事訴訟手続きが進行している途中でも、当事者間で示談交渉を継続することは可能です。

口頭弁論期日で実施された証拠調べ手続きの状況を踏まえて、裁判所が和解を進めてくることもあります。

当事者間で紛争解決条件について和解契約を締結できれば、判決言い渡しの前に民事的な解決に至ります。

一方で、当事者間で和解に至らなければ、口頭弁論期日に提出された証拠などを総合的に考慮したうえで、裁判所が慰謝料などについて最終的な判決を言い渡します。

Googleの口コミで悪口・誹謗中傷を書き込んだ事案の慰謝料額は個別事案の状況によって異なりますが、一般的な慰謝料相場は以下のとおりです。

  • 被害者が個人の場合:10万円~50万円
  • 被害者が企業の場合:50万円~100万円

なお、確定した判決どおりに慰謝料を支払わなければ、強制執行によって財産・給与などが差し押さえられる可能性も生じます。

一度に高額の慰謝料を支払うのが難しいのなら、示談段階で慰謝料の支払い条件についても交渉を進めましょう。

Googleの口コミで訴えられた場合の対処法

Googleのコメント欄に書き込んだ口コミが原因で訴えられた場合に実施するべき対処法を3つ解説します。

すみやかに弁護士に相談・依頼をする

口コミ欄への書き込みが原因で訴えられたときには、弁護士へ相談・依頼することを強くおすすめします。

なぜなら、インターネット上の誹謗中傷トラブルを得意とする弁護士の力を借りることで、以下のメリットを得られるからです。

  • 刑事訴追をされたとしても、逮捕・勾留を回避して、在宅事件化を目指してくれる
  • 刑事訴追された場合でも、不起訴処分(起訴猶予処分)獲得を目指した防御活動を展開してくれる
  • 刑事で訴えられて起訴処分が下されたとしても、実刑判決回避に向けた防御活動に尽力してくれる
  • 被害者との示談交渉を代理したうえで、現実的な示談条件を被害者側から引き出してくれる
  • 誹謗中傷トラブルが民事訴訟に発展しても、口頭弁論期日への出席や証拠の準備などを全て対応してくれる

普段の学校生活や社会人生活と並行しながら加害者本人が各種法的手続きに対応するのは現実的ではありません。

ベンナビITでは、インターネットの誹謗中傷トラブルの対応に慣れた弁護士を多数紹介しているので、できるだけ早いタイミングで信頼できそうな弁護士まで連絡をしてください。

相手と示談交渉をする

Googleの口コミ欄で誹謗中傷をした被害者側から訴えられたときには、速やかに示談交渉を開始するのがおすすめです。

早期の示談交渉は、民事責任・刑事責任の両方においてもメリットでしかありません。

まず、早期に示談が成立すれば、民事訴訟への対応を回避できるというメリットを得られます。

誹謗中傷トラブルが民事訴訟に発展すると、最終的な判決に至るまでに1年以上の期間を要することもあるので、示談交渉段階で和解成立に至ることで時間・労力の大幅節約を達成できるでしょう。

次に、示談成立による民事的解決には、刑事責任を回避・軽減できるというメリットももたらします。

たとえば、警察に刑事告訴をする前の段階での示談交渉で、「慰謝料を支払う代わりに刑事告訴をしない」旨の条項を盛り込んでおけば、刑事責任を追及されるリスクはゼロになります。

先に刑事告訴をされてしまったケースでも、示談が成立していることによって「当事者間での話し合いで紛争が解決した」「被害者側の処罰感情がなくなった」と捜査機関が判断してくれるので、軽い刑事処分を獲得しやすくなるでしょう。

弁護士費用が支払えない場合は法テラスの利用を検討する

Googleのコメント欄で誹謗中傷などをした結果、被害者側から訴えられたときには、弁護士のサポートが不可欠です。

ただし、弁護士に相談・依頼をする以上、一定の弁護士費用が発生する点に注意が必要です。

法律事務所ごとに報酬体系は異なりますが、最低でも十数万円の費用負担は覚悟しなければいけません。しかし、なかには経済的な理由から弁護士費用の負担が難しいという方もいるでしょう。

「高額の弁護士費用を支払うのは難しい」という場合は、日本司法支援センター(法テラス)に連絡するのがおすすめです。

法テラスでは、無料の法律相談機会を提供しているだけではなく、一定の資力要件・資産要件を満たす経済的困窮者を対象に、民事法律扶助制度を用意しています。

経済的な理由で法律事務所にアクセスするのを躊躇している方は、まずは法テラスに連絡をして、インターネット上での誹謗中傷トラブルの今後の方向性や費用負担などについてアドバイスをもらいましょう。

Googleの口コミで訴えられる場合についてよくある質問

Googleのコメント欄への口コミが原因で訴えられた方からよく寄せられる質問をQ&A形式で紹介します。

星1つの低評価をつけただけでも訴えられる?

Googleの仕様上、星をいくつつけるかはユーザー側の自由です。星1つの評価はユーザー側個人の感想でしかないので、星1つをつけられた側の権利・自由などは一切侵害していないと考えられます。

そのため、星1つの低評価をつけただけで訴えられる可能性は極めて低いといえるでしょう。

ただし、星1つの低評価をする際に法律に違反するようなコメントを付した場合や、複数のアカウントを使用して星1つだけをつけ続けたような場合には、被害者側から何かしらの法的措置をとられる可能性があるので注意が必要です。

口コミの内容が事実であっても訴えられてしまう?

たとえば、刑法上の名誉毀損罪は、「事実の摘示内容の真偽にかかわらず」成立するとされています。

つまり、口コミの内容が事実であったとしても、被害者側の社会的評価を低下させる事実を書き込んでしまうと、訴えられる可能性があるということです。

ただし、口コミの内容について、公益性・公共性がある場合には、当該書き込み内容が真実であると証明できれば、名誉毀損罪に問われることはありません。

「本当のことを書き込んだだけなのに訴えられるのは納得できない」と思われる場合には、速やかに弁護士へ相談のうえで、有効な防御活動について検討してもらうべきでしょう。

さいごに|Googleの口コミで訴えられたら速やかに弁護士へ相談!

Googleへの口コミ投稿について、突然訴えられると誰もがどう対処してよいかわからず悩んでしまうでしょう。

しかし、Googleのコメント欄への口コミが原因で訴えられたときには、できるだけ早いタイミングで弁護士へ相談するのがおすすめです。

弁護士へ相談するタイミングが早いほど、民事責任・刑事責任の両方を軽減することができるでしょう。

ベンナビITでは、インターネットをめぐる誹謗中傷・名誉毀損トラブルを得意とする弁護士を多数紹介しています。法律事務所の所在地、具体的な相談内容、初回相談無料などのサービス面からニーズに適した専門家を24時間無料で検索できるので、この機会にぜひ活用してください。

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この記事の監修者
プロスパイア法律事務所
光股 知裕 (東京弁護士会)
ITコンサルティングをおこなう企業を経営していることもあり、弁護士として法的な観点から対応をおこなうだけではなく、中長期的な視点から問題に対応する。初回のご相談は無料で夜間22時まで対応可能。
ベンナビIT(旧IT弁護士ナビ)編集部
編集部

本記事はベンナビIT(旧IT弁護士ナビ)を運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※ベンナビIT(旧IT弁護士ナビ)に掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。
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