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投稿者の特定・訴訟 弁護士監修記事 公開日:2020.3.12  更新日:2023.5.26

2ちゃん(2ch.sc)の書き込みを特定する方法|開示請求の注意事項を解説

弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤康二 弁護士
監修記事
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2ちゃんねる(2ch.sc)のような匿名掲示板では、相手から自分の顔が見えないからと悪質な誹謗中傷が投稿されるトラブルがよく見受けられます。

削除依頼や通報で対応しても、かえって嫌がらせが過激化するケースも多いです。

もし「自分だけでは誹謗中傷対策が難しい」「嫌がらせで深刻な被害が生じている」という場合は、投稿者を特定して法的措置での対応を検討したほうが良いかもしれません。

この記事では、2chの書き込み投稿者を特定する方法を解説いたします。掲示板での嫌がらせにお悩みの場合は参考にしてみてください。

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【注意】2chには5chの書き込みも混ざっている

書き込み投稿者の特定方法をお伝えする前に、重要な注意事項を1点ご紹介します。

『2ch.sc』には『5ch』の書き込みが自動的に投稿されるシステムがあるため、『2ch.sc』の書き込みは必ずしも『2ch.sc』から投稿されているとは限らないということです。

投稿者IDの最後に『.net』がついている投稿は『5ch』の書き込みがコピーされたものですので、特定手続きは『5ch』の管理会社に対して行う必要があります。

2chの書き込み

【引用】2ちゃんねる

<掲示板の管理会社>
2ch → パケットモンスター社
5ch → レースクイーン社

もし投稿者を特定したい書き込みが『5ch』からの投稿である場合は、本記事ではなく以下の記事をご参照いただければ幸いです。

【詳細】5chの書き込みを特定する方法|IP開示から慰謝料請求までの流れ

2chの書き込み投稿者を特定する方法

2chの書き込み投稿者を特定するには、2chの管理者とプロバイダ(ネット事業者)に対して、合計2回の開示請求の手続きが必要になるケースが一般的です。

  1. 2chの運営会社へIPアドレス開示請求
  2. IPアドレスから投稿者が利用したプロバイダを特定
  3. プロバイダへ契約者情報開示請求
  4. 書き込み投稿者の特定

開示請求は裁判での対応になる場合がほとんどなので、基本的には弁護士へ手続きを依頼することになるでしょう。

以下では、開示請求から書き込み投稿者特定までの主な手続きを解説いたします。

2chへのIPアドレス開示請求

IPアドレスとは、パソコンやスマホなどネット機器に振り分けられた個別番号のことです。2chには書き込みのログが記録されているので、まずは2ch管理者へIPアドレスの開示請求を行います。

2chは警察や裁判所以外からの請求には応じていないので、個人が開示を求めるには弁護士へ依頼して対応する必要があるでしょう。

また、警察や裁判所からの要請など以外に、取得した接続情報等を流用することはありません。
管理者以外にそれらの記録が知られることはないので、もちろん運営ボランティアさんたちでも見ることはできません。

【引用】2ちゃんねるガイド:基本

ただし、警察は身に危険が及ぶ恐れがあるなど、事件性が高い案件でないと捜査に積極的でないのが実情です。

警察に相談しても動いてもらえないという場合は弁護士への依頼をご検討ください。

なお、弁護士に依頼をした場合は『裁判(仮処分)』で書き込みによる権利侵害の被害を立証できれば、裁判所から2chへ命令が出されて情報を開示してもらえます。

プロバイダへの契約者情報開示請求

IPアドレス情報が特定できたら、投稿者が書き込みに利用したプロバイダが判明します。プロバイダとは、携帯3キャリア・光回線・モバイルwifiなどのネット事業者のことです。

プロバイダへの開示請求では、プロバイダ契約者の個人情報(本名・電話番号・住所など)を特定することが可能です。

ただ、プロバイダにも個人情報の守秘義務があるため、任意で開示に応じてもらえるケースはほぼありません。2chへの開示請求と同様に、裁判が必要になると考えたほうがよいでしょう。

プロバイダへの契約者情報開示請求の手続きは、2chへのIPアドレス開示請求とまとめて依頼するケースが通常なので、そのまま弁護士に一任して問題ありません。

 

なお、2022年10月27日までに改正プロバイダ責任制限法が施行されます。改正プロバイダ責任制限法では、従来2段階の裁判手続が必要だった発信者情報開示請求を、1回の非訟手続によって行うことができるようになります。これにより、被害者側の負担が軽減すると考えられるでしょう。また、ログイン時情報の発信者情報開示請求は、一定の条件はあるものの、明文で認められるようになります。

書き込みの特定にかかる期間の目安

書き込み投稿者の特定にかかる期間の目安は、4〜6ヶ月です。

IPアドレス開示請求(仮処分)

1~2ヶ月

契約者情報開示請求(裁判)

