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ネット上の悪質な書き込みの削除方法と発信者へ損害賠償請求する方法
掲示板・SNS削除 誹謗中傷 名誉毀損 風評被害 2018.1.15

ネット上の悪質な書き込みの削除方法と発信者へ損害賠償請求する方法

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この記事では、ネット上の投稿によって名誉毀損やプライバシー権の侵害、犯罪歴などの自分にとって不利益になる情報を書き込まれたときの削除方法や、損害賠償請求などの対処法についてご紹介します。

 

  • ネット上に投稿された情報を削除する方法
  • 発信者に対して損害賠償請求をする方法

 

ネット上で根拠薄弱な悪評や私生活上の情報を誰かによって発信されてしまったり、かつての前科や逮捕歴などの情報がいつまでも消されずに残っていたりしたら、人知れず恥辱を受け続けたり、就職活動などで不利になったりと、社会で生きていく上でマイナス要素になり得ます。

そのような悪質な発信情報をネット上から削除するためには、発信者、投稿されたサイトの管理者へ削除依頼をしなければなりません。また損害賠償請求をしたい場合は、ケースによってはいくつかの裁判上の手続きを行わないといけません。

さて、侵害情報の削除請求と損害賠償請求はどのようにしたらいいのでしょうか??

 

ネット上の権利侵害情報削除するためには?

早速ですがネット上の悪意ある書き込みを削除する方法について確認していきましょう。

誹謗中傷など権利侵害されている情報を保存する

はじめに削除したい書き込みを見つけたら、書き込みの内容、日付を保存してください。

次にスクリーンショット機能を用いて、削除したい書き込みを画像保存して印刷するといいでしょう。またインターネット上のページをそのまま保存する「魚拓」サービスがありますので、これを活用しましょう。

侵害された法的権利を確認する

プロバイダ責任制限法では、書き込みによって被害を受けた人が、書き込みを削除依頼するための「送信防止措置請求権」が認められています。この送信防止措置請求権が認められるのは、書き込みの内容が削除依頼をする人の権利が法的に侵害している場合のみです。

そのため、削除するためには、その情報がどの権利を侵害しているのかを確かめなければなりません。ネット上の権利侵害には、名誉毀損、肖像権侵害、プライバシー侵害などがあげられます。

名誉毀損

名誉毀損とは、公然の場で事実を摘示して第三者の評価を落とす言動を指します。ネット上で、「○○社の○○さんは不倫している」の書き込みをすることは名誉毀損に該当します。この場合、実際に不倫があってもなくても名誉毀損は成立します。

第二百三十条

第一項:公然と事実を摘示し、人の名誉を毀損した者は、その事実の有無にかかわらず、三年以下の懲役若しくは禁錮又は五十万円以下の罰金に処する。

第二項:死者の名誉を毀損した者は、虚偽の事実を摘示することによってした場合でなければ、罰しない。

引用:「刑法第二百三十条

【関連】

▶「誹謗中傷によって名誉毀損が成立する要件と対処方法のまとめ

▶「名誉毀損による慰謝料の請求方法と相場と弁護士に依頼した場合の費用

▶「名誉毀損罪は真実にも関わらず成立する理由と訴えるための事前知識

▶「名誉棄損をされたときの民事と刑事の対応と名誉棄損に関する判例の紹介

肖像権侵害

肖像権とは自身の肖像(容姿、姿態)をみだりに公表されない権利です。例えば、貴方の顔写真が名前とともにネット上に公表されている場合、肖像権侵害となる可能性があります。

プライバシー権の侵害

プライバシー権とは、私生活上の事実をみだりに公開されない権利です。通常は公開されない本人の私的な情報を公表する行為がプライバシー健の侵害行為となります。例えば「○○さんの家は○○(地名)にある」とネット上に書き込みすることが当たります。

発信者へ削除依頼をする

SNSやアメブロ、無料ブログなど、メッセージ機能のあるサイトで誹謗中傷を受けた方は、メッセージ機能を用いて投稿へ直接、削除依頼をしましょう。依頼する際には、「弁護士・警察への相談や法的手段も検討している」と文面に付け加えるとより効果的です。

