ナスコミは、病院に勤めている看護師のリアルな口コミが投稿される転職サイトです。
ただ、愚痴や不満による嘘や誹謗中傷が書き込まれるケースもあります。特に内容が悪質な口コミだと、求人活動だけでなく集客にも影響が出る恐れもあり、病院側は早急に対処する必要があるでしょう。
この記事では、ナスコミの不適切な口コミを削除する方法をご紹介します。口コミサイトの誹謗中傷にお悩みの場合は、参考にしてみてください。
ナスコミに投稿された口コミを削除したいあなたへ
ナスコミに投稿された口コミを削除したいけど、どうすればいいかわからず悩んでいませんか?
結論からいうと、ナスコミのサイト運営側に削除依頼を出すことで口コミを削除してもらえる可能性があります。
しかし、運営側がすぐに対応してくれないケースも見られます。
もし、今すぐ口コミを削除したい場合、弁護士に相談・依頼するのをおすすめします。
弁護士に相談・依頼すると以下のようなメリットを得ることができます。
- 口コミの削除依頼の出し方を教えてもらえる
- 依頼すれば、裁判所に削除のための仮処分申し立てをしてもらえる
- 依頼すれば、発信者情報開示請求で投稿者を特定できる
- 依頼すれば、投稿者に損害賠償請求できる
ベンナビITでは、口コミ・レビュー削除を得意とする弁護士を多数掲載しています。
無料相談・電話相談など、さまざまな条件であなたのお近くの弁護士を探せるので、ぜひ利用してみてください。
ナスコミの口コミを削除する方法
ナスコミは、情報の公平性を保つため、口コミの削除を行わないのを基本姿勢としています。しかし、不適切な内容の投稿に限っては、『お問い合わせフォーム』からの通報で削除される可能性があります。
【引用】お問い合わせ | 看護師の口コミサイト 【ナスコミ】
削除依頼の記入内容
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- お問い合わせ内容:(記入例)口コミ修正希望
- ご登録のメールアドレス
- 病院名
- 口コミID(口コミがすでに掲載されている場合)
- URL(口コミがすでに掲載されている場合)
- 投稿内容
- 削除理由
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上記の内容をすべて記載し、お問い合わせフォームからご報告ください。口コミの内容がナスコミの『利用規約』に反すると判断される場合には、削除に応じてもらえるでしょう。
削除理由の記載例
削除理由は、口コミのどの箇所にどのような問題があるのか明確に記載することが重要です。特に利用規約8条3項に遵守事項が明記されています。
記載例をいくつか挙げておきますので、お問い合わせ時の参考にしてみてください。
「院長が看護師長と不倫関係にあり…」という記載は名誉毀損に該当します。削除対応をお願いいたします。
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「休日出勤を強いられ…」という記載がありますが、当院ではシフト管理を徹底しているため、そのような事柄はありえません。事実無根の虚偽ですので、削除対応をお願いいたします。
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「●●先生はミスがあるとすぐ怒鳴り、まともな指導を期待できません…」という記載は、個人氏名を公表するプライバシー侵害に該当します。削除対応をお願いいたします。
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名誉毀損でも削除されない例外
名誉毀損に該当する口コミでも、以下のすべてを満たしている場合には、公益性のある情報として判断され、削除されない可能性があります。
- 公共の利害が絡んでいる(公共性)
- 公益を図ることを目的としている(公益性)
- 真実である(真実性)
例えば、過去に医療ミスの隠蔽事件があったという情報は、多くの人の役に立つ情報と判断されて、公益性のある情報と判断されやすいでしょう。
そのため、名誉毀損でも真実の場合には、削除に応じてもらえないかもしれません。名誉毀損の詳しい概要については、以下の記事をご参照ください。
【詳細記事】事実の内容で名誉毀損が認められる理由とは?成立しない3つの条件
削除できない場合は裁判を検討する
不適切な投稿であるにも関わらず、ナスコミが削除に応じてくれない場合は、裁判(仮処分)を通じての削除命令が有効です。裁判所からの命令であれば、削除依頼が失敗した後でも削除に応じてもらえる可能性が高いでしょう。