3~4ヶ月

※被害の状況や開示請求の請求先によって、書き込み投稿者の特定にかかる期間は異なります、

なお、プロバイダにIPアドレス情報が保管されている期間には期限があり、書き込みから3〜6ヶ月がおおよその目安であるといわれています。

この期間が過ぎた後では、IPアドレスから契約者情報を割り出せなくなり、書き込み投稿者を特定できなくなる恐れがあります。開示請求の手続きには可能な限り、早めに着手するようにしましょう。

開示請求にかかる弁護士費用の相場

2chの書き込み投稿者の特定にかかる弁護士費用の相場は、以下の通りです。

IPアドレス開示請求(仮処分)

着手金:約20万円
報酬金:約15万円

契約者情報開示請求(裁判)

着手金:約20〜30万円
報酬金:約15〜20万円

依頼先によって料金体系や金額は異なりますが、60〜80万円がおおよその目安だといわれています。

なお、これらの弁護士費用は損害賠償の一部として、書き込み投稿者への請求が可能です。※必ずしも全額の請求が認められるとは限りません

どんな内容の書き込みなら特定できるのか

自分が不快に感じる書き込みであれば、どんな内容でも開示請求が認められるわけではありません。

開示請求により投稿者を特定できるのは、書き込みにより以下のような権利侵害の被害が認められるケースです。

名誉毀損

公然の場で具体的な事実を挙げたうえで第三者の評判を落とす可能性のある言動をとる行為(例:あいつは不倫している、あいつは前科持ちだ)

侮辱

公然の場で具体的事実を挙げないで第三者の評判を落とす可能性のある言動をとる行為(例:吐き気がするくらいブス、裏でいじめをやってそう)

肖像権侵害

撮影や公開を許可していない肖像物を正当な理由なく公表する行為(例:隠し撮りの公開、HPやブログ写真の無断転載)

プライバシー侵害

公共の場で公開を望んでいない個人情報や私生活の情報を暴露する行為(例:本名や住所などの個人情報、出社退社の時間帯)

「ただ気分が悪くなる書き込みだから」という理由では、書き込み投稿者の特定はできないのでご注意ください。

2chの書き込み特定はまず弁護士へ相談を

書き込みの投稿者を特定するには、2chとプロバイダへの開示請求の手続きで、裁判での対応が2回必要になるケースがほとんどです。

法的根拠を示して権利侵害の被害を正しく立証できなければ、開示請求には応じてもらえません。また、書き込み投稿者を特定した後も、損害賠償請求に刑事告訴など専門的な手続きへの対応が求められます。

これらの手続きは法律の専門知識がないと個人での対応は難しいのが実情です。 何か特別な事情がない限りは、弁護士のサポートを受けるほうが得策でしょう。

IT分野に注力する弁護士へ相談することで、自分の状況に適した最善の対応をアドバイスしてもらえます。依頼はまだ検討中でも被害への対策にお悩みの場合は、法律相談だけでも受けてみてはいかがでしょうか。

2chの書き込み特定に関するQ&A

Q&A

削除依頼と開示請求はどちらから行うべき?

削除依頼と開示請求は同時進行で行うことができますが、本名や電話番号が晒されているなど、被害の影響が大きい場合は削除を優先していただいて問題ありません。

書き込みが削除された後でも2ch側にアクセスログが残っていれば、発信者情報開示請求は可能です。

ただ、専門家への相談や裁判の際に被害の事実を証明しやすいよう、インターネット魚拓や印刷、スクリーンショットなどで書き込みの証拠は残しておきましょう。

どんな状況なら警察に動いてもらえる?

「今度見かけたらボコボコしてやる」や「ネットに晒されたくなければ写真を送れ」などの脅迫を受けたり、裸の写真を晒されたりなど、緊急性が認められる状況では警察に対応してもらえる可能性が高いです。

基本的にはどの程度の被害が生じているのかによって、警察は捜査へ着手するかを検討します。

上記のような身に危険を感じる状況や、すでに現実で大きな損害を被っているという場合には、最寄りの警察署や『サイバー犯罪相談窓口』への相談をご検討ください。

まとめ

2chの書き込み投稿者を特定するには、まず2chへIPアドレス開示請求を行い、その後プロバイダへの契約者情報開示請求を行う流れが一般的です。

 

発信者情報開示請求から特定までにかかる期間は、4〜6ヶ月がおおよその目安です。

 

書き込み投稿者を特定するべきかは、書き込みによる被害状況や特定をする目的によって変わります。法律の知識がないと適切な判断をするのは難しいので、まずはIT分野を得意とする弁護士へお悩みをご相談ください。

 

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この記事の監修者
弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤康二 弁護士 (第二東京弁護士会)
アンダーソン・毛利・友常法律事務所を経て2014年8月にプラム綜合法律事務所を設立。企業法務から一般民事、刑事事件まで総合的なリーガルサービスを提供している。

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ベンナビIT(旧IT弁護士ナビ)編集部
編集部

本記事はベンナビIT(旧IT弁護士ナビ)を運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※ベンナビIT(旧IT弁護士ナビ)に掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。

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