サービス運営会社やプロバイダに削除依頼書を郵送する

もし発信者が削除に応じない場合は、投稿が行われたサイトを運営している会社や経由プロバイダに対して削除依頼をしましょう。(経由プロバイダというのはインターネットの接続業者のことを指します。)問い合わせフォームから削除依頼の問い合わせをすると、サイトから「送信防止措置依頼書」が郵送されます。

送信防止措置依頼書には、削除をしたい書き込みがどのような権利侵害をしているのかを記述した上で、返送してください。返送後は、サイトの管理者から発信者へ削除依頼に応じるのかどうかの確認が行われますが、7日以内に返答がなければ書き込みは削除されます。

もし発信者から同意が得られない場合、サイトの管理者の判断で書き込みの内容が削除されるかどうかが決まります。

サイト内に問い合わせ欄が設けられていない場合

サイトによっては問い合わせフォームが設けられていない場合もありますが、「whoisドメイン調査ツール」へサイトのURLを入力することで、運営元の問い合わせ先がわかることがあります。問い合わせフォームが分からない場合、送信防止措置の書類を個人で用意する必要がありますが、「名誉毀損・プライバシー関係送信防止措置手続」からダウンロードしてください。

管理会社やプロバイダが申出に応じない場合

サイトの管理会社から削除依頼の申出に応じてもらえなかった場合、裁判所に削除依頼の仮処分の申立をしましょう。

 【関連】ネットの書き込みには削除の仮処分を!仮処分が認められる要件と流れ

前科・犯罪歴の情報をネットから削除するためには

続いて前科・犯罪歴の情報をネット上から削除する方法について紹介していきます。一見、犯罪歴をネット上で報道することは、プライバシー権、名誉権を侵害しているように思えるでしょう。

しかし、報道は犯罪行為を抑制する効果がある上、表現の自由、国民の知る権利が優先されるため、罪を犯した人の年齢が満20歳を超えている場合、判例では実名報道することに違法性はないとしていることが一般的です。

また、不起訴であれ逮捕されただけで実名報道されます。

第二十一条  集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。

第二項 検閲は、これをしてはならない。通信の秘密は、これを侵してはならない。

引用:憲法第二十一条

しかし、名前だけでなく住所、年齢も報道されるため、就職や結婚などに大きな支障ができるでしょう。現在の生活状況、事件の性質、社会への影響、実名報道の必要性などを総合的に評価した上で、前科情報の掲載が不法行為とみなされた場合、前科・逮捕歴の削除依頼が認められることがあります。

この点については、近年、最高裁判所が初の判断を下しており、以下の通り判示しています。

「検索事業者が,ある者に関する条件による検索の求めに応じ,その者のプライバシーに属する事実を含む記事等が掲載されたウェブサイトのURL等情報を検索結果の一部として提供する行為が違法となるか否かは,当該事実の性質及び内容,当該URL等情報が提供されることによってその者のプライバシーに属する事実が伝達される範囲とその者が被る具体的被害の程度,その者の社会的地位や影響力,上記記事等の目的や意義,上記記事等が掲載された時の社会的状況とその後の変化,上記記事等において当該事実を記載する必要性など,当該事実を公表されない法的利益と当該URL等情報を検索結果として提供する理由に関する諸事情を比較衡量して判断すべきもので,その結果,当該事実を公表されない法的利益が優越することが明らかな場合には,検索事業者に対し,当該URL等情報を検索結果から削除することを求めることができる」

引用:「投稿記事削除仮処分決定認可決定に対する抗告審の取消決定に対する許可抗告事件|裁判所

すなわち、最高裁は、プライバシー情報が公表されない利益が、公表する利益を明らかに優越する場合に限り、ネット上の記事削除が相当とされることになります。

そして、前科・逮捕歴は社会の重大な関心事でもありますので、その削除が認められるハードルは相当高いといえるでしょう。この場合は、以下のような考慮要素を検討することになります。