ただし、裁判所から命令を出してもらうためには、法廷で口コミを削除するべき理由を法的根拠に基づいて主張して、それを認めてもらわなくてはいけません。
法律の専門知識や裁判の経験がないと、個人での対応は難しいのが実情です。裁判での削除依頼をする場合は、弁護士への依頼を検討されることをおすすめします。
口コミの投稿者を特定したい場合
口コミによって大きな損害が生じていたり、削除をしても口コミの投稿がくり返されたりする場合は、投稿者を特定して賠償金請求や告訴での対処も検討したほうがよいかもしれません。
ナスコミの口コミ投稿者を特定する手続きの流れは、以下の通りです。
- ナスコミへ投稿者のIPアドレスの開示請求
- 仮処分(ナスコミが開示に応じなかった場合)
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IPアドレスから投稿者のプロバイダ特定
- プロバイダへ投稿者の個人情報の開示請求
- 裁判(プロバイダが開示に応じなかった場合)
ネット上の口コミ投稿者の特定方法については、以下の記事で詳しく解説しています。詳細を確認したい場合は、こちらもあわせてご参照ください。
【詳細記事】ネット誹謗中傷の特定方法|書き込み犯人を調べる費用の相場は?
なお、2022年10月27日までに改正プロバイダ責任制限法が施行されます。改正プロバイダ責任制限法では、従来2段階の裁判手続が必要だった発信者情報開示請求を、1回の非訟手続によって行うことができるようになります。これにより、被害者側の負担が軽減すると考えられるでしょう。また、ログイン時情報の発信者情報開示請求は、一定の条件はあるものの、明文で認められるようになります。
特定にかかる期間の目安
投稿者のIPアドレスと個人情報の開示に裁判が必要になると仮定した場合、投稿者の特定にかかる期間の目安は以下の通りです。
特定にかかる期間の目安
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IPアドレス開示請求(仮処分)
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1~2ヶ月
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個人情報開示請求(裁判)
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3~6ヶ月
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なお、IPアドレスの保存期間は投稿から3ヶ月間が目安といわれています。この期間を過ぎてしまうとIPアドレスを特定できず、投稿者の身元も特定できなくなるので注意してください。
削除や特定を依頼する弁護士の選び方
『交通事故』『離婚』『相続』など、弁護士にはそれぞれ注力する分野があります。口コミ削除や特定手続きを依頼する場合には、必ずIT分野を得意とする弁護士から依頼先を検討するようにしましょう。
ネットトラブルの解決には、法律だけでなくITの知識が必要不可欠です。万が一、ネットが不得手な弁護士に依頼をしてしまった場合、適切な手続きができず依頼が失敗してしまうかもしれません。
当サイト『ベンナビIT(旧:IT弁護士ナビ)』では、ネットトラブルの解決実績が豊富な弁護士のみ掲載しています。弁護士への依頼や法律相談を検討している場合は、以下の相談先をぜひご活用ください。
ナスコミの悪評を放置するリスク
最後に、ナスコミの悪評を放置するリスクをご紹介します。
悪評を放置するリスク
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- 求人活動への悪影響
- 集客への悪影響
- ネット炎上の恐れ
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ナスコミは登録者のみ閲覧できる求人サイトですが、投稿内容が他サイトやSNSへ拡散される可能性も十分にありえます。最悪の場合、ネット上で炎上する可能性も否定できません。
求人活動だけでなく、病院の評判低下により集客に悪影響が出る恐れもあります。上記のようなリスクを回避するためにも、悪質な口コミにはすぐ対処するようにしましょう。
まとめ
ナスコミの削除依頼は、『お問い合わせフォーム』から受け付けています。口コミの内容が不適切であると判断されれば、削除に応じてもらえます。
ただし、削除に応じるかはナスコミ運営の判断しだいのため、お問い合わせで必ずしも削除されるわけではありません。万が一、お問い合わせでの削除が難しい場合は、弁護士への相談をご検討ください。