削除が認められるかどうかの判断材料

刑の執行を終えているかどうか

まず、刑の執行を終えていると削除依頼が適用されやすくなります。

事件からどの程度の期間が経過しているか

事件から一定の年月が過ぎていることも、削除依頼が認められやすくなるための条件です。

社会復帰を果たしているか

社会復帰している方は、更生の利益(社会復帰の支障をきたさないために保障された利益)を守るために削除の必要性は高まります。

公表されることにより具体的被害があるか否か

「報道が原因で仕事をクビになった」、「犯罪歴が知れ渡ったためにお店に客が来なくなった」など具体的な被害が生じていれば削除の必要性は高まります。

逮捕されたが不起訴だった場合

無罪または軽い犯罪であったなど起訴されなかった場合は、掲載の必要性が弱まります。

情報がどこまで拡散したのかを確かめる

逮捕・犯罪歴をネット上から削除したい方は、どこまで情報が拡散されているのかを調査してください。SNSやインターネット掲示板などにより、ネット上のあらゆるところまで情報が拡散されているかもしれないからです。情報がどこまで拡散しているのかを調査するためには、専門家がITツールを用います。調査には専門性が問われるため、素人が行うのは現実的ではありません。

削除依頼請求の仮処分を申し立てる

情報が掲載されているサイトが特定できたら、情報が掲載されたサイトの管理者へ削除依頼の請求の仮処分の申立をします。

検索結果から削除する

広範囲まで情報が拡散されている場合、全てのサイトへ削除依頼をすることができないかもしれません。サイトの管理者がサイトを放置しているなど、サイトの管理者によって連絡が取れないことがあるからです。この場合、直接、Googleへ検索上に犯罪歴が表示されないように削除依頼をしてください。Yahooの検索はGoogleと連動しているため、Google上で削除されたらYahoo上でも削除されます。

対応に応じて貰えない場合

もし、Googleが削除依頼に応じない場合は、本社アメリカのgoogle.Incへ削除依頼の仮処分を申し立てましょう。また、逮捕・犯罪歴の削除依頼は専門性が高いので、まずは弁護士に相談することをオススメします。

ネット上の逮捕歴の削除依頼の裁判例

ここで、逮捕・犯罪歴の削除依頼をした過去の事例として、2011年の児童買春の逮捕事件に関する情報を削除するように、Googleへ裁判を申し立てた件について紹介していきます。2015年、地裁レベルでは忘れられる権利(インターネット上のプライバシーの権利)が容認されるべきとされたため、削除依頼が認められました。

しかし、同決定は高裁レベルで取り消され、最終的には最高裁によって、男性の犯罪の性質は公共の利害に関わるため削除依頼は認められないとされました。

参考:「最高裁、「グーグル」結果削除は公共性を重視 :日本経済新聞

ネットの発信者へ損害賠償請求をするために必要なこと

最後にネット上で、誹謗中傷をした発信者へ損害賠償請求をする方法について確認していきましょう。

慰謝料の額と弁護士費用を確認する

ネット上の発信者に対する損害賠償請求は、専門性が高いため弁護士に依頼することが一般的です。しかし、弁護士に依頼するかどうかは、慰謝料の額と、弁護士費用を比較した上で決めてください。慰謝料の額に比べて弁護士費用が上回ると、請求する意味がないからです。

一般的に、単なる名誉毀損の場合慰謝料の額の相場は1万円~20万円程度であり、経営活動に支障が生じているとかヌード写真が公表されたといった特段の事情がない限り高額な請求は困難です。弁護士費用の相場は、以下の表を参考にしてください。

 

着手金

報酬金

損害賠償請求

裁判外

約10万円

慰謝料の16%

裁判

約20万円

慰謝料の16%

IPアドレス開示

開示請求仮処分

約20万円

プロバイダ業者と交渉

約5万円~10万円

両方

約30万円~

慰謝料の額、弁護士費用はあくまで目安です。弁護士事務所によって費用は異なるので、まずは弁護士事務所に相談してみましょう。

サイト運営会社へIPアドレスを請求する

損害賠償請求は、相手の氏名、住所が特定されていなければできません。ネット上は匿名性が高いため、発信者を特定する必要がありますが、まずは書き込みがされたサイト運営会社へIPアドレスを請求します。もしも請求に応じて貰えない場合は、裁判所へ発信者情報開示請求の仮処分を申し立ててください。

IPアドレスから経由プロバイダを特定する

IPアドレスが入手出来たら、「IP SEACH」にてIPアドレスを入力することで経由プロバイダを特定します。特定したら発信者情報削除禁止の仮処分の申立てをして、経由プロバイダが保有している発信者の情報を消されないようにしましょう。

発信者情報の保有期間はプロバイダによって異なりますが、数ヶ月で削除される可能性があるので、発信者情報開示の仮処分や発信者情報削除禁止の仮処分が間に合わなければ、いかなる手段をもっても発信者を特定することが不可能になります。

したがって発信者情報削除禁止の仮処分が認められるまでの間、一刻も早い行動が望まれます。

経由プロバイダへ情報開示請求をする

経由プロバイダを特定できたら、経由プロバイダへ情報開示請求の仮処分の申立てをしてください。この申立ての請求内容が認められたら発信者の情報が特定されます。

発信者へ損害賠償請求をする

発信者の特定まで漕ぎ着けたら、誹謗中傷されたことを理由に示談や民事訴訟によって損害賠償請求(慰謝料請求)をすることができます。

まずは発信者に対して慰謝料の請求書を送達し、相手と慰謝料の支払に関する示談交渉をします。

話をしてくれそうになかったり、話をしてもうまくまとまらない場合には民事訴訟を起こして損害賠償請求をしましょう。

ネットの誹謗中傷削除を代行業者に依頼する時は非弁行為に注意

5ちゃんねる(旧2ch)や爆サイなどの掲示板やブログといったネット上に掲載された誹謗中傷の書き込みを削除代行業者に依頼するのは、実は非弁行為に該当するケースがあります。

非弁行為とは

非弁行為とは、弁護士法第72条に抵触する行為のことで、簡単にいうと法律行為をして報酬を貰う行為や、裁判で弁護士資格を持つ者以外の人が代理人になることはできないとしているものです

 

(非弁護士の法律事務の取扱い等の禁止)

第七十二条 弁護士又は弁護士法人でない者は、報酬を得る目的で訴訟事件、非訟事件及び審査請求、再調査の請求、再審査請求等行政庁に対する不服申立事件その他一般の法律事件に関して鑑定、代理、仲裁若しくは和解その他の法律事務を取り扱い、又はこれらの周旋をすることを業とすることができない。

引用:弁護士法第72条

ネット誹謗中傷対策・削除がなぜ非弁行為になるのか?

インターネット上の記事において、発信者の開示請求や削除申請行為は、場合によっては仮処分・訴訟といった裁判上の手続に発展するケースがあります。弁護士でない者が無償で他人を代理して発信者情報開示請求や「削除してください」というだけでは非弁行為には当たりません。しかし、このような要請を有償で行っているような場合は非弁行為になる可能性が高いでしょう。そのため、削除業者を名乗って対価を得て削除要請をしているようなケースは非弁行為となる可能性が高いです。

この場合、削除業者には「2年以下の懲役または300万円以下の罰金(弁護士法第77条)」という罰則に加えて、依頼者にも何らかの不利益が発生する可能性があると言うわけです。

削除代行業者への返金請求をする可能性が増えるかも

2017年2月20日に、インターネットに書き込まれた誹謗中傷を代行で削除しますという業者に対して、依頼者が支払った費用の返還を求めた訴訟の判決東京地裁ででたというニュースがあります。

原克也裁判長は、ウェブサイトの運営者に誹謗中傷などの削除を求めることは、弁護士法が弁護士以外が取り扱うことを禁じた「非弁行為」にあたるとして、契約が無効であると判断。業者に対して、代金約50万円を返還するよう命じた。

引用:ネット情報の削除代行は「非弁行為」に該当…原告代理人が語る判決の意義と影響

個人の情報を気軽にネット上へ公開することができる世の中ですので、こう言ったケースは今後増えてくる可能性もあります。もし削除業者に依頼する場合は、弁護士資格を持った人間が社内にいるのかどうか、事前に確認しておくことが大事になるでしょう。

まとめ

本文でもお伝えしましたが、ネット上から書き込みを削除するためには、まずは書き込みによってどのような権利が侵害されたのかを確かめる必要があります。どのような権利を侵害されたのか、またどのように削除依頼すればいいのかわからない方は、まずは弁護士に相談してみましょう。

【監修】プラム綜合法律事務所 梅澤康二弁護士

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相護士ナビ編集部

本記事はIT弁護士ナビを運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※IT弁護士ナビに掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。